JPS6021560Y2 - デイスクブレ−キ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車輪と一体回転するローターと、該ローターの
一側において車両の非回転部分に固定されるトルク受は
部材であって、該ローターの円周方向に所定の間隔を有
すると共に互に対向する切欠きが形成された一対のアー
ム部および該両アーム部の該ローターの半径方向内方向
端を連結する基部とを含むトルク受は部材と、該両アー
ム部間に該ローターの軸方向へ移動可能に配置された摩
擦パッドであって、該切欠きに突入する耳部が両側部に
形成された裏板および該裏板に固着されたライニングと
を含む摩擦パッドとを備えており、該摩擦パッドと該基
部との間には該摩擦パッドを該ローターの半径方向外方
向へ付勢する板バネが介装されたディスクブレーキに関
するものである。

従来のこの種のディスクブレーキに於いては、摩擦パッ
ドＡは、第９図に示すように裏板Ｂと該裏板Ｂに固着さ
れたライニングＣとからなっている。

該裏板Ｂの側部には耳部りが、該ライニングＣの側部に
は該裏板耳部りと重合するような耳部Ｅが夫々形成され
ている。

しかして該ライニング耳部Ｅはディスクブレーキがアセ
ンブリされて車両に装着される迄の間、特に輸送中に該
摩擦パッドＡがトルク受は部材から外れないようにする
ために設けられているものである。

すなわち、該摩擦パッドＡの裏板Ｂの耳部りがトルク受
は部材のアーム部に形成された切欠きから外れていても
該ライニング耳部Ｅは該切欠きに嵌入されているので該
摩擦パッドＡ全体としてはトルク受は部材から外れない
ようになっている。

そして該裏板Ｂをロータ一方向に押圧してやると該裏板
耳部りは該切欠きに嵌入されるようになっている。

このように該ライニング耳部Ｅによって該摩擦パッドＡ
のトルク受は部材からの外れ止めを行なわせるためには
該ライニング耳部Ｅの厚みが第９図に示された如く該裏
板Ｂの厚みと略同等又はそれ以上でなければならない。

ところが該ライニング耳部Ｅは、該ライニングＣを該裏
板Ｂに一体成形したのちに、その裏面を加工して形成し
ていた。

これは、該ライニング耳部Ｅの表面はそのままでは密度
が小さくやわらかいので、適当な強度を持たせるために
フライス加工でもって薄くしなければならないからであ
る。

したがって、その加工のために余分な手間とコストがか
かつていた。

また、そのようにして形成されたライニング耳部Ｅは時
として欠けるという不具合もあった。

そこでライニング耳部Ｅを設けないようにすることが提
案されるが、そうなるとディスクブレーキの車両への装
着前に裏板耳部りがトルク受は部材のアーム部の、切欠
きから外れた場合、ディスクブレーキの車両への装着の
際に、裏板耳部りを切欠きに嵌入巳なければならなくな
る。

本考案の目的は、かかる事情に鑑み、ライニング耳部を
無くしても摩擦パッドがトルク受は部材から外れないよ
うにする板部材を備えたディスクブレーキを提供するこ
とにある。

以下、本考案の一実施例を第２〜第８図に基づいて説明
する。

ディスクブレーキ１０の摩擦パッド（インナーパッド）
１１は、裏板１２と該裏板１２に固着されたライニング
１３とからなっており、車両と一体に回転するローター
（図示略）の一方の摩擦面に対向する。

そして裏板１４とライニング１５とからなる摩擦パッド
（アウターパッド）１６は、該ローターの他方の摩擦面
に対向している。

該ローターの一側には略Ｕ字型をなしたトルク受は部材
１７が車両の非回転部分（図示略）に固定されている。

しかして該トルク受は部材１７は、円周方向に所定の間
隔を隔た一対のアーム部１８，１８′と、該アーム部１
８．１８’を連結する基部１９とを有している。

そして、該アーム部１８，１８′からは該ローターを跨
ぐ延在部２０，２０’が夫々突出しており、該延在部２
０，２０’には盲ボア２１．２１’（図示略）が形成さ
れている。

該ローターを跨ぐキャリパ−２２は、該ローターの一側
にシリンダ部２８を有しており、該シリンダ部２８は該
インナーパッド１１の裏板１２と当接するピストン２４
と該ピストン２４を押し出す液圧が供給される液圧室２
５を含んでいる。

該キャリパ−２２のシリンダ部２３の左右にはフランジ
部２６．２６’が形成されており、該フランジ部２６．
２６’にはガイドピン２７．２７’が植設されている。

そして該ガイドピン２７．２７’は該トルク受は部材１
７の延在部２０，２０’の盲ボア２１．２１’に摺動可
能に嵌入されている。

該キャリパ−２２は該ローターの他側に於て該アウター
パッド１６の裏板１４と係合している。

該アーム部１８．１８’には、互いに対向する切欠き２
８．２８’が形成されており、該インナーパッド１１の
裏板１２の耳部１２ａ、１２ｂ（図示略）が板部材２９
．２９’を介して該切欠き２８．２８’に嵌入されてい
る。

