JP2001240742A - ポリアニリン類およびその製造方法 - Google Patents
ポリアニリン類およびその製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】高い電気伝導率を有し、ドーピング状態で溶剤
に可溶なポリアニリン類を提供する。 【解決手段】ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)
イミドアニオン及び/又はトリス(パーフルオロアルカ
ンスルホニル)メチドアニオンをドープしたポリアニリ
ン類
に可溶なポリアニリン類を提供する。 【解決手段】ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)
イミドアニオン及び/又はトリス(パーフルオロアルカ
ンスルホニル)メチドアニオンをドープしたポリアニリ
ン類
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリアニリン類お
よびその製造法に関する。詳しくは、含フッ素イミドを
ドープして、高い導電性を付与したポリアニリン類及び
その製造法に関する。
よびその製造法に関する。詳しくは、含フッ素イミドを
ドープして、高い導電性を付与したポリアニリン類及び
その製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】アニリンなどのアミノ基を有する芳香族
化合物をモノマーとし、化学酸化剤による化学重合また
は電気化学的な電解重合を行うことにより、モノマーが
縮合した高分子、すなわちポリアニリン類が得られるこ
とが知られている。ポリアニリン類は、高い導電性を有
しかつ熱安定性にも優れる有機機能材料であり、その特
性を利用してコンデンサや電池、電気化学キャパシタな
ど様々な用途への応用が期待されている。ポリアニリン
類は、重合時に重合溶液中に存在する陰イオンをドーパ
ントアニオンとして重合物中に取り込み、ポリアニリン
主鎖が正電荷を帯びた状態で導電性が発現していること
が知られている。ドーパントアニオンがポリアニリンの
導電メカニズムそのものに関与していることは、ポリア
ニリン類がアンモニア水などのアルカリ処理により脱ド
ーピングすると導電性を失い、これを酸でドーピングす
ると再び導電性が発現することからも明らかである。従
ってドーパントアニオンの種類が異なると、ポリアニリ
ン類の重合時の反応挙動に影響するのみならず、生成し
たポリアニリン類の導電性や溶剤に対する溶解性、熱安
定性などの諸特性が大きく左右される。
化合物をモノマーとし、化学酸化剤による化学重合また
は電気化学的な電解重合を行うことにより、モノマーが
縮合した高分子、すなわちポリアニリン類が得られるこ
とが知られている。ポリアニリン類は、高い導電性を有
しかつ熱安定性にも優れる有機機能材料であり、その特
性を利用してコンデンサや電池、電気化学キャパシタな
ど様々な用途への応用が期待されている。ポリアニリン
類は、重合時に重合溶液中に存在する陰イオンをドーパ
ントアニオンとして重合物中に取り込み、ポリアニリン
主鎖が正電荷を帯びた状態で導電性が発現していること
が知られている。ドーパントアニオンがポリアニリンの
導電メカニズムそのものに関与していることは、ポリア
ニリン類がアンモニア水などのアルカリ処理により脱ド
ーピングすると導電性を失い、これを酸でドーピングす
ると再び導電性が発現することからも明らかである。従
ってドーパントアニオンの種類が異なると、ポリアニリ
ン類の重合時の反応挙動に影響するのみならず、生成し
たポリアニリン類の導電性や溶剤に対する溶解性、熱安
定性などの諸特性が大きく左右される。
【0003】一般にポリアニリン類は、ドーパントアニ
オンを取り込んだ導電性の状態(以下、ドーピング状態
と略記する。)において各種の溶剤に対して難溶であ
り、また加熱しても溶融する前に分解してしまうため、
加工性が乏しいことが欠点である。そこでこの問題を解
決するために、用いるドーパントアニオンの構造を種々
検討することによって、ポリアニリン類の導電性を維持
しつつ、各種の溶剤に対する溶解性を改善する試みがな
されている。例えば、ドーパントアニオンとしてカンフ
ァースルホン酸アニオンなどを用いる例(Y.Cao
et al.,Synthetic Metals,4
8,91(1992))が報告されており、また特開平
7−330901号公報ではジナフチルメタンジスルホ
ン酸アニオンなどを用いる例が開示されている。一般に
これらポリアニリン類を各種デバイスの材料として用い
る場合、電気伝導率が低いとデバイスの内部抵抗が大き
くなるため、より高い電気伝導率を有することが好まし
い。一方、ビス(トリフルオロメチルスルフリル)イミ
ン等のフッ化物イミドをドーパントアニオンとするピロ
ールの電解重合方法(Synthetic Metal
s、60(1993)141―144)、3―メチルチ
オフェンの電解重合法(Synthetic Meta
ls、74(1995)223−226)、3,4−エ
チレンジオキシチオフェンの電解重合法(Synthe
tic Metals、92(1998)57―61)
が報告されているが、このドーパントをアニリン類に適
用した例は知られていない。
オンを取り込んだ導電性の状態(以下、ドーピング状態
と略記する。)において各種の溶剤に対して難溶であ
り、また加熱しても溶融する前に分解してしまうため、
加工性が乏しいことが欠点である。そこでこの問題を解
決するために、用いるドーパントアニオンの構造を種々
検討することによって、ポリアニリン類の導電性を維持
しつつ、各種の溶剤に対する溶解性を改善する試みがな
されている。例えば、ドーパントアニオンとしてカンフ
ァースルホン酸アニオンなどを用いる例(Y.Cao
et al.,Synthetic Metals,4
8,91(1992))が報告されており、また特開平
7−330901号公報ではジナフチルメタンジスルホ
ン酸アニオンなどを用いる例が開示されている。一般に
これらポリアニリン類を各種デバイスの材料として用い
る場合、電気伝導率が低いとデバイスの内部抵抗が大き
くなるため、より高い電気伝導率を有することが好まし
い。一方、ビス(トリフルオロメチルスルフリル)イミ
ン等のフッ化物イミドをドーパントアニオンとするピロ
ールの電解重合方法(Synthetic Metal
s、60(1993)141―144)、3―メチルチ
オフェンの電解重合法(Synthetic Meta
ls、74(1995)223−226)、3,4−エ
チレンジオキシチオフェンの電解重合法(Synthe
tic Metals、92(1998)57―61)
が報告されているが、このドーパントをアニリン類に適
用した例は知られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は係る事情に鑑
みなされたものであって、その目的は、電気伝導率が高
く、かつドーピング状態で溶剤に可溶なポリアニリン類
およびその製造方法を提供することである。
みなされたものであって、その目的は、電気伝導率が高
く、かつドーピング状態で溶剤に可溶なポリアニリン類
およびその製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、この課題
を解決すべく鋭意検討した結果、ポリアニリン類のドー
パントアニオンとしてビス(パーフルオロアルカンスル
ホニル)イミドアニオン及び/又はトリス(パーフルオ
ロアルカンスルホニル)メチドアニオンを用いることに
より、高い電気伝導率を有し、しかもドーピング状態で
溶剤に可溶なポリアニリン類が得られることを見出し、
本発明を完成した。すなわち、本発明の要旨は、ビス
