JPS60145395A - 導電性多孔質膜の製造方法 - Google Patents

導電性多孔質膜の製造方法

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JPS60145395A
JPS60145395A JP58252135A JP25213583A JPS60145395A JP S60145395 A JPS60145395 A JP S60145395A JP 58252135 A JP58252135 A JP 58252135A JP 25213583 A JP25213583 A JP 25213583A JP S60145395 A JPS60145395 A JP S60145395A
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aniline
porous membrane
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conductivity
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田村 正平
Sadamitsu Sasaki
佐々木 貞光
Takeshi Sasaki
武 佐々木
Takashi Ichinose
一瀬 尚
Jun Nakazawa
中沢 準
Keiji Nakamoto
中本 啓次
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は導電性多孔質膜の製造方法に関する。
導電性の不定形炭素や黒鉛、金属粉末等をゴムや樹脂と
混合し、これを押出、圧縮、圧延等の成形方法により、
また、ゴムや樹脂シートの表面に導電性金属を真空蒸着
或いはスパッタ蒸着して、導電性を有するシートを得る
ことは従来より知られている。
しかし、このようにして得られる導電性シートは、前者
の場合は、ゴムや樹脂と導電性物質との混合物をシート
に成形し得るためには、含有される導電性物質の量に自
ずから限界があるため、十分な導電性を得ることは一般
に困難である。また、一方において、従来より樹脂を水
混和性の有機溶剤に溶解した樹脂溶液を適宜の基材上に
流延塗布した後、水中に浸漬する所謂湿式法による多孔
質膜の製造方法が知られているが、樹脂溶液に上記のよ
うに導電性物質を含有させる場合も、製膜し得るために
はその含有量に限界があり、高導電性の多孔質膜を得る
ことは困難である。後者の場合は、表面に導電性を与え
ることはできても、シートは厚さ方向には通常、絶縁性
であり、しかも、可撓性導電性を得ようとすれば、シー
トの可撓性を保持するために導電性金属の蒸着厚みが限
定されるので、導電性もまたある範囲内に限定される。
本発明者らは導電性樹脂シートにおける上記した問題を
解決し、樹脂シート、特に多孔質膜に導電性を付与する
方法について鋭意研究した結果、アニリンの所定条件下
での化学酸化剤による酸化重合体及び電解酸化による重
合体が特異的に安定で高い導電性を有し、多孔質膜に直
接にこれら重合体を析出させることにより、高導電性の
多孔質膜を得ることができることを見出した。
アニリンの酸化重合体のあるものについては、例えば、
アニリンブラックに関連して古くより知られている。特
に、アニリンブラック生成の中間体として、式(1)で
表わされるアニリンの8量体がエメラルデイン(eme
ra Id 1ne)として確認されており (八、 
G、 Green et al、+ J、 Chem、
 Soc、。
97238B (1910) i 101 、1117
 (1912) ) 、これは80%酢酸、冷ピリジン
及びN、N−ジメチルホルムアミドに可溶性である。ま
た、このエメラルデインはアンモニア性媒体中で酸化さ
れて、式(II)で表わされるニグラニリン(nigr
aniline )を生成し、これもエメラルデインと
類似した溶解特性を有することが知られている。
