JPS6017390Y2 - 農用トラクタのフロントアクスルブラケツト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はフロントアクスルと蛇取り装置を支持するため
のフロントアクスルブラケットに関するもので、その前
端にフロント作業機を取り付けてエンジンから確実に回
転力を供給できるようにすることを目的としている。

次に図面により説明する。

トラクタ前端部の中央縦断左側面を示す第１図（矢印Ｆ
は前方）において、フロントアクスルブラケット１は後
脚部２と前脚部３の間に傾斜隔壁４と後壁５を一体に備
え、後脚部２は複数個のボルト６によりエンジン７の前
端面に締着されている。

８はフロントアクスルセンターピンで、後端部（図の右
端部）はブラケット後脚部２の孔９に嵌合し、前端部は
カラー１０を介してブラケット前脚部３の孔１１に嵌合
し、前端に固着したフランジ１２が複数個のボルト１３
によりブラケット前脚部３に締着されている。

１４はフロントアクスルで、左右両端部に前輪タイヤ１
５が取り付けてあり、中央部に固着したボス筒１６はセ
ンターピン８上にブツシュを介して回動自在に支持され
ている。

従ってフロントアクスル１４はセンターピン８上におい
てスイング可能である。

１８は概ね垂直なベルクランクシャフトで、上端にベル
クランクアッパーアーム１９を一体に備え、傾斜隔壁４
の途中に設けた軸受孔２０に回動自在に嵌合し、下端に
はベルクランクロアーアーム２１がキー２２及びボルト
２３により取り付けである。

アーム２１はシャフト１８の下端部から傾斜隔壁４に沿
い斜め上方且つ後方へ延び、傾斜隔壁４と後壁５から成
る下開き凹部２４の後端において２個のボール継手２５
を介し左右のタイロッド２６に接続している。

ブラケット１は傾斜隔壁４の上方に左右の側壁２７で区
画された上開き凹部２８を備え、左右の側壁２７の上端
面に複数個のボルト２９を用いて板状のラジェータブラ
ケット３０が取り付けてある。

３１はラジェータ、３２はボンネット、３３はボンネッ
ト前端部の網である。

ラジェータブラケット３０はラジェータ３１の前方（図
の左方）のボンネット内空間３４の底部を遮蔽する底板
の役割を果している。

ボンネット３２は前方下端に１対のヒンジブラケット３
６を備え、このヒンジブラケット３６は左右方向のヒン
ジピン３７を介してフロントヒツチ３８上のヒンジブラ
ケット３９に支持されている。

フロントヒツチ３８は複数個のボルト４０にヨリフロン
トアクスルブラケット１の前端面４１の下半部に取り付
けである。

前端面４１は左右のヒンジブラケット３６の間の部分が
トラクタの前方に露出しており、図示されていないフロ
ント作業機取付台ブロック取付面を兼ね、ブロック取付
用のボルト孔４２（第２図）を有する。

ベルクランクシャフト軸受孔２０のボス部から庇４３が
前方へ突出しており、庇４３はフロントドライブ軸４４
（中心線）の軸受取付面４５を備え、取付面４５には軸
受取付用の複数個のボルト孔４６（第３図）が設けであ
る。

フロントドライブ軸４４はエンジンクランクシャフトの
センター上に配置されてフロントアクスルブラケット１
の上方の凹部２８内を通過し、トラクタ前方の作業機に
クランクシャフトの回転力を伝達する役割を果す。

なお第１図において４７はベルクランクロアーアーム２
１に設けたストッパー、４８はフロントアクスルブラケ
ット１に設けたストッパーで、両ストッパー４７．４８
によりベルクランクロアーアーム２１の回動範囲が制限
される。

ベルクランクアッパーアーム１９は第２図のようにベル
クランクシャフト１８の上端から上開き凹部２８内にお
いてトラクタの側方（左方）へ延び、先端部はボール継
手４９を介してドラグロツド５０に接続している。

ドラグロツド５０は側壁２７に沿い後方へ延び、後端は
ピットマンアームを介してステアリングギヤーボックス
（共に図示せず）に接続し、ステアリングホイールを操
作することにより前後方向（第２図の紙面と直角方向）
へ移動する部材である。

