JPS6040395Y2 - 二輪車等のフロントフオ−クにおけるアンチ．ノ−ズ．ダイビング機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、二輪車等のいわゆるノーズ・ダイビング（ｎ
ｏｓｅ−ｄｉｖｉｎｇ）を防止するためのフロントフォ
ークのアンチ・ノーズ・ダイビング（ａｎｔｉ −ｎｏ
ｓｅ −ｄ ｉｖｉｎｇ）機構の改良に関するものであ
る。

二輪車等においては、高速度で走行中に急速に制動がか
けられると、慣性でフロントフォークに搭乗者の体重が
かかり、いわゆるノーズ・ダイビング現象を生じて操縦
性が著しく損われる。

この難点を除くために、制動機構に連動して、制動時に
フロントフォークの圧縮行程に対する抵抗を大として、
フロントフォークの沈み込みを防止するアンチ・ノーズ
・ダイビング機構を設ける必要があり、又、良好な操縦
性を得るために、制動時においても一定の緩衝機能を維
持しておく必要がある。

また広範な路面条件に対応するために、制動時の緩衝機
能を簡単な操作により調整できることが望ましいところ
である。

しかしながら、アンチ・ノーズ・ダイビング機構にあっ
ては、減衰力を大きく切り換えることによってその目的
を達しており、また制動時において緩衝機能を一定にし
か得ることができなかった。

これに対して本考案は、特に気体反力の切り換えによっ
てフロントフォークへのクッション特性を変えてその目
的を達するもので、また、その切り換え中（制動時）に
おいても、気体反力と油圧減衰力とにより緩衝機能をも
つようにせしめたもので、更に、簡単な操作によって広
範なアンチ・ノーズ・ダイビング特性を得ることができ
、あらゆる路面条件に対応し得るフロントフォークを提
供することを目的とするものである。

第１図は本考案の一実施例に係る二輪車等のフロントフ
ォークにおけるアンチ・ノーズ・ダイビング機構の縦断
面図で、有底筒状の内筒１と外筒２とを摺動自在に嵌合
してて外筒２の内部にアンチ・ノーズ・ダイブ用の作動
油３を、又内筒１内部に減衰力発生用の作動油１８を充
填し、弁或いは固定オリイフイス等のような減衰力発生
機構を有するピストン６を摺動自在に内筒１内に設ける
。

更に、外筒２上側の内周面に固定され且つ圧縮行程時の
みに閉じる逆止弁４を備えた上部ピストン５を有するロ
ッド７の下端に前記ピストン６を連結せしめて、フロン
トフォークを形成しである。

前記上部ピストン５上面の作動油３の上部には、低圧の
気体を封入した低圧気体室８が形成され、該低圧気体室
８は、途中に気体の逆流を防止する逆止弁１６と、制動
機構に連結されて制動時に閉じる開閉弁１７とを備えた
流体回路１０によりサブタンク９に連結されている。

また、前記上部ピストン５の下部の作動油室は、別途側
路１３をもって前記サブタンク９に連結されている。

尚サブタンク９には、高圧気体を、摺動自在からなるフ
リーピストン１４と底面の容積アジャスター１５のピス
トン１１とにより封入した高圧気体室１２が設けられ、
該容積アジャスター１５によりピストン１１を移動して
高圧気体室１２の容積を変化調整できるように構成され
ている。

一方アンチ・ノーズ・ダイブ用の作動油３は、上部ピス
トン５の上側、前記サブタンク９のフリーピストン１４
の上部、側路１３、上部ピストン５の下部の作動油室及
び流体回路１０の逆止弁１６の部分にまで充填され、且
つ作動油３の液面が内筒１の最伸長時においても上部ピ
ストン５の上面にあるように充填されている。

又、減衰力発生用の作動油１８は内筒１内に封入され、
内筒１内のピストン６の上方には体積補償用の気体室１
９が設けられている。

尚２０は内筒１の上端のロッド７との摺動部に設けられ
たシール材である。

本考案に係るフロントフォークにおいて、二輪車等が制
動をかけることなく走行する状態では、減衰力は内筒１
内を摺動するピストン６に設けられた減衰力発生機構に
より得られる。