更に、近年になって、RoBuvetらによってこのエ
メラルデインの硫酸塩が高い導電性を有することが見い
出されている(J、 Polymer Sci、、 C
+ 16+2931; 2943 (1967) ;η
、 1187 (1969) )。
一方、アニリンの電解酸化によりエメラルディン類似の
有機物質を得ることができることも既に知られている(
D、 M、 Mohilner et al、+ 、r
、 Amer。
Chem、、 Soc、+ 84.3618 (196
2) ) 、即ち、これによれば、アニリンの硫酸水溶
液を白金電極を用い、水の電気分解を避けるために、標
準カロメル電極(以下、SCEという。)に対して+0
.8Vの酸化電位にて電解酸化重合し、80%酢酸、ピ
リジン及びN、N−ジメチルホルムアミドに可溶性であ
る物質が得られる。
そのほか、D+azら(J、Electroanal、
Chem、+ IIL(1980) ) 、小山ら(高
分子学会予稿集、 30. +71゜1524 (19
81) )もアニリンの電解重合を試みているが、いず
れも高分子被覆化学修飾電極を狙ったものであり、電解
はSCEに対してIV以下の電位で行なっている。
尚、従来より既に種々の導電性有機重合体が知られてい
るが、一般的な傾向として安定性に劣る。
例えば、ポリアセチレンは理論的には興味深い導電性有
機重合体であるが、反面、極めて酸化を受けやすく、空
気中で容易に酸化劣化して性質が大幅に変化する。ドー
ピングされた状態では一層酸化に対して敏感であり、空
気中の僅かな湿気によっても電導度が惣激に減少する。
この傾向はn型半導体に特に著しい。
本発明者らは、高導電性で、しかも安定なアニリン重合
体を得るために、アニリンの酸化重合に関する研究を鋭
意重ねた結果、化学酸化剤によるアニリンの酸化重合の
反応条件を選択することにより、また、SCEに対して
+1vよりも高い電解電位にて所定の電流密度でアニリ
ンを電解酸化重合することにより、上記エメラルデイン
よりも高分子量であって、且つ、既にその酸化重合段階
でドーピングされているために、新たなドーピング操作
を要せずして安定で且つ高導電性を有する重合体を容易
に得ることができることを見出した。
本発明者らはこのような知見に基づき、導電性多孔質膜
の製造について鋭意研究した結果、先ず、多孔質膜に直
接に化学酸化剤による導電性アニリン重合体を析出させ
て、多孔質膜に予め導電性を付与した後、この多孔質膜
を陽極として更にアニリンの電解酸化重合体を多孔質膜
に析出させることにより、非常に高導電性であって、多
孔質膜が可撓性を有する場合は、その可撓性を保持した
導電性多孔質膜を容易に得ることができることを見出し
て、本発明を完成したものである。
本発明による導電性多孔質膜の製造方法は、アニリン又
はアニリン水溶性塩を含浸させた多孔質膜をプロトン酸
と酸化剤とを含有する反応媒体と接触させ、アニリンを
酸化重合させて上記多孔質膜に析出させ、この多孔質膜
に導電性を付与する第1工程と、アニリンとアニリンに
対して当量以上のプロトン酸を含有するアニリン溶液中
に上記多孔質膜を陽極として浸漬し、アニリンを電解酸
化重合して、上記多孔質膜に導電性アニリン重合体を析
出させる第2工程とからなることを特徴とする。
先ず、本発明において、多孔質膜に化学酸化剤によるア
ニリンの導電性重合体を析出させる第1工程について説
明する。
第1工程において、化学酸化剤によるアニリンの酸化重
合体を析出させるために用いる多孔質膜は、アニリン、
アニリン塩又はこれらの溶液を含浸し得る程度に多孔質
であると共に、これらに対して濡れ性を有することが必
要である。このため、アニリンやその水溶性塩の溶液を
用いるときは、多孔質膜がこれらに濡れ性を有するよう
に溶剤を選択してもよいが、また、多孔質膜をスパッタ
エツチング処理、紫外線や電子線の照射、コロナ放電処
理、アルカリ金属処理等の表面処理を施し、用いるアニ
リン溶液に対して濡れ性を付与することもできる。
