JPS6016150Y2 - カラ−映像信号記録再生装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はカラー映像信号記録再生装置に係り、特にカラ
ー映像信号より分離して得た搬送色信号を低域に周波数
変換して得た低域変換搬送色信号を記録媒体上に直接記
録し、これを再生する装置において、雑音が視覚的に目
立ちやすい比較的低レベルの搬送色信号に混入する雑音
を低減し、良好なカラー再生画像を得ることのできるカ
ラー映像信号記録再生装置を提供することを目的とする
。

一般に例えばＮＴＳＣ方式等の標準カラー映像信号を輝
度信号と搬送色信号とに分離し、揮度信号を周波数変調
し搬送色信号を低減に周波数変換し、これら両信号を混
合多重して得た信号を記録媒体に記録し、これを再生す
る装置において、上記低域変換搬送色信号は、その記録
再生過程において記録媒体の不均一性や増幅器の影響時
により雑音を混入される。

この混入する雑音は、振幅性雑音と位相性雑音とに分け
て考えることができ、前者はベクトルスコープ上に写し
出される色信号の所定の色点を半径方向に振らせて色の
飽和度に影響を与え、一方、後者は上記所定の色点をベ
クトルスコープの円周方向に振らせ色相に変化を与える
。

これら振幅性雑音と位相性雑音のうち、特に位相性雑音
が実際上、視覚的に目立ちやすく問題となる。

実験によれば、例えば一様な雑音が混入すると、第１図
に斜線で示すように、低域変換搬送色信号はベクトルス
コープ上のどのような色点（同図の斜線で示す部分の中
心点）に対しても一様な広がり（半径一定の円形）を示
す。

このことは色相のずれ（ベクトルスコープ中心からみた
振れ角）として見た場合、低レベルの色信号はど雑音の
影響が大なることを示している。

本考案は上記欠点を除去するものであり、第２図以下と
共にその一実施例を説明する。

第２図は本考案装置の一実施例のブロック系統図を示す
。

同図中、１は入力端子で、これより入来した標準カラー
映像信号は低域フィルタ２に供給され、ここで輝度信号
を分割される一方、帯域フィルタ５に供給され、ここで
搬送色信号を分離される。

上記低域フィルタ２よりの輝度信号は周波数変調器３に
より周波数変調（ＦＭ）されて所定のデビエーションを
有するＦＭ信号とされた後、高域フィルタ４により後述
する低域変換搬送色信号と帯域が重ならないよう不要成
分を除去され、更に混合器１０に供給される。

一方、上記帯域フィルタ５より取り出された搬送色信号
は自動レベル調整器６に供給され、ここで基準カラーバ
ースト信号のレベルが一定になるよう所定の一定レベル
に自動的に調整される。

この自動レベル調整器６は後述する非線形回路８に信号
を加えるに当って本考案の重要な働きをなす。

自動レベル調整器６により所定の一定レベルを調整され
た搬送色信号は周波数変換回路７に供給され、ここで所
定の低域へ周波数変換されたのち、非線形回路８に供給
される。

この非線形回路８は第３図に曲線■で示す如き入力対出
力特性を有しているため、カラーバースト信号レベルを
予め所定の一定レベルとされである上記低域変換搬送色
信号は特に低レベルの信号を増強されて取り出される。

ここで、上記非線形回路８としては例えば第４図に示す
如き回路が用いられる。

第４図中、２７は入力端子で、これより周波数変換回路
７よりの低域変換搬送色信号が入力される。

この入力端子２７は、ベース接地形増幅器を構成するＮ
ＰＮ ）ランジスタＴｒ１のエミッタに抵抗Ｒ１を介し
て接続されている可変抵抗器ＶＲの摺動子に接続されて
いる。

上記トランジスタＴｒ１のコレクタはＮＰＮトランジス
タＴｒ２のベースに接続され、このトランジスタＴｒ２
のエミッタは出力端子２８に接続される一方、抵抗Ｒ５
を介して接地されている。

