JPS6039822B2 - 彎曲状馳締建築用板 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、断面略Ｖ字状で、その両側上端の一端に垂直
部、端緑部を、他端に垂直部、馳締緑部を夫々形成した
長尺の金属製の馳締建築用板の長手方向を、適宜な曲率
に極めて整然且つ確実に轡曲成形できる鱈曲状馳締建築
用板に関する。

近時、駅のホーム、工場等の軒先端を轡曲形成した建築
用板が種々存在している。その中で、底部の両側に傾斜
部を形成し、この夫々の上端に山状部を形成した断面略
Ｖ字状の金属製の最尺な建築用板（通称「折版」という
）の長手方向を側面からみて適宜な曲率に轡曲させる轡
曲方法、轡曲成形装置、その轡曲状建築用板等の研究、
開発等が盛んに行なわれている。これは、その建築用板
の山状部の頂部が略平坦状で、この頂部を中立藤とし（
この金属材料の伸びを考慮しない）、これより下側の傾
斜部及び底部に突条を形成し、即ち、その建築用板の長
手方向の長さをそこの断面の高さ（深さ）に応じて縮み
量を与えるプレス技術によって所望の曲率に鯵曲成形可
能であったものである。ところが、断面略Ｖ字状で、そ
の両側上端の上方に垂直部、端綾部、馳稀緑部等を形成
した馳綿建築用板は、この上部の比較的小ごな馳部の所
定形状を維持しながら費曲させることが必須であること
から（この馳部に、例えリブ等を設けて轡曲できたとし
ても、そのリブ等のため馳縦が極めて困難であったり、
雨水が侵入しやすい欠点がある）、その馳締建築用板全
体の長手方向を所望の曲率に整然且つ確実に誉曲成形で
きなかった。このため、その馳締建築用板によって屋根
賛成し、その軒先を下方に屈曲するには、別の馳締建築
用板を適宜突き合わせて、ビス止、溶着筆によって固着
しなければならず、その軒先施工が極めて面倒であるし
、高価にもなり、その馳部の存在で施工できない場合も
ある等の欠点があった。そこで、本発明は、底部の両側
より外側上方に向かう傾斜部を形成し、この上端より外
方に上面部を設け、この外端より垂直部を形成し、一方
の垂直部上端より内方に端緑部を、他方の垂直部上端よ
り外方に断面逆Ｌ字状の馳綿緑部を夫々形成し、その底
部には、上側または下側に大突条を長手方向に直交して
屈曲形成し、その傾斜部の下端より上面部の中間または
全長に亘る面に、或は傾斜部の下端より垂直部の中間ま
たは全長に亘る面に夫々に上方にゆくに従って次第に小
さくなる突条を、大突条に連続して内側または外側に長
手方向に直交して屈曲形成し、その大突条、突条を長手
方向に連続して、または適宜の間隔をおいて複数設けて
、その長手方向を適宜な曲率に轡曲したことにより、垂
直部、機縁部、馳締緑部が上方に存在しても、その馳締
建築用板の中立軸の変化に対応して適所に形成した突条
等で、その雛部（機縁部、馳締縁部）の形状を略維持し
つ）、その長手方向を、側面からみて所望の曲率に極め
て整然且つ確実に轡曲成形でき、前記の欠点を解消した
ものである。その構造を図面について説明する。