例えば、アニリンに対して良好な濡れ性を有する多孔質
膜の場合は、アニリン又はその有機溶液を直接に含浸さ
せてもよい。また、多孔質膜が親水性である場合には、
アニリン水溶性塩の水溶液を多孔質膜に含浸させればよ
い。かかるアニリンの親水性塩としては、アニリンのプ
ロトン酸塩が好適であり、具体例として、例えば、塩酸
アニリン、硫酸アニリン、過塩素酸アニリン、硝酸アニ
リン、臭化水素酸アニリン、ホウフッ化酸アニリン、フ
ッ化リン酸アニリン等を挙げることができる。しかし、
ポリテトラフルオロエチレンからなる多孔質膜のように
、アニリンに対しても、アニリン塩水溶液に対しても良
好な濡れ性を有しない場合は、例えば、ポリテトラフル
オロエチレンに対して親和性を有する有機溶剤、例えば
、エタノール等にアニリン又はその塩を熔解させ、これ
を多孔質膜に含浸させればよい。尚、アニリン又はその
塩の溶液を多孔質膜に含浸させた場合、溶剤が酸化剤に
より酸化されるものであるときは、上記含浸後の多孔質
膜を乾燥し、溶剤を除去するのが望ましい。
用いる多孔質膜の素材は特に制限されず、得られる導電
性多孔質膜の用途によって適宜に選択されるが、例えば
エチレン−酢酸ビニル共重合体、セルロース誘導体、エ
チレン−ビニルアルコール共重合体、ポリテトラフルオ
ロエチレン及びポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂、
ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポ
リアミド等を挙げることができる。
本発明において、特に好ましい第1工程をなす方法は、
アニリン又はアニリン水溶性塩を多孔質膜に含浸させ、
これをプロトン酸含有反応媒体中で酸化剤で酸化重合さ
せてアニリン酸化重合体を上記多孔質膜に析出させるに
際して、上記酸化剤を含む反応媒体におけるプロトン酸
/重クロム酸カリウムモル比を1.2以上として、電導
度が10−6以上である導電性多孔質膜を得ることを特
徴とする。
従って、上記第1工程においては、アニリン又はアニリ
ン水溶性塩が含浸された多孔質膜がプロトン酸と酸化剤
とを含有する酸化剤水溶液中に浸漬され、酸化剤により
アニリンが酸化重合して多孔質膜中に導電性アニリン重
合体を形成するので、多孔質膜の微孔を形成する壁体表
面を含む多孔性膜表面に導電性アニリン重合体が析出し
、全体として導電性の多孔質膜を与える。
用いる酸化剤は特に制限されるものではないが、酸化ク
ロム(IV)や、重クロム酸カリウム、重クロム酸ナト
リウム等の重クロム酸塩が好適であり、特に、重クロム
酸カリウムが最適である。しかし、クロム酸、クロム酸
塩、酢酸クロミル等のクロム系酸化剤や過マンガン酸カ
リウムのようなマンガン系酸化剤も必要に応じて用いる
ことができる。
また、プロトン酸としては、硫酸、塩酸、臭化水素酸、
テトラフロオロホウ酸(HBF4)、ヘキサフルオロリ
ン酸(HPF6)等が用いられるが、特に硫酸が好適で
ある。アニリン水溶性塩を形成するために鉱酸を用いる
とき、この鉱酸は上記プロトン酸と同じでも、異なって
もよい。
反応媒体としては水、水混和性有機溶剤及び水非混和性
有機溶剤の1種又は2種以上の混合物を用いることがで
きるが、アニリン水溶性塩が用いられるときは、反応媒
体には通常、アニリン水溶性塩を溶解する水、水混和性
有機溶剤又はこれらの混合物が用いられ、また、アニリ
ン自体が用いられるときは、反応媒体としては、アニリ
ンを溶解する水混和性有機溶剤又は水非混和性有機溶剤
が用いられる。尚、上記有機溶剤はいずれも用いる酸化
剤によって酸化されないことが必要である。
例えば、水混和性有機溶剤としては、アセトン、テトラ
ヒドロフラン、酢酸等のケトン類、エーテル類又は有機
酸類が用いられ、また、水非混和性有機溶剤としては四
塩化炭素、炭化水素等が用いられる。
尚、酸化剤水溶液におけるプロトン酸の濃度は特に制限
されるものではないが、通常、1〜1ONの範囲である