また、トランジスタＴｒ２のエミッタは、コンデンサＣ
１及び非線形素子としての互いに逆方向のダイオードＤ
１． Ｄ２の並列回路を夫々介して、トランジスタＴｒ
１のベースに負帰還されている。

なお、トランジスタＴｒ□は、そのコレクタを抵抗Ｒ２
を介してトランジスタＴｒ２のコレクタと共に正の直流
電圧源に接続される一方、トランジスタＴｒ、のベース
を抵１．を介して上記直流電圧源に接続され、また抵抗
Ｒ４を介して例えば接地されている。

上記構成回路において、入力端子２７に入来した低域変
換搬送色信号は可変抵抗器ＶＲにて適当なレベルに調整
された後トランジスタＴｒ１により増幅されて同相出力
がトランジスタＴｒ２のベースに加えられる。

トランジスタＴｒ２により電流増幅された信号は、トラ
ンジスタＴｒ２のエミッタより取り出され、コンデンサ
ＣとダイオードＤ、及びＤ２よりなる並列回路とを夫々
経て上記トランジスタＴｒ工のベースに負帰還される。

ここで、上記ダイオードＤ１及びＤ２はものダイオード
特性を利用されるよう構成されているため、トランジス
タＴｒ２のエミッタ出力が大レベルのときには負帰還量
が増大し、一方、小レベルのときには負帰還量が減少す
る。

従って、出力端子２８には低域変換搬送色信号が大レベ
ルのときには殆ど増幅されず、低レベルの信号を特に増
幅されて取り出される。

すなわち第４図に示す非線形回路８の力対出力特性は第
３図に曲線■で示す如くになる。

この非線回路８は、その構成から明らかなように時定数
を持たず瞬時に応答する。

この非線形回路８から低レベルの信号を増強されて取り
出された低域変換搬送色信号は低域フイルタ９によって
、周波数変換回路７から漏れた不要高域成分並びに非線
形回路８で生じた高調波成分を除去された後、上記混合
器１０に供給され、ここで上記周波数変調輝度信号と混
合多重される。

混合器１０の出力混合信号は記録増幅器１１を経て記録
ヘッド１２によって例えば磁気テープ等の記録媒体１３
に記録される。

次に再生時には、記録媒体１３より再生ヘッド１４にて
ピックアップされた信号は、前置増幅器１５を経て、高
域フィルタ１６及び低域フィルタ２０に夫々供給される
。

高域フィルタ１６によりろ波された再生周波数変調輝度
信号は、リミッタ１７でその振幅を一定とされた後ＦＭ
復調器１８、低域フィルタ１９を夫々経て再生輝度信号
とされて混合器２５に供給される。

一方、低域フィルタ２０よりろ波されて取り出された再
生低域変換搬送色信号は、自動レベル調整器２１に供給
され、ここでそのカラーバースト信号のレベルが一定と
なるよう所定の一定レベルに自動的に調整される。

なお、この一定レベルは、前記の記録系における自動レ
ベル調整器６で調整されるカラーバースト信号のレベル
と同じ一定レベルである。

そして、この自動レベル調整器２１の出力再生低域変換
搬送色信号は、カラープロセッサ回路２２に供給され、
ここで記録、再生に伴なう時周軸変動戊分を除去される
と共に元の色副搬送波周波数を有する搬送色信号に復元
された後、非線形回路２３に供給される。

上記非線形回路２３は第３図に曲線■で示す如き入力対
出力特性を有しており、同図に曲線Ｉで示す記録系の非
線形回路８の入力対出力特性と相補的な関係、すなわち
同図に■で示すＹ＝Ｘ （入力レベルと出力レベルとが
夫々等しいことを意味する）なる直線に対して対称なる
関係とされている。

