JP4868559B2 - 防磁型薄型トランス - Google Patents
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Description
【発明の属する利用分野】
本発明はスイッチング電源装置等に用いられるトランスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の小型化、軽量化に伴ってこれらに使用されるトランスやコイルについても小型化、薄型化、低背化することが要求されている。
【0003】
【解決しようとする課題】
従来のトランスは例えば図1のように、上下に鍔のあるドラムコアと、前記ドラムコアの巻軸部に同心状に巻回した1次巻線と2次巻線と、ドラムコアを取付固定するベースとドラムコアの外周に装着されたリングコアとで構成されており、ベースには1次巻線および2次巻線を接続する端子が設けられている。
−はドラムコアの上鍔とリングコアの上端部とで形成したギャップである。
上記構成のトランスにおいては、上方のギャップ部分から外部に磁束が漏れ易く、周囲の電子部品が磁気的障害を受ける可能性が大きい。
この漏れ磁束を低減させるためトランスの上面にシールド用のシートを被せることが行われているがシールド用シートを被せるとトランスの電気的特性が変化してしまうという問題が発生する。
【0004】
上記に対して図1と同一部分に同一符号を付した図2のトランスは1次巻線と2次巻線を巻回したドラムコアに有底筒状のキャップコアを被せ、ギャップをドラムコアの下鍔とキャップコアの開口部の内周との間に形成したので外部への漏れ磁束は低減できるもののトランス全体の高さがキャップコアの上面の厚さtだけ高くなってしまい低背化に逆行するという問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記従来のトランスが持っている問題点を解決するために為されたもので、その目的は、外部への漏れ磁束を低減するとともにトランス全体の高さ(厚さ)を薄くすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の薄型トランスは、開口面に突出した中央脚部と外周枠部との間に凹状の巻線収納部を形成した皿状コアと、予め巻線されて前記皿状コアの巻線収納部に同心状に装着された扁平の1次巻線及び2次巻線と、皿状コアの中央脚部の上面を覆う板状コアから形成する閉磁路防磁型薄型トランスにおいて、
前記皿状コアの前記外周枠部の対向する2辺に形成した段凹部に前記板状コアを嵌合し、前記板状コアは前記外周枠部と2つのベースにより挟持されると共に前記皿状コアの前記開口面を塞いで2つのベースと面一に取り付けられ、前記皿状コアの前記外周枠部に孔または段部を形成すると共に前記2つのベースに前記孔または段部に対応する段部または孔を形成することにより係合部を設け、該係合部によって前記2つのベースと前記皿状コアの前記外周枠部が位置決めされると共に、前記2つのベースは前記1次巻線及び2次巻線を接続する面実装の端子が設けられていることを特徴としており、このことから、皿状コアの開口面は板状コアとベースによって密閉されているので外部への漏れ磁束を低減させることができる。更に、板状コアは皿状コアの中央脚部の上面部分を覆うだけの大きさであればよいので全体の製造コストを安くすることができる。又、板状コアについて、皿状コアの外周枠部と嵌め合うように結合しているので、確実に板状コアを固定することができる。更に、板状コアは外周枠部と2つのベースから挟持するように形成され、しかも、板状コアと2つのベースは係合部によって、結合されている。端子はベースに面実装したため、小型化ができる。従って、このような構成によって、確実に形成され、しかもトランスの小型化の実現ができ、トランスの外部に漏れ磁束を低減すると共にトランス全体の高さ(厚さ)を薄くすることができるという顕著な効果を有する。
【0010】
【実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図3乃至図5を用いて説明する。
本発明の防磁型薄型トランスは、皿状コア1、板状コア7、2つのベース8、1次巻線12、2次巻線13とを備えており、皿状コア1と板状コア7は絶縁性のあるフェライトコア、例えば、ニッケル系のフェライトコアで形成されており、また、皿状コア1は開口面に突出した中央脚部2と外周枠部3との間に凹状の巻線収納部4が形成され、巻線収納部4には自己融着絶縁電線によって予め扁平状に巻線された1次巻線12と2次巻線13が同心状に装着されるようにしてある。
