JPS603560Y2 - ピン付ボビン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、インダクタンス素子を構成するピン付ボビ
ンに係り、殊に一組のポットコア内にコイルを巻回する
ピン付ボビンに関し、上記ポットコアを締着金具で締付
一体化することを目的としたピン付ボビンに関する。

一般にインダクタンス素子に使用されるピン付ボビンは
、ボビンのつば部分に駒を形成し、この駒の部分に端子
としてのピンを植設した樹皮である。

第１図及び第２図に一般的なピン付ボビンを示す。

図においてピン付ボビン１の下つば２には両側に駒３が
形成され、それらの駒３に夫々端子となるピン４が植設
される。

また駒３の底面には、駒３と取付基板とが密着しないよ
うにしてピン４への引出線のからげ部分を保護するため
の突起５が形成される。

ところで、上記の如きピン付ボビン１とポットコアとを
組合わせてインダクタンス素子を構成スる場合、ポット
コアを締付一体化するための締着金具をピン付ボビンと
は相互に無関係であるため、締着金具がポットコアから
外れたすせず、また基板へのインダクタンス素子の位置
決めが容易な構造を採る必要がある。

しかしながら締着金具の形状、構造が複雑であり、コス
ト高となっている。

また、高電圧が加わる高圧トランス等として使用する場
合、ピン付ボビン１のつば２の内面（巻線が巻回される
面）は平担面となっているから、引出線を巻線より引出
す場合の絶縁や、高圧の加わるピン４とポットコアとの
間の絶縁が問題となっている。

この考案は、上述した問題点を改善するためになされた
ものであり、ピン付ボビン、ポットコア及び締着金具の
３者の位置決めが容易で、組立作業性の改善を図ること
ができ、しかも絶縁性能を向上させることが可能なイン
ダクタンス素子におけるピン付ボビンを提供するもので
ある。

以下、この考案によるピン付ボビンの実施例を第３図な
いし第４図を参照して具体的に説明する。

図において、ピン付ボビン１０の上つば１１には垂直か
つ外向きに係合部１２が形成されると共に上記上つば１
１は係合部１２に内側まで延長して、幅の狭い扇形の切
欠部Ａが対称に形成されている。

又ピン付ボビン１０の下つば１３には、段差１４が形成
され、これにより下つば１３の内面の一部は一段低い段
差面１５となっている。

上記段差面１５には駒１６が形成され、この駒１６に端
子となる所定数のピン１７が植設される。

又、上記駒１６の角部の１つには１番端子を表示するた
めの切欠表示１９が形成される。

一対のポットコア２０Ａ、２０Ｂは、ディスク部２１と
その周縁に一体に形成される外殻部２２と、ディスク部
２１の中心部に一体に形成される円柱状のスラグ２３と
から構成され、前記ピン付ボビン１０の係参部１２及び
駒１６は前記ポットコア２ＯＡ、２０Ｂのディスク部２
１と係合可能なように形成される。

上記一対のポットコア２０Ａ、２０Ｂをピン付ボビン１
０に装着して締付一体化するための締着金具３０は、弾
性曲面を有する上面３１及び両側面３２とでコ字状をな
し、両側面３２の下端には取付脚３３が一体に形成され
、この取付脚３３の基部には内側に折曲げられた係上部
３４が形成される。

以上のように形成されたインダクタンス素子を構成する
各部品の組立は、まず、コイル（図示せず）を巻回した
ピン付ボビン１０に、一対のポットコア２０Ａ、２０Ｂ
のディスク部２１がボビン１０の係合部１２及び駒１６
と係合するように、上、下方向より夫々ポットコア２０
Ａ、２０Ｂを嵌め込み、さらに締着金具３０の上面３１
が前記ピン付ボビン１０の係合部１２に係合するように
上記締着金具３０をポットコア２０Ａ、２０Ｂの周囲に
装着して、ポットコア２０Ａ、２０Ｂをピン付ボビン１
０に締付一体化することにより行なわれる。

上記実施例によるピン付ボビンを用いたインダクタンス
素子は次のような効果を奏する。

（１） ピン付ボビン１０に係合部１２を一対のポッ
トコア２０Ａ、２０Ｂ及び締着金具３０と係合可能なよ
うに形成したので、ポットコア２０Ａ、２０Ｂ、締着金
具３０の位置決めが容易であり、組立作業性を向上させ
ることが可能である。

（２）ピン付ボビン１０の下つば１３に段差面１５を形
成したので、コイルの引出線の引出し、及び絶縁を容易
にすることができる。

この結果、高圧が加わる高圧トランス等に用いても、コ
イルの引出線部分における短絡事故の発生を防止するこ
とができる。

以上詳細に説明したように、この考案によればピン付ボ
ビン、ポットコア及び締着金具の３者の位置決めが容易
で、組立作業性の改善が可能で、しかも絶縁性能を向上
させることができるインダクタンス素子のピン付ボビン
を得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のインダクタンス素子に用いうしている一
般的なピン付ボビンの斜視図、第２図は同底面図、第３
図はこの考案に係るインダクタンス素子の分解斜視図、
第４図はこの考案に係るピン付ボビンを使用したインダ
クタンス素子の実施例を示す斜視図である。 １０・・・・・ピン付ボビン、１１・・・・・・上つば
、１２・・・・・・係合部、１３・・・・・・下つば、
１４・・・・・・段差、１５・・・・・・段差面、１６
・・・・・・駒、１７・・・・・ピン、２０Ａ、２０Ｂ
・・・・・・ポットコア、３０・・・・・・締着金具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. １対のポットコア内にコイルを巻回したピン付ボビンを
   設け、上記ポットコアを締着金具で締付一体化してなる
   インダクタンス素子において、上記ピン付ボビンの上つ
   ばに１対のポットコア及び締着金具と係合する保合部を
   垂直かつ外向きに形成すると共に下つばには段差を形成
   し、上記下つば内面の段差面に所定数の駒を形成し、上
   記駒に端子となるピンを植設してなることを特徴とする
   ピン付ボビン。