JPS6021349Y2 - 二輪車のフロントフオ−ク

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【考案の詳細な説明】二輪車が高速度で走行中に急制動を掛けると、慣性で搭
乗者の体重がバンドルに加えられて、これが著しく沈み
込むために操舵性が損われて極めて危険である。

この欠点を除去するために従来は制動機構の油圧を利用
してフロントフォークの沈み込みを防止する装置が用い
られていたが、機構が複雑であ。

従って本考案は、可視像の牽引操作に連動する簡単な機
構でフォークの沈み込みを防止すると共にその状態で路
面から受ける衝撃に対しては緩衝作用を保持し得るフロ
ントフォークを提供するものである。

第１図は本考案実施例の一部を縦断した図で、二輪車の
前輪の軸に結着されるボトムケース１にフォークパイプ
２の下部を摺動自在に嵌合して内部に油を充填し、かつ
ボトムケースの底部に植設したシートパイプ３の上端に
おけるピストン４をパイプ２の内側に摺動自在に嵌合し
である。

このピストン４とフォークパイプ２の上部との間にばね
５を張架して、該パイプ２に車体の前部を懸架する。

またフォークパイプ２の下端には、このパイプの下降時
に開いて、上昇時に閉じる逆止弁６を設け、シートパイ
プ３の上部にオリフィス７を形成しである。

更にシートパイプ３の下部にオイルロックピース８を設
けて、その内側の間隙を油孔９により上記パイプ３の内
側の油室に連結し、かつ該間隙を油路１０に連結すると
共にパイプ３の外側の油室を油路１１に連結して、オイ
ルロックピース８の上部に環状の逆止弁１２を設けであ
る。

第２図は第１図の一部を縦断して拡大した図で、ボトム
ケース１の外側部に筒状の弁室１３を形成して、その両
端を前記油路１０，１１に連結し、該弁室の段部１４に
ばね１５の力で上向きに圧接する環状弁１６を設けであ
る。

この環状弁１６に筒状弁１７を摺動自在に嵌合して、そ
の一端を上記弁室の端部に固設されたゴム等の弁座１８
に対向させ、該筒状弁を弁座から離隔する方向へ押圧す
るばね１９を設けである。

かつ前記弁室の端部に摺動自在に嵌合した操作杆２０の
基端に可撓像２１と結着し、該操作杆の先端と筒状弁１
７の底面との間にばね１９より多少強いばね２２を張架
して、該筒状弁の底面に近い位置に油孔２３を設けであ
る。

なお図において、２４はＯリング、２５はオイルシール
である。

上述のフロントフォークの圧縮時には逆止弁６が開き、
かつピストン４の下部の油は油路１１、弁座１８と筒状
弁１７の間隙、油孔２３、油路１０、油孔９およびシー
トパイプ３の内部を通ってピストン４の上部へ流出する
から、油孔９によって、比較的小さい減衰力が発生する
。

また伸長時には逆止弁６は閉じるためにシートパイプ３
とフォークパイプ２との間の油がオリフィス７から噴出
して大きな減衰力が発生する。

かつフォークパイプ２の下部が負圧になるために逆止弁
１２が開いて、弁室１３の状態に関係なく該パイプの下
部へ油が補給される。

更に可撓像２１を二輪車の制動レバーに連結しておくと
、制動と同時にこれが図の上方へ牽引されるから、ばね
２２を介して筒状弁１７が上方へ摺動されて、その上端
が弁座１８に圧接する。

従って弁＊１３の上部と下部とが遮断されて、シートパ
イプ３の外側の油がオリフィス７のみを介してその内部
に連通ずる。

このため搭乗者の慣性でハンドルの荷重が増大すると、
上記オリフィスで大きな減衰力が発生してフォークパイ
プ３の下降を阻止する。

従ってハンドルの沈み込みが防止される。

しかもこの状態で路面から衝撃を受けると、シートパイ
プ３の外側の油圧が著しく上昇するために、ばね１５が
圧縮されて環状弁１６が段部１４から離隔し、弁室１３
の上下が連通ずる。

従ってフォークパイプ２が下降して、上記衝撃を吸収す
る。

このように本考案のフロントフォークは可撓像の牽引操
作によって制動時におけるハンドルの沈み込みを防止し
得ると共に路面から受ける衝撃は、これを緩和し得る。

従って上記可撓像を二輪車の制動レバーに連結すること
により、極めて簡単に上述の機能を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の一部を縦断した図、第２図は第
１図の一部を縦断して拡大した図である。なお図において、１はボトムケース、２はフォークパイ
プ、３はシートパイプ、４はピストン、１３は弁室、１
４は段部、１５はばね、１６は環状弁、１７は筒状弁、
１８は弁座、２１は可撓像である。

【実用新案登録請求の範囲】