(パーフルオロアルカンスルホニル)イミドアニオン及
び/又はトリス(パーフルオロアルカンスルホニル)メ
チドアニオンをドープしたポリアニリン類およびその製
造方法に存する。本発明で得られるポリアニリン類は、
その溶液を基材に塗布して乾燥するだけで、容易に高導
電性のポリアニリン薄膜を得ることができる。
を解決すべく鋭意検討した結果、ポリアニリン類のドー
パントアニオンとしてビス(パーフルオロアルカンスル
ホニル)イミドアニオン及び/又はトリス(パーフルオ
ロアルカンスルホニル)メチドアニオンを用いることに
より、高い電気伝導率を有し、しかもドーピング状態で
溶剤に可溶なポリアニリン類が得られることを見出し、
本発明を完成した。すなわち、本発明の要旨は、ビス
(パーフルオロアルカンスルホニル)イミドアニオン及
び/又はトリス(パーフルオロアルカンスルホニル)メ
チドアニオンをドープしたポリアニリン類およびその製
造方法に存する。本発明で得られるポリアニリン類は、
その溶液を基材に塗布して乾燥するだけで、容易に高導
電性のポリアニリン薄膜を得ることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のポリアニリン類を構成するモノマーとしては、
アニリンまたはその水素原子の一部を炭素数12以内の
アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、スルホニル基、
カルボキシル基、ホスホニル基などで置換した置換アニ
リン類を挙げることができる。このような置換アニリン
類の具体例としては、トルイジン、アニシジン、フェネ
チジン、アミノ安息香酸、アミノベンゼンスルホン酸な
どを挙げることができる。、中でも熱的、化学的に安定
でかつ高い電気伝導率の重合体を与えるアニリンがモノ
マーとして好ましい。本発明のビス(パーフルオロアル
カンスルホニル)イミドアニオン及び/又はトリス(パ
ーフルオロアルカンスルホニル)メチドアニオンをドー
プさせたポリアニリン類は、溶媒中で、下記一般式
(1)で示されるビス(パーフルオロアルカンスルホニ
ル)イミド、下記一般式(2)で示されるトリス(パー
フルオロアルカンスルホニル)メチドおよびその塩から
なる群から選ばれる一種以上の化合物とアニリンモノマ
ーを重合するか或いは前記イミド、メチドおよびその塩
からなる群から選ばれる一種以上の化合物を予め脱ドー
ピングしたアニリン類の重合体にドーピングすることに
より得られる。
本発明のポリアニリン類を構成するモノマーとしては、
アニリンまたはその水素原子の一部を炭素数12以内の
アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、スルホニル基、
カルボキシル基、ホスホニル基などで置換した置換アニ
リン類を挙げることができる。このような置換アニリン
類の具体例としては、トルイジン、アニシジン、フェネ
チジン、アミノ安息香酸、アミノベンゼンスルホン酸な
どを挙げることができる。、中でも熱的、化学的に安定
でかつ高い電気伝導率の重合体を与えるアニリンがモノ
マーとして好ましい。本発明のビス(パーフルオロアル
カンスルホニル)イミドアニオン及び/又はトリス(パ
ーフルオロアルカンスルホニル)メチドアニオンをドー
プさせたポリアニリン類は、溶媒中で、下記一般式
(1)で示されるビス(パーフルオロアルカンスルホニ
ル)イミド、下記一般式(2)で示されるトリス(パー
フルオロアルカンスルホニル)メチドおよびその塩から
なる群から選ばれる一種以上の化合物とアニリンモノマ
ーを重合するか或いは前記イミド、メチドおよびその塩
からなる群から選ばれる一種以上の化合物を予め脱ドー
ピングしたアニリン類の重合体にドーピングすることに
より得られる。
【0007】
【化1】
【0008】(式中、Rf、Rf′及びRf″は同じま
たは異なって、パーフルオロアルキル基を示す。)。一
般式(1)で示されるイミド類の具体例としては、ビス
(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ビス(ペン
タフルオロエタンスルホニル)イミド、ペンタフルオロ
エタンスルホニルトリフルオロメタンスルホニルイミ
ド、トリフルオロメタンスルホニルヘプタフルオロプロ
パンスルホニルイミド、ノナフルオロブタンスルホニル
トリフルオロメタンスルホニルイミド等を挙げることが
できる。ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミ
ドの塩を用いる場合、その対カチオン種の具体例として
は、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウムなどの
アルカリ金属カチオン;テトラメチルアンモニウム、エ
チルトリメチルアンモニウム、ジエチルジメチルアンモ
ニウム、トリエチルメチルアンモニウム、テトラエチル
アンモニウム、テトラブチルアンモニウム、N,N−ジ
メチルピロリジニウム、N−エチル−N−メチルピロリ
ジニウム、N,N−ジメチルピペリジニウム、N−エチ
ル−N−メチルピペリジニウム、テトラメチルホスホニ
ウム、テトラエチルホスホニウム、1−エチル−2−メ
チルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイ
ミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダ
ゾリニウムなどのオニウムカチオンを挙げることができ
る。
たは異なって、パーフルオロアルキル基を示す。)。一
般式(1)で示されるイミド類の具体例としては、ビス
(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ビス(ペン
タフルオロエタンスルホニル)イミド、ペンタフルオロ
エタンスルホニルトリフルオロメタンスルホニルイミ
ド、トリフルオロメタンスルホニルヘプタフルオロプロ
パンスルホニルイミド、ノナフルオロブタンスルホニル
トリフルオロメタンスルホニルイミド等を挙げることが
できる。ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミ
ドの塩を用いる場合、その対カチオン種の具体例として
は、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウムなどの
アルカリ金属カチオン;テトラメチルアンモニウム、エ
チルトリメチルアンモニウム、ジエチルジメチルアンモ
ニウム、トリエチルメチルアンモニウム、テトラエチル
アンモニウム、テトラブチルアンモニウム、N,N−ジ
メチルピロリジニウム、N−エチル−N−メチルピロリ
ジニウム、N,N−ジメチルピペリジニウム、N−エチ
ル−N−メチルピペリジニウム、テトラメチルホスホニ
ウム、テトラエチルホスホニウム、1−エチル−2−メ
チルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイ
ミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダ
ゾリニウムなどのオニウムカチオンを挙げることができ
る。
【0009】また、本発明では上記ビス(トリフルオロ
メタンスルホニル)イミド類の代わりにこれらと類似し
た性質を示す一般式(2)のトリス(パーフルオロアル
カンスルホニル)メチド類を用いてもよく、その具体例
としてはトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチ
ド、トリス(ペンタフルオロエタンスルホニル)メチド
および/またはそれらの塩を挙げることができる。ポリ
アニリン類にドープさせるビス(トリフルオロメタンス
ルホニル)イミドアニオンまたはトリス(ペンタフルオ