そして該インナーパッド１１は板バネ３０によって上方
向に付勢されている。

尚、該ローターの他側に於て該トルク受は部材１７の延
在部２０，２０’は、略Ｕ字型をなす連結部材３１によ
って相互に連結されている。

そして、該連結部材３１にも互いに対向する切欠き（図
示略）が形成されており、該切欠きには板部材２９．２
９’を介して該アウターパッド１６の裏板１４の耳部（
図示略）が嵌入されている。

該板部材２９を詳しく述べれば、３３は該切欠き２８に
嵌入ざ朴該裏板耳部１２ａを受は入れる主部で、該主部
３３からは該アーム部１８に沿って該基部１９方向にシ
ム部３４が延在している。

しかして該主部３３と該シム部３４は該裏板１２の側部
と該アーム部１８との間の錆び付きを防止するものであ
る。

そして該シム部３４からは該アーム部１８外面と係合す
る爪部３５が折り曲げられて形成されている。

該主部３３からはガイド部３６が該ローター軸外方向に
該裏板耳部１２ａ上面と当接して延在しており、該ガイ
ド部３６は該裏板１２の厚みよりも長くなったところで
折り曲げられて該ローター軸内方向に反転している。

そして該ガイド部３６からは、該アーム部１８を上から
抱きかかえる抱持部３７が延在しており、該抱持部３７
は該爪部３５と協同して該板部材２９が該ローター軸方
向に外れないようにしている。

尚、該板部材２９′は、第８図に示すように主部３３′
、シム部３４′、爪部３５′、ガイド部３６′および抱
持部３７′を有しており、該板部材２９と対称の形状を
している。

以上述べたように、該板部材２９，２９’のガイド部３
６．３６’はローター軸外方向に摩擦パッドの裏板の厚
さよりも長くなっているので、ディスクブレーキが車両
に装着された時にインナーパッド１１がトルク受は部材
１７の外側に出ていても、裏板耳部１２ａ＝ １２ｂ
が板部材２９，２９′のガイド部３６，３６’と当接し
ている。

したがって、インナーパッド１１をロータ一方向に押し
てやると、裏板耳部１２ａ、１２ｂは板部材２９．２９
’のガイド部３６．３６’にガイドされて容易に板部材
２９．２９’の主部３３．３３’に受は入れられる。

このことは、アウターパッド１６についても同じことが
いえる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るディスクブレーキの一実施例をロ
ーター半径外方向から見た部分断面図、第２図は第１図
Ａ方向から見た部分断面図、第３図は本考案に係るディ
スクブレーキに於て使用される板部材の斜視図、第４図
は第２図Ｂ部拡大図、第５図は第４図Ｃ方向矢視図、第
６図は第４図り方向矢視図、第７図は本考案に係るディ
スクブレーキに於て使用される摩擦パッド部分図、第８
図は第３図の板部材と対称形状の板部材の斜視図、第９
図は従来の摩擦パッドの部分図である。 １２：裏板、１２ａ：耳部、１３ニライニング、１７：
トルク受は部材、１８，１８’：アーム部、１９：基部
、２９，２９’：板部材、３３．３３’：主部、３４，
３４’：シム部、３６゜３６′ニガイド部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車輪と一体回転するローターと、該ローターの一側にお
   いて車両の非回転部分に固定されるトルク受は部材であ
   って、該ローターの円周方向に所定の間隔を有すると共
   に互に対向する切欠きが形成された一対のアーム部およ
   び該両アーム部の該ローターの半径方向内方向、端を連
   結する基部とを含むトルク受は部材と、該両アーム部間
   に該ローターの軸方向へ移動可能に配置された摩擦パッ
   ドであって、該切欠きに突入する耳部が両側部に形成さ
   れた裏板および該裏板に固着されたライニングとを含む
   摩擦パッドとを備えており、該摩擦パッドと該基部との
   間には該摩擦パッドを該ローターの半径方向外方向へ付
   勢する板バネが介装されたディスクブレーキに於て、該
   摩擦パッドの該裏板と該トルク受は部材の該両アーム部
   との錆び付きを防止する一対の板部材が該摩擦パッド両
   側部と該両アーム部との間に介装されかつ該アーム部に
   固定され、該板部材は該切欠きに嵌入されて該耳部を受
   は入れるところのその主部の各部分のうちで該耳部を該
   ローターの半径方向外方向より受は止める部分から該ロ
   ーターの軸方向でかつ該ローターから遠ざかるように、
   しかも該摩擦パッドの該裏板の厚み以上となるまで延在
   するガイド部を有していることを特徴とするディスクブ
   レーキ。