JPS6027861B2 - ガス封入型シリンダ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ガススプリングやガス入り緩衝器のようなガ
ス封入型シリンダ装置に関する。

シリンダ内部に封入したガスを、先端にピストンを有す
るロッドで押圧してその圧縮性を利用するようにしたガ
ス封入型シリンダ装置は、シリンダ内部へ進出したロッ
ドを押し戻すガススプリングとして、あるいはロッド‘
こ加わる衝撃力を吸収するガス入り緩衝器として広く使
用されている。

ところで、前記のごときガス封入型シリンダ装置は、シ
リンダ内部に封入したガスを外部へ漏らさないように構
成することが必須であるため、ガスをシリンダ内部へ封
入したり、一度シリンダ内部へ封入したガスを除去した
りする際の便宜についてはほとんど考慮されていないの
が実情である。そのためガス封入の際の手間は計り知れ
ず、また廃却するときなど、シリンダにドリルで穴を開
けて行う、などきわめて煩雑である。しかも、使用に伴
い封入したガスが漏れてしまうことがあり、このような
ガス漏れ状態になると、前記のごとく封入の際の手間の
ため再使用せず、そのまま廃却していた。本発明は前記
のごとき問題点を解消し得る装置を提供することを目的
として開発されたものである。

前記目的は、本発明によれば、ガスが封入されたシリン
ダと、前記シリンダを２室に区画すべく前記シリンダ内
部に摺動自在に収容されており、前記２室を蓮通すべく
形成された小孔を有するピストンと、前記ピストンが一
端に固着されており、前記ピストンの近傍に縮蓬部を有
し、池端が前記シリンダ外に位置したピストンロッドと
、前記縦蓬部より大径に形成されていると共に前記ピス
トンロッドが挿通されている孔を有し、前記シリンダ内
部を密閉すべ〈前記シリンダの閉口端部に設けられたシ
ール部材と、前記シール部材と前記ピストンとの間に位
置し、かつ前記ピストンの前記シリンダからのとび出し
を規制すべく前記シリンダ内部に固着されており、前記
ピストンロッドが挿通されている孔を有する規制部材と
、前記ピストンロッドを２位置に設定すべく、前記ピス
トンと前記規制部材との対向する面のいずれか一方に形
成された突起と他方に形成された凹溝とからなるストッ
パー機構とからなり、前記ピストンロッドが第１の位置
に設定された時、前記ストッパ機構は、前記突起と前記
凹溝とが隊合した状態に保持されておりかつ、前記シリ
ンダの２室を蓮適する通路を形成しており、前記ピスト
ンロッドが第２の位置に設定された時、前記ストッパ機
構は、シリンダ外部に対して２室が密閉されるべく、前
記突起と前記凹溝との鉄合が解除された状態に保持され
るよう構成されてなることを特徴とするガス封入型シリ
ンダ装置によって達成される。

次に本発明を図面に示す好ましい具体例に基づいて説明
する。

シリンダ１の内部には、先端にピストン２を有するロッ
ド３が進退可能に支持され、ピストン２とシリンダ１と
で囲まれた空間４にガスが封入される。

規制部材としての筒部材５はピストン２の戻りを規制し
、ピストン２がシリンダから外部へとび出さないように
保持するもので、シリンダ１の上端部にかしめｌａによ
り固定されている。この筒部材５よりもシリンダ１の開
口側に、シール部材６を位置させてあり、ロッド３との
間のシールはシール部材６のリップ６ａにより行われる
。本発明においては、ロッドに設けたピストン２、ロッ
ド３および筒部材５を以下のごとき特殊な構成にしたも
のである。第３図に示すように、ピストン２の中央に貫
通孔２ａを設け、一方の端部は大蓬部２ｂに形成してあ
る。

