JPH0230873Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は回路基板装着用電源トランスへのシー
ルドケース取付構造に関する。

〔従来の技術〕

一般に、回路基板に装着する電源トランスは、
ピン端子付巻枠に所要の巻線を巻回すると共に、
コアを装着して成る。ピン端子付巻枠は、筒状の
巻芯の上下両端にそれぞれ鍔を有し、特に下側の
鍔はコアを支持できるように大きめにしてあり、
しかも複数本のピン端子を植設してある。コア
は、Ｅ形コアとＩ形コアあるいはコ字形コアとＩ
形コアとを閉磁路をつくるように組み合わせ、コ
アの一部を前記筒状の巻芯に挿通するようにして
いる。

ところで、この種の電源トランスは、負荷回路
から電磁的な干渉を受け、逆に負荷回路に電磁的
に影響を及ぼす。このような電磁的な影響を無く
すために、電源トランスの一部にシールド帯体を
巻き付けたり、回路基板に装着した電源トランス
に箱形のシールドケースをかぶせ、このシールド
ケースを基板にねじなどで固定したりしている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上述したシールド帯体の巻回だ
けでは十分なシールド効果は得られず、例えば近
接配置されたデイスプレイ用陰極線管に影響を与
えるという問題がある。また、箱形のシールドケ
ースを用いる場合は、ねじなどの副資材を要し、
取付作業が面倒であるという問題がある。

この考案の目的は、ピン端子付巻枠を用いた電
源トランスにおいて、副資材を使用せずに簡単に
着脱できるシールドケースの取付構造を提供する
ことである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、絶縁性の筒状巻芯にコア支持及びピ
ン端子植設用の絶縁性の鍔を設けた巻枠に、巻線
を巻回すると共に、コアを装着して成るトランス
において、前記鍔の端縁部に該トランスのシール
ドケースを嵌合できるようにし、しかも該鍔の端
縁部には複数の突起を、前記シールドケースには
前記突起に対応する位置に該突起の嵌入可能な穴
を設けることにより、該シールドケースを着脱自
在としたことを特徴とする。

〔実施例〕

第１図は本考案による第１の実施例を示す。巻
線２（一点鎖線で示す）を施した巻枠にＥ形コア
３ａとＩ形３ｂ（いずれも二点鎖線で示す）を縦
置き（Ｅ形コア３ａの３本の脚部のうち中央の脚
部が巻枠１の筒状巻芯１１を貫くように装着す
る）に組み付けたトランスにシールドケース４が
取り付けられる。

巻枠１は、筒状巻芯１１の上下両端にそれぞ
れ、鍔１２，１３が設けられて成る。特に、下側
の鍔１３は上側に比べて肉厚、張出し面積が大き
く、２組の対向辺縁のうち一方の対向辺縁及び鍔
１３の下面にはＥ形コア３ａの一部の嵌合可能な
溝１４が形成されている。また、鍔１３の他方の
対向辺縁にはそれぞれ、入力側、出力側の巻線２
の始端及び終端を下方に導出するための複数の溝
１５が形成されている。鍔１３の下面には溝１５
寄りにピン端子５が複数本植設されている。鍔１
３の下面には、更に、溝１４の縁部に２個（合計
４個）の脚部１６が設けられている。この脚部１
６は、トランスを基板に実装するに際して、鍔１
３の下面と基板とが接するまでピン端子５を基板
の穴に挿入すると、ピン端子５の根元にからげて
半田付けされている巻線２が外れてしまうおそれ
があることを考慮して設けられるものである。

本実施例ではこの脚部１６を利用しており、脚
部１６に鍔１３の側端面より外方に突出するよう
に突起１７を設けている。

シールドケース４は箱形であり、その開口縁近
くの突起１７に対応する位置に穴４１が形成され
ている。

このような巻枠１とシールドケース４であるか
ら、シールドケース４をトランスに上方からかぶ
せて突起１７を穴４１に嵌入させるだけで簡単に
シールドケース４をトランスに取り付けできる。
シールドケース４の取付けは、トランスを回路基
板に装着する前後のどちらでもよい。

第２図はこの考案の他の実施例を示す。この実
施例は巻枠１′の形状が第１図のものと異なる。
すなわち、巻枠１′は筒状巻芯１１′の１つの側壁
に鍔１３′を設けている。鍔１３′の形状は鍔１３
（第１図）とほぼ同じである。また、筒状巻芯１
１′の両端にはそれぞれ、鍔１２′，１２′が設け
られている。１４′はＥ形コア３ａ，Ｉ形コア３
ｂの一部を嵌合するための溝である。この巻枠で
は、筒状巻芯１１′に入力用、出力用巻線２を施
した後、Ｅ形コア３ａとＩ形コア３ｂとを横置き
に装置するようにしている。脚部１６、突起１７
の設置箇所、形状は第１図の実施例と同じであ
る。

したがつて、この例でも第１の実施例の場合と
同様にトランスにシールドケース４を簡単に取り
付けできる。

〔考案の効果〕

以上説明したようにこの考案によれば、底板、
ねじなどの副資材を使用せずにシールドケースを
簡単にトランスに取り付けでき、安価な基板装着
用電源トランスを得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの本考案による一実施例を示す分解
斜視図、第２図は同じく他の実施例を示す分解斜
視図である。 １，１′……巻枠、１１，１１′……筒状巻芯、
１２，１２′，１３，１３′……鍔、１６……脚
部、１７……突起、２……巻線、４……シールド
ケース、５……ピン端子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 絶縁性の筒状巻芯にコア支持及びピン端子植設
   用の絶縁性の鍔を設けた巻枠に、巻線を巻回する
   と共に、コアを装着して成るトランスにおいて、
   前記鍔の端縁部に該トランスのシールドケースを
   嵌合できるようにし、しかも該鍔の端縁部には複
   数の突起を、前記シールドケースには前記突起に
   対応する位置に該突起の嵌入可能な穴を設けるこ
   とにより、該シールドケースを着脱自在としたこ
   とを特徴とするシールドケース取付構造。