従って、再生搬送色信号はこの非直線回路２３により記
録時の非線形歪を除去され原信号に復元されて帯域フィ
ルタ２４に供給される。

前述のように、記録系においては、自動レベル調整器６
により搬送色信号の基準カラーバースト信号のレベルが
所定の一定レベルになるようレベルが調整されているこ
とにより、非線形回路８に供給される搬送色信号の基準
レベルがこの所定の一定レベルになり、また、再生系に
おいては、自動レベル調整器２１により搬送色信号の基
準カル−バースト信号のレベルが前記所定の一定レベル
と同じ一定レベルになるようレベルが調整されているこ
とにより、非線形回路２３が供給される搬送色信号の基
準レベルがこの所定の一定レベルになり、記録系及び再
生系の非線形回路８及び２３に供給される搬送色信号の
基準レベルを合致させることができ、このため、記録係
における増強特性と再生系における減衰特性とをきわめ
て良好な相補的な特性とすることができ、増強時と減衰
時との特性の変化による色信号の歪を防止することがで
きる。

ここで、上記関係を満足する非線形回路２３としては、
例えば第５図に示す如く、第４図と同一の非線形素子を
用いた回路が用いられる。

第５図中、２９は入力端子で、出力端子３０との間に互
いに逆方向に並列接続された非線形素子としてのダイオ
ードＤ３及びＤ４が接続されている。

また、出力端子３０．３０’間には抵抗Ｒ６が接続され
ている。

これにより、入力端子２９．２９’間に入来した再生搬
送色信号は、ダイオードＤ３及びり。

よりな並列回路のインピーダンスが大なるため、出力端
子３０．３０’間より減衰された信号が取り出される。

一方、入力再生搬送色信号のレベルが犬になると、上記
並列回路のインピーダンスが小となり、この入力再生搬
送色信号は出力端子３０．３０’間よりあまり減衰され
ることなしに取り出される。

この非線形回路２３は、非線形回路８と同様に、その構
成から明らかなように時定数を持たず瞬時に応答する。

上記非線形回路２３よりの記録時の非線形歪を除去され
た再生搬送色信号は、帯域フィルタ２４によりカラープ
ロセッサ回路２２にて生じた不要成分と非線形回路２３
で発生した高調波歪とを夫々除去された後、上記混合器
に供給され、ここで低域フィルタ１９よりの再生輝度信
号と帯域共用多重化されて基準カラー映像信号とされる
。

この混合器２５の出力信号は再生カラー映像信号として
出力端子２６より取り出される。

本考案装置の再生系では低レベルの搬送色信号に対し゛
Ｃ再生側利得を１０〜１４ｄＢ程度低く抑えることがで
きる。

このことは雑音の目立ちやすい低レベルの搬送色信号に
混入する雑音を１０〜１４ｄＢ程度改善していることに
なる。

なお、第４図に示す記録系の非線形回路８は非線形素子
を帰還ループ中に挿入しているが、これに限ることはな
く第６図に示す如くに構成しても良く、かつこのときの
再生系の非線形回路２３は第７図のように構成すること
により本考案を適用でき、その仕様々の変形例が考えら
れるものである。

