JPS6027696Y2 - 自動車用の座席 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車に用いられる座席、特に前後の配置関係
にある座席の育児構造に関する。

一般に自動車の座席の育児およびあるいはヘッドレスト
は法律あるいは安全等の要求により、ある程度高さが必
要とされる。

このため、座席を前後に配置すると、後席に着座した乗
員の目の高さと、前席の育児が略同じ高さとなる。

この傾向は所謂ハイバックシートと呼称されている座席
（ヘッドレストと育児が一体で連設されている座席）あ
るいはヘッドレストが巾広である座席において顕著であ
る。

又、自動車で衝突するなどして減加速度が急激に加わる
と、乗員の挙動は座席と計器盤、座席と座席との間で急
激に一方に移動し、再び他方に移動（つまり、一次、二
次衝突となり、ムチウチの主な原因となる）する。

本考案は、かかる従来例に鑑み、前後方視界向上および
衝突時の安全性向上を目的としている。

本考案は、かかる目的を達するため、座体と育児とより
構成した自動車の座席において、前記育児は、育児下部
と育児上部とに２分割され、前記育児下部は、育児状に
保形したフレームと、該フレームの上部の段下がり部に
取付けたベースと、該フレームの下部を前方に突出して
形成した育児部と、該フレームに設けられ、操作可能な
ロックとよりなり、前記育児上部は、前記育児下部の段
下がり部に収納可能で、育児下部のフレームの上端より
後方に張り出さたフレームと、該フレームに上下摺動可
能に取付けられたヘッドレストレトレイントと、該フレ
ームによって形成された凹部に内蔵されたトレイと、該
フレームに突設され、前記ロックに倒台可能なストライ
カと、該フレームの前面に形成した育児部とよりなり、
前記育児下部と育児上部との間には、育児上部のフレー
ムに一端が、育児下部のベースに他端が夫々回転自在に
取付けられた回動機能により、育児上部が育児下部の段
下がり部に立設状態で格納され且つ水平状態で支持可能
とされたことを特徴とする自動車用座席を提供する。

次に図面を用いて本考案の構造の一実施例について説明
する。

第１図中、１は前側の座席、２は後側の座席であり、該
座席１，２が前後の配置関係にあって床３に取付けられ
る。

前側の座席１は座体４と育児５とより構成される。

前記後側の座席２は座体６と育児７とより構成される。

前記育児５は該育児５を上下、この実施例では上下略中
央に分割して座体４に連結した育児下部９と、該育児下
部９に係脱可能で、回動機構１０によって前方に回動可
能とし且つ略水平状態に停止可能な育児上部８とよりな
る構造である。

尚１１は前記育児上部８に設けられたヘッドレストレイ
ントである。

又、８′は前記育児上部８（第１図は前記育児下部９と
ともに前記育児５を形成した場合を示す）を前側に回動
して、背面が略水平に保たれた状態の育児上部である。

前記育児下部９は第２図乃至第５図に示すように、育児
状に保形したパイプ状のフレーム１２と、該フレーム１
２の下部に懸架されたスプリング１３と、該スプリング
１３をパッド１４を介して覆う表覆材１５と、前方のみ
開底した箱状に形成され、前記フレーム１２の中央に固
設されたブラケット１６と、該ブラケット１６に回動自
在に軸支され、端部が該育児下部９の側部から突出する
ロッド１７と、該ロッド１７に固設し、前記育児上部８
より突出したストライカ−２６に第５図に示すように倒
台するロック１８と、前記フレーム１２の肩部１２ａに
固設されたブラケット１９とよりなる。

第４図に示すようにフレーム１２の前方（図で左方）に
、スプリング１３、パッド１４の設けられていない上部
を段下がり部と称し、育児上部８の収納部となる。

又、スプリング１３、パッド１４を介して設けられた表
覆材１５の部分を育児部と称し、乗員の背中を支持する
部分となる。

尚２０は前記ロッド１７を第４図において反時計方向に
付勢したスプリング、２１は前記ロッド１７の端部に固
設した取手、１７ａは前記ブラケット１９の後面に固設
された前記ロッド１７の支持体である。

前記回動機構１０は前記育児上部８のフレーム３０に一
端をビス２２により回動自在に取付けたリンク２３．２
４と、該リンク２３，２４の他端をビス２２により回動
自在に取付けるとともに、前記ブラケット１９の設けら
れている段下がり部に表覆材１５を介してビス２２によ
り固着したベース２５とよりなる。

