JPS6339954Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、互いに嵌合する内側コイルボビンと
外側コイルボビンとで構成されるコイルボビンに
関するものである。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

１次コイル及び２次コイルを互いに嵌合する内
側コイルボビン及び外側コイルボビンに巻回し、
各コイルの引出し部を各コイルボビンのフランジ
に設けた端子台のピン状の端子に巻着した小形変
成器において、端子とコイルの引出し部の巻着部
の保護を行なう場合、たとえば、内側コイルボビ
ンのフランジから外側コイルボビンの端子台上に
端子の挿通孔を備えた保護板を突設していたが、
この構造の場合、巻着部の上方は覆われるもの
の、側方は覆うことができず、外側から見えるた
め、異物によつて断線が発生する可能性があり、
しかも、内側コイルボビンの端子の保護もできな
かつた。

そのため、外側コイルボビンと内側コイルボビ
ンの他に、保護カバーを用いて各端子と各コイル
の引出し部の巻着部を保護することも行なわれて
いたが、この構造の場合、部品点数及び組立工数
を増加させることになつていた。

〔考案の目的〕

本考案は、上述したような点に鑑みなされたも
ので、保護カバーなどを用いることなく、内側コ
イルボビン及び外側コイルボビンだけで、ピン状
の各端子と各コイルの引出し部の巻着部を確実に
保護することを目的とするものである。

〔考案の概要〕

本考案のコイルボビンは、互いに嵌合する内側
コイルボビンと外側コイルボビンとで構成され、
上記内側コイルボビンは、鉄芯が挿入される筒状
の胴部の両端外周側にフランジを設け、上方フラ
ンジの一側部上に端子台を設け、この端子台の外
側部に上記胴部に向かう傾斜面を形成するととも
に、この端子台に上面及び傾斜面にその端部を突
出させた状態で複数の略Ｌ字形のピン状の端子を
植設し、上記上方フランジの他側部上に壁板を立
設し、この壁板の外側部に保護板を突設し、この
保護板の下側部に複数の隔壁を突設するととも
に、この複数の隔壁間に位置して上記保護板に複
数の挿通孔を形成して成り、上記外側コイルボビ
ンは、上記内側コイルボビンの下方フランジ及び
胴部が挿入される筒状の胴部の両端外周側にフラ
ンジを設け、上方フランジの一側部上に上記内側
コイルボビンの端子台の外周側を覆う保護壁を立
設し、上記上方フランジの他側部上に上記内側コ
イルボビンの複数の隔壁間に挿入され上記内側コ
イルボビンの保護板にその上側部を覆われる複数
の端子台を設け、この複数の端子台の上側部に上
記胴部の内側に向かう傾斜面を形成するととも
に、この各端子台の傾斜面に上記内側コイルボビ
ンの複数の挿通孔に挿通される複数のピン状の端
子を植設して成ることを特徴とし、内側コイルボ
ビンにおいて、内側コイルの引出し部を端子台外
側部の傾斜面に突出した端子に巻着して、この巻
着部を上側から見て端子台の陰に隠し、また、外
側コイルボビンにおいて、外側コイルの引出し部
を端子台上側部の傾斜面に突出した端子に巻着し
て、この巻着部を外側から見て端子台の陰に隠す
ようにしたものである。