。但し、第1工程においては、プロトン酸を予め多孔質
膜にアニリンやアニリン水溶性塩と共に含浸させること
を妨げるものではない。
第1工程において、多孔質膜に導電性のアニリン酸化重
合体を析出させるための酸化重合の反応温度は、溶剤の
沸点以下であれば特に制限されな1 いが、反応温度が高温になるほど、得られる導電性多孔
質膜の導電性が小さくなる傾向があるので、高い導電性
を有する多孔質膜を得る観点からは常温以下が好ましい
。多孔質膜を酸化剤水溶液と接触させると、通常、重合
体の析出反応は直ちに終了する。次いで、重合体の析出
した多孔質膜を水中又は有ta溶剤中に投入し、濾液が
中性になるまで水洗した後、アセトン等の有機溶剤にて
これが着色しなくなるまで洗滌し、乾燥して、第1工程
による導電性を付与した多孔質膜を得る。
必要に応じて、この導電性多孔質膜に再度、アニリン又
はアニリン水溶性塩を含浸させ、これをプロトン酸含有
反応媒体中で酸化剤で酸化重合させて導電性アニリン重
合体を多孔質膜に析出させ、洗滌、乾燥する工程を繰り
返してもよい。また、得られた導電性多孔質膜をロール
圧延等によって加圧圧縮し、導電性アニリン重合体を膜
に圧着することができる。このようなロール圧延はまた
、多孔質膜の膜厚や微孔孔径を調整するのにも役立つ。
更に、多孔質膜に導電性アニリン重合体を析2 出させた後、ロール圧延し、これに再び導電性重合体を
析出させる工程を繰り返してもよい。
本発明の方法において、上記第1工程により得られる導
電性多孔質膜の導電性は、アニリンの酸化重合が行なわ
れるプロトン酸と酸化剤とを含有する反応媒体の組成に
密接に関連しており、多孔質膜に高導電性の酸化重合体
を析出させるためには、上記反応媒体の組成を本発明に
従って最適に選択することが必要である。電導度が10
870以上の高導電性の多孔質膜を得るためには、反応
の行なわれる反応媒体におけるプロトン酸/重クロム酸
カリウムモル比を1.2、好ましくは2以上とすること
が必要である。通常、このような条61 外下での酸化重合によって電導度が10〜10S/cI
Nである導電性多孔質膜を得ることができる。
本発明の方法においては、第1工程において、このよう
にアニリンの酸化重合が行なわれる反応媒体中における
プロトン酸/重クロム酸カリウムモル比が一定であれば
、用いる多孔質膜が同一であれば、得られる導電性多孔
質膜の導電性は実質的に同じである。即ち、再現性よく
所定の導電性を有する多孔質膜を得ることができる。他
方、アニリンに対する重クロム酸カリウムの量は、多孔
質膜において析出される重合体の収率を決定する。
しかし、重合体の導電性は、用いる重クロム酸カリウム
の量によっては実質的に影響を受けない。
従って、所定のプロトン酸/重クロム酸カリウムモル比
の酸化剤水溶液を用い、且つ、重クロム酸カリウムをア
ニリンに対して当量若しくはそれ以上用いるとき、所定
の導電性を有する多孔質膜を安定して得ることができる
上記第1工程において得られる導電性多孔質膜は、形成
された導電性アニリン重合体によって、通常、緑色乃至
黒縁色を呈し、一般に導電性が高いほど、鮮やかな緑色
を呈している。しかし、この多孔質膜をロール加圧する
と、通常、光沢のある青色を示す。
第1工程によって多孔質膜に形成されたアニリン重合体
は、導電性多孔質膜の電導度が10=S/ cm以」二
であるときは、その重合体は水及び殆どの有機溶剤に不
溶性であり、特に、N、N−ジメチルホルムアミドにも
実質的に不溶性であるが、濃硫酸には可溶性である。こ
のような重合体は、前記したように、エメラルデインが
80%酢酸、冷ピリジン及びN、N−ジメチルホルムア
ミドに可溶性であるのと著しい対照をなし、高分子量重
合体であることが確認される。更に、示差熱分析の結果
からも高分子量重合体であることが確認される。
本発明の方法において、第1工程により多孔質膜に形成
されるアニリン重合体の構造は未だ確定されていないが
、多孔質膜を存在させないでアニリンを上記と同じ条件