尚、前記リンク２３と前記リンク２４とは第１１図に詳
細を示すようにそれぞれブーメラン状に曲折していて相
互にこば面２３ ａ、 ２４ ａが当接するように組
立られている。

前記育児上部８は第４図および第６図乃至第１０図に示
すように、前記育児下部９の段下がり部に収納可能で、
育児上部８を保形したフレーム３０と、該フレーム３０
に懸架されたジグザグばね状のスプリング３１と、前記
育児下部９のフレーム１２の上端より張り出されるよう
形成され、且ツ前記フレーム３０に固着されたヘッドフ
レーム３２と、前記フレーム３０およびスプリング３１
ならびに該ヘッドフレーム３２に重層状に配設されるパ
ッド３３と、該パッド３３を介して全体を覆うフレーム
３０の前面に形成した育児上部たる表覆カバー３４と、
前記フレーム３０に固設されるとともに、前記フレーム
３０および前記スプリング３１によって形成された凹部
に内蔵されるトレイ３５とより構成する。

前記フレーム３０は第６図に示すように前記ストライカ
−２６の固設する面３６を逆Ｕ字状に形成し、前記リン
ク２３゜２４の取付けられる面３７および前記ヘッドフ
レーム３２の取付けられる面３８を前記面３６に対して
略直角になるよう形成し、更に前記スプリング３１が懸
架され且つ前記リンク２３．２４に前記スプリング３１
が干渉しないだけ内側に配設されるとともに前記面３７
と一体的に形成された面３９とより形成される。

前記ヘッドフレーム３２は前記フレーム３０の面３８に
一端が固設されるとともに中空部４０を有するように断
面略Ｃ字状に形成され、自由端４１が前記育児下部９側
に垂下するように形成される。

前記トレイ３５は、第７図乃至第１０図に示すように上
部が開口した箱状に形成され、水平に突出した開口縁４
３を前記フレーム３０の面３６に表覆カバー３４を介し
て載置しビス４２により螺結したトレイボックス４４と
、該トレイボックス４４の縦壁４５に対向状に植設した
ピン４６と、前記トレイボックス４４の開口を覆うよう
に形成し、該ピン４６を挟持するとともに摺動可能な薄
肉係合部４７を下面より突出し、前記ストライカ−２６
近傍には指の挿入し得る貫通孔４８を形成してなるトレ
イカバー４９と、前記トレイボックス４４の底面５２よ
り立設され、該トレイカバー４９の回動を規制するスト
ッパ一段部５０と、前記トレイカバー４９の下面より突
出し且つ前記ストッパ一段部５０の側部を挟持すること
によって前記トレイカバー４９の開口を阻止するストッ
パー５１とよりなる。

前記トレイボックス４４の底面５２は前記スプリング３
１と離間していて、スプリング３１の撓みを阻止するこ
とがない。

前記ヘッドレストレイント１１は断面逆Ｃ字状のフレー
ム５３と、該フレーム５３に上端を固設し、下端を前記
ヘッドフレーム３２に設けたガイド部材５４に摺動係止
自在に設けたロッド５５と、前記フレーム５３および該
ロッド５５をパッド５６を介して覆う表覆材５７とより
構成する。

本考案はかかる構成よりなるから、次に育児下部９に対
する背光上部８の回動について第１１図を用いて説明す
る。

第１１図は、前記育児下部９に固設されたベース２５お
よび一端が背光上部８に、他端が前記ベース２５に夫々
取付くリンク２３．２４のみをもって示した図、即ち連
結構成を示す図で、実線リンク２３．２４の関係は第２
図あるいは第４図における背光上部８と育児下部９との
関係を示し、二点鎖線のリンク２３’、２４’の関係は
第１図における実線の背光上部８と育児下部９との関係
を示す。

又、図中Ａ、 Ｂは夫々リンク２３．２４の自由端側の
ビス２２取付位置の回動軌跡を示す。

又、図中Ｃ，Ｃ’、 Ｃ”・・・・・・・・・Ｃ“はリ
ンク２３の自由端側のビス２２取付位置と、リンク２４
の自由端側のビス２２取付位置を結んだ線で、前記回動
軌ＡＸＢにともなって生ずる背光上部８の回動位置の変
更を示す。

