JPS6038004Y2 - デイ−ゼル機関のオ−バヘツドカム軸装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は吸排気弁及びユニットインジェクタの各弁腕を
揺動する吸排気弁カム及び燃料カムを１本のカム軸上に
設けたディーゼル機関のオーバヘッドカム軸装置に関す
るものである。

燃料噴射装置として噴射ポンプと噴射ノズルとを一体に
したユニットインジェクタを使用したディーゼル機関に
おいては、そのユニットインジェクタの先端部中心をシ
リンダのボアの中心位置より偏心し、かつ傾斜して配設
し、その両側に吸気弁及び排気弁を配設することが考え
られる。

その場合このように、ユニットインジェクタの先端中心
を偏心することにより、その偏心方向の反対側のシリン
ダボア内に設けられる吸排気弁の径を大きくとることが
でき、その機関性能の向上がはかれる。

一方、上記のようなユニットインジェクタの燃料噴射及
び吸排気弁のリフトを行なうためのオーバヘッドカム軸
装置においては、そのカム軸を駆動するためのギヤ、ま
たはタイミングベルトプーリ等の駆動系を含め、そのデ
ィーゼル機関の全高及び全幅が大きくなるという欠点が
あった。

そこで本考案は、ユニットインジェクタ及ヒ吸排気弁と
それらを作動させるオーバヘッドカム軸との距離を短か
くして、それらを連結する各弁腕を小さくシ（動弁系部
品はその慣性質量を小さくする事がその動特性を良くす
るのにまず肝要）さらにその応力を低減させると同時に
、そのディーゼル機関のコンパクト化を図ると共に、カ
ム軸を駆動するためのギヤ、およびタイミングベルトプ
ーリ等の駆動系を含め、そのディーゼル機関の全高およ
び全幅を縮小することを目的としてなされるものである
。

すなわち、本考案は、ユニットインジェクタをその先端
部がシリンダの中心から偏心すると共に、偏心側に傾斜
させて配設したディーゼル機関において、前記ユニット
インジェクタを挾んで、その一方の側に設けた吸気弁用
の吸気弁腕、他の一方の側に設けた排気弁用の排気弁腕
を、それぞれ揺動する吸気カム及び排気カム、ならびに
ユニットインジェクタ駆動用の弁腕を揺動する燃料カム
を設けた１本のカム軸を、シリンダの中心に対してユニ
ットインジェクタ側で、且つ傾斜したユニットインジェ
クタの下側に配設したことを特徴とするものである。

以下図面を参照して本考案の実施例を説明する。

まず、第１図及び第２図に示す本考案の実施例における
ディーゼル機関では、シリンダヘッド６上の弁腕室１２
内に設けたユニットインジェクタ１の先端部中心Ｕ。

をシリンダの中心Ｐ。から距離Ｅだけ偏心しており、か
つ角度θだけ傾斜して配設している。

また、上記シリンダの中心Ｐ。

からの偏心方向の反対側のユニットインジェクタ１を挾
んだ両側の位置に、吸気弁３及び図示されてない排気弁
が設けられており、これら吸気弁３の吸気弁腕２及び排
気弁の排気弁腕は吸排気弁腕軸４に支持されながら１本
のカム軸８に設けられた吸気カム５及び図示されていな
い排気カムによりそれぞれ揺動されるようになっている
。

なお、これら吸気弁腕２及び排気弁腕の吸排気弁腕軸４
を支持する各弁腕支え台１４は、このディーゼル機関の
シリンダとシリンダとの中間部に設けられている。

次に、ユニットインジェクタ１の弁腕９は弁腕軸１０に
支持されながら上記カム軸８の同軸上に設けられた燃料
カム１１により揺動されるようになっている。

そこで、上記カム軸８はシリンダの中心Ｐ。

からユニットインジェクタ１側の低部位置に配設され、
その同軸上に設けられた吸気カム５、排気カム及び燃料
カム１１により吸気弁３及び排気弁をリフトさせると共
に、ユニットインジェクタ１から燃料を噴射させるよう
になっている。

上記の構成からなる本考案のディーゼル機関のオーバヘ
ッドカム軸装置では、シリンダの中心Ｐ。

に対してユニットインジェクタ１側の下側にカム軸８を
位置しているので、カム軸８とユニットインジェクタ１
との距離及びカム軸８と吸気弁３（または排気弁）との
距離を比較的短かくすることができ、シリンダヘッド６
上に設けた弁腕室１２をコンパクトに形成できる。

さらにカム軸８の位置はシリンダヘッド６のほぼ最下部
にあり、通常このカム軸を駆動するためその端部に設け
るギヤ、又はタイミングベルトプーリ３０等がこのコン
パクトに形成された弁腕室１２よりも上方に出ないよう
に設計でき、機関全高を大幅に低減できる。

又、本考案ではカム軸８の位置が低いので、そのカム軸
８をシリンダの中心Ｐ。

に近づけることができ、弁腕室１２の幅も狭くできる。

従って、本考案のオーバヘッドカム軸装置を適用したデ
ィーゼル機関では、その全高及び全幅を小さくできると
いう効果がある。

また、カム軸を駆動するためのギヤまたはタイミングベ
ルトプーリ等の駆動部を低くでき、かつシリンダの中心
に近づけることになるので、そのディーゼル機関のコン
パクト化がはかれるという利点がある。

なお、本考案は主としてユニットインジェクタを有する
オーバヘッドカム式ディーゼル機関に対して有効に適用
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例におけるディーゼル機関の弁腕
室のユニットインジェクタ用弁腕装置の要部を示す正断
面図、第２図は第１図の吸気弁腕装置の要部を示す正断
面図である。 １・・・・・・ユニットインジェクタ、２・・・・・・
吸気弁腕、３・・・・・・吸気弁、５・・・吸気カム、
訃・・・・・カム軸、１１・・・・・・燃料カム、Ｐｃ
・・・・・・シリンダの中心、Ｕｏ・・・・・・先端部
の中心。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ユニットインジェクタをその先端部がシリンダの中心か
   ら偏心すると共に、偏心側に傾斜させて配設したディー
   ゼル機関において、前記ユニットインジェクタを挾んで
   、この一方の側に設けた吸気弁用の吸気弁腕、他の一方
   の側に設けた排気弁用の排気弁腕を、それぞれ揺動する
   吸気カム及び排気カム、ならびにユニットインジェクタ
   駆動用の弁腕を揺動する燃料カムを設けた１本のカム軸
   を、シリンダの中心に対してユニットインジェクタ側で
   、且つ傾斜したユニットインジェクタの下側に配設した
   ことを特徴とするディーゼル機関のオーバーへラドカム
   軸装置。