下で酸化剤により酸化重合して得られた重合体について
の赤外線吸収スペクトルはエメラルデインのそれに類似
する一方、高分子量であると共に高導電性を有するので
、アニリンが頭尾結合で連続して重合体鎖を形成する次
式のような実質的に線状のπ電子共役系重合体であると
みられる。
5 以上のように、前記条件下で第1工程によって多孔質膜
に析出される重合体は、高導電性を有するが、これをア
ンモニアで補償することによって導電性が大幅に減少し
、再度硫酸でドーピングすることによりほぼ当初の高導
電性を回復することから、重合体は、既にその酸化重合
の段階でプロトン酸によりドーピングされていることが
確認される。また、重合体をアンモニアで補償した後、
再度硫酸でドーピングした重合体の赤外線吸収スペクト
ルは、アンモニア補償前の重合体のそれと実質的に一致
することからも、重合体がプロトン酸によりドーピング
されていることが確認される。
更に、このように重合体がアンモニアで補償される事実
及び熱起電力の符号から、この重合体はp型である。
以上のように、本発明に従って、第1工程にお6 いてアニリンの酸化重合によって多孔質膜に析出された
導電性有機重合体は、その重合段階で既にプロトン酸に
よってドーピングされているために、新たなドーピング
処理を要せずして高導電性を有し、しかも、長期間にわ
たって空気中に放置しても、その導電性は何ら変化せず
、従来より知られているドーピングした導電性有機重合
体に比較して、特異的に高い安定性を有している。
本発明の方法によれば、上記のようにして第1工程で得
られる導電性多孔質膜を陽極として、これに第2工程と
しての更に電解酸化による導電性アニリン重合体を析出
させることにより、一層安定で高導電性の多孔質膜を得
ることができる。尚、通常の白金電極等の陽極に第1工
程で得られる導電性多孔質膜を密着させ、これを陽極と
してアニリン溶液中に浸漬し、アニリンを電解酸化して
、多孔質膜にアニリン重合体を析出させることもできる
第2工程に付す導電性多孔質膜も、これをアニリン溶液
中に陽極として浸漬したとき、アニリン溶液が膜を透過
し得る程度に多孔質であると共に、アニリン溶液に対し
て濡れ性を有することが必要であるが、第1工程におい
て化学酸化によるアニリン重合体を析出させた多孔質膜
は、通常、アニリン水溶液又は後述するアニリン溶液に
対して良好な濡れ性を有する。
第2工程であるアニリンの電解酸化において用いるプロ
トン酸は、酸化電位が第2工程おける電解酸化重合の酸
化電位よりも高いプロトン酸であることが好ましく、従
って、具体的には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、過
塩素酸、テトラフルオロボウ酸(HBF4)、ヘキサフ
ルオロリン酸(HPF6)等が好ましく用いられる。
本発明に従って10””” S / cm以上の高電導
度を有する導電性多孔質膜を得るためには、上記のプロ
トン酸はアニリンの当量以上、通常、1〜50倍の範囲
で用いると共に、アニリン溶液を標準カロメル電極に対
して+1vよりも高い電解電位にて電解酸化重合させる
ことが必要であり、また、電流密度は0.01 m A
 / ctA乃至1fA/cnlであることが必要であ
る。酸化電解電位が+1v以下であるとき、又は電流密
度が上記範囲外にあるとき、多孔質膜に形成される重合
体が低分子量であって、且つ、導電性も低いために、高
導電性の多孔質膜を得ることができない。
また、アニリン溶液におけるアニリン濃度は1重量%以
上であることが望ましい。アニリン濃度が1重量%より
も小さいときも、生成する重合体は低分子量であって、
導電性も低い。但し、アニリン濃度の上限は特に制限さ
れないが、通常は50重量%までが適当である。
アニリン溶液のための溶剤としては、上記プロトン酸及
びアニリンを共に熔解し得ると共に、その分解電位が本
発明の方法での条件下のアニリンの電解酸化重合時の酸
化電位において安定である溶剤が好ましく、従って、具