従って本考案によれば、前後に座席が配置されていても
前およびあるいは後側の座席の背光上部を前側すれば、
育児の高さが第１図の二点鎖線に示す背光上部により目
の高さより低くなり、視界が著しく向上する。

又、育児を投下がり部で背光上部と育児下部とが前後に
分割したことにより背光上部を支持する回動機構を、育
児内に組み込むことが可能となり、安全上着しい効果を
有する。

又、この回動機構は、育児内に配されているので見栄え
がよい。

又、育児に衝突荷重が加わった場合には、その荷重が前
方からなら背光上部のフレームの張り出し部、即ちヘッ
ドレストフレームが育児下部のフレームの上端に圧接し
、後方からの荷重なら、背光上部のフレームの下部が育
児下部のフレームに圧接し、共に、背光上部はその位置
をキープすることになる。

又、この背光上部に物入れを設けたので、前倒したとき
となりの座席の乗員あるいは前後席の乗員にとって好ま
しい物入れとなる。

更に、リンクを介して育児下部のフレームが背光上部を
重合支持するので、支持強度がありしかも背光上部には
スプリングが懸架された普通の育児と同時の構造を有し
ているので前倒しをしない時には通常の育児として充分
機能するなどの実益的効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の座席の側方説明図、第２図は該座席の
斜視説明図、第３図は第２図座席の育児の正面説明図、
第４図、第５図は第３図のＩＶ−ＩＶ線、Ｖ線断面説明
図、第６図はフレームの３０の斜視説明図、第７図は第
４の■−■線断面図、第８図は第７図の矢視■説明図１
、第９図、第１０図は第８図のＩＸ−ＩＸ線断面説明図
および矢視Ｘ説明図、第１１図はリンク２３．２４の作
動説明図である。 １．２・・・・・・座席、３・・・・・・床、４，６・
・・・・・座体、５．７・・・・・・育児、８・・・・
・・背光上部、９・・・・・・育児下部、１０・・・・
・・回動機構、１１・・・・・・ヘッドレストレイント
、１２・・・・・・フレーム、１３・・・・・・スプリ
ング、１４・・・・・・パッド、１５・・・・・・表覆
材、１６・・間ブラケット、１７・・・・・・ロッド、
１８・・・・・・ロック、１９・・・・・・ブラケット
、２０・・・・・・スプリング、２１・・・・・・取手
、２２・・・・・・ビス、２３，２４・・・・・・リン
ク、２５・・・・・・ベース、３０・・・・・・フレー
ム、３１・・・・・・スフリング、３２・曲・ヘッドフ
レーム、３３・・・・・・パッド、３４・・・・・・表
覆力、＜−１３５・・・・・・トレイ、３６．３７．３
８．３９・・・・・・面、４０・・・・・・中空部、４
１・・・・・・自由端、４２・・・・・・ビス、４３・
・・・・・開口縁、４４・・・・・・トレイボックス、
４５・・・・・・縦壁、４６・・・・・ゼン、４７・・
・・・・薄肉部、４８・・・・・・貫通部、４９・・・
・・・トレイカバー ５０・・・・・・ストッパ一段部
、５１・・・・・・ストッパー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 座体と育児とより構成した自動車の座席において、前記
   育児は、育児下部と育児上部とに２分割され、前記育児
   下部は、育児状に保形したフレームと、該フレームの上
   部の段下がり部に取付けたベースと、該フレームの下部
   を前方に突出して形成した育児部と、該フレームに設け
   られ、操作可能なロックとよりなり、前記育児上部は、
   前記育児下部の段下がり部に収納可能で、育児下部のフ
   レームの上端より後方に張り出されたフレームと、該フ
   レームに上下摺動可能に取付けられたヘッドレストレイ
   ントと、該フレームによって形成された凹部に内蔵され
   たトレイと、該フレームに突設され、前記ロックに掛合
   可能なストライカと、該フレームの前面に形成七た育児
   部とよりなり、前記育児下部と育児上部との間には、育
   児上部のフレームに一端が、育児下部のベースに他端が
   夫々回転自在に取付けられた回動機構により、育児上部
   が育児下部の段下がりに立設状態で格納され且つ水平状
   態で支持可能とされたことを特徴とする自動車用の座席
   。