〔考案の実施例〕

本考案のコイルボビンを、図面に示す実施例に
基づいて詳細に説明する。

１は内側コイルボビンで、この内側コイルボビ
ン１は、鉄芯２が挿入される角筒状の胴部３の上
下端外周側に上方フランジ４及び下方フランジ５
を設け、上方フランジ４の一側部上に壁板６を立
設するとともに、この壁板６の外側部に２つの端
子台７を設け、この各端子台７の外側部に上記胴
部３に向かう傾斜面８を形成するとともに、、こ
の各端子台７に上面及び傾斜面にその端部９ａ，
９ｂを突出させた状態で略Ｌ字形のピン状の端子
９を植設し、さらに、一方の端子台７の側面下部
に内側コイル１０の一端の引出し部１０ａを引掛
ける突片１１を形成するとともに、他方の端子台
７の側面下部に内側コイル１０の他端の引出し部
１０ｂを引掛ける突片１２及び突起１３を形成
し、この各突片１１，１２に近接して上記上方フ
ランジ４の下面に各引出し部１０ａ，１０ｂを案
内する溝１４，１５を形成し、また、上記上方フ
ランジ４の他側部上に壁板１６を立設し、この壁
板１６の外側部に保護板１７突設し、この保護板
１７の下側部に４つの隔壁１８を突設するととも
に、この４つの隔壁１８間に位置して上記保護板
１７に３つの挿通孔１９を形成し、さらに、上記
各壁板６，１６間に位置して上記上方フランジ４
の外側部に対向板２０を突設するとともに、他側
部の壁板１６の両端外側部に外壁板２１を突設す
ることによつて構成されている。なお、上記下方
フランジ５の下面にはその全周に渡つて嵌合溝２
２が形成されている。

また、３１は外側コイルボビンで、この外側コ
イルボビン３１は、上記内側コイルボビン１の下
方フランジ５、胴部３及び上方フランジ４が挿入
される角筒状の胴部３２の上下端外周側に上方フ
ランジ３３及び下方フランジ３４を設け、上方フ
ランジ３３の一側部上に上記内側コイルボビン１
の各端子台７の外周側を覆う保護壁３５を立設
し、上記上方フランジ３３の他側部上に壁板３６
を立設するとともに、この壁板３６の外側部に上
記内側コイルボビン１の４つの隔壁１８間に挿入
され上記内側コイルボビン１の保護板１７にその
上側部を覆われる３つの端子台３７を設け、この
各端子台３７の上側部に上記胴部３２の内側に向
かう傾斜面３８を形成するとともに、この各端子
台３７の傾斜面３８に上記内側コイルボビン１の
挿通孔１９に挿通される略Ｌ字形のピン状の端子
３９を植設し、さらに、上記各端子台３７間に位
置して上記上方フランジ３３に外側コイル４０の
各引出し部４０ａを案内する溝４１を形成するこ
とによつて構成されている。なお、上記胴部３２
の下端内周側に対向板４２が形成されているとと
もに、この対向板４２の上面にはその全周に渡つ
て嵌合突条４３が形成されている。

上記内側コイルボビン１及び外側コイルボビン
３１は、それぞれ、端子９，３９を金属で形成す
る以外、他の部分はすべて絶縁性合成樹脂で一体
成型され、この際に、端子９，３９が植設されて
いる。

そうして、上記内側コイルボビン１の胴部３の
外周側に内側コイル１０を巻着し、この内側コイ
ル１０の一端の引出し部１０ａを、溝１４を介し
て突片１１上に導いた上で、一方の端子台７の端
子９の端部９ａの傾斜面８に近接した位置に巻着
して半田付けするとともに、内側コイル１０の他
端の引出し部１０ｂを、溝１５を介して突片１２
上に導いて突起１３に引掛けた上で、他方の端子
台７の端子９の端部９ｂの傾斜面８に近接した位
置に巻着して半田付けし、また、上記外側コイル
ボビン３１の胴部３２の外周側に外側コイル４０
を巻着し、この外側コイル４０の両端及び場合に
よつては中間の各引出し部４０ａを、各溝４１を
介して各端子台３７に沿わせた上で、各端子台３
７から突出した各端子３９の傾斜面３８に近接し
た位置に巻着して半田付けする。

そして、この状態における外側コイルボビン３
１の胴部３２内に、内側コイルボビン１を上方か
ら嵌合し、これにより、外側コイルボビン３１の
対向板４２の上面及び上方フランジ３３の上面に
対して内側コイルボビン１の下方フランジ５の下
面及び対向板２０、外壁板２１、端子台７の下面
を当接するとともに、対向板４２の嵌合突条４３
と下方フランジ５の嵌合溝２２を嵌合し、外側コ
イルボビン３１の保護壁３５で内側コイルボビン
１の各端子台７の外周側つまり内側コイル１０の
各引出し部１０ａ，１０ｂと各端子９の接続部の
外周側を覆い、外側コイルボビン３１の各端子台
３７の上部及び各端子３９の上部を内側コイルボ
ビン１の各隔壁１８間及び各挿通孔１９内に挿入
及び挿通するとともに、外側コイルボビン３１の
各端子台３７の上側部つまり外側コイル４０の各
引出し部４０ａと各端子３９の接続部の上側部を
内側コイルボビン１の保護板１７で覆う。