体的には、メタノール、エタノール等の脂肪族低級アル
コール、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル
類、メチルエチルケトン等のケトン類、 N、N−ジメ
チルホルムアミド等のアミド類が好適に用いられる。
1 シ 水はその分解電位力月、23■であり、場合によっては
、本発明における電解酸化電位よりも高いが、本発明に
おいては、水を溶剤として用いるときも、アニリンの酸
化電解電位を+1vよりも高くすることにより、高分子
量で高導電性のアニリン酸化重合体を多孔質膜に生成さ
せることができる。
先に説明したように、Mohilnerらは水の電気分
解を避けるために、SCEに対して+0.8vの酸化電
位でアニリンの電解酸化を行なっているが、本発明によ
れば、+IVよりも高い電解電位、好ましくは2〜IO
Vの電解電位にて電解酸化を行なうことにより、エメラ
ルデインよりも遥かに高分子量で高導電性のアニリン重
合体を多孔質膜に析出させることができるのである。
第2工程において、多孔質膜に高導電性のアニリン電解
酸化重合体を析出させるためには、また、前記したよう
に、電解酸化における電流密度も重要である。電流密度
が0.01mA/−よりも小さいときは、多孔質膜に生
成する重合体がN−メチル−2−ピロリドンやN、 N
’−ジメチルホルムアミ0 ドに溶解することから、低分子量の重合体であるとみら
れ、また、かかる重合体はその導電性も小さく、従って
、高導電性多孔質膜を得ることができない。
第2工程の反応においては、アニリン溶液は上記したプ
ロトン酸以外の支持電解質を含有していてもよい。具体
例としては例えば過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウ
ム等の過塩素酸金属塩や、過塩素酸テトラブチルアンモ
ニウム等の有機塩を挙げることができる。また、上記以
外にも例えば硝酸塩、硫酸塩、塩酸塩、テトラフルオロ
ホウ酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩等のような塩類も支
持電解質として使用することもできる。
また、第2工程においては、必要に応じて、アニリンと
アニリンに対して当量以上のプロトン酸を含有するアニ
リン溶液中に、上記のようにして得られた導電性多孔質
膜を再度、陽極として浸漬し、アニリンを電解酸化重合
して、この多孔質膜に導電性アニリン重合体を析出させ
てもよい。また、前記したと同じ目的のために、得られ
た導電性多孔質膜にロール圧延を施してもよい。更に、
多孔質膜に導電性アニリン重合体を析出させた後、ロー
ル圧延し、これに再び導電性重合体を析出させる工程を
繰り返してもよい。
このようにして第1工程及び第2工程を経て得られる本
発明による導電性多孔質膜は、形成された導電性アニリ
ン重合体によって、通常、緑色乃至黒縁色を呈し、一般
に導電性が高いほど、鮮やかな緑色を呈している。しか
し、この多孔質膜をロール加圧すると、通常、光沢のあ
る青色を示す。
第2工程の反応によって多孔質膜に形成されるアニリン
重合体も、化学酸化によるアニリン重合体と同様に、既
にその電解酸化重合の段階で用いたプロトン酸によって
ドーピングされており、かくして本発明に従って得られ
る導電性多孔質膜は、3 通常、10〜10 37cmの範囲の電導度を有する。
アニリンの電解酸化によって多孔質膜に形成されたアニ
リン重合体は、導電性多孔質膜の電導度が10−3S 
/ cm以上であるときは、その重合体は水及び殆どの
有機溶剤に不溶性であり、特に、濃硫酸及びN、N−ジ
メチルホルムアミドやN−メチル−2−ピロリドンにも
実質的に不溶性である。
このような重合体は、前記したように、エメラルデイン
が80%酢酸、冷ピリジン及びN、N−ジメチルホルム
アミドに可溶性であるのと著しい対照をなし、高分子量
重合体であることが確認される。
更に、濃硫酸に不溶性である重合体は、示差熱分析結果