一方、逆止弁４は内筒１の圧縮行程では閉じ、伸長行程
では開くものであるが圧縮行程時、作動油３は、開閉弁
１７が開放されているため、側路１３を通り、実線の矢
印に示す通りの流体回路１０を介して逆止弁１６を開い
て低圧気体室８に流れる。

第２図の曲線Ａは、通常の状態におけるフロントフォー
クの圧縮距離ＳＴと反力Ｐとの関係を示したものである
が、前記したように、圧縮時の逆止弁４は閉ざされ、更
に油面上の低圧気体室８の圧力が低く、又作動油３の圧
力がフリーピストン１４を下降させる程高くないので、
内筒１の侵入ストロークＳＴの増加に伴って反力Ｐは比
較的緩やかに増大し適度のバネ特性を発生する。

しかし走行中に制動がかけられると、第１図において制
動に連動して開閉弁１７が閉じる。

従ってフロントフォークが慣性によって圧縮されると流
体回路１０への流入を阻止された作動油３は側路１３よ
り点線の矢印に示すようにサブタンク９へ流れ込み、フ
リーピストン１４を下降させて、高圧気体室１２内の高
圧気体により、第３図の曲線Ｂに示したように強い反力
をうけるのである。

すなわち、制動に伴う搭乗者の慣性で二輪車等のハンド
ルに大きな荷重が加わった場合でも、前記するように反
力が大となるために、フロントフォークの沈み込みが抵
抗をうけてノーズ・ダイビングの現象を防止することが
できる。

更に、高圧気体室１２の圧力は容積アジャスター１５に
より該気体室の容積を変えることにより、第３図Ａに示
したＣの範囲内で調整し得ることとなり、また、高圧気
体室１２内へ封入する気体の圧力を変えることにより、
第３図ＢのＤの範囲で調整し得ることとなる。

更に第４図に示すように、いずれのブレーキングポイン
トにおいても曲線１３／。

Ｂ“のように同様なアンチ・ノーズ・ダイビングの効果
を得ることができるので、広範な路面条件に対応するア
ンチ・ノーズ・ダイビング特性を発揮することのできる
極めて有用な二輪車等のフロントフォークにおけるアン
チ・ノーズ・ダイビング機構である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る二輪車等のフロントフ
ォークにおけるアンチ・ノーズ・ダイビング機構の縦断
面図、第２図、第３図Ａ１第３図Ｂ並びに第４図は第１
図の作用を説明するそれぞれの特性曲線図である。 １・・・・・・内筒、２・・・・・・外筒、３・・・・
・・作動油、４・・・・・・逆止弁、５・・・・・・上
部ピストン、６・・・・・・ピストン、７・・・・・・
ロッド、８・・・・・・低圧気体室、９・・・・・・サ
ブタンク、１０・・・・・・流体回路、１２・・・・・
・高圧気体室、１３−−−−−−側路、１４・・・・・
・フリーピストン、１６・・・・・・逆止弁、１７・・
・・・・開閉弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内筒の上部に外筒を摺動自在に嵌合して内筒の上端部に
   より仕切られた内筒部の油室と外筒内部の油室に夫々作
   動油を充填し、内筒内に摺動自在に設けられ且つ減衰力
   発生機構を有するピストンを設けたロンドを上方へ延長
   して外筒上側の内周面に固定され且つ圧縮工程時のみに
   閉じる逆止弁を備えた上部ピストンと連結せしめ、前記
   上部ピストン上面の油の上部に形成された低圧気体室を
   途中に気体の逆流を防止する逆止弁と、制動時に閉じる
   開閉弁とを備えた流体回路によりサブタンクに連結する
   と共に、前記上部ピストンの下部の作動油室を、別途側
   路により前記サブタンクに連結し、且つ該サブタンク内
   に高圧気体室を設けたことを特徴とする二輪車等のフロ
   ントフォークにおけるアンチ・ノーズ・ダイビング機構
   。