Ａは長尺の金属製の馳締建築用板であって、構造物の屋
根板または壁板として使われる。

１‘ま馳緒建築用板Ａの底部で略平坦状に形成され、こ
の底部１の両側より外側上方に向かい、且つ比較的高さ
の高い傾斜部２，２が形成されている。

この傾斜部２，２の傾斜角は約４５０乃至約７００をな
し（図面では約６０ｏ）、高さも比較的高い範囲で適宜
変えることもある。その傾斜部２，２の夫々上端より外
側に適宜の幅の上面部３，３が形成されている。この上
面部３，３は、外方に上り勾配に形成されたり（図面参
照）、或は図示しないが水平状または外方に下り勾配に
形成することもある。その上面部３，３夫々の外端より
立上がる適宜の高さの垂直部４，５が一体形成されてい
る。その一方の垂直部４は、他方の垂直部５よりは、略
板厚分だけ低くなるように形成されている。その垂直部
４の上端より内方に適宜の幅の端緑部６が形成されてい
る。この端緑部６は内方に少し下り勾配に形成されてい
るが（図面参照）、略水平状或は内方に少し上り勾配に
することもある。その垂直部５の上端より外方に、頂部
と垂下状部とからなる断面逆Ｌ字状の馳締縁部７が一体
形成されている。この馳締緑部７の外方を向く頂部は、
前記の端縁部６と略同幅で、同等勾配に形成され、その
垂下状部下端は外方に少し屈曲されることもあり（図面
参照）、この高さはその頂部の幅と略同等に形成されて
いる。その底部１、傾斜部２，２、上面部３，３、垂直
部４，５、端緑部６、馳締端部７とで形成された馳締建
築用板Ａは、一枚の最尺の金属板が、多段の上下部ロー
ル成形機により一体的に成形されており、後述の大突条
８、突条９，９が屈曲形成されていないものは直線的に
成形されている。また、その底部１と傾斜部２、傾斜部
２と上面部３、上面部３と垂直部４，５、垂直部４と端
縁部６、垂直部５と馳緒縁部７との夫々隅角部は、角形
に形成されているが（第１図、第２図、第６図乃至第１
２図参照）、場合によっては比較的４・半径の円弧状に
形成することもある（第１３図、第１４図参照）。その
馳緒建築用板Ａの底部１には、その長手方向に直交して
、上側（第６図、第７図参照）、または下側（第１１図
参照）に一定の高さ（深さ）のリブ状の大突条８が屈曲
形成されている。この大突条８の断面は、波形円弧状に
形成されたり（第２図、第５図参照）、或はその断面を
連続すると鎖刃状に形成することもある。９は突条であ
って、上方にゆくに従って次第に４・さくなるように大
突条に連続して構成されている。

この突条９の断面も、波形円弧状に形成したり（第４図
参照）、或はその断面を連続すると、鋸刃状に形成され
たりする。また、その波形円弧状の突条９を、これを設
けた傾斜部２面に直角方向からみて、その幅は上方にゆ
くに従って次第に細くなるように形成されているが（第
１図、第２図参照）、その突条９の形成で、馳縦建築用
板Ａの長手方向の長さの縮み量を上方にゆくに従って次
第に小さくする要件を備えていれば、その幅が上方にゆ
くに従って次第に広くなるように形成されることもある
。また、連続すると鋸刃状の断面となる突条９も同様で
ある。その突条９を設ける実施例は多数存在し、それを
どのように設けるかは、その馳締建築用板Ａの中立軸が
どの位置にあるか等によって、実験的に求められている
。即ち、馳部〔端緑部６、馳縦緑部７〕に垂直部４，５
を加えた高さのものに対し、傾斜部２の高さが極めて高
い場合には、その中立軸は比較的下がった位置になるし
、或は傾斜部２の高さが比較的低い場合には、中立軸が
上がった位置となり、これらを考慮し、その横幅や、材
質、板厚等によって総合的に判断されている。その突条
９を設ける第１実施例は、傾斜部２の下端より上面部３
の中間までに亘る面に突条９が設けられている（第８図
参照）。第２実施例は、傾斜部２、上面部３の全長に亘
つて設けられている（第９図参照）。第３実施例は、傾
斜部２，２下端より垂直部４，５の中間までの面に設け
られている（第１図、第２図、第６図、第７図、第１１
図、第１２図乃至第１３図参照）。第４実施例は、傾斜
部２，２、上面部３，３、垂直部４，５の全長に亘る面
に設けられている（第１０図参照）。その突条９は上方
にゆくに従って次第に小さくなるため、上面部３が平坦
状の場合には、そこの突条９の断面は同一状をなし、ま
た、何れの実施例の場合も、傾斜部２下端位置の突条９
端は底部１の大突条８に連続するように形成され、その
突条９は内側（図面参照）または外側に屈曲し、且つ長
手方向に直交して設けられている。その大突条８、突条
９，９は、直線状の馳締建築用板Ａ成形後に、プレス加
工にて成形され、その大突条８、突条９，９が屈曲形成
されて、初めてその長手方向を所望の曲率に轡曲させる
ことができる。その大突条８、突条９，９は、その馳締
建築用板Ａの長手方向に連続的に形成されたり、或は適
宜の間隔をおいて設けられている。連続的に形成される
ときでも、その直線状の馳縦建築用板Ａの端部箇所（例
えば軒先部）に適宜な曲率にした轡曲状部が形成される
し（第１図参照）、また、適宜の間隔をおいて設けると
きでも、馳緒建築用板Ａの長手方向全体に大きな曲率に
轡曲してアーチ状に形成されることもある。その底部１
が幅広の場合には、その中間に１乃至複数（第１２図に
おいて１山）の断面山形状の膨出部１０が形成されてい
る。この膨出部１０の頂部は上面部３，３が中高にして
形成されたと同様となるし、その両側の傾斜面は、前記
の傾斜部２と同等高さ、同等傾斜角を有し、その頂部及
び両側の傾斜面にも、上面部３、傾斜部２に設けた突条
９と夫々同形状の突条９′が設けられている（第１２図
参照）。またｔ図示しないが、発泡合成樹脂等の断熱材
が、その馳締建築用板Ａの裏面に貼着されることもある
。なお、その施工は、轡曲状馳続建築用板の垂直部４、
端縁部６に、隣接の轡曲状馳締建築用板の垂直部５、馳
締縁部７を上から被欧し、垂直部４と垂直部６とを、端
縁部６と馳締緑部７の頂部とを夫々当接し、その馳締緑
部７の垂下状部を内方に折曲げて、これを端縁部６裏面
に圧着して馳締結合される（第１５図参照）。

