JP4136189B2 - 1,2−ジクロロエタンの熱分解物からの塩化ビニルの分離方法 - Google Patents

1,2−ジクロロエタンの熱分解物からの塩化ビニルの分離方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、1,2−ジクロロエタン(以下、EDCと略記する)の熱分解による生成ガスから、冷却、蒸留等の精製工程を経て塩化ビニル(以下、VCMと略記する)を分離する方法に関するものである。詳しくは、本発明は、EDCの熱分解生成ガスを特定の工程で冷却し、生成するコークを効率良く分離して後続のVCM分離工程における障害の発生を防止する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、VCMを製造する方法としては、EDCを熱分解炉において450〜550℃で熱分解する方法が知られており、生成した分解ガスは冷却したのち蒸留によりVCMを分離している。分解炉から流出する高温の分解ガスは、主に分解生成物であるVCMと塩化水素並びに未分解のEDCを含んでいるが、そのままクエンチ塔に供給したり、或いは熱交換器で間接冷却したのちクエンチ塔に供給し、そこで高温の分解ガスが有する熱を回収することが行われている。
【0003】
このような方法には、分解ガスの冷却に使用する熱交換器の冷却管内にコークが付着し、能力低下、圧力損失の増大、さらには管の閉塞を引き起こすため長期間に亘る連続運転ができない問題点があることが知られている。
その為、特公平6−92328号公報では、熱分解炉に供給するEDCと分解炉から流出する高温の分解ガスとの熱交換を、分解流出ガスを流速5m/秒以上20m/秒未満で管内を流通させ、かつ分解流出ガスの温度を180〜350℃に冷却することにより実施することが提案され、これによって熱分解炉の連続運転期間を延長可能にしたとしている。しかしながら、この方法の場合、熱交換により冷却された分解ガスはそのまま従来のクエンチ塔に導き、例えば80℃に急冷した後、次工程に導かれるとされているので、塔底液が多量に抜き出されることになり、該塔底液中のコークを充分に分離した後に塩化水素塔に供給することは難しい。
【0004】
更に、特開平6−219977号公報では、分解ガスを間接冷却する際、150〜250mmの単一管でEDC蒸留塔の塔底液を冷却媒体とする特定の冷却器を用い、且つ冷却器の単一管内に分解ガスを圧力0.9〜1.4MPaで流通させ冷却器出口における分解ガス温度が250〜350℃になるまで15〜45℃/秒の平均冷却速度で冷却し、冷却器で冷却媒体による熱回収したEDCはEDC蒸留塔に直接還流する方法を示し、この場合、冷却器から流出した分解ガスは、クエンチ塔において40〜150℃まで急冷され、次工程でVCMを回収するが、クエンチ塔の塔底から抜き出される塔底流出物は蒸留精製工程を通らないで別途処理されるとしている。
【0005】
この方法によれば熱分解炉と冷却器の連続運転可能期間を等しく、且つ6ケ月に延長し得る利点があるが、クエンチ塔の塔底からの流出物は別途処理されるので、流出物中のEDC,VCMの損失をもたらし不利である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
EDCの熱分解によるVCMの製造の際、分解生成ガスを冷却する過程におけるコークの生成は連続運転を維持するのに重大な障害をもたらすので、その生成を避けることが求められてきたが、その回避策は主として、熱分解炉の運転条件の変更による生成抑制を目的とするものであった。しかしながら、コークの生成を完全に抑制することは困難であるので、生成したコークをいかに効率良く処理し連続運転操作に支障を生じないようにすることが求められている。
【0007】
本発明者等は、EDCの熱分解生成ガスの冷却からVCMの分離を含む各工程においてコークの生成するメカニズムについて鋭意検討した結果、生成するコークの性状がその分解ガスを処理する温度によって相違し、その性状に依ってコークの取り扱い易さが異なることを見出した。そして、特定の条件下で生成したコークは、極めて簡単な分離操作で除去する事が出来、その結果安定した長期運転を可能にすることを知得し本発明に達した。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、EDCの熱分解炉から流出する分解生成ガスを、間接冷却により所定の温度に冷却した後、クエンチ塔で冷却する際、間接冷却及びクエンチ塔の操作条件を制御することによりコークを効率良く分離し、後続の蒸留工程における障害の発生を防止するVCMの分離方法である。
【0009】