ロエタンスルホニル)メチドアニオンの量は、ポリアニ
リン類を形成するモノマー1モルに対し、好ましくは1
0〜50モル%である。上記範囲よりドープ量が少いと
導電性が低くなり好ましいものではない。一方、前記範
囲よりドープ量が大きいと導電性が低下するが、ドープ
量が約100モル%程度の範囲までのポリアニリン類
は、本発明に含めることもできる。
メタンスルホニル)イミド類の代わりにこれらと類似し
た性質を示す一般式(2)のトリス(パーフルオロアル
カンスルホニル)メチド類を用いてもよく、その具体例
としてはトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチ
ド、トリス(ペンタフルオロエタンスルホニル)メチド
および/またはそれらの塩を挙げることができる。ポリ
アニリン類にドープさせるビス(トリフルオロメタンス
ルホニル)イミドアニオンまたはトリス(ペンタフルオ
ロエタンスルホニル)メチドアニオンの量は、ポリアニ
リン類を形成するモノマー1モルに対し、好ましくは1
0〜50モル%である。上記範囲よりドープ量が少いと
導電性が低くなり好ましいものではない。一方、前記範
囲よりドープ量が大きいと導電性が低下するが、ドープ
量が約100モル%程度の範囲までのポリアニリン類
は、本発明に含めることもできる。
【0010】反応溶媒としては、例えば、水、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、
アセトニトリル、アセトン、メチルエチルケトン、テト
ラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキ
ソラン、炭酸プロピレン、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルホルム
アミド、ホルムアミド、N−メチルピロリジノン、ジメ
チルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、ジ
メチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクト
ン、テトラメチル尿素、ジクロロエタン、ジクロロメタ
ン、ニトロメタン、ニトロベンゼン、2,2‘−チオジ
エタノール等を挙げることができる。これらは単独で、
あるいは2種類以上を混合して用いることが可能であ
る。
ル、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、
アセトニトリル、アセトン、メチルエチルケトン、テト
ラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキ
ソラン、炭酸プロピレン、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルホルム
アミド、ホルムアミド、N−メチルピロリジノン、ジメ
チルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、ジ
メチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクト
ン、テトラメチル尿素、ジクロロエタン、ジクロロメタ
ン、ニトロメタン、ニトロベンゼン、2,2‘−チオジ
エタノール等を挙げることができる。これらは単独で、
あるいは2種類以上を混合して用いることが可能であ
る。
【0011】ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)
イミド類は酸であり、一方、アニリン類は塩基であるた
め、重合反応において両者が同時に溶液中に存在する場
合、プロトンの授受を伴って塩を形成する。従って、本
発明で用いられる重合反応の溶媒は、該塩に対してある
程度の溶解性を有する必要があり、中でも水は高い溶解
性を有しており、効率よく重合反応が進行して電気伝導
率や機械的強度などの特性がより優れたポリアニリン類
が得られるので好ましい。また、アニリン類を高濃度の
溶液中で反応させたい場合などは、溶媒への該塩の溶解
性を向上させるためにアニリン類に対して等モル以上の
酸類を添加してもよい。通常はビス(パーフルオロアル
カンスルホニル)イミド類を過剰に添加すればよいが、
生成するポリアニリン類の特性を損なわない範囲では必
要に応じてその他の酸類を添加してもよい。本発明で用
いるその他の酸類の具体例としては、硫酸、硝酸、塩
酸、過塩素酸、ホウフッ化水素酸、ヘキサフルオロリン
酸などの無機酸類;トリフルオロ酢酸、トリフルオロメ
タンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホ
ン酸、パーフルオロブタンスルホン酸、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、カンフ
ァースルホン酸、ポリ(スチレンスルホン酸)、ポリ
(ビニルスルホン酸)などの有機酸類を挙げることがで
きる。
イミド類は酸であり、一方、アニリン類は塩基であるた
め、重合反応において両者が同時に溶液中に存在する場
合、プロトンの授受を伴って塩を形成する。従って、本
発明で用いられる重合反応の溶媒は、該塩に対してある
程度の溶解性を有する必要があり、中でも水は高い溶解
性を有しており、効率よく重合反応が進行して電気伝導
率や機械的強度などの特性がより優れたポリアニリン類
が得られるので好ましい。また、アニリン類を高濃度の
溶液中で反応させたい場合などは、溶媒への該塩の溶解
性を向上させるためにアニリン類に対して等モル以上の
酸類を添加してもよい。通常はビス(パーフルオロアル
カンスルホニル)イミド類を過剰に添加すればよいが、
生成するポリアニリン類の特性を損なわない範囲では必
要に応じてその他の酸類を添加してもよい。本発明で用
いるその他の酸類の具体例としては、硫酸、硝酸、塩
酸、過塩素酸、ホウフッ化水素酸、ヘキサフルオロリン
酸などの無機酸類;トリフルオロ酢酸、トリフルオロメ
タンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホ
ン酸、パーフルオロブタンスルホン酸、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、カンフ
ァースルホン酸、ポリ(スチレンスルホン酸)、ポリ
(ビニルスルホン酸)などの有機酸類を挙げることがで
きる。
【0012】本発明のポリアニリン類の製造法は特に限
定されるものではないが、下記の3つに大別した製造方
法のいずれかを実施することにより得ることができる。 (1)電解重合法 この方法は、アニリン類モノマーをビス(パーフルオロ
アルカンスルホニル)イミドおよび/またはその塩を含
んだ溶液中で、適当な電極を用いて電解重合を行うこと
により、ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミ
ドアニオンをドーパントアニオンとするポリアニリン類
を製造する方法である。アニリン類モノマーとビス(パ
ーフルオロアルカンスルホニル)イミドおよび/または
その塩の溶液中の濃度は、0.05〜1モル/リットル
の範囲が好ましい。必要により重合溶液中に適当な酸や
支持塩を添加してもよい。反応温度は−50〜50℃の
範囲が好ましい。
定されるものではないが、下記の3つに大別した製造方
法のいずれかを実施することにより得ることができる。 (1)電解重合法 この方法は、アニリン類モノマーをビス(パーフルオロ
アルカンスルホニル)イミドおよび/またはその塩を含
んだ溶液中で、適当な電極を用いて電解重合を行うこと
により、ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミ
ドアニオンをドーパントアニオンとするポリアニリン類
を製造する方法である。アニリン類モノマーとビス(パ
ーフルオロアルカンスルホニル)イミドおよび/または
その塩の溶液中の濃度は、0.05〜1モル/リットル
の範囲が好ましい。必要により重合溶液中に適当な酸や
支持塩を添加してもよい。反応温度は−50〜50℃の
範囲が好ましい。
【0013】電解重合に用いられる電極としては、導電
性が高く、重合反応溶液に腐食されないものであればそ
の材質は特に限定されない。これら電極材質の具体例と
しては、白金、金、銀、チタン、銅、スズ、亜鉛、ニッ
ケル、アルミニウム、リチウム、ステンレスなどの金属
や合金類;ITO、酸化ルテニウム、酸化チタン、酸化
鉛などの金属酸化物類;グラッシーカーボン、グラファ
イト、活性炭、ポリアセン、非晶質炭素などの炭素化合
物類;ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェ
ン、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポ
リアニリン、ポリ(パラフェニレンビニレン)などの導
電性高分子類を挙げることができる。また電極の形態も
目的に応じて、棒状、板状、ディスク状、薄膜状、メッ
シュ状、繊維状、多孔質ペレット状など適当な形状を選
べばよい。電解重合を行う場合は、まず上記電極の中か
ら二つの同一なまたは異なる電極を適当に選択し、この
二つの電極をアニリン類とビス(パーフルオロアルカン
スルホニル)イミド類を含む重合溶液に浸漬する。その
二つの電極間に定電圧または定電流を直流安定化電源に
より印加することにより、陽極側の電極上にポリアニリ
ン類の電解重合膜が形成される。さらに、二つの電極に
加えてさらに銀−塩化銀電極や飽和カロメル電極などの
参照電極を用い、かつ直流安定化電源に替えてポテンシ
ョスタットを用いれば、定電位電解や電位掃引が可能と
なる。この場合は作用電極上に本発明のポリアニリン類
の電解重合膜が形成される。
性が高く、重合反応溶液に腐食されないものであればそ
の材質は特に限定されない。これら電極材質の具体例と
しては、白金、金、銀、チタン、銅、スズ、亜鉛、ニッ
ケル、アルミニウム、リチウム、ステンレスなどの金属
や合金類;ITO、酸化ルテニウム、酸化チタン、酸化
鉛などの金属酸化物類;グラッシーカーボン、グラファ
イト、活性炭、ポリアセン、非晶質炭素などの炭素化合
物類;ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェ
ン、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポ
リアニリン、ポリ(パラフェニレンビニレン)などの導
電性高分子類を挙げることができる。また電極の形態も
目的に応じて、棒状、板状、ディスク状、薄膜状、メッ
シュ状、繊維状、多孔質ペレット状など適当な形状を選
べばよい。電解重合を行う場合は、まず上記電極の中か
ら二つの同一なまたは異なる電極を適当に選択し、この
二つの電極をアニリン類とビス(パーフルオロアルカン
スルホニル)イミド類を含む重合溶液に浸漬する。その
二つの電極間に定電圧または定電流を直流安定化電源に
より印加することにより、陽極側の電極上にポリアニリ
ン類の電解重合膜が形成される。さらに、二つの電極に
加えてさらに銀−塩化銀電極や飽和カロメル電極などの
参照電極を用い、かつ直流安定化電源に替えてポテンシ
ョスタットを用いれば、定電位電解や電位掃引が可能と
なる。この場合は作用電極上に本発明のポリアニリン類
の電解重合膜が形成される。
【0014】(2)化学重合法 この方法は、ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)
イミド、トリス(パーフルオロアルカンスルホニル)メ
チドおよびその塩からなる群から選ばれる一種以上の化
合物を、あらかじめアニリン類モノマーおよび、または
酸化剤の溶液に溶解しておき、アニリン類モノマーの溶
液に酸化剤(溶液)を添加するか、あるいは、酸化剤の
溶液にアニリン類モノマー(溶液)を添加し、重合させ
ることによりビス(パーフルオロアルカンスルホニル)
イミドアニオン及び/又はトリス(パーフルオロアルカ
ンスルホニル)メチドアニオンをドーパントアニオンと
するポリアニリン類を得る方法であり、上記電解重合法
に比べ、多量のポリアニリンを得ることができる。モノ
マーと酸化剤の仕込みモル比は1:0.1〜1:10の
範囲が好ましい。酸化剤とビス(パーフルオロアルカン
スルホニル)イミド、トリス(パーフルオロアルカンス
ルホニル)メチドおよびその塩からなる群から選ばれる
一種以上の化合物の仕込みモル比は1:0.1〜1:1
0の範囲が好ましい。反応温度は−50〜50℃の範囲
が好ましく、反応時間は、反応温度により異なるが、通
常、1〜24時間程度である。
イミド、トリス(パーフルオロアルカンスルホニル)メ
チドおよびその塩からなる群から選ばれる一種以上の化
合物を、あらかじめアニリン類モノマーおよび、または
酸化剤の溶液に溶解しておき、アニリン類モノマーの溶
液に酸化剤(溶液)を添加するか、あるいは、酸化剤の
溶液にアニリン類モノマー(溶液)を添加し、重合させ
ることによりビス(パーフルオロアルカンスルホニル)
イミドアニオン及び/又はトリス(パーフルオロアルカ
ンスルホニル)メチドアニオンをドーパントアニオンと
するポリアニリン類を得る方法であり、上記電解重合法
に比べ、多量のポリアニリンを得ることができる。モノ
マーと酸化剤の仕込みモル比は1:0.1〜1:10の
範囲が好ましい。酸化剤とビス(パーフルオロアルカン
スルホニル)イミド、トリス(パーフルオロアルカンス
ルホニル)メチドおよびその塩からなる群から選ばれる
一種以上の化合物の仕込みモル比は1:0.1〜1:1
0の範囲が好ましい。反応温度は−50〜50℃の範囲
が好ましく、反応時間は、反応温度により異なるが、通
常、1〜24時間程度である。
【0015】重合に際して用いられる酸化剤の具体例と
しては、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二
硫酸カリウム、過酸化水素などの過酸化物およびその
塩;硫酸鉄(III)、塩化鉄(III)などの三価の鉄化合物;
硫酸銅(II)、硝酸銅(II)などの二価の銅化合物;硫酸セ
リウム(IV)、フッ化セリウム(IV)、過塩素酸セリウム(I
V)、水酸化セリウム(IV)、酸化セリウム(IV)、トリフル
オロメタンスルホン酸セリウム(IV)、p−トルエンスル
ホン酸セリウム(IV)などの四価のセリウム化合物;クロ
ラニルなどのキノン化合物;などを挙げることができ
る。中でも硫酸セリウム(IV)などの酸化力が比較的弱い
四価のセリウム化合物が好ましい。その理由は、本発明
において使用するビス(パーフルオロアルカンスルホニ
ル)イミド類等の化合物の共存下ではアニリン類モノマ
ーの酸化電位が大きく低下するので従来よりも穏和な反
応条件にて重合が可能であり、該条件では好ましくない
副反応が抑制できることが考えられる。
しては、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二
硫酸カリウム、過酸化水素などの過酸化物およびその
塩;硫酸鉄(III)、塩化鉄(III)などの三価の鉄化合物;
硫酸銅(II)、硝酸銅(II)などの二価の銅化合物;硫酸セ
リウム(IV)、フッ化セリウム(IV)、過塩素酸セリウム(I
V)、水酸化セリウム(IV)、酸化セリウム(IV)、トリフル
オロメタンスルホン酸セリウム(IV)、p−トルエンスル
ホン酸セリウム(IV)などの四価のセリウム化合物;クロ
ラニルなどのキノン化合物;などを挙げることができ