この大蓬部２ｂから１８０ｏ方向で２条の突起２ｃ，２
ｃを突設し、一方の突起２ｃと大怪部２ｂとの接続部分
に貫通孔２ｄを設けてある。筒部材５は前記ピストン２
とによりストツパ機構としてのストッパ１５を構成する
もので、この筒部材５には第４図に示すように、中央に
ロッド３を挿通させる貫通孔５ａを設け、１下端部では
この貫通孔５ａを１８０ｏの方向で切欠いて２条の凹溝
５ｂ，５Ｍこ形成してある。この凹溝５ｂ，５ｂ内に前
記ピストン２の突起２ｃ，２ｃを俵入させると、第１図
のような状態となり、シリンダ１から突出するロッド３
の突出長さは大きくなる。すなわち、この状態がピスト
ンロッドが第１の位置に設定された状態である。この第
１図の状態からロッド３をシリンダ内部へ押し込み、ピ
ストン２の突起２ｃ，２ｃが筒部材５の凹溝５ｂ，５ｂ
と係合しないように、ロッド３とシリンダ１とを相対的
に例えば９０ｏ回動させると、ロッド３は第２図の状態
で保持され、ロッド３がシリンダ１から突出する長さは
短くなる。すなわち、この状態がピストンロッドが第２
の位置に設定された状態である。ロッド３には瀬径部か
らなるガスの流入路７を設けてある。

この流入路７は、第１図のように、筒部材５の凹溝５ｂ
，５ｂ内にピストン２の突起２ｃ，２ｃを筋入させて、
シリンダ１からのロッドの突出長さが大きい状態のとき
、シール部材６のリップ６ａに対向してこの流入路７が
位置し、第２図のように、ロッド３を押し込んで突出長
さを第１図の場合よりも小さくしたとき、流入路７は、
シール部村６のリップ６ａよりもシリンダ内部に位置し
、リップ６ａがロッド３に密接するような、シール部材
６との相対位置に形成したものである。以上の構成をし
たガス封入型シリンダ装置の組み付けは次の遜り行われ
る。

まず、ロッド３にシール部材受け８、シール部村６、筒
部材５をこの日頃で挿通させ、ロッド３の先端にピスト
ン２をロッドの先端を力シメて固定する。この状態のロ
ッド３をシリンダ１内に挿入し、シリンダ１の上端部に
かしめｌａを施し、筒部材５をその内部に固定する。こ
のかしめｌａによって筒部村５にひずみを与えないため
には、筒部材５の、例えば上端外周に環状凹み５ｃを設
けておくことが好ましい。シリンダ１の閉口端に、さら
にかしめｌｂを施し、シール部材受け８をその内部に固
定する。前もって、シール部材受け８に対してシール部
村６を接着させておくと、かしめｌｂによりシール部材
６が定位暦に固定される。以上のようにして組み付けが
完了した後、ピストン２の突起２ｃ，２ｃを筒部材５の
凹溝５ｂ，５ｂ内に鉄入し、第１図の状態に保持し、ス
トッパ１５を解放状態とする。