上述の如く、本考案になるカラー映像信号記録再生装置
は、カラー映像信号より分離して得た搬送色信号を低域
に周波数変換して得た低域変換搬送色信号を記録媒体上
に直接記録し、これを再生する装置において、記録系に
、搬送色信号のレベルを、そのバースト信号のレベルが
所定の一定レベルになるよう調整する第１の自動レベル
調整器と、時定数を持たず瞬時に応答し、該第１の自動
レベル調整器によりレベル調整された搬送色信号をこの
搬送色信号が低レベルになればなる程高レベルの場合に
比べて増強する非線形レベル増強回路とを設け、再生系
に、搬送色信号のレベルを、そのバースト信号のレベル
が該第１の自動レベル調整器で調整する所定の一定レベ
ルと同じ一定レベルになるよう調整する第２の自動レベ
ル調整器と、時定数を持たず瞬時に応答し、該第２の自
動レベル調整器によりレベル調整された搬送色信号を減
衰してもとのレベルに復元する該非線形レベル増強回路
とは相補的な特性の非線形レベル減衰回路とを設け、雑
音の影響により発生する色相のずれを減少せしめるよう
構成したため、低レベルの再生搬送色信号を従来よりｌ
Ｏ〜１４ｄＢ程度低い利得の回路にて原信号に復元でき
、従って、雑音の目立ちやすい低レベル再生搬送色信号
に混入する雑音を１０〜１４ｄＢ程度改善でき、低レベ
ル再生搬送色信号のＳ／Ｎを向上し、雑音の影響により
発生する色相のずれを減少し得た良好な再生カラー画像
を得ることができ、記録系及び再生系において、非線形
レベル増強回路及び非線形レベル減衰回路に供給される
搬送色信号を、自動レベル調整器により、そのバースト
信号のレベルが所定の一定レベルになるようレベル調整
しているため、非線形回路に供給される搬送色信号の基
準レベルが一定になり、このため、記録・再生に伴なう
搬送色信号のレベル変動があっても、記録系における増
強特性と再生系における減衰特性とをきわめて良好な相
補的な特性とすることができ、増強時と減衰時との特性
の変化による色信号の歪を防止することができ、この非
線形レベル増強回路及び非線形レベル減衰回路として時
定数を持たず瞬時に応答するものを用いたため、音声信
号の記録再生に用いられるような時定数を有する圧縮伸
長回路を用いた場合のように応答の遅れが発生せず、こ
れにより搬送色信号の位相ずれの発生を防止することが
できる等の特長を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は雑音が混入した際の搬送色信号の一例のベクト
ルスコープ上の色点を示す図、第２図は本考案の一実施
例のブロック系統図、第３図は第２図の要部の動作説明
用入力対出力特性図、第４図は第２図の記録系の要部の
具体的回路を示す図、第５図は第２図の再生系の要部の
一実施例の具体的回路図、第６図は第２図の記録系の要
部の他の例の具体的回路を示す図、第７図は第２図の再
生系の要部の他の例の具体的回路図である。 ２．９，１９．２０・・・・・・低域フィルタ、３・・
・・・・周波数変調器、４，１６・・・・・・高域フィ
ルタ、５゜２４・・・・・・帯域フィルタ、６．２１・
・曲自動レベル調整器、７・・・・・・周波数変換回路
、８，２３・・・・・・非線形回路、１８・・・・・−
ＦＭ復調器、２２・・・・・・カラープロセッサ回路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. カラー映像信号より分離して得た搬送色信号を低域に周
   波数変換して得た低域変換搬送色信号を記録媒体上に直
   接記録し、これを再生する装置において、記録系に、搬
   送色信号のレベルを、そのバースト信号のレベルが所定
   の一定レベルになるよう調整する第１の自動レベル調整
   器と、時定数を持たず瞬時に応答し、該第１の自動レベ
   ル調整器によりレベル調整された搬送色信号をこの搬送
   色信号が低レベルになればなる程高レベルの場合に比で
   て増強する非線形レベル増強回路とを設け、再生系に、
   搬送色信号のレベルを、そのバースト信号のレベルが該
   第１の自動レベル調整器で調整する所定の一定レベルと
   同じ一定レベルになるよう調整する第２の自動レベル調
   整器と、時定数を持たず瞬時に応答し、該第２の自動レ
   ベル調整器によりレベル調整された搬送色信号を減衰し
   てもとのレベルに復元する該非線形レベル増強回路とは
   相補的な特性の非線形レベル減衰回路とを設け、雑音の
   影響により発生する色相のずれを減小せしめるように構
   成したことを特徴とするカラー映像信号記録再生装置。