JPS6016741Y2 - 中大形内燃機関のアイドルギヤ支持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は中太形内燃機関のアイドルギヤ支持装置に関す
るものである。

第１図に示す中太形内燃機関において、クランク軸５の
回転をカム軸１に伝達するためには、クランク軸５に固
設したクランクギヤ４と歯合するアイドルギヤ（Ａ）３
Ａと、カム軸１に固設したカムギヤ２と歯合するアイド
ルギヤ（Ｂ）３Ｂとを設け、この２つのアイドルギヤ（
Ａ）３Ａ及び（Ｂ）３Ｂをリングボルト６で連結すると
共に、アイドルサポート１０の外周に嵌装されたブツシ
ュ７の外周で空転可能にしている。

ここで、アイドルサポート１０の一方の端部は、シリン
ダブロック９にボルト１１により強固に締結されて固設
されているが、アイドルサポート１０のシリンダブロッ
ク９により固設されていない他方の端部は間座８を介装
の上、小形の内燃機関では、押え金によりアイドルギヤ
（Ａ）３Ａ及び（Ｂ）３Ｂが回転時に飛び出さないよう
にしている。

しかしながら、第１図に示すような中太形内燃機関では
、アイドルサポート１０の一方の端部をシリンダブロッ
ク９に固設しているだけでは充分な支持ができず、その
他方の端部がアイドルギヤ（Ａ）３Ａ及び（Ｂ）３Ｂの
力により傾斜するという恐れがあり、間座８に対しサポ
ート１２を押しつけながら、サポート１２のゲート内と
アイドルサポート１０の端部の外周にテーパブツシュ１
３を介装の上、ボルト１４を締め上げることによってテ
ーパブツシュ１３がサポート１２のゲート内に圧入され
、その状態でサポート１２がギヤケースのふた部材１６
に対してボルトで締結されるよつになっている。

上記のごとく、アイドルサポート１０の両端部は、ギヤ
ケースのふた部材１６とシリンダブ葡ツク９との両方に
支持されており、かつ、その両者の締結部に隙間をなく
するためにテーパブツシュ１３が使用されており、運転
中に隙間によるがたつきがないよにしている。

しかしながら、上記のテーパブツシュ１３をボルト１４
を締め上げる構造ではその製作コストが高くなり、かつ
、構造が複雑になるという欠点があり、そこで本考案は
、その欠点を解消するためになされたものであり、アイ
ドルギヤを支持するアイドルサポートを強固に支持可能
な支持装置を安価に提供することを目的としたものであ
る。

即ち、本考案は、クランクギヤ４に歯合する一方のアイ
ドルギヤ３Ａとカムギヤ２と歯合する他方のアイドルギ
ヤ３Ｂとをリングボルト６で一体に連結し、それらアイ
ドルギヤ３Ａ、３Ｂを、一方の端部がシリンダブロック
９に固設された１個のアイドルサポート１０の外周に回
転自在に嵌装して該アイドルサポート１０により支持す
るようにしたアイドルギヤ支持装置において、該アイド
ルサポート１０のシリンダブロック９に固設されていな
い他方の端部を、その外周との間に小さな組立用隙間を
保ちながら支持する穴部１２ａを有し、かつギヤケース
のふた部材１６に固設されたサポート１２の前記穴部１
２ａに挿着して支持すると共に、前記組立用隙間に内燃
機関の潤滑油を供給する潤滑油供給手段を設けることに
より構成される。

以下図面を参照して本考案の実施例を説明するが、第１
図の従来例と同じ部品は同じ部品番号で示している。

第２図に示す本考案の実施例における中太形内燃機関の
アイドルギヤ（Ａ）３Ａ及び（Ｂ）３Ｂの支持装置につ
いて説明すると、第１図とほぼ同様の機能及び構成から
なるアイドルギヤ（Ａ）３Ａ及び（Ｂ）３ Ｂはリング
ボルト６により一体に連結された上、アイドルサポート
１０の外周に設けられたブツシュ７上を回転自在に嵌装
されており、アイドルサポート１０は一方の端部をシリ
ンダブロック９にボルト１１により固設されている。