この状態では、シリンダー内の空間４は、貫通孔２ｄお
よびその他突起２ｃと凹溝５ｂとの間に形成された通路
、ロッド３と筒部村５の貫通孔５ａとの間、ロッド３の
流入路７とシール部材６のリップ６ａとの間などの間隙
を介して外部と蓮適状態にあるので、高圧雰囲気中に全
体を位置させるだけで、シリンダ内部の空間４には高圧
ガスが導入される。この導入が十分に行われた後、ロッ
ド３を押し込み、ピストン２の突起２ｃ，２ｃが凹溝５
ｂ，５ｂから外れた時点でロッド３またはシリンダ１を
回動させて、ストッパ１５をロッグ状態とする。第２図
に示すように、この種ガス封入型シリンダ装置は、シリ
ンダ１の取付部１０、ロッド３の取付部１１が同一向き
となるように使用するのが一般であるので、第１図のよ
うに互いに９００ずれた位置のとき、突起２ｃ，２ｃと
凹溝５ｂ，５ｂとが係合するように両者を前もって形成
しておけば、シリング１とロッド３との回動後の位置決
めが簡単となる。ガスを空間４内に導入した後、第２図
のような状態にすると、この空間４内のガスは密封状態
に保持される。この場合、空間４内のガスはピストン２
とシリング１との間で、さらにシール部材６のリップ６
ａとロッド３との間でシールされる。前記とは逆に、空
間４内の高圧ガスを除去するには、大気中において第１
図の状態、つまりストツパ１５のロック解放状態にすれ
ばよい。ところで、前記構成になるガス封入型シリンダ
装置の空間４内に高圧ガスを封入し、第２図のように保
持しても、不用意にロッドないしシリンダを回動させて
ストッパ１５のロックが外れてしまい、第１図のように
なると、空間内の高圧ガスは外部へ漏れてしまうことと
なるので、第５図および第６図に示すような回り止め手
段を設けると一層好ましい。第５図の例では、筒部材５
の下端から円柱状の突起５ｄを突設してあり、ピストン
２の突起５ｃの上端がこの突起５ｄの下端よりも下方と
なる程度にロッド３を押し込み、その後回動させて引き
上げ、突起５ｃの上端を筒部材５の下端に係止させる。
第６図の例では、１８０ｏの方向に位置する凹溝５ｂ，
５Ｍこ対して、９００位置をずらして互いに１８０ の
司‘こ し、 ５ｅ，ｅを設け、ピストン２の突起
５ｃ，５ｃをこの浅い凹溝５ｅ，５ｅに係止させるもの
である。前記例では、ストッパ１５は筒部材５およびこ
の凹溝５ｂと、ピストン２およびこの突起２ｃとにより
形成したが、これに代えて、次のようにも構成できる。
筒部材５を省いて、第２図の想像線で示すように、この
筒部材の位置で、シリンダ１の外部よりシール状態でピ
ン２０をシリンダ１の内部に突出させる。このピン２川
まシリンダ内部へ突出する長さが２段階となるようにし
、図示のロック状態よりも短い突出長さのときには、ピ
ストン２の大蓬部２ｂの上側にこのピン２０１ま係合し
、このときシール部村６のリップ６ａが流入路７に対面
するごとく形成する。この例の場合には、ピストン２は
大蓬部と突起とに形成する必要はなく、ピストン２は円
柱状とし、ピン２０‘こ対向する部位のみに、ピストン
２の軸心方向に伸びる凹溝を、ピストン２の下端部を除
いて設けておけばよい。本発明によれば、ロッドの突出
長さを大きく保った状態でガスをシリンダの空間内に導
入し、その後ロッドを押し込んで、ロッドもしくはシリ
ソダを回動するだけで、またはロッドを押し込んでピン
をシリンダ内へさらに押し込むだけでガスの封入が完了
するので、ガス封入を容易にでき、廃刻するときには前
記と逆の操作をすることにより内部のガスを除くことが
できるので、ドリルなどの使用は不用となる。

しかも、ガスをシリンダ内へ封入することが容易である
ので、再使用もできることとなる。また、本発明のガス
封入型シリンダ装置においては、ピストンロッドを２位
置に設定すべく、ピストンロッドと規制部材との対向す
る面のいずれか一方に形成された突起と、他方に形成さ
れた凹溝とからなるストッパ機構を有しているが故に、
シリンダ装置にガスを注入する際、ピストンロッドを第
１の位置に設定することによって、シリンダの２室を運
通する通路が確実に形成し得、前記ピストンロッドを第
２の位置に設定することによって、前記シリンダの２室
をシリンダ外部に対して密閉した状態に保持し得るもの
である。

さらに、ピストンロッドが第１の位置に設定された時、
ストッパ機構はその独特の構成から、前記ピストンロッ
ドとの回転によるずれを規制し得るものであり、そのよ
うな構成によって、前記ピストンと前記規制部材とによ
って形成される蓮通する通路は常に一定の位置に形成さ
れ、かつ、確実に運通した状態を保持し得るものであり
、シリングの２室は、常にシリンダ外部に対して開放し
た状態に維持される。