この内側コイルボビン１と外側コイルボビン３
１とを組合わせた状態のものにＥ型鉄芯とＩ型鉄
芯とで構成される鉄芯２を装着する。

このようにして組立てられた小形変成器は、そ
ろ内側コイル１０の各引出し部１０ａ，１０ｂが
各端子台７外側部の傾斜面８から突出した端子９
の端部９ｂに接続されているので、この各接続部
は、上側からは各端子台７の陰に隠れて見えない
構造となり、しかも他の方向は各端子台７、保護
壁３５及び上方フランジ３３に覆われているの
で、確実に保護され、そして、その外側コイル４
０の各引出し部４０ａが各端子台３７上側部の傾
斜面から突出した端子３９に接続されているの
で、この接続部は、外側からは各端子台３７の陰
に隠れて見えない構造となり、しかも他の方向は
各端子台３７、壁板１６、各隔壁１８及び保護板
１７に覆われているので、確実に保護される。な
お、沿面距離も十分確保されている。

〔考案の効果〕

上述したように、本考案のコイルボビンは、小
型変成器に組立てた状態で、内側コイルの引出し
部と内側コイルボビンの端子との接続部が、その
端子台の陰に隠れて上側から見えず、しかも他の
方向はその端子台と、外側コイルボビンの保護壁
及び上方フランジに覆われるとともに、外側コイ
ルの引出し部と外側コイルボビンの端子との接続
部が、その各端子台の陰に隠れて外側から見え
ず、しかも他の方向はその各端子台及び内側コイ
ルボビンの壁板、各隔壁及び保護板に覆われるの
で、各コイルの引出し部を確実に保護することが
でき、その上、保護カバーなどが一切不要なの
で、部品点数が増加せず、安価にでき、しかも、
小型変成器を組立てる際に組立工数を増加させる
こともない。

【図面の簡単な説明】

図は本考案のコイルボビンの一実施例を示し、
第１図はその一部を切欠いた分解斜視図、第２図
はその平面図、第３図はその側面図、第４図は第
２図における−視断面図、第５図は第２図に
おける−視断面図である。 １……内側コイルボビン、３……胴部、４……
上方フランジ、５……下方フランジ、７……端子
台、８……傾斜面、９……端子、９ａ，９ｂ……
端子９の端部、１６……壁板、１７……保護板、
１８……隔壁、１９……挿通孔、３１……外側コ
イルボビン、３２……胴部、３３……上方フラン
ジ、３４……下方フランジ、３５……保護壁、３
７……端子台、３８……傾斜面、３９……端子。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 互いに嵌合する内側コイルボビンと外側コイル
   ボビンとで構成され、 上記内側コイルボビンは、筒状の胴部の両端外
   周側にフランジを設け、上方フランジの一側部上
   に端子台を設け、この端子台の外側部に上記胴部
   に向かう傾斜面を形成するとともに、この端子台
   に上面及び傾斜面にその端部を突出させた状態で
   複数の略Ｌ字形のピン状の端子を植設し、上記上
   方フランジの他側部上に壁板を立設し、この壁板
   の外側部に保護板を突設し、この保護板の下側部
   に複数の隔壁を突設するとともに、この複数の隔
   壁間に位置して上記保護板に複数の挿通孔を形成
   して成り、 上記外側コイルボビンは、上記内側コイルボビ
   ンの下方フランジ及び胴部が挿入される筒状の胴
   部の両端外周側にフランジを設け、上方フランジ
   の一側部上に上記内側コイルボビンの端子台の外
   周側を覆う保護壁を立設し、上記上方フランジの
   他側部上に上記内側コイルボビンの複数の隔壁間
   に挿入される複数の端子台を設け、この複数の端
   子台の上側部に上記胴部の内側に向かう傾斜面を
   形成するとともに、この各端子台の傾斜面に上記
   内側コイルボビンの複数の挿通孔に挿通される複
   数のピン状の端子を植設して成る ことを特徴とするコイルボビン。