る。中でも硫酸セリウム(IV)などの酸化力が比較的弱い
四価のセリウム化合物が好ましい。その理由は、本発明
において使用するビス(パーフルオロアルカンスルホニ
ル)イミド類等の化合物の共存下ではアニリン類モノマ
ーの酸化電位が大きく低下するので従来よりも穏和な反
応条件にて重合が可能であり、該条件では好ましくない
副反応が抑制できることが考えられる。
【0016】(3)ドーピング法 従来の化学重合や電解重合で合成したポリアニリン類
を、いったん脱ドーピングし、これをビス(パーフルオ
ロアルカンスルホニル)イミド、トリス(パーフルオロ
アルカンスルホニル)メチドおよびその塩からなる群か
ら選ばれる一種以上の化合物で再度ドーピングすること
により、ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミ
ドアニオン及び/又はトリス(パーフルオロアルカンス
ルホニル)メチドアニオンをドーパントアニオンとする
ポリアニリン類が得られる。脱ドーピングおよび再ドー
ピング処理の方法には、化学的手法および電気化学的手
法がある。化学的手法としては、アルカリ処理による脱
ドーピング、また前記ビス(パーフルオロアルカンスル
ホニル)イミド等の溶液や蒸気を脱ドーピングしたポリ
アニリン類に直接さらす再ドーピングが行われる。アル
カリには、過剰分の除去が容易なアンモニア水を用いる
ことが好ましい。電気化学的手法としては、ポリアニリ
ンを電極として適当な電解液中で負電位を印加すること
により、ポリアニリンを還元して膜内に存在するドーパ
ントアニオンを電解液中に放出させる脱ドーピング法が
挙げられる。また、一例としてビス(パーフルオロアル
カンスルホニル)イミドまたはその塩を電解液として使
用する場合は、脱ドープしたポリアニリン電極に正電位
を印加することにより、ポリアニリンを酸化して膜内に
ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミドアニオ
ンを取り込む、即ち再ドーピングする方法があげられ
る。これら2つの手法を組み合わせた、例えばポリアニ
リンを電気化学的に脱ドープし、それをビス(パーフル
オロアルカンスルホニル)イミドの溶液に浸漬して再ド
ープすることによっても前記ビス(パーフルオロアルカ
ンスルホニル)イミドアニオン等をドーパントアニオン
とするポリアニリン類を得ることが可能である。
を、いったん脱ドーピングし、これをビス(パーフルオ
ロアルカンスルホニル)イミド、トリス(パーフルオロ
アルカンスルホニル)メチドおよびその塩からなる群か
ら選ばれる一種以上の化合物で再度ドーピングすること
により、ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミ
ドアニオン及び/又はトリス(パーフルオロアルカンス
ルホニル)メチドアニオンをドーパントアニオンとする
ポリアニリン類が得られる。脱ドーピングおよび再ドー
ピング処理の方法には、化学的手法および電気化学的手
法がある。化学的手法としては、アルカリ処理による脱
ドーピング、また前記ビス(パーフルオロアルカンスル
ホニル)イミド等の溶液や蒸気を脱ドーピングしたポリ
アニリン類に直接さらす再ドーピングが行われる。アル
カリには、過剰分の除去が容易なアンモニア水を用いる
ことが好ましい。電気化学的手法としては、ポリアニリ
ンを電極として適当な電解液中で負電位を印加すること
により、ポリアニリンを還元して膜内に存在するドーパ
ントアニオンを電解液中に放出させる脱ドーピング法が
挙げられる。また、一例としてビス(パーフルオロアル
カンスルホニル)イミドまたはその塩を電解液として使
用する場合は、脱ドープしたポリアニリン電極に正電位
を印加することにより、ポリアニリンを酸化して膜内に
ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミドアニオ
ンを取り込む、即ち再ドーピングする方法があげられ
る。これら2つの手法を組み合わせた、例えばポリアニ
リンを電気化学的に脱ドープし、それをビス(パーフル
オロアルカンスルホニル)イミドの溶液に浸漬して再ド
ープすることによっても前記ビス(パーフルオロアルカ
ンスルホニル)イミドアニオン等をドーパントアニオン
とするポリアニリン類を得ることが可能である。
【0017】本発明のポリアニリン類は高い電気伝導率
を有し且つ、溶剤に可溶なため、本発明のポリアニリン
類の溶液を基材に塗布して乾燥するだけで、容易に高導
電性の薄膜を得ることができる。本発明のポリアニリン
類は、導電性ポリアニリンの用途として知られている帯
電防止剤、電解効果型トランジスタ、光機能素子、アク
チュエータ、電解コンデンサ、一次電池、二次電池、電
気化学キャパシタなどの材料として利用することがで
き、特に、電池、電解コンデンサ、電気化学キャパシタ
などに好ましく用いられる。本発明のポリアニリン類を
電極材料として用いれば、従来よりも内部抵抗の小さな
デバイスの作製が可能になり、充放電特性などのデバイ
ス特性の改善が期待される。本発明のポリアニリン類を
用いた電池、電解コンデンサ、電気化学キャパシタの模
式図を図1に示す。
を有し且つ、溶剤に可溶なため、本発明のポリアニリン
類の溶液を基材に塗布して乾燥するだけで、容易に高導
電性の薄膜を得ることができる。本発明のポリアニリン
類は、導電性ポリアニリンの用途として知られている帯
電防止剤、電解効果型トランジスタ、光機能素子、アク
チュエータ、電解コンデンサ、一次電池、二次電池、電
気化学キャパシタなどの材料として利用することがで
き、特に、電池、電解コンデンサ、電気化学キャパシタ
などに好ましく用いられる。本発明のポリアニリン類を
電極材料として用いれば、従来よりも内部抵抗の小さな
デバイスの作製が可能になり、充放電特性などのデバイ
ス特性の改善が期待される。本発明のポリアニリン類を
用いた電池、電解コンデンサ、電気化学キャパシタの模
式図を図1に示す。
【0018】これらデバイスの製造方法は、特に限定さ
れるものではなく、公知の種々の方法が適用される。例
えば電池等の電極を製造する場合、粉体として得られた
本発明のポリアニリン類を、適当な溶媒に溶解または微
分散した液を調製し、これを用いてスピンコートなどの
キャストプロセスを行うことにより基材に密着したポリ
アニリン類のフィルム状電極が形成できる。本発明で用
いられるポリアニリン類を溶解または微分散する溶媒の
具体例としては、N−メチルピロリジノン、炭酸プロピ
レン、γ−ブチロラクトンなどの環状カルボニル化合
物;トルエン、m−クレゾールなどの芳香族;クロロホ
ルム、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素水類;アセ
トン、メチルエチルケトンなどのケトン類;エタノー
ル、メタノール、エチレングリコールなどのアルコール
類;水を挙げることができる。また、アセチレンブラッ
クなどの導電助剤、ポリ(テトラフルオロエチレン)、
ポリ(フッ化ビニリデン)などの結着剤を混練して成型
することによりシート状やペレット状の電極が形成でき
る。電解重合反応により得られたポリアニリン類は、電
解重合の際に用いた電極上に薄膜として得られるので、
これをそのままデバイスの電極として使用してもよい。
れるものではなく、公知の種々の方法が適用される。例
えば電池等の電極を製造する場合、粉体として得られた
本発明のポリアニリン類を、適当な溶媒に溶解または微
分散した液を調製し、これを用いてスピンコートなどの
キャストプロセスを行うことにより基材に密着したポリ
アニリン類のフィルム状電極が形成できる。本発明で用
いられるポリアニリン類を溶解または微分散する溶媒の
具体例としては、N−メチルピロリジノン、炭酸プロピ