即ち、本発明は1,2−ジクロロエタンを熱分解炉で分解して得られる分解ガスを先ず熱交換器で冷却し、次いでクエンチ塔でさらに冷却したのち蒸留して塩化ビニルを分離する方法において、該分解ガスを熱交換器で少なくとも350℃に冷却すること、及びクエンチ塔は流入した該分解ガスの80〜98(重量)%が塔頂流出物として、残りの20〜2(重量)%が塔底流出物としてそれぞれ抜き出されて次工程に送られるように制御し、生成コークは塔底流出物と共に流出させることを特徴とする分離方法を要旨とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
EDCを熱分解してVCMを製造する際にはコークが生成するが、そのコーク性状は生成温度に依存しており、密度の高いハードコークと密度の低いソフトコークに分類される。高温の分解炉ガスを一旦間接冷却により所定温度まで冷却した後、再冷却される場合にはハードコークが主に生成し、高温の分解ガスが急冷されるところではソフトコークが主に生成する。
【0011】
熱分解炉から流出する450〜550℃の分解ガスを、従来法の如く直接クエンチ塔で急冷却するとソフトコークが多量に発生し、生成したソフトコークは密度が低いために塔頂より流出し、それに後続する配管・機器の汚染やエロージョン、例えば熱交換器の閉塞、更には塩化水素塔のトレー又は充填物の閉塞、リボイラーチューブの汚れ、閉塞等を惹起し操作に支障を来すので、安定した長期運転を不可能にする。塔頂からの流出ガス量を少なくすることによりソフトコークが塔頂より流出・飛散することを抑制することは可能であるが、塔頂流出ガスからの熱回収量が減少すると共に、塔底に大型のコーク分離装置が必要となるので経済的に不利である。従って、高温の分解ガスを直接クエンチ塔に導入して急冷する方法では、クエンチ塔でソフトコークが生成するので、運転時間を延長することは難しい。
【0012】
本発明では、熱分解炉からの高温の分解ガスを直接クエンチ塔で冷却するのではなく、分解ガスを先ず熱交換器により所定の温度まで冷却した後、クエンチ塔で冷却する。このようにして分解ガスがタール状のコークが生成する温度付近まで冷却されてクエンチ塔に供給される結果、塔内で生成するコークは高密度のハードコークとなる。ハードコークは、塔底から塔底流出物とともに流出させることが出来るので、塔頂からのソフトコークの流出による後続機器の汚染トラブルを回避し、安定した長期運転が可能になった。しかも、塔底流出物中のハードコークは、濾過等の機械的手段により簡単に分離除去されるので、コークを分離した後の流出液は、次工程の塩化水素塔に供給して塔頂流出物と一緒に処理する事が出来、EDCやVCMの損失がない事でも有利である。
【0013】
以下に、本発明方法の実施態様の概略を図−1に従って説明する。本発明におけるEDCの熱分解炉(1)における熱分解は、液状或いはガス化されたEDCを熱分解炉に導入し常法によって行われる。熱分解は通常450〜550℃で行われるので、熱分解炉から流出する分解生成ガスの温度もほぼ450〜550℃である。そして、この分解生成ガス中には、主生成物であるVCMと塩化水素の他に未分解EDC、副生成物、例えばメチルクロライド、ベンゼン、クロロプレンなどが含まれている。
【0014】
熱分解炉から流出する450〜550℃の分解生成ガスは、先ず熱回収のため熱交換器(2)に送られ間接冷却される。
本発明においては、この分解生成ガスを熱交換器において少なくとも350℃に冷却することが必要であり、好ましくは200℃迄冷却され、更に好ましくは300〜200℃の範囲に冷却される。冷却温度がこの温度以上に高過ぎると、回収される熱量が少なく経済的でないだけでなく、熱交換器からの流出ガスが後続のクエンチ塔で過度に急冷されることとなってクエンチ塔でのソフトコークの生成を惹起しその後の分離操作に悪影響を及ぼすので好ましくない。他方、必要以上に冷却すると熱交換器内でのコークの生成、管の閉塞等の障害をもたらし好ましくない。
【0015】
間接冷却に使用される熱交換器の形状は特に制限されず、単管式或いは多管式の熱交換器が使用される。又、熱交換器に供給される分解ガスを冷却するための冷却媒体としては、高温の分解ガスが有する熱を有効に回収して他の熱源として利用し、分解ガスを所望の温度に冷却することができるものであれば良く、通常使用されている熱媒、ボイラー水、EDC等特に限定されない。しかしながら、冷却媒体としてEDCを使用すると、熱交換器でガス化されたEDCを熱分解炉に原料として供給でき、省エネルギーの自立型システムの構築が可能となる。熱交換器に供給する分解ガスの流速、供給圧力等は、熱交換器の種類、冷却温度、熱分解炉や後続のクエンチ塔(3)等の操作条件を考慮して適宜決められる。
【0016】
熱交換器から流出する所定温度まで冷却された分解ガスは、クエンチ塔(3)に供給され冷却される。本発明では、クエンチ塔から抜き出されて次工程に送られる塔頂流出物と塔底流出物との分流比率(重量%)を80〜98:20〜2、好ましくは90〜98:10〜2に制御し、生成コークを塔底流出物と共に流出させることが重要である。
