JPS603293Y2 - 内燃機関における吸気弁の弁座給油装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は内燃機関における吸気弁の弁座給油装置に関し
、潤滑油の異常消費等を来たすことなく、吸気弁と弁座
の接触部に潤滑油を供給して該接触部における摩耗を防
止するものである。

ところで、内燃機関においては吸排気弁とシリンダヘッ
ド側の弁座の接触部が摩耗し易いため、弁を耐摩耗性金
属で形成し、或は弁座をシリンダヘッドに装着した耐摩
耗性金属でなる弁座環に形成することが行われるが、特
に吸気弁側についてはこれらの耐摩耗性金属によっても
摩耗を完全に防止できないのであり、そこで潤滑系統か
ら分岐した油路を弁座に導く等により、該接触部に潤滑
油を供給して摩耗の防止を図ることが行われる。

然るに油路を弁座等に開口させると、吸気行程時におけ
る吸入負圧により潤滑油が該油路からシリンダ内に強制
的に吸い出されることになり、そのため潤滑油が大量に
消費され、或は燃焼状態を悪化させる等の弊害を招くの
である。

本考案はこのような実情に鑑みてなされたもので、吸気
弁の弁座に開口する給油路上に吸入負圧により該油路を
閉鎖する開閉弁を具備することにより、吸入負圧の作用
時に潤滑油が油路から強制的に吸い出されることを防止
し、これにより潤滑油の異常消費や燃焼状態の悪化等を
来たすことなく、弁と弁座の接触部を適度に潤滑して該
接触部における摩耗を防止せしめるものである。

以下これを図に示す実施例により説明すると、第１図に
おいて１はシリンダヘッド、２は該ヘッド底面における
吸気ポート１ａの出口に嵌装された弁座環、３は吸気弁
で、該弁の往復動によりその円錐面３ａが上記弁座環に
おける同じく円錐状の弁座２ａに対して接触、離反する
ことにより、上記吸気ポートの出口が開閉せしめられる
。

４は外部配管５から上記弁座２ａに潤滑油を供給する給
油路であるが、該油路はシリンダヘッドに形成された主
路４ａ、該主路に連通ずる弁座環２の外周に形成された
円周溝４ｂ及び円周溝から弁座に至る複数の分岐路４ｃ
から構成されている。

ここで分岐路４ｃは小径とされ、弁座への給油量が過剰
にならないように図られている。

６は上記主路４ａ上に具備された開閉弁であり、該主路
の内面に形成された円錐座面６ａとその上流側に配置さ
れたボール６ｂから構成され、該ボールが座面に密接す
ることにより主路を閉鎖するようになされている。

上記の構成によれば、吸気弁３が開き、吸気ポー）ｌａ
から該弁の円錐面３ａと弁座２ａの間を通過して空気が
シリンダに吸入されると、弁座２ａの周辺が負圧になる
ことにより、該弁座に開口する給油路４上に具備された
開閉弁６においては、ボール６ｂが下流側に吸引されて
円錐座面６ａに密着せしめられるのであり、これにより
該油路が閉鎖され、上記負圧により開閉弁より下流側に
あった潤滑油だけが吸い出されて、開閉弁より上流側か
ら多量の潤滑油が吸い出されることが防止されるのであ
る。

一方、吸気弁３が閉じている場合は、上記吸入負圧が作
用しないから開閉弁６においてはボール６ｂが座面６ａ
から離反して給油路４が開通した状態にあり、これによ
り円周溝４ｂ、分岐路４ｃを経て適量の潤滑油が吸気弁
３の円錐面３ａと弁座２ａの接触部に供給され、該部に
おける摩耗が防止されるのである。

尚、第２図は他の実施例を示すもので、該実施例におい
ては弁座１２ａに開口する給油路１４の各分岐路１４ｃ
に開閉弁１６が夫々具備されており、これにより開閉弁
より下流側にあって吸入負圧の作用時に吸い出される潤
滑油の量が上記第１図の実施例より少なくなるようにな
されている。

以上のように本考案吸気弁の弁座給油装置は、該弁座に
開口する給油路を設けると共に、該油路上に吸入負圧の
作用時に該油路を閉鎖する開閉弁を具備する構成とした
ことにより、吸気行程時に吸入負圧により上記給油路か
ら強制的に多量の潤滑油がシリンダ内に吸い出されるこ
とが防止され、これにより潤滑油の異常消費や燃焼状態
の悪化等を来たすことなく、吸気弁と弁座の接触部が適
度に潤滑されることになり、もって該部における摩耗が
防止せしめられる効果を奏するのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案−実施における吸気弁周辺の縦断面図、
第２図は他の実施例における要部縦断面図である。 ２ａは弁座、３は吸気弁、４は給油路、６は開閉弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 吸気弁の弁座に開口する給油路上に吸入負圧により該油
   路を閉鎖する開閉弁を具備したことを特徴とする内燃機
   関における吸気弁の弁座給油装置。