レン、γ−ブチロラクトンなどの環状カルボニル化合
物;トルエン、m−クレゾールなどの芳香族;クロロホ
ルム、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素水類;アセ
トン、メチルエチルケトンなどのケトン類;エタノー
ル、メタノール、エチレングリコールなどのアルコール
類;水を挙げることができる。また、アセチレンブラッ
クなどの導電助剤、ポリ(テトラフルオロエチレン)、
ポリ(フッ化ビニリデン)などの結着剤を混練して成型
することによりシート状やペレット状の電極が形成でき
る。電解重合反応により得られたポリアニリン類は、電
解重合の際に用いた電極上に薄膜として得られるので、
これをそのままデバイスの電極として使用してもよい。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例によりさら
具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り、以下の例に制約されるものではない。なお、以下の
例において、電気伝導率は四短針法により測定した。 実施例1 アニリン0.1 mol dm-3およびビス(ペンタフルオロエタ
ンスルホニル)イミド0.1 mol dm-3を含む水溶液を調製
した。この溶液に、作用極として白金板(0.02cm2)、対
極として白金巻き線、参照電極として銀−塩化銀電極を
浸漬し、これら電極をポテンショスタットに接続して掃
引重合を行った。掃引速度は50 mV s-1、電位掃引範囲
は-0.2 Vから+0.7 V (vs. Ag/ AgCl)の範囲とし、10
回サイクル掃引した。アニリンの電気化学的な酸化が起
こり後続の重合反応が進行する電位は、通常約0.8V
であるが、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イ
ミドを含む本系においては約0.5Vとより低い電位で
アニリンの酸化電流が観測された。サイクル掃引を繰り
返すと、0Vおよび0.3V付近にポリアニリンに特有
の二対の酸化還元ピークが認められ、その電流値は掃引
を重ねるにつれて大きくなった。これは作用電極上での
電解重合ポリアニリン膜が成長していることを示してい
る。電位掃引後の作用極は緑色の皮膜で被覆されてお
り、赤外分光分析によりポリアニリンであることを確認
した(1,600 cm-1: ベンゼノイド構造、1,500 cm-1: キ
ノイド構造1,180 cm-1: C-N伸縮振動、1,300 cm-1: エ
メラルディン塩基構造)。このポリアニリン膜の電気伝
導率は5 × 10-1 S cm-1であり、N−メチルピロリジノ
ンに対する溶解度は1.0 wt%であった。
具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り、以下の例に制約されるものではない。なお、以下の
例において、電気伝導率は四短針法により測定した。 実施例1 アニリン0.1 mol dm-3およびビス(ペンタフルオロエタ
ンスルホニル)イミド0.1 mol dm-3を含む水溶液を調製
した。この溶液に、作用極として白金板(0.02cm2)、対
極として白金巻き線、参照電極として銀−塩化銀電極を
浸漬し、これら電極をポテンショスタットに接続して掃
引重合を行った。掃引速度は50 mV s-1、電位掃引範囲
は-0.2 Vから+0.7 V (vs. Ag/ AgCl)の範囲とし、10
回サイクル掃引した。アニリンの電気化学的な酸化が起
こり後続の重合反応が進行する電位は、通常約0.8V
であるが、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イ
ミドを含む本系においては約0.5Vとより低い電位で
アニリンの酸化電流が観測された。サイクル掃引を繰り
返すと、0Vおよび0.3V付近にポリアニリンに特有
の二対の酸化還元ピークが認められ、その電流値は掃引
を重ねるにつれて大きくなった。これは作用電極上での
電解重合ポリアニリン膜が成長していることを示してい
る。電位掃引後の作用極は緑色の皮膜で被覆されてお
り、赤外分光分析によりポリアニリンであることを確認
した(1,600 cm-1: ベンゼノイド構造、1,500 cm-1: キ
ノイド構造1,180 cm-1: C-N伸縮振動、1,300 cm-1: エ
メラルディン塩基構造)。このポリアニリン膜の電気伝
導率は5 × 10-1 S cm-1であり、N−メチルピロリジノ
ンに対する溶解度は1.0 wt%であった。
【0020】比較例1 ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドの代わ
りに硫酸を含む以外は実施例1と同様の水溶液を調製し
た。電位掃引範囲を-0.2 Vから+1.1 V (vs. Ag/ AgCl)
の範囲とした以外は実施例1と同様の掃引条件でポリア
ニリンの電解重合を行い、ポリアニリン膜を得た。アニ
リンの重合開始を示す酸化電位は約0.8Vであった。
このポリアニリン膜の電気伝導率4 × 10-1 S cm-1であ
り、N−メチルピロリジノンには全く不溶であった。そ
の理由は、本比較例ではアニリンの酸化(重合)を行う
のに実施例1に較べてより高い電位を必要としたため、
ポリマー鎖間の架橋など好ましくない副反応が生じたこ
とによると考えられる。
りに硫酸を含む以外は実施例1と同様の水溶液を調製し
た。電位掃引範囲を-0.2 Vから+1.1 V (vs. Ag/ AgCl)
の範囲とした以外は実施例1と同様の掃引条件でポリア
ニリンの電解重合を行い、ポリアニリン膜を得た。アニ
リンの重合開始を示す酸化電位は約0.8Vであった。
このポリアニリン膜の電気伝導率4 × 10-1 S cm-1であ
り、N−メチルピロリジノンには全く不溶であった。そ
の理由は、本比較例ではアニリンの酸化(重合)を行う
のに実施例1に較べてより高い電位を必要としたため、
ポリマー鎖間の架橋など好ましくない副反応が生じたこ
とによると考えられる。
【0021】実施例2 アニリン0.931 g (10.0 mmol)およびビス(トリフルオ
ロメタンスルホニル)イミド2.81 g (10.0 mmol)を水に
溶解し、氷浴下で撹拌した。これに酸化剤として硫酸セ
リウム(IV)3.32 g (10.0 mmol)および触媒として硫
酸鉄(II)0.556 g (2.0 mmol)を含む水溶液を滴下し
た後、そのまま24時間撹拌した。生成した濃青色の細
かな沈殿物をろ取し、これを水で洗浄したものを50℃
にて24時間減圧乾燥することによりポリアニリン0.94
5 gを得た。GPC分析による、このポリアニリンの重
量平均分子量は12,000(ポリスチレン換算)であった。
また元素分析により、ビス(トリフルオロメタンスルホ
ニル)イミドアニオンをドープ率約40モル%で含有し
ていることを確認した。このポリアニリンの電気伝導率
を四短針法により測定したところ、1.4× 10-1 S/cmと
高い値を示した。またアセトン、N−メチルピロリジノ
ン(NMP)に対してそれぞれ1.1 wt%、1.0wt%の溶解
度を示した。
ロメタンスルホニル)イミド2.81 g (10.0 mmol)を水に
溶解し、氷浴下で撹拌した。これに酸化剤として硫酸セ
リウム(IV)3.32 g (10.0 mmol)および触媒として硫
酸鉄(II)0.556 g (2.0 mmol)を含む水溶液を滴下し
た後、そのまま24時間撹拌した。生成した濃青色の細
かな沈殿物をろ取し、これを水で洗浄したものを50℃
にて24時間減圧乾燥することによりポリアニリン0.94
5 gを得た。GPC分析による、このポリアニリンの重
量平均分子量は12,000(ポリスチレン換算)であった。