以上は轡曲した箇所の施工であるが、長手方向に水平状
の馳締建築用板Ａも前記同様に行なうものである。次に
作用効果について説明する。

特許請求の範囲第１項記載の発明においては、底部１の
両側より外側上方に向かう傾斜部２，２を形成し、この
上端より外側に上面部３，３を設け、この外端より垂直
部４，５を形成し、一方の垂直部４上端より内方に端緑
部６を、他方の垂直部５上端より外方に断面逆Ｌ字状の
馳締綾部７を夫々形成し、その底部１には、上側または
下側に大突条８を長手方向に直交して屈曲形成し、その
傾斜部２、上面部３に、この下端よりその中間または全
長に亘つて上方にゆくに従って次第に小さくなる突条９
を、大突条８に連続して内側または外側に長手方向に直
交して屈曲形成し、その大突条８、突条９を長手方向に
連続して、または適宜の間隔をおいて、複数設けたこと
により、馳部〔端緑部６、馳締緑部７〕と垂直部４，５
を加えたもの）高さ（大きさ）に対し、傾斜部２と上面
部３までの高さ（大きさ）があまり高くない場合には、
その馳綿建築用板Ａの中立軸（中立面）は上がって、上
面部３付近に位置すること）なり、この状態で、その大
突条８、突条９を形成すると、圧縮曲げ応力が大きく生
ずる底部１、煩斜部２、上面部３には、長手方向に適宜
の長さの縮み量を積極的に与えることができ、そこには
圧縮応力等を何等生じさせず、これによる歪等も発生せ
ず、これらによって中立軸より下側を整然と轡曲できる
し、また、その中立軸より上側に位置する部分〔垂直部
４，５、端綾部６、馳締縁部７等の箇所〕には、さらに
それらのみの中立軸が存在し、この中立軸の上側に引張
曲げ応力が、下側に圧縮曲げ応力が夫々発生するが、こ
の金属材料が比較的延展性に富む場合には、垂直部４，
５等に屡々鱗状の変形歪が生ずることもあるが、端緑部
６、馳締縁部７は長手方向にその断面を略維持しつ）、
長手方向を轡曲成形することができ、従ってその馳締建
築用板Ａの長手方向を、側面からみて所望の曲率に整然
且つ確実に轡曲成形することができる。