又第２図の５１はナックルアーム、５２はキングピンで
ある。

第３図の５３はボンネット取付座３５に設けたボルト孔
で、第１図のヒンジブラケット３９を固定する際使用さ
れる。

ステアリングホイールを右方向に操作してドラグロツド
５０を第３図の矢印Ａ方向に引くと、ベルクランクアッ
パーアーム１９とロアーアーム２１は矢印Ｂ方向に回動
し、タイロッド２６は矢印Ｃ方向に移動し、前輪タイヤ
１５が右方向に回動する。

ステアリングホイールを左に操作し時は各部は逆方向に
動き、前輪タイヤ１５は左方向に回動する。

以上説明したように本考案においては、エンジンに固定
したフロントアクスルブラケット１にその前脚部３より
後方へ行くにつれて上昇するように傾斜隔壁４を一体に
設け、この傾斜隔壁４の途中に一体に設けた略垂直な筒
状部により軸受孔２０を形成してそこに蛇取り用ベルク
ランクシャフト１８を支承し、筒状部と傾斜隔壁４から
庇４３とその補強リブを一体に張り出し、フロントアク
スルブラケット前面のフロントヒツチ取付面と同一面上
にフロント作業機取付台ブラケット取付面４１を設けて
そこにフロント作業機取付台ブロックを取り付け、庇４
３の上面にフロントドライブ軸４４の軸受取付面４５を
設けてそこに軸受を取り付け、該軸受で支承したフロン
トドラ５イブ軸４４をフロント作業機に連結するように
したことを特徴としているので、次のような特殊な効果
を得ることができる。

即ちフロント作業機の取り付けられる前端面４１とフロ
ントドライブ軸４４の軸受の取付面４５が一体のフロン
トアクスルブラケット１に設けられているので、フロン
ト作業機に対し正確な位置関係を維持してフロントドラ
イブ軸４４を接続することができ、フロント作業機の作
動が確実になる。

しかも前端面４１はフロントヒツチ３８に取付面と共通
の面で形成しているので、加工は極めて容易になる。

更に本考案によるとベルクランクシャフト用軸受孔２０
を形成している筒状部が庇４３とその補強リブ及び傾斜
隔壁４により補強され、ベルクランクシャフト１８の支
持が安定して舵取り装置の作動が正確になるばかりでな
く、軸受孔２０を囲む筒状部が軸受取付面４５の下側の
庇４３を補強し、フロントドライブ軸４４に対する保持
剛性が高まり、この意味からもフロント作業機に対しフ
ロントドライブ軸４４の位置、姿勢を長期にわたり正確
に維持し、フロントドライブ軸４４の振動を防ぎ、供給
動力の質が向上する。

しかも庇４３とその補強リブはフロント作業機取付面と
なる前端面４１に対しても補強作用を及ぼし、フロント
作業機の保持剛性が高まり、フロント作業機の振動、位
置ずれ等を防ぐことができる。

なお本考案は前輪駆動トラクタにも同様に適用すること
ができる。

その場合はフロントアクスル中央のデフケース部分の前
後端に支軸を突設し、両立軸をフロントアクスルブラケ
ットの前後脚部に軸受を介して支持すれば良い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を適用した農用トラクタの前端部の縦断
左側面図、第２図は第１図の■−■断面を含む正面図、
第３図は一部切欠いて示す平面図である。 １・・・・・・フロントアクスルブラケット、４１・・
・・・・フロント作業機取付台ブロック取付面、４４・
・・・・・フロントドライブ軸、４５・・・・・・軸受
取付面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エンジンに固定したフロントアクスルブラケット１にそ
   の前脚部３より後方へ行くにつれて上昇するように傾斜
   隔壁４を一体に設け、この傾斜隔壁４の途中に一体に設
   けた略垂直な筒状部により軸受孔２０を形成してそこに
   蛇取り用ベルクランクシャフト１８を支承し、筒状部と
   傾斜隔壁４から庇４３とその補強リブを一体に張り出し
   、フロントアクスルブラケット前面のフロントヒツチ取
   付面と同一面上にフロント作業機取付台ブラケット取付
   面４１を設けてそこにフロント作業機取付台ブロックを
   取り付け、庇４３の上面にフロントドライブ軸４４の軸
   受取付面４５を設けてそこに軸受を取り付け、該軸受で
   支承したフロントドライブ軸４４をフロント作業機に連
   結するようにしたことを特徴とする農用トラクタのフロ
   ントアクスルブラケット。