5は皿状コア1の外周枠部3の対向する2辺に形成した段凹部、6は外周枠部に形成した段部または孔である。
板状コア7は皿状コア1の段凹部5に嵌合する幅を持ち、前記段凹部5に嵌着したときその内側面と中央脚部2との間にギャップgが形成されるようにしてある。
ベース8は平板状であり、複数の端子9と1次巻線12と2次巻線13の端末を引き出すための溝10および皿状コア1の外周枠部3に形成した段部または孔6に係合する突起等の係合部11を設けてある。
【0011】
上記構成の防磁型薄型トランスの組立工程を図5を参照して説明する。
先ず、1次巻線12と2次巻線13を皿状コア1の中央脚部2に挿通させ、巻線収納部4に同心状に装着する。
次に、板状コア7を皿状コア1の外周枠部3に形成した段凹部5間に跨って嵌合装着し、接着剤で固定する。
この時、板状コア7の裏側と中央脚部2の先端面との間にギャップgが形成され、従って、皿状コア1と板状コア7は前記ギャップgを通して閉磁路を形成する。
そして、2つのベース8の端子9の突出していない側の辺15を板状コア7の辺16に固着するとともに係合部11を皿状コア1の段部または孔6に係合させ、ベース8を皿状コア1の外周枠部3に位置決め固定して板状コア7と2つのベース8とで皿状コア1の開口面を密閉する。
なお、板状コア7とベース8はほぼ面一になるようにしてある。
また、1次巻線12と2次巻線13の各端末はベース8の溝10を通して巻線収納部4から皿状コア1の外部に引き出され端子9と接続されている。
【0012】
【発明の効果】
本発明は以上のように、皿状コア1と板状コア7を絶縁性のあるフェライトコアで形成しており、また、1次巻線12と2次巻線13を自己融着絶縁電線を用いて扁平状に形成し、皿状コア1の中央脚部2に直接、同心状に装着し、また、板状コア7は皿状コア1の外周枠部3の対向辺に形成した段凹部5に嵌合させるようにしてあるので、従来のボビンやドラムコアを用いる必要が無く、部品点数を少なくすることができ、また、ボビンやドラムコアを用いていないのでそれらの鍔の厚さの分だけ高さ(厚さ)寸法を薄くすることができる。
また、皿状コア1の開口面は板状コア7とベース8によって密閉されているので外部への漏れ磁束を低減させることができる。
更に、板状コア7は皿状コア1の中央脚部2の上面部分を覆うだけの大きさであればよいので全体の製造コストを安くすることができる。
【図面の簡単な説明】
図1は従来のトランスの1例を示す断面説明図、
図2は従来のトランスの別の例を示す断面説明図、
図3は本発明の薄型トランスに関わる皿状コアの1例を示し、(a)は断面側面図、(b)は正面図である。
図4は本発明の薄型トランスに関わる板状コアを示し、(a)は断面側面図、(b)は正面図である。
図5は本発明の薄型トランスの組み立てた状態を示す図で、(a)は断面側面図、(b)は底面図である。
【符号の説明】
1・・・皿状コア
2・・・中央脚部
3・・・外周枠部
4・・・巻線収納部
5・・・段凹部
6・・・段部または孔
7・・・板状コア
8・・・ベース
9・・・端子
10・・・溝
11・・・係止部
12・・・1次巻線
13・・・2次巻線
Claims (1)
- 開口面に突出した中央脚部と外周枠部との間に凹状の巻線収納部を形成した皿状コアと、予め巻線されて前記皿状コアの巻線収納部に同心状に装着された扁平の1次巻線及び2次巻線と、皿状コアの中央脚部の上面を覆う板状コアから形成する閉磁路防磁型薄型トランスにおいて、
前記皿状コアの前記外周枠部の対向する2辺に形成した段凹部に前記板状コアを嵌合し、前記板状コアは前記外周枠部と2つのベースにより挟持されると共に前記皿状コアの前記開口面を塞いで2つのベースと面一に取り付けられ、前記皿状コアの前記外周枠部に孔または段部を形成すると共に前記2つのベースに前記孔または段部に対応する段部または孔を形成することにより係合部を設け、該係合部によって前記2つのベースと前記皿状コアの前記外周枠部が位置決めされると共に、前記2つのベースは前記1次巻線及び2次巻線を接続する面実装の端子が設けられていることを特徴とする閉磁路防磁型薄型トランス。
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-
1998
- 1998-08-31 JP JP25922598A patent/JP4868559B2/ja not_active Expired - Lifetime
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