JPH0692328B2 - 1,2−ジクロルエタンの熱分解による塩化ビニルモノマ−の製造方法 - Google Patents

1,2−ジクロルエタンの熱分解による塩化ビニルモノマ−の製造方法

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JPH0692328B2
JPH0692328B2 JP61283083A JP28308386A JPH0692328B2 JP H0692328 B2 JPH0692328 B2 JP H0692328B2 JP 61283083 A JP61283083 A JP 61283083A JP 28308386 A JP28308386 A JP 28308386A JP H0692328 B2 JPH0692328 B2 JP H0692328B2
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    • C07C17/25Preparation of halogenated hydrocarbons by splitting-off hydrogen halides from halogenated hydrocarbons
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J2219/00Chemical, physical or physico-chemical processes in general; Their relevant apparatus
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、1,2−ジクロルエタン(以下EDCと記す)を加
圧下で、熱分解することによる、塩化ビニルモノマー
(以下VCMと記す)の製造方法に関するものである。
〔従来の技術〕 従来、VCMを製造する際、精製された液状のEDCを加圧下
で分解炉の予熱帯域に導入し、更に、蒸発帯域でガス化
した後、分解反応帯域にて温度が480〜550℃の範囲で熱
分解しVCMを製造する事が知られている。
この際、分解炉から流出する高温の分解ガスは、主とし
て分解で得られたVCMと塩化水素及び未分解のEDCを含む
が、通常、直ちに後方の急冷塔を用い、この高温の分解
流出ガスの持つ多量の熱を、冷却水で系外に排出した
後、次工程で、塩化水素及び、未分解のEDCを蒸留塔に
より、VCMと分離している。
一般にEDCの熱分解炉は、長期間の運転を実施するに従
い、管内部に強固なコークスが形成されていき、運転操
作条件上、分解炉自体の圧力損失が、許容限度超過する
前に運転を停止し、コークスの除去を行う。
又、EDCの熱分解反応温度を高くすることにより分解
率、即ち分解炉への単位導入EDC当たりのVCM生成量を高
めることが出来るが、同時に、重合の際問題となるメチ
ルクロライド,ブタジエン等の副反応生成物の増大を引
き起こし、これらの副反応生成物を除去する為に、次工
程で膨大なエネルギーを必要とする要因となっている。
更に、EDCの予熱,蒸発及び熱分解の実施している分解
炉の管内部では、炉内温度を高めることによる、強固な
コークスの生成が助長され、これによる分解炉の運転期
間の短縮を余儀なくさせることとなる。
又、分解炉から排出する燃焼後の廃ガス温度が上昇する
ことにより、これに同伴し損失となる熱エネルギーも増
大する。
この為、実際の運転では、EDCの分解反応温度は、副反
応生成物の生成量、コークスの形成量等に制約され、即
ち、一定の分解率以上は高めることが困難である。
分解炉の管内部のコークスの低減については、例えば、
特開昭49−125306号公報にも記載されているように、ED
Cの蒸発帯域を分解炉の外部、即ち、気体状でEDCを分解
炉に導入する方式が提示されている。
しかし、この方法では分解炉へ導入するEDCの蒸気化に
極めて高漢の熱源が必要となり、一般に、既存の分解炉
以外に新たに、EDCの加熱炉を必要とする。
更に、EDCを加熱炉内部で高温化にさらされることによ
るEDC純度悪化及び、スケール除去の為の対策が必要と
なり、運転費・設備費とも極めて不経済となる。
一方、分解炉からの高温の分解流出ガスは、極めて膨大
な熱エネルギーを有する為、分解炉の直後にある急冷塔
では、冷却水により排出する熱エネルギー損失量も莫大
なものとなっている。
従って、分解炉からの高温の分解流出ガスの持つエネル
ギーの回収利用方法については、従来から各種の方式が
提案されている。
例えば特開昭56−45424号公報では、分解炉からの分解
