JPS6038006Y2 - 内燃機関の弁腕支え台装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は吸排気弁腕を吸排気弁腕軸を介して揺動自在に
支持する内燃機関の弁腕支え台装置に関するものである
。

従来、１つのシリンダに対して吸気弁及び排気弁をそれ
ぞれ１個づつ設けた２弁式の内燃機関において、それら
吸気弁及び排気弁をリフトさせるために設けられた吸気
弁腕及び排気弁腕は、通常それらの中間に弁腕支え台を
設けて、その両側に吸排気弁腕軸を突出させるように設
けている。

しかしながら、ユニットインジェクタ等の燃料噴射装置
をそのシリンダ上部に設けた場合、上記の弁腕支え台及
び吸排気弁腕軸が邪魔になったり、構造が複雑になり、
部品点数が増えたりすると言う問題がある。

そこで、本考案は、シリンダヘッド上部の弁腕室の内部
構造を簡略化させて部品点数を削減させると共に、弁腕
支え台をシリンダヘッドに強固に固設させることを目的
とするものである。

すなわち、本考案は１つのシリンダに対して吸気弁およ
び排気弁を１個づつ有する２弁型の内燃機関において、
吸気弁駆動用の吸気弁腕および排気弁駆動用の排気弁腕
を、それぞれ揺動自在に支持する弁腕支え台を、前記各
弁腕の外側で、且つ隣接するシリンダとシリンダとの中
間部に配設すると共に、前記吸気弁腕と排気弁腕との間
に設けたユニットインジェクタを固定する押え金具によ
って前記吸気弁腕および排気弁腕を位置決めするように
なしたことを特徴とするものである。

以下図面を参照して本考案の実施例を説明する。

第１図及び第２図に示す本考案の実施例におけるオーバ
ヘッドカム式のディーゼル機関においては、ユニットイ
ンジェクタ１が図示されていない１つのシリンダのほぼ
中心位置に傾斜して配設されており、その両側に第２図
に示す吸気弁１１の吸気弁腕２及び図示されていない排
気弁の排気弁腕３が配設され、これら吸気弁腕２及び排
気弁腕３をそれぞれの弁腕軸４ｃを介して揺動自在に支
持する弁腕支え台４ａ、４ｂがそのシリンダ中心から吸
気弁腕２及び排気弁腕３のそれぞれ外側、即ちシリンダ
とシリンダとの中間部に設けられており、これら弁腕支
え台４ａ、４ｂの弁腕軸４ｃにより吸気弁腕２及び排気
弁腕３がそれぞれ片持支持されている。

また、吸気弁腕２の一方の側面２ａは弁腕支え台４ａの
側面で位置決めされ、また排気弁腕３の一方の側面３ａ
は弁腕支え台４ｂの側面で位置決めされ、更に、吸気弁
腕２の他方の側面２ｂと排気弁腕３の他方の側面３ｂと
はユニットインジェクタ１の押え金具５の側面５ａ及び
５ｂでそれぞれ位置決めされながら保持されている。

なお、上記の押え金具５は押えボルト７によりシリンダ
ヘッド６側に取り付けられている。

このディーゼル機関により回転されるカム軸８の吸気カ
ム１２によりこの吸気弁腕２は揺動され、またカム軸８
に設けられた図示されていない排気カムにより排気弁腕
３は揺動されるものであるが、このカム軸８には更に図
示されていない燃料カムがあり、これにより、前記弁腕
支え台４ａ、４ｂに貫設された弁腕軸１０に揺動自在に
支持されたユニットインジェクタ１駆動用の燃料弁腕９
が揺動され、その結果ユニットインジェクタ１から燃料
を噴射するようになっている。

更に本考案では、ディーゼル機関のシリンダとシリンダ
との各中間部にそれぞれ位置した弁腕支え台４ａ及び４
ｂを第３図に示すごとく、ボルト１５によりシリンダヘ
ッド６に対し固設しているが、更に、シリンダヘッド６
をシリンダに締付けるシリンダヘッドボルト１６により
この弁腕支え台４ａ（及び図示されていない４ｂ）をそ
れぞれ共締めにより強固に固設し、更に、その位置の精
度を出すためにノックピン１７により位置決めしている
。

上記のように、本考案は吸気弁駆動用の吸気弁腕および
排気弁駆動用の排気弁腕を、それぞれ揺動自在に支持す
る弁腕支え台を、前記各弁腕の外側で、且つ隣接するシ
リンダとシリンダとの中間部に配設しているので、前記
弁腕支え台をボルトによってシリンダヘッドに強固に共
締めできる。

また、弁腕支え台をシリンダヘッドに強固に共締め出来
ることによりボルト数を必要最小限に削減できる利点が
ある。

また、本考案は吸気弁腕と排気弁腕との間に設けたユニ
ットインジェクタを固定する押え金具によって前記吸気
弁腕および排気弁腕を位置決めするので、弁腕を保持す
るために専用の固定部材が不要になり、部品点数を削減
できる利点がある。

また、上記シリンダヘッドボルトの頭部は弁腕支え台の
上部に位置するので、そのシリンダヘッドボルトの増し
締めが容易になり、更にシリンダヘッドボルトにより弁
腕支え台を共締めすると、弁腕支え台とシリンダヘッド
との間の当り面積が広くとれるので、例えばシリンダヘ
ッドにアルミ等の軟かい材料を使用した場合には、その
面圧が下がり、緩みが少なくなるという利点もある。

なお、本考案は主としてユニットインジェクタ等を有す
るオーバヘッドカム式ディーゼル機関等に有効に適用す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例におけるディーゼル機関の吸排
気弁腕装置要部の平面図、第２図は第１図の吸気弁腕及
びその弁腕支え台の要部を示す一部断面の正面図、第３
図は第２図の弁腕支え台の要部を示す正断面図である。 ２・・・吸気弁腕、３・・・・・・排気弁腕、４ａ、４
ｂ・・・・・・弁腕支え台、４ｃ・・・・・・弁腕軸、
６・・・・・・シリンダヘッド、１１・・・・・・吸気
弁、１５・・・・・・ボルト、１６・・・・・・シリン
ダヘッドボルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. １つのシリンダに対して吸気弁および排気弁を１個づつ
   有する２弁型の内燃機関において、吸気弁駆動用の吸気
   弁腕および排気弁駆動用の排気弁腕を、それぞれ揺動自
   在に支持する弁腕支え台を、前記各弁腕の外側で、且つ
   隣接するシリンダとシリンダとの中間部に配設すると共
   に、前記吸気弁腕と排気弁腕との間に設けたユニットイ
   ンジェクタを固定する押え金具によって前記吸気弁腕お
   よび排気弁腕を位置決めするようになしたことを特徴と
   する内燃機関の弁腕支え台装置。