からも高分子量重合体であることが確認される。
アニリンの前記所定条件下での電解酸化によって多孔質
膜に形成されるアニリン重合体の構造も未だ確定されて
いないが、多孔質膜を存在させないでアニリンを電解酸
化重合して得られた重合体についての赤外線吸収スペク
トルはエメラルデインのそれに類似する一方、高分子量
であると共に高導電性を有するので、アニリンが頭尾結
合で連続して重合体鎖を形成する前記(III)式で表
わされるπ電子共役系重合体であるとみられる。
また、このアニリン重合体も、アンモニアで補3 償することによって導電性が大幅に減少し、再度塩酸で
ドーピングすることによりほぼ当初の高導電性を回復す
ることから、既にその酸化重合の段階でプロトン酸によ
りドーピングされていることが確認される。また、重合
体をアンモニアで補償した後、再度塩酸でドーピングし
た重合体の赤外線吸収スペクトルは、アンモニア補償前
の重合体のそれと実質的に一致することからも、重合体
がプロトン酸によりドーピングされていることが確認さ
れる。更に、このように重合体がアンモニアで補償され
る事実及び熱起電力の符号から、この重合体はp型であ
る。
以上のように、本発明に従って、第1工程及び第2工程
を経て多孔質膜に析出された導電性アニリン酸化重合体
は、そのいずれの重合段階でも既にプロトン酸によって
ドーピングされているために、新たなドーピング処理を
要せずして高導電性を有し、しかも、長期間にわたって
空気中に放置しても、その導電性は何ら変化せず、従来
より知られているドーピングした導電性有機重合体に比
4 較して、特異的に高い安定性を有している。従って、本
発明による導電性多孔質膜は安定で、且つ高導電性を有
するので、例えば、特開昭58−95502号公報に記
載されているように、フッ素樹脂等の疎水性撥水性樹脂
からなる誘電体多孔質膜と複合膜化して溶液分離膜を構
成し、導電性多孔質膜に高周波電圧を印加して、分離膜
面にマイクロ波振動を発生させることにより溶液の分離
を行なうための導電性多孔質膜として好適に用いること
ができる。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこ
れら実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1 ポリテトラフルオロエチレンからなる多孔質膜(ダイキ
ン工業■製ポリフロンペーパー)を10重量%塩酸アニ
リンのエタノール溶液に室温で30分間浸漬した後、6
0℃で30分間乾燥させた後、重クロム酸カリウムの硫
酸酸性水溶液(Mクロム酸カリウム/硫酸/水重量比−
5/15/75、プロ1ヘン酸/重クロム酸カリウムモ
ル比=9゜0)に25゛Cで10分間浸漬し、アニリン
を酸化重合させて、多孔質膜に析出させた。
次いで、多孔質膜を水洗し、アセトンが無色透明になる
までアセトンによる洗滌を繰り返した後、3 60℃の温度で1時間乾燥し、5.5X10 S/Cm
の電導塵を有する導電性多孔質膜を得た。尚、導電性多
孔質膜の電導塵測定は四端子法によった。
以下も同じである。
次に、アニリン塩酸塩10重量%の水溶液中に白金から
なる陽極及び陰極を挿入し、陽極上にす1、リウム金属
(潤工社!!り処理したポリテトラフルオロエチレン多
孔質膜(ダイキン工業@製ポリフロンペーパー)を密着
させた後、SCEに対する初期電解電位+2v、定電流
密度10 m A / clにて1時間通電して、多孔
質膜にアニリン重合体を析出させた。尚、電解重合をこ
のように定電流密度で行なう場合、電解電位が漸次増大
することはよく知られているところであり、従って、電
解電位は上記のように初期電位で示されるのが普通であ
る。
この後、膜を蒸留水中で攪拌洗滌し、アセトンにより洗
滌し、五酸化リン上、室温で10時間真空乾燥し、本発
明による導電性性多孔質膜を得た。
この膜は2.0X10 37cmの電導塵を示した。
実施例2 実施例1において、アニリンの電解酸化を定電流密度1