次に、アイドルサポート１０の他方の端はは間座８を介
装した状態でサポート１２に設けた穴部１２ａに対し小
さな組立用隙間を保ちながら直接挿着し、そしてその端
部をサポート１２が支持するよにしている。

上記挿着の際には、サポート１２をギヤケースのふた部
材１６にノックピンを打って合わせて位置決めし、その
上で穴部１２ａにアイドルサポート１０の端部を小さな
組立用隙間で差し込むという作業を行なえだ良い。

すなわち、本考案では第１図の従来例において必要とさ
れたテーパブツシュ１３及びその締付用のボルト１４を
省略できる。

更に、サポート１２の穴部１２ａとアイドルサポート１
０の端部の外周との組立用隙間に油膜をｉ形成させるこ
とにより金属接触を防止するように、この内燃機関の潤
滑油をパイプ２０及びジヨイント２１からきり穴２２経
由サポート１２側に設けた円周みぞ２３に圧入して、常
時油膜を形成させるよにしている。

ここで、オーバフローした潤滑油は間座８の摺動部の潤
滑も行なうが、この組立用隙間からの潤滑油はドレンポ
ート２５から下方に流れるようにしており、組立用隙間
により、アイドルサポート１０の端部がアイドルギヤー
（Ａ）３Ａ及び（Ｂ） ３ Ｂによりたたかれることを
防止できる。

本考案のアイドルギヤ支持装置は、上記のように構成さ
れ、アイドルサポート１０のシリンダブロック９に固設
されていない他方の端部を、その外周との間に小さい組
立用隙間を保ちながら支持する穴部１２ａを有し、かつ
ギヤケースのふた部材１６に固設されたサポート１２の
前記穴部１２ａに挿着して支持するようにしたので、中
太形内燃機関の場合に必要であったテーパブツシュ及び
その締付は用のボルトを使用せずに、アイドルサポート
１０の両端をシリンダブ陥ツク９とギヤケースとにより
強固に支持することが可能であり、それだけ構造が簡単
となり、その製作コストも低減させることができる。

また、組立用隙間に内燃機関の潤滑油を供給する潤滑油
供給手段を設けたので、組立用隙間に形成される油膜で
、アイドルサポート１０の端部の外周とサポート１２の
穴部１２ａとの金属接触を防止しうると共に、該組立用
隙間により、アイドルサポート１０の端部がアイドルギ
ヤ３Ａ及び３Ｂによりたたかれることを防止することが
できる等の効果がある。

なお、本考案は主として中太形内燃機関に対して有効に
適用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の中太形内燃機関のアイドルギャ支持装置
要部の側断面図、第２図は本考案の実施例における中太
形内燃機関のアイドルギヤ支持装置の側断面図である。 ２・・・・・・カムギヤ、３Ａ・・・・・・アイドルギ
ヤ（４）、３Ｂ・・・・・・アイドルギヤ（Ｂ）、４・
・・・・・クランクギヤ、６・・・・・・リングボルト
、７・・・・・・ブツシュ、８・・・・・・間座、９・
・・・・・シリンダブロック、１０・・・・・・アイド
ルサポート、１２・・・・・・サポート、１２ａ・・・
・・・穴部、１６・・・・・・ふた部材、２２・・・・
・・きり穴、２３・・・・・・円周みぞ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クランクギヤ４に歯合する一方のアイドルギヤ３Ａとカ
   ムギヤ２と歯合する他方のアイドルギヤ３Ｂとをリング
   ボルト６で一体に連結し、そられアイドルギヤ３Ａ、３
   Ｂを、一方の端部がシリンダブロック９に固設された１
   個のアイドルサポート１０の外周に回転自在に嵌装して
   該アイドルサポート１０により支持するようにしたアイ
   ドルギヤ支持装置において、該アイドルサポート１０の
   シリンダブロック９に固設させていない他方の端部を、
   その外周との間に小さな組立用隙間を保ちながら支持す
   る欠部１２ａを有し、かつギヤケースのふた部材１６に
   固設されたサポート１２の前記穴部１２ａに挿着して支
   持すると共に、前記組立用隙間に内燃機関の潤滑油を供
   給する潤滑油供給手段を設けたことを特徴とする中太形
   内燃機関のアイドルギヤ支持装置。