JPS6038005Y2 - デイ−ゼル機関の弁腕軸支持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は吸υ［気弁及びユニットインジェクタの各弁腕
を揺動自在に支持するそれぞれの弁腕軸を同じ弁腕支え
台にて支持するディーゼル機関の弁腕軸支持装置に関す
るものである。

従来、燃料噴射装置として噴射ポンプと噴射ノズルとを
一体にしたユニットインジェクタを使用した２弁式ディ
ーゼル機関においては、そのユニットインジェクタの先
端部中心をシリンダのボアの中心位置より偏心し、かつ
傾斜して配設し、その両側に吸気弁及び排気弁を配設す
るのが一般的である。

このように、ユニットインジェクタの先端中心を偏心す
ることにより、その偏心方向の反対側のシリンダボア内
に設けられる吸排気弁の径を大きくとることができ、そ
の機関性能の向上がはかれるので、通常このような構造
が多く採用されてきている。

また、上記のごとくユニットインジェクタをシリンダ中
心から偏心させる場合、吸排気ポートから噴射ノズルを
ある程度離すことが必要であるので、そのユニットイン
ジェクタを傾斜させるのが普通であり、このことはシリ
ンダヘッドの鋳造上の理由からきているものである。

一方、上記のようなユニットインジェクタの燃料噴射及
び吸排気弁のリフトを行なうため、オーバヘッドカム式
のカム軸によりユニットインジェクタ駆動用の弁腕と吸
排気弁のリフト用の吸排気弁腕をそれぞれ同時に揺動さ
せる場合、そのカム軸の燃料カムとユニットインジェク
タ駆動用の弁腕のローラとの平行度、ならびにカム軸の
吸排気カムと吸排気弁腕のシュ一部との平行度を正確に
出す必要があり、その平行度が不正確な場合には、上記
ローラ及びシュ一部が燃料カム及び吸排気カムに片当り
し、作動不良をおこすのみならず、これら動弁装置の寿
命を短かくするという問題が発生する。

そこで、本考案は、着脱自在な各弁腕支え台に吸排気弁
腕用の吸排気弁腕軸とユニットインジェクタ用の弁腕軸
とを取り付けるにも係わらず、カム軸に設けられた吸排
気ガスと吸排気弁腕のシュ一部との平行度及び燃料カム
とユニットインジエフタ駆動用の弁腕のローラとの平行
度を容易に出し得る構造を有する弁腕軸支持装置を提供
することを目的としたものである。

すなわち、本考案は、ユニットインジェクタの両側に吸
気弁及び排気弁を配設したディーゼル機関において、吸
気弁用の吸気弁腕及び排気弁用の排気弁腕を揺動自在に
支持する吸排気弁腕軸、ならびにユニットインジェクタ
用の弁腕を揺動自在に支持する弁腕軸を同じ弁腕支え台
により支持腰且つユニットインジェクタ用の弁腕を支持
する弁腕軸により複数の弁腕支え台を連結したことを特
徴とするものである。

以下図面を参照して本考案の実施例を説明する。

まず、第１図及び第２図に示す本考案の実施例における
ディーゼル機関では、シリンダヘッド６上の弁腕室１２
内に設けたユニットインジェクタ１の先端部中心Ｕｃを
シリンダの中心Ｐｃから距離Ｅだけ偏心しており、かつ
角度θだけ傾斜して配設している。

また、上記シリンダの中心Ｐｃからの偏心方向の反対側
のユニットインジェクタ１を挾んだ両側の位置に、吸気
弁３及び図示されてない排気弁が設けられており、これ
ら吸気弁３の吸気弁腕２及び排気弁の排気弁腕は吸排気
弁腕軸４に支持されながら１本のカム軸８に設けられた
吸気カム５及び図示されていない排気カムによりそれぞ
れ揺動されるようになっている。

これら吸気弁腕２及び排気弁腕の吸排気弁腕軸４を支持
する各弁腕支え台１４は、このディーゼル機関のシリン
ダ′とシリンダとの各中間部にそれぞれ位置されており
、第３図に示すごとく、ボルト１５及びシリンダヘッド
ボルト１６によりシリンダヘッド６に対しそれぞれ強固
に固設され、更にその位置の精度を出すためにノックピ
ン１７により位置決めしている。

即ち、同じ弁腕支え台１４に吸排気弁腕軸４及びユニッ
トインジェクタ１駆動用の弁腕９の弁腕軸１０が支持さ
れている。

ここで、複数個の弁腕支え台１４は１本の弁腕軸１０で
連結されている。

上記の構成からなる本考案の弁腕軸支持装置においては
、同じ弁腕支え台１４に吸排気弁腕軸４及び弁腕軸１０
の両方を支持しており、さらに複数個の弁腕支え台１４
が１本の弁腕軸１０で同時に連結されているので、気筒
数が増え弁腕支え台１４の個数が増える程これらの各弁
腕支え台１４間の平行度のバラツキがより少くなる。

また、取り付は精度による誤差がほとんどなくなり、加
工精度による誤差のみとなる。

カム軸８の燃料カム１１とユニットインジェクタ１駆動
用の弁腕９のローラ９ａとの平行度、またはカム軸８と
弁腕軸１０との平行度、更には、カム軸８の各吸気カム
５及び各排気カムと各吸気弁腕２及び各排気弁腕の各シ
ュ一部２ａとの平行度、またはカム軸８と各吸排気弁腕
軸４との平行度が容易に得られる構造になっている。

従って、本考案の弁腕軸支持装置をオーバヘッドカム式
のディーゼル機関に適用すれば、カム軸、ユニットイン
ジェクタ駆動用弁腕軸及び吸排気弁腕軸のそれぞれの平
行度が容易に得られるので、その組付けが容易になると
いう利点がある。

また、ユニットインジェクタ駆動用弁腕のローラと燃料
カム、ならびに吸排気弁腕のシュ一部と吸排気カムとの
各接触部の平行度が保てるので、それらの部品の片当り
による摩耗が低減し、これら動弁装置の寿命を延長し、
その信頼性を増大することができる。

なお、本考案は主としてユニットインジェクタを有する
オーバヘッドカム式ディーゼル！関に対して有効に適用
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例におけるディーゼル機関の弁腕
室のユニットインジェクタ用弁腕装置の要部を示す正断
面図、第２図は第１図の吸気弁腕装置要部の正断面図、
第３図は第２図の弁腕支え台の要部を示す正断面図であ
る。 １・・・・・・ユニットインジェクタ、２・・・・・・
吸気弁腕、３・・・・・・吸気弁、４・・・吸排気弁腕
軸、９・・・・・・弁腕、１０・・・・・・弁腕軸、１
４・・・・・・弁腕支え台。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ユニットインジェクタの両側に吸気弁及び排気弁を配設
   したディーゼル機関において、吸気弁用の吸気弁腕及び
   排気弁用の排気弁腕を揺動自在に支持する吸排気弁腕軸
   、ならびにユニットインジェクタ用の弁腕を揺動自在に
   支持する弁腕軸を同じ弁腕支え台により支持し、且つユ
   ニットインジェクタ用の弁腕を支持する弁腕軸により複
   数の弁腕支え台を連結したことを特徴とするディーゼル
   機関の弁腕軸支持装置。