本発明の装置は、このような状態を維持し得るため、す
でに密閉されている装置を、前記のような蓮適状態に維
持することによって、装置からのガスのぬき取りが簡単
に行ない得るものである。従って、本発明の装置によっ
てはじめて、シリンダ外部に対しての蓮通及び密封を任
意に設定し得る装置を提供し得るのであり、さらに、ガ
ス注入時、又は注入後の密封の際の煩雑さが低減された
装置が提供し得るのである。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本発明ガス封入型シリンダ装置の
断面図で、第１図はガス封入前の状態を、第２図はガス
封入後の状態をそれぞれ示し、第３図ａはピストンの断
面正面図、第３図ｂは同平面図、第４図ａは筒部材の断
面正面図、第４図ｂは同底面図、第５図ａは筒部材の別
の例を示す断面正面図、第５図ｂは同底面図、第６図ａ
は筒部村のさらに別の例を示すもので、同図ｂの町−打
線断面図、第６図ｂは同底面図である。 １……シリンダ、２……ピストン、２ｃ……突起、３…
…ロッド、５・・…・筒部材、５ｂ……凹溝、６・・・
・・・シール部材、６ａ・・・・・・リップ、１５・・
・…ストツパ、２０……ピン。 第６図 第１図 第２図 第３図 第４図 第５図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ガスが封入されたシリンダと、前記シリンダを２室
   に区画すべく前記シリンダ内部に摺動自在に収容されて
   おり、前記２室を連通すべく形成された小孔を有するピ
   ストンと、前記ピストンが一端に固着されており、前記
   ピストンの近傍に縮径部を有し、他端が前記シリンダ外
   に位置したピストンロツドと、前記縮径部より大径に形
   成されていると共に前記ピストンロツドが挿通されてい
   る孔を有し、前記シリンダ内部を密閉すべく前記シリン
   ダの開口端部に設けられたシール部材と、前記シール部
   材と前記ピストンとの間に位置し、かつ前記ピストンの
   前記シリンダからのとび出しを規制すべく前記シリンダ
   内部に固着されており、前記ピストンロツドが挿通され
   ている孔を有する規制部材と、前記ピストンロツドを２
   位置に設定すべく、前記ピストンと前記規制部材との対
   向する面のいずれか一方に形成された突起と他方に形成
   された凹溝とからなるストツパー機構とからなり、前記
   ピストンロツドが第１の位置に設定された時、前記スト
   ツパ機構は、前記突起と前記凹溝とが嵌合した状態に保
   持されておりかつ、前記シリンダの２室を連通する通路
   を形成しており、前記ピストンロツドが第２の位置に設
   定された時、前記ストツパ機構は、シリンダ外部に対し
   て２室が密閉されるべく、前記突起と前記凹溝との嵌合
   が解除された状態に保持されるよう構成されてなること
   を特徴とするガス封入型シリンダ装置。 ２ 突起と凹溝との嵌合が解除された状態では、ピスト
   ンは、シリンダに対して回転自在となるように、シリン
   ダ内部に収容されている、特許請求の範囲第１項に記載
   のガス封入型シリンダ装置。 ３ ピストンロツドが第２の位置に設定された時に、ロ
   ツドの回動を阻止する回り止め手段をさらに設けてなる
   、特許請求の範囲第１項または第２項に記載のガス封入
   型シリンダ装置。 ４ ストツパ機構はピストンに設けた突起と、筒部材か
   らなる規制部材に設けた、前記突起を嵌入させる凹溝と
   からなる、特許請求の範囲第１項から第３項のいずれか
   に記載のガス封入型シリンダ装置。 ５ ガス封入型シリンダ装置はガススプリングとして使
   用される、特許請求の範囲第１項から第４項のいずれか
   に記載のガス封入型シリンダ装置。 ６ ガス封入型シリンダ装置はガス入り緩衝器として使
   用される、特許請求の範囲第１項から第４項のいずれか
   に記載のガス封入型シリンダ装置。