このように蜜曲成形できても、その端綾部６、馳締緑部
７は、元の形状を略維持しており、馳部として良好にで
き、馳締結合しても、雨仕舞が好適となる。また、垂直
部４，５を略平面状に形成できることで、隣接する轡曲
状馳締建築用板の対向する垂直部４，５を確実に密着で
き、極めて確実な馳締結合を望むことができる。このよ
うに所望の曲率に誉曲成形した轡曲状馳締建築用板の開
発により、従来の軒先等に別の馳緒建築用板を適宜突き
合わせて面倒な固着をしたり、或はこれができなかった
欠点を本発明によって一切解決し、施工も簡単で、極め
て安価にできる。また、特許請求の範囲第２項記載の発
明においては第１項の発明の突条９を設ける箇所を変え
、その傾斜部２，２下端より垂直部４，５の中間または
全長に亘る面に、上方にゆくに従って次第に小さくなる
突条９，９を、大笑条８に連続して内側または外側に長
手方向に直交して屈曲形成し、他は第１項発明と同様に
構成したことにより、馳部〔端縁部６、馳締綾部７〕の
高さ（大きさ）に対し、垂直部４，５と傾斜部２とを加
えた高さ（大きさ）があまり高くない（大きくない）場
合（第６図、第７図、第１０図乃至第１４図参照）、そ
の馳締建築用板Ａの中立軸は上がって、垂直部４，５の
適所に位置すること）なり、この状態で、その大突条８
、突条９を形成すると、圧縮曲げ応力が大きく生ずる底
部１、煩斜部２，２、上面部３，３、垂直部４，５には
、長手方向に適宜の長さの縮み量を積極的に与えること
ができ、そこには圧縮応力を何等生じさせず、歪等もな
く、これによって整然且つ確実に誉曲できるし、その中
立軸より上側に位置する端縁部６、馳締緑部７には、こ
れらのみの中立軸が存在し、その中立軸の上側、即ち馳
締緑部７の約上半分及び端緑部６は引張曲げ応力を受け
、中立軸の下側、即ち馳綿緑部７の約下半分は圧縮曲げ
応力を受けること）なり、その引張曲げ応力を受けた箇
所は、第１３図、第１４図の点線位から実線位に示すよ
うに最大引張曲げ応力の値が減少するように少し傾斜し
て屈曲し、その圧縮曲げ応力を受けて馳締緑部７の約下
半分は、第１３図の実線位のようにその下側が外側に少
し開くようになって最大圧縮曲げ応力の値が減少するよ
うになり、その馳部が少し変形等しても、その形状を略
維持しっ）、略整然と轡曲成形でき、これによって、馳
締建築用板Ａの長手方向を、側面からみて所望の曲率に
整然且つ確実に轡曲成形することができる。そのように
馳部が、少し変形等しても、馳締に何等の不都合も生ぜ
ず、雨水も侵入し‘こく）できる。また、垂直部４，５
までも突条９を形成したことで、垂直部４，５を強固に
でき、ひいては、轡曲状馳綿建築用板全体を強固にでき
る。そのように、所望の曲率に轡曲成形した轡曲状池締
建築用板の開発により、従来より、軒先等に別の馳締建
築用板を適宜突き合わせたりして面倒な固着をしたり、
或はこれが馳部の存在等で施工不能であったりした欠点
を本発明にて一挙に解消し、その轡曲状雛綿建築用板に
て、軒先部等の施工も簡単となるし、一層安価に施工で
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の斜視図、第２図はその本発
明の一部拡大斜視図、第３図は第２図１−１矢視の端面
図、第４図は第２図ローＤ矢視の端面図、第５図は第２
図ｍ−ｍ矢視の端面図、第６図、第７図は第１図の実施
例の縦断面図、第８図乃至第１１図は本発明の別の実施
例の縦断面図、第１２図は本発明の中間に膨出部を設け
た縦断面図、第１３図、第１４図は本発明の轡曲加工状
態を示す要部縦断面図、第１５図は本発明相互を馳締結
合した一部縦断面図である。 １・…・・底部、２・・・・・・傾斜部、３……上面部
、４，５・・・・・・垂直部、６・・・・・・端縁部、
７・・・・・・馳締緑部、８・…・・大突条、９・・・
・・・突条である。 第１図第２図 第３図 第４図 第５図 第６図 第７図 第８図 第９図 第１０図 第１１図 第１３図 第１４図 第１５図 第１２図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 底部１の両側より外側上方に向かう傾斜部２，２を
   形成し、この上端より外方に上面部３，３を設け、この
   外端より垂直部４，５を形成し、一方の垂直部４上端よ
   り内方に端縁部６を、他方の垂直部５上端より外方に断
   面逆Ｌ字状の馳締縁部７を夫々形成し、その底部１には
   、上側または下側に大突条８を長手方向に直交して屈曲
   形成し、その傾斜部２下端より上面部３の中間または全
   長に亘る面に、上方にゆくに従つて次第に小さくなる突
   条９を、大突条８に連続して内側または外側に長手方向
   に直交して屈曲形成し、その大突条８、突条９を長手方
   向に連続して、または適宜の間隔をおいて複数設けて、
   その長手方向を適宜な曲率に彎曲したことを特徴とした
   彎曲状馳締建築用板。 ２ 底部１の両側より外側上方に向かう傾斜部２，２を
   形成し、この上端より外方に上面部３，３を設け、この
   外端より垂直部４，５を形成し、一方の垂直部４上端よ
   り内方に端縁部６を、他の垂直部５上端より外方に断面
   逆Ｌ字状の馳締縁部７を夫々形成し、その底部１には、
   上側または下側に大突条８を長手方向に直交して屈曲形
   成し、その傾斜部２，２下端より垂直部４，５の中間ま
   たは全長に亘る面に、上方にゆくに従つて次第に小さく
   なる突条９，９を、大突条８に連続して内側または外側
   に長手方向に直交して屈曲形成し、その大突条８、突条
   ９を長手方向に連続して、または適宜の間隔をおいて複
   数設けて、その長手方向を適宜な曲率に彎曲したことを
   特徴とした彎曲状馳締建築用板。