クエンチ塔の分流比率をこのような割合に制御するには、通常、クエンチ塔の塔底温度は140〜190℃、クエンチ塔の塔頂圧力は12〜21kg/cm2G、好ましくは塔底温度は155〜180℃、搭頂圧力は16〜20kg/cm2Gとなり、従来の方法に比べ比較的高温となる。熱交換器による冷却によってクエンチ塔内で生成するコークは密度の高いハードコークとなり、生成したコークの大部分を塔底流出物と共に塔底から流出させることが出来るのである。
【0017】
分解ガスを熱交換器により間接冷却したのち、従来と同様な条件でクエンチ塔で冷却した場合には、分解炉の運転期間を延長する点では若干効果が認められるが、クエンチ塔でソフトコークが生成するため、後続する機器のコーク汚染による支障は避けられず、熱交換器とクエンチ塔における操作条件を、本発明に規定する条件とすることによりはじめて安定した長期運転が可能となる優れた効果が得られるのである。
【0018】
この塔底流出物は未分解EDCとVCMの一部、更にコーク及び高沸物等を含有しており、この流出物は分離装置(4)によりハードコークを除去した後、次ぎの塩化水素塔(6)に供給され、塔頂流出物と一緒に蒸留され塩化水素と分離される。分離装置は、ハードコークを分離可能なものであれば良く、通常は、濾過装置、フラッシュドラム等が使用される。分離されたコークは、必要に応じコークに随伴しているEDC等を回収するための処理に付される。
【0019】
塔頂から流出するガスは主に、塩化水素、VCM及び未分解EDCの混合物であるが、この流出ガスは分離・冷却装置(5)で冷却・分離されて、一部はクエンチ塔に循環されて熱分解ガスと向流接触させられてクエンチ塔での冷却に寄与し、残部は塩化水素塔に供給される。塩化水素塔では塔頂より塩化水素を流出させ、塔底から主としてEDC及びVCMを含む流出物を得、この流出物を常法に従って精留し、VCMを回収する。
【0020】
本発明方法では、熱分解ガスを熱交換器(2)による間接冷却により所定温度に冷却し、その後クエンチ塔において所定条件下で冷却することによりハードコークを選択的に生成させるが、この生成したコークはクエンチ塔からの塔底流出物と一緒に抜き出され、しかもその塔底流出物は少量であるので、コーク処理設備の小型化が可能となり、また、熱交換器(2)の設置によりクエンチ塔の塔径を小さくすることも可能で建設費も削減し得るので経済性に富む方法といえる。
【0021】
【実施例】
本発明方法を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
図−1に示す装置により、EDCの熱分解を行ってVCMを製造した。
230℃に予熱したガス状EDCを107.86部/時の流量で熱分解炉(1)に供給した。分解炉の分解温度は490℃、分解圧力19kg/cm2Gであり、供給EDCの約53%を分解した。
【0022】
熱分解炉からの流出分解ガス(490℃)を熱交換器(2)に導入した。熱交換器は単管式竪型であり、冷却液媒体としてEDC(220℃)を供給した。熱交換器出口から流出する分解ガスの温度は300℃であった。冷却された分解ガスはクエンチ塔(3)に供給し、クエンチ塔を塔底温度167.9℃、塔頂温度165.8℃、塔頂圧18.5kg/cm2Gで運転し、塔底から5.35部/時の塔底流出物を抜き出し、残部は塔頂流出物として塔頂から抜き出した。この場合塔頂流出物と塔底流出物の重量比率は95.0:5.0であった。
【0023】
塔底からの流出物にはVCM、EDC、高沸物等の他にコークが含まれているので、分離装置(4)でコークを除去した後、塩化水素塔に送り、塔頂流出物と一緒に処理した。又、塔頂流出物は塩化水素塔に供給され、蒸留によりHClを塔頂から留出させて回収し、塔底液はVCM塔(図示せず)で精留してVCMを回収した。熱交換器でガス化したEDCは、原料EDCとして熱分解炉に供給した。
このような条件下で、連続運転し、分解炉、クエンチ塔及び塩化水素塔までの各機器のいずれも11ケ月以上運転することが出来、運転期間を大幅に延長することが出来た。また、コークの飛散も観察されず、機器の清掃作業も不要であった。
【0024】
実施例2
図−1に示す装置において、熱交換器(2)の冷却液媒体として、EDCに替えてボイラー水(純水)を用いた。ガス状EDCを116.64部/時の流量で供給した以外は実施例1と同様な条件で熱分解を行った。
熱分解炉からの流出分解ガス(490℃)を熱交換器(2)に導入した。熱交換器出口から流出する分解ガスの温度は280℃であった。冷却された分解ガスはクエンチ塔(3)に供給され、クエンチ塔を塔底温度165.4℃、塔頂温度157.5℃、塔頂圧16.85kg/cm2Gで運転し、塔頂から110.69