また元素分析により、ビス(トリフルオロメタンスルホ
ニル)イミドアニオンをドープ率約40モル%で含有し
ていることを確認した。このポリアニリンの電気伝導率
を四短針法により測定したところ、1.4× 10-1 S/cmと
高い値を示した。またアセトン、N−メチルピロリジノ
ン(NMP)に対してそれぞれ1.1 wt%、1.0wt%の溶解
度を示した。
【0022】実施例3及び比較例2、3 表−1に示すビス(パーフルオロアルカンスルホニル)
イミドおよび酸化剤を用い、実施例2と同様にして導電
性高分子を得た。得られた結果を表−1に示した。実施
例3のビス(ペンタフルオロアルカンスルホニル)イミ
ドを用いた場合、得られたポリアニリンの電気伝導率、
溶解度ともに向上しており、さらに優れたものが得られ
ている。比較例2では電気伝導率が高いものの溶媒に対
して全く不溶であり、また比較例3では不溶でかつ電気
伝導率が低い。
イミドおよび酸化剤を用い、実施例2と同様にして導電
性高分子を得た。得られた結果を表−1に示した。実施
例3のビス(ペンタフルオロアルカンスルホニル)イミ
ドを用いた場合、得られたポリアニリンの電気伝導率、
溶解度ともに向上しており、さらに優れたものが得られ
ている。比較例2では電気伝導率が高いものの溶媒に対
して全く不溶であり、また比較例3では不溶でかつ電気
伝導率が低い。
【0023】
【表1】
【0024】実施例4 比較例2で得られたポリアニリン0.10 gをアンモニア水
に室温で12時間浸漬した後、これを濾別、減圧乾燥す
ることにより脱ドーピングしたポリアニリン0.07 gを得
た。この脱ドープしたポリアニリンをビス(ペンタフル
オロエタンスルホニル)イミド水溶液に室温で12時間
浸漬した後、これを濾別、減圧乾燥することによりビス
(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドアニオンが
ドーピングされた濃青色のポリアニリン0.11 gを得た。
元素分析により、このポリアニリンがビス(ペンタフル
オロエタンスルホニル)イミドアニオンをドープ率30
モル%で含有していることを確認した。このポリアニリ
ンの電気伝導率は1.8 ×10 -1 S cm-1であり、またアセ
トン、N−メチルピロリジノンに対してそれぞれ0.3wt.
%、0.5 wt.%の溶解度を示した。
に室温で12時間浸漬した後、これを濾別、減圧乾燥す
ることにより脱ドーピングしたポリアニリン0.07 gを得
た。この脱ドープしたポリアニリンをビス(ペンタフル
オロエタンスルホニル)イミド水溶液に室温で12時間
浸漬した後、これを濾別、減圧乾燥することによりビス
(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドアニオンが
ドーピングされた濃青色のポリアニリン0.11 gを得た。
元素分析により、このポリアニリンがビス(ペンタフル
オロエタンスルホニル)イミドアニオンをドープ率30
モル%で含有していることを確認した。このポリアニリ
ンの電気伝導率は1.8 ×10 -1 S cm-1であり、またアセ
トン、N−メチルピロリジノンに対してそれぞれ0.3wt.
%、0.5 wt.%の溶解度を示した。
【0025】実施例5(電池の製造) 実施例3で得られたポリアニリンとバインダーとして用
いたポリフッ化ビニリデンをN−メチルピロリジノンに
混合、分散したペーストを調製し、これを厚さ1mmの
銅板上に塗布して50℃にて乾燥させ、陽極を作成し
た。これを円形に打ち抜いたリチウムアルミニウム合金
箔(厚さ0.5mm、面積1.8cm2)からなる負極
と対向させ、その間に電解液(1M−LiBF4・炭酸
プロピレン溶液)を含浸させたポリプロピレン系不織布
(厚さ0.5mm)をセパレータとして挟み、ステンレ
ス性のコイン型ケース(直径2cm、厚さ3mm)でか
しめることにより、電池を作製した。インピーダンスア
ナライザーによるインピーダンス測定によりこの電池の
内部抵抗を求めたところ、25Ωであった。一方、比較
例3で得られたポリアニリンを用いた他は同様にして作
製した電池は内部抵抗が29Ωであった。
いたポリフッ化ビニリデンをN−メチルピロリジノンに
混合、分散したペーストを調製し、これを厚さ1mmの
銅板上に塗布して50℃にて乾燥させ、陽極を作成し
た。これを円形に打ち抜いたリチウムアルミニウム合金
箔(厚さ0.5mm、面積1.8cm2)からなる負極
と対向させ、その間に電解液(1M−LiBF4・炭酸
プロピレン溶液)を含浸させたポリプロピレン系不織布
(厚さ0.5mm)をセパレータとして挟み、ステンレ
ス性のコイン型ケース(直径2cm、厚さ3mm)でか
しめることにより、電池を作製した。インピーダンスア
ナライザーによるインピーダンス測定によりこの電池の
内部抵抗を求めたところ、25Ωであった。一方、比較
例3で得られたポリアニリンを用いた他は同様にして作
製した電池は内部抵抗が29Ωであった。
【0026】実施例6(電気化学キャパシタの製造) 実施例3で得られたポリアニリンとバインダーのポリ
(テトラフルオロエチレン)をアセトンに混合、分散し
たペーストを調製し、これを厚さ1mmのステンレス板
上に塗布して50℃にて減圧乾燥させた。これを2枚の
円形(直径1.5cm、面積1.8cm2)に打ち抜い
て電極として対向して設け、その間に電解液[0.5M
リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド
水溶液]を含浸させたナイロン系不織布(厚さ0.3m
m)をセパレータとして挟み、ステンレス性のコイン型
ケース(直径2cm、厚さ3mm)でかしめることによ
り、電気化学的キャパシタを作製した。このキャパシタ
の定電流放電(100μA)を行い、得られた放電曲線
から放電容量を求めたところ0.1Fであった。また定
抵抗放電曲線よりキャパシタの内部抵抗値を求めたとこ
ろ、50Ωであった。一方、比較例3で得られたポリア
ニリンは放電容量0.08F、内部抵抗が70Ωであっ
た。以上の結果から、実施例3のポリアニリンを用いた
電気化学キャパシタは、内部抵抗が小さく、充放電特性
に優れていることが判明した。
(テトラフルオロエチレン)をアセトンに混合、分散し
たペーストを調製し、これを厚さ1mmのステンレス板
上に塗布して50℃にて減圧乾燥させた。これを2枚の
円形(直径1.5cm、面積1.8cm2)に打ち抜い
て電極として対向して設け、その間に電解液[0.5M
リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド
水溶液]を含浸させたナイロン系不織布(厚さ0.3m
m)をセパレータとして挟み、ステンレス性のコイン型
ケース(直径2cm、厚さ3mm)でかしめることによ
り、電気化学的キャパシタを作製した。このキャパシタ
の定電流放電(100μA)を行い、得られた放電曲線
から放電容量を求めたところ0.1Fであった。また定
抵抗放電曲線よりキャパシタの内部抵抗値を求めたとこ
ろ、50Ωであった。一方、比較例3で得られたポリア
ニリンは放電容量0.08F、内部抵抗が70Ωであっ
た。以上の結果から、実施例3のポリアニリンを用いた
電気化学キャパシタは、内部抵抗が小さく、充放電特性
に優れていることが判明した。
【0027】実施例7(電解コンデンサの製造) エッチングによって拡面化処置したアルミニウム箔(厚
さ70μm、面積1cm×1cm、静電容量25μF/
cm2)を10重量%アジピン酸アンモニウム水溶液中
で電圧40Vを印加して、アルミ箔表面に誘電体となる
酸化皮膜を形成した。続いて実施例2で得られたポリア
ニリンのN−メチルピロリジノン溶液を塗布した後、5
0℃にて減圧乾燥により溶媒を留去した。これを4回繰
り返してポリアニリンからなる陰極層を形成した。これ