mA/cJで行なった以外は、実施例1と全く同様にし
て導電性多孔質膜を得た。この膜は2、 OX 10 
37cmの電導塵を示した。
実施例3 実施例1において、同じポリテトラフルオロエチレンか
らなる多孔質膜にナトリウム金属処理を5分間施し、こ
の多孔質膜に塩酸アニリンの水溶液を用いた以外は実施
例1と全く同様にしてアニリンの化学酸化重合、次いで
、アニリンの電解酸化重合を行なって、電導塵9.6X
10 S/釦を有する導電性多孔質膜を得た。
実施例4 実施例1において、多孔質ポリプロピレン膜7 (ポリプラスチック@製ジュラガード)を用いた以外は
実施例1と全く同様にして、2.8X10=S / c
mの電導塵を有する多孔質膜を得た。
実施例5 実施例1において、多孔質ポリスルホン膜(日東電気工
業@MNTU−3100)を用いた以外は実施例1と全
く同様にして、1.7X1’OS/1の電導塵を有する
多孔質膜を得た。
実施例6 実施例1において、多孔質ポリイミド膜(日東電気工業
■製)を用いると共に、重クロム酸カリウムの硫酸酸性
水溶液(重クロム酸カリウム/硫酸/水重量比−10/
25/80、プロトン酸/重クロム酸カリウムモル比−
7,5)を用いた以外は、実施例1と全く同様にしてア
ニリンの酸化重合を行ない、次いで、この膜に実施例1
と同様にしてアニリンの電解酸化重合体を析出させて、
2゜5X10 37cmの電導塵を有する多孔質膜を得
た。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)アニリン又はアニリン水溶性塩を含浸させた多孔
    質膜をプロトン酸と酸化剤とを含有する反応媒体と接触
    させ、アニリンを酸化重合させて上記多孔質膜に析出さ
    せ、この多孔質膜に導電性を付与する第1工程と、アニ
    リンとアニリンに対して当量以上のプロトン酸を含有す
    るアニリン溶液中に上記多孔質膜を陽極として浸漬し、
    アニリンを電解酸化重合して、上記多孔質膜に導電性ア
    ニリン重合体を析出させる第2工程とからなることを特
    徴とする導電性多孔質膜の製造方法。
JP58252135A 1983-12-30 1983-12-30 導電性多孔質膜の製造方法 Granted JPS60145395A (ja)

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EP84116451A EP0152632B1 (en) 1983-12-30 1984-12-28 Electroconductive porous film and process for producing same
DE8484116451T DE3480752D1 (de) 1983-12-30 1984-12-28 Elektrisch leitender poroeser film und verfahren zu seiner herstellung.
US06/688,119 US4556623A (en) 1983-12-30 1984-12-31 Electroconductive porous film and process for producing same

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61290043A (ja) * 1985-06-17 1986-12-20 住友電気工業株式会社 導電性をもつ合成樹脂シ−ト、チユ−ブ又はロツド
JPS62275137A (ja) * 1985-11-05 1987-11-30 Achilles Corp 導電性複合体の製造方法
JP2011080773A (ja) * 2009-10-02 2011-04-21 Nomura Micro Sci Co Ltd 電気化学センサー用電極の製造方法

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