JPS6013006B2 - 塩ビモノマ−の製造における廃熱回収方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、二塩化エチレン（以下ＥＤＣと記す）を熱
分解して塩ビモノマーを製造するに当り、分解炉からの
流出物が有する廃熱を回収して有効に利用する方法に関
する。

近年、産業界特に製造業部門において、エネルギー節減
が大きな課題となっている。

従来の塩ビモノマーの製造は、第１図に示す方法で行わ
れていた。すなわち、原料ＥＤＣは分解炉１に袋入され
て加熱分解され、分解炉１からの流出物、すなわち分解
生成物である塩ビモノマーおよびＨＣＩと残存ＥＤＣの
混合物は、急冷塔２に送られ、そのうちの気体成分は※
項から冷却器３に通されて精製工程に送られ、また液体
成分は塔底から冷却器４に通されてやはり精製工程に送
られる。しかしこの方法では、分解炉１の出口において
流出物の温度は約５００℃と極めて高温であるにもかか
わらず、急袷塔２および冷却器３，４の通過後、６０午
Ｃ以下に冷却され、そのため熱収支がはなはだ不利なも
のとなる上に、冷却水の給送用動力にも多大な負担を課
せられた。この発明は上記のような点に鑑みてなされた
もので、分解炉からの流出物が有する廃熱を有効利用す
ることにより、熱収支を有利なものとし、しかも動力費
等の点でも有利になし得る塩ビモノマーの製造方法を提
供することを目的とする。

この発明による廃熱回収方法は、二塩化エチレンを熱分
解して塩ビモノマーを製造するに当り、分解炉からの熱
分解流出物を急冷塔で気体成分と液体成分に分け、分解
炉菱入前の二塩化エチレンを気体成分および液体成分と
それぞれ熱交換して予加熱しておき、熱交換後の液体成
分を急冷塔に戻して熱分解流出物の冷却に用いるもので
ある。以下、この発明の実施例を図面により説明する。
第２図はＥＤＣと分解炉からの流出物とを間接接触させ
て、熱交換を行う例を示す。

すなわち、原料ＥＤＣはそのタンク３１からポンプ３２
を介して第１冷却器３３ついで第２冷却器３４に通され
、分解炉３７に袋入される。岡炉３７における熱分解の
後、同炉３７から出た流出物は、やはり塩ビモノマー、
ＨＣ１、未分解ＥＤＣ等からなる約５０び○の高温ガス
状混合物であって、急冷塔３５に導かれる。そして流出
物の気体成分は滋頂から第２冷却器３４に通されて次の
精製工程に送られ、また液体成分は蕗底からポンプ３６
を介してやはり精製工程に送られる。また液体成分の一
部は、第１冷却器３３に通されて搭頂部に循環される。
したがって、原料ＥＤＣは、第１冷却器３３および第２
冷却器３４において、それぞれ高温の液体成分および高
温の気体成分と間接熱交換して熱を得る。そしてこうし
て加熱されたＥＤＣがついで分解炉３７に装入される。
この発明は以上のとおり構成されており、分解炉からの
熱分解流出物を急冷塔で気体成分と液体成分に分け、分
解炉菱入前の二塩化エチレンを気体成分および液体成分
とそれぞれ熱交換して予加熱しておくものであるので、
分解炉からの流出物の廃熱を有効に利用することができ
、したがって分解炉に供ｖ給する熱量を大幅に節減する
ことができる。

また熱交換後の液体成分を急冷塔に戻して熱分解流出物
の冷却に用いるので、熱分解流出物の冷却のための冷却
水を急冷塔に別途供給する必要がなく、この方法はこの
点でも有利である。図面の総単な説明 第１図は従釆の方法を示すフローシート、第２図はこの
発明の実施例を示すフローシートである。

３７・・…・分解炉、３３・・・・・・第１冷却器、３
４・・・・・・第２冷却器、３５・・・…急袷塔。

第１図 第２図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 二塩化エチレンを熱分解して塩ビモノマーを製造す
   るに当り、分解炉からの熱分解流出物を急冷塔で気体成
   分と液体成分に分け、分解炉装入前の二塩化エチレンを
   気体成分および液体成分とそれぞれ熱交換して予加熱し
   ておき、熱交換後の液体成分を急冷塔に戻して熱分解流
   出物の冷却に用いることを特徴とする、塩ビモノマーの
   製造における廃熱回収方法。