に導電ペーストとしてカーボンペーストおよび銀ペース
トを順次塗布して陰極リードを接続し、固体電解コンデ
ンサを得た。この固体電解コンデンサの電気特性をLC
Rメーターを用いて測定したところ、120Hzにおけ
る静電容量および誘電損失がそれぞれ24μFおよび
0.9%、100kHzにおける等価直列抵抗が5Ωで
あった。一方、比較例3で得られたポリアニリンを用い
た他は同様にして作製した固体電解コンデンサの電気特
性は、120Hzにおける静電容量および誘電損失がそ
れぞれ24μFおよび3%、100kHzにおける等価
直列抵抗が20Ωであった。以上の結果から、実施例2
のポリアニリンを用いた固体電解コンデンサは、誘電損
失および高周波数帯域における等価直列抵抗値が低いた
め、インピーダンス特性に優れている。
さ70μm、面積1cm×1cm、静電容量25μF/
cm2)を10重量%アジピン酸アンモニウム水溶液中
で電圧40Vを印加して、アルミ箔表面に誘電体となる
酸化皮膜を形成した。続いて実施例2で得られたポリア
ニリンのN−メチルピロリジノン溶液を塗布した後、5
0℃にて減圧乾燥により溶媒を留去した。これを4回繰
り返してポリアニリンからなる陰極層を形成した。これ
に導電ペーストとしてカーボンペーストおよび銀ペース
トを順次塗布して陰極リードを接続し、固体電解コンデ
ンサを得た。この固体電解コンデンサの電気特性をLC
Rメーターを用いて測定したところ、120Hzにおけ
る静電容量および誘電損失がそれぞれ24μFおよび
0.9%、100kHzにおける等価直列抵抗が5Ωで
あった。一方、比較例3で得られたポリアニリンを用い
た他は同様にして作製した固体電解コンデンサの電気特
性は、120Hzにおける静電容量および誘電損失がそ
れぞれ24μFおよび3%、100kHzにおける等価
直列抵抗が20Ωであった。以上の結果から、実施例2
のポリアニリンを用いた固体電解コンデンサは、誘電損
失および高周波数帯域における等価直列抵抗値が低いた
め、インピーダンス特性に優れている。
【0028】
【発明の効果】ビス(パーフルオロアルカンスルホニ
ル)イミド類は、スルホンイミド結合(−S(=O)2
−N−S(=O)2−)の平面に負電荷の共役構造が広
がっている。さらに二つのパーフルオロアルキル基の強
い電子吸引性により、ビス(パーフルオロアルカンスル
ホニル)イミド類は非常に強い一塩基酸として作用す
る。本発明によれば、これらのイミド類をポリアニリン
のドーパントアニオンとして用いることにより、電気伝
導率が高くかつドーピング状態で溶剤に可溶なポリアニ
リン類が得られるため、これを使用してデバイス特性に
優れた電池、電気化学キャパシタ、電解コンデンサ等を
製造することができる。
ル)イミド類は、スルホンイミド結合(−S(=O)2
−N−S(=O)2−)の平面に負電荷の共役構造が広
がっている。さらに二つのパーフルオロアルキル基の強
い電子吸引性により、ビス(パーフルオロアルカンスル
ホニル)イミド類は非常に強い一塩基酸として作用す
る。本発明によれば、これらのイミド類をポリアニリン
のドーパントアニオンとして用いることにより、電気伝
導率が高くかつドーピング状態で溶剤に可溶なポリアニ
リン類が得られるため、これを使用してデバイス特性に
優れた電池、電気化学キャパシタ、電解コンデンサ等を
製造することができる。
【図1】本発明の導電性高分子を使用した各種デバイス
の模式図
の模式図
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08J 5/00 C08J 5/00 Fターム(参考) 4F071 AA58 AC13 AE15 AF37 AH12 BA02 BB02 BC02 BC07 4J002 CM051 EV216 EV266 FD116 GQ02 HA05 4J043 PA02 PB08 PC015 PC025 PC075 PC115 PC165 PC185 QC02 RA02 RA08 SA05 SA14 SA42 SA62 SA72 SA81 SA87 SB01 UA121 XA12 XA15 XA16 XA19 XA23 XA24 XA25 XA29 XA36 YB05 YB37 ZA05 ZA23 ZA44 ZB03 ZB11 ZB44 ZB47 ZB49
Claims (6)
- 【請求項1】 ビス(パーフルオロアルカンスルホニ
ル)イミドアニオン及び/又はトリス(パーフルオロア
ルカンスルホニル)メチドアニオンをドープしたポリア
ニリン類。 - 【請求項2】 ポリアニリン類がポリアニリンであるこ
とを特徴とする請求項1に記載のポリアニリン類。 - 【請求項3】 ビス(パーフルオロアルカンスルホニ
ル)イミドがビス(トリフルオロメタンスルホニル)イ
ミドまたはビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イ
ミドであることを特徴とする請求項1または2に記載の
ポリアニリン類。 - 【請求項4】 アニリン類とビス(パーフルオロアルカ
ンスルホニル)イミド、トリス(パーフルオロアルカン
スルホニル)メチドおよびそれらの塩からなる群から選
ばれる一種以上の化合物を含有する溶液中で電解重合反
応を行うことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記
載のポリアニリン類の製造方法。 - 【請求項5】 あらかじめ脱ドーピングしたポリアニリ
ン類にビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミ
ド、トリス(パーフルオロアルカンスルホニル)メチド
およびそれらの塩からなる群から選ばれる一種以上の化
合物をドーピングすることを特徴とする請求項1乃至3
の何れかに記載のポリアニリン類の製造方法。 - 【請求項6】 請求項1乃至3のいずれかに記載のポリ
アニリン類を用いた電極材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000050834A JP2001240742A (ja) | 2000-02-28 | 2000-02-28 | ポリアニリン類およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000050834A JP2001240742A (ja) | 2000-02-28 | 2000-02-28 | ポリアニリン類およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001240742A true JP2001240742A (ja) | 2001-09-04 |
Family
ID=18572580
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000050834A Pending JP2001240742A (ja) | 2000-02-28 | 2000-02-28 | ポリアニリン類およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001240742A (ja) |
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---|---|---|---|---|
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-
2000
- 2000-02-28 JP JP2000050834A patent/JP2001240742A/ja active Pending
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