流出ガスを少なくとも二段階で冷却し、その際熱媒体に
与えられた熱を他の装置の加熱に使用する方法が記載さ
れている。
しかしここで用いる熱媒体は、分解炉からの流出ガスの
温度が高温であることによる劣化、流出ガスの特異性、
即ちガス中に塩化水素等が含まれることにより最悪の場
合、洩れ等による爆発の危険性を考慮する必要がある。
特に水もしくは水蒸気を熱媒体とした場合洩れによる塩
化水素との極めて激しい装置の腐食破損を引き起こす危
険がある。
更にこの場合、回収した燈を利用するためには装置を極
めて大規模に改造する必要が生じる。
又、特開昭55−129233号公報には、熱媒体を用い分解流
出ガスとの間接熱交換を行い、この熱媒体を他工程の熱
源とする方式のうち、熱媒体としてのEDC用蒸留塔の熱
源に利用する方法が提案されている。
この場合、分解炉の運転状態の変動により蒸留塔が影響
される等運転操作性の煩雑を引き起こすだけでなく、一
般に分解炉と蒸留塔は、かなりの距離があること等によ
る高額の設備費を余儀なくされる。
又、分解炉からの分解流出ガスと分解炉に供給するEDC
の熱交換によりEDCの蒸発もしくは、予熱に利用する方
法も提示されている。
この場合、同文献に記載の条件は、分解流出ガスの流速
が大きなものであること、熱交換器の伝熱管の管長をか
なり大きくする必要があること等により、分解炉の後方
に直接配置した熱交換器の管側の圧力損失が増大し、分
解炉の連続運転期間の短縮を引き起こすため分解炉の伝
熱管の管径を大きくするもしくは管長を短縮する等、分
解炉の大幅な改造が必要となる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
分解反応温度を高めることなしに、即ち、分解炉で生成
する副反応物及び、熱エネルギーの損失量の増加を引き
起こさずに、分解率を上げる為、分解炉内の反応帯域を
分解炉の大幅な改造をすることなしに最大限に増加させ
る必要があり、又分解炉管内のコーキング低減の為に
も、気体状のEDCを分解炉の従来液状のEDCを導入してい
た時の予熱帯域から蒸発帯域の範囲、好ましくは、予熱
帯域の入口に導入する必要があった。
しかも分解炉からの分解流出ガスの持つ多量の熱エネル
ギーを回収する為、この分解流出ガスと供給EDCを熱交
換を実施しEDCの予熱及びガス化に用いる必要があっ
た。
しかし、これらを実施する為には、この供給EDCと分解
流出ガスとの熱交換を行う熱交換器を、分解炉直後に設
置しその圧力損失を出来るだけ小さくする条件を設定す
る必要があった。
更に、長期間の運転にもかかわらず、熱交換器に付着す
るスケールによって熱交換器の能力の低下、圧力損失の
増大及び、熱交換器の閉塞等による分解炉の連続運転期
間の短縮を引き起こすことのないようにする必要があっ
た。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らはかかる状況の下で、分解路流出ガスにより
分解炉に導入するEDCの予熱・ガス化を実施する熱交換
器の圧力損失を出来るだけ低減すると同時に、運転中も
この熱交換器に付着するコークスの生成量の低減を達成
する方法について鋭意検討を行った結果、熱分解により
得られた分解炉からの高温の分解流出ガスと、分解炉に
導入するEDCとの熱交換を、分解流出ガスを180〜350℃
迄冷却、かつ該分解流出ガス流速を5m/s以上,20m/s未満
で実施し、EDCを分解炉に導入,熱分解することにより
良好な結果を得られることを見出し、本発明を完成する
に至った。
〔発明の概要〕
本発明をさらに詳細に説明する。
更に詳しく言えば、分解炉からの高温の分解流出ガス
と、分解炉に導入すべきEDCとの熱交換は、どんな方法
でもさしつかえないが、管側に分解ガスを流通し、更
に、当該伝熱管が浸せきする様液状のEDCを導入する構
造の熱交換器で実施するのが好ましい。
又、この際、管内を流通させる分解ガスの流速は、好ま
しくは、5m/s以上〜20m/s未満の範囲で運転すべきであ
る。
なぜならば、分解流出ガスを5m/s未満の低い流速とした
場合、熱交換器の悪影響を及ぼすべく管内部形成する炭
素を主体とするスケールの成長を促し最悪の場合、管側
の閉塞による運転停止を余儀なくされる。
更に、分解ガス流速を20m/s以上とした場合には、この
高流速に起因する熱交換器の管側の圧力損失を考慮する
必要が発生する。
上記の条件を満たす限りに於いては、如何なる型式の熱
交換器を用いても良いが、好ましくは、分解炉流出ガス
が流通する管側を、単一管形式の熱交換器により、容易
に達成できる。
更に、分解流出ガスは、好ましくは180〜350℃迄冷却す
べきである。なぜならば、分解流出ガスの冷却後の温度
が180℃未満の場合、この温度条件で懸念される不必要
な熱交換器管内での凝縮及び前述した分解流出ガス流速
の低下が発生し、炭素を主体とするスケールによる管側
の閉塞をもたらすので好ましくない。一方350℃をこえ
る温度迄の冷却においては、分解流出ガスからの回収熱
量の不足により分解炉に供給すべきEDCの蒸気化に際
し、スチーム他の熱源による再加熱を必要とし、多量の
エネルギーを再度補給せねばならないなどの経済的不利
をもたらすので好ましくない。
又、この熱交換器に供給する分解すべき液状のEDCは温
度が160℃以上〜250℃以下とすべきである。
EDCの温度を160℃未満とした場合、先に記載した分解流
出ガスの温度が180℃未満となる可能性を生じるので好
ましくない。
分解炉からの流出ガスの冷却と分解炉に供給すべきEDC
の予熱・蒸発を実施する熱交換は、単一の熱交換器にて
実施できるが、上記の条件を満たす範囲で、主としてED
Cの予熱を与える熱交換器と、主としてEDCの蒸発に寄与
する熱交換器数基に分けることも可能である。
この熱交換器から流出する気体状のEDCは、これにミス
ト、即ち、液状のEDCの微細液滴が多量に混入しない様
にした後、従来の分解炉の液状のEDCの予熱帯域から蒸
発帯域の間の何れか、好ましくは予熱帯域の入口から導
入する。
これにより、従来の分解炉を変更することなしに、もし
くは、若干の改造のみで、即ち予熱帯域から蒸発帯域の
範囲に気体状のEDCをそのまま導入でき、これによる分
解炉内の反応帯域の増大が達成できる。
この分解反応帯域の拡大により、EDCの分解率、即ち、
単位分解炉供給EDC当たりのVCMの生成量の、5〜10%程
度増加を、好ましからざる副生成物の増大及び、分解炉
からの燃焼後の排ガス温度の上昇これによる熱エネルギ
ーの損失量の増加無しに、達成できた。
更に、分解炉自体のコークスの生成量即ち分解炉の圧力
損失量も、従来のEDCを液状で分解炉に導入する場合の7
0〜90%に低減された。
しかも驚くべき事に、分解炉に導入すべきEDCの蒸気化
に当たり、長期間運転を実施したにもかかわらず、熱交
換器に残留するEDCの純度の降下は、分解に対し問題と
ならない程度のものであり、又、分解炉に導入した気体
状のEDCの純度は、熱交換器に供給した液状のEDC同程度
のものであった。
これは、液状で熱交換器に供給したEDCの一部、更に詳
しく言えば、5〜10%を液状のまま熱交換器の底部より
抜取り、95〜90%を気体状にし分解炉に導入することで
より顕著となる。
長期間の運転実施後の熱交換器の残留EDC及び、気体状
の分解炉に導入すべきEDCの純度降下は皆無であった。
又、分解炉に導入すべきEDCと分解炉からの高温の分解
流出ガスとの熱交換を実施している熱交換器のうちEDC
の蒸気化が行われている側には、コークスの発生により
これが伝熱性能の低下及び、運転に支障を及ぼすことが
予測されたが、驚くべきことに、熱交換に悪影響及ぼす
こともなく、又、運転に支障の無い極めて剥離性の高い
ものであった。
〔実施例〕
本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらに限
定されるものではない。
尚、本明細書に於て、圧力は、断わりのない限り、ゲー
ジ圧力を意味し、割合を示す%は、重量に基いた値とす
る。
実施例1 第1図に示す装置により、分解炉3からの高温の分解ガ
スの冷却及び、分解炉3に導入すべきEDCの予熱・蒸発
を熱交換器2の1基で実施した。
この場合、圧力が36atmで、毎時8,600kgの液状のEDC
は、熱交換器1により、温度190℃迄予熱し、熱交換器
2の底部に全量供給した。
一方、分解炉3からの圧力23atm,温度500℃の分解流出
ガス、毎時8,600kgも熱交換器2の管側に9.2〜13.8m/s
の流速で流通し先のEDCとの熱交換を実施した。
これにより、熱交換器2を出た分解流出ガスは、温度が
245℃迄降下し、急冷塔4にて80℃とし次工程に導い
た。
又、供給したEDCも全量温度265℃の気体状となり、その
まま従来の分解炉3の予熱帯域から供給し、熱分解を行
った。
分解流出ガスには毎時3,200kgのVCMが含まれており、ブ
タジエン及び、メチルクロライドは、各々単位VCM当た
り、4.3wtppmと35wtppm含まれていた。上記の条件にて9
5日間の連続運転を実施した結果、分解炉4管内部のコ
ークスに起因する分解炉4の圧力損失の増加は、1.3倍
程度であった。
更に、熱交換器2の液状のEDCが接触していた、伝熱管
外表面の炭素分子を主体とするスケールは大部分が剥離
しており、又、分解流出ガスが流通した管内部も入口近
辺の少量のコーキング以外は全て金属面が露出してお
り、運転当初の10%以下の能力低下であり何等運転に支
障を来さなかった。
熱交換器1から分解炉3の範囲でのエネルギー消費量
は、本明細書比較例1の71%となった。
実施例2 第2図に示す装置で次下の操作を行った。
毎時8,600kgの液状のEDCを36atmの加圧下の基で熱交換
器1を用いスチームにより予め、温度160℃迄加熱し、
これを分解炉3から熱交換器5を経て1段冷却され温度
235℃と成っている8,600kgの分解流出ガスを流通した熱
交換器2に導入した。
熱交換器2により温度が190℃となった液状のEDCを更に
全量熱交換器5の底部に導入した。
この時、熱交換器2により2段目の冷却された分解流出
ガスの温度は210℃となり、これをそのまま従来の急冷
塔4にて80℃迄、冷却した。
尚、熱交換器に導入された分解流出ガスの流速は、8.3
〜13.8m/sの範囲で制御された。
熱交換器5に導入されたEDCは分解炉3からの圧力が23a
tm,温度500℃の分解流出ガスと熱交換され、温度が265
℃の気体状となり、これを全量従来の予熱帯域から分解
炉3に導入し分解を実施した。
これにより、分解炉3からVCMが毎時3,170kg流出し、こ
れに含まれるブタジエン及び、メチルクロライドは単位
VCM当たり、3.6wtppm,32wtppmであった。
又、分解炉3に供給する高価な燃料の単位時間当たりの
消費量は、本明細書に記載の比較例1の67%となった。
同条件にて、約70日間の継続運転実施後、分解炉3管内
部のコークスに起因する分解炉3の圧力損失の増加は、
1.3倍程度であった。
更に、熱交換器2,5の液状のEDCが接触していた。伝熱管
外表面の炭素分子を主体とするスケールは大部分が剥離
しており、又、分解流出ガスが流通した管内部も入口近
辺の少量のコーキング以外は全て金属面が露出してお
り、運転当初の10%以下の能力低下であり何等運転に支
障を来さなかった。
主としてEDCの蒸発に関与した熱交換器5に残留してい
た液状のEDC濃度は、70日間の運転実施後、供給したEDC
のそれに比べ0.5%低下したが分解反応への影響は無視
できる程度であった。
比較例1 第3図に示す装置にて、EDCの分解を実施した。
毎時8,600kgの液状のEDCを33atmの加圧下の基で熱交換
器1にてスチームで予め、温度160℃迄加熱し、液状の
まま分解炉3のEDC予熱帯域に導入した。
これにより供給された液状のEDCは分解炉3の管内で260
℃程度まで加熱された後、蒸発帯域にて全てガス化し、
更に分解反応帯域にて不完全な熱分解を受けた。
熱分解実施後の温度510℃の分解反応流出ガスは、直ち
に急冷塔4により温度80℃迄冷却し次工程に導いた。
この時、分解炉流出ガス中にはVCMが毎時2,960kg含まれ
ており、更に単位VCM当たりのブタジエン及びメチルク
ロライドは、それぞれ6wtppm,40wtppm程度であった。
同条件にて、82日間の連続運転を実施した結果、分解炉
3の管内部に強固なコークスが付着し、これにより、分
解炉3の圧力損失が、運転当初の約1.5倍となった。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は本発明方法による装置フローシート
であり、第3図は比較例方法による装置フローシートで
ある。 1……熱交換器、2,5……熱交換器 3……分解炉、4……急冷塔

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1,2−ジクロルエタンの熱分解による塩化
    ビニルモノマーを製造するに当たり、熱分離により得ら
    れた分解炉からの高温の分解流出ガスと、分解炉に導入
    する1,2−ジクロルエタンとの熱交換を、該分解流出ガ
    スを180〜350℃迄冷却、且つ該分解流出ガス流速を5m/s
    以上〜20m/s未満で行い、該1,2−ジクロルエタンを分解
    炉に導入、熱分解することを特徴とする塩化ビニルモノ
    マーの製造方法。
JP61283083A 1986-11-29 1986-11-29 1,2−ジクロルエタンの熱分解による塩化ビニルモノマ−の製造方法 Expired - Lifetime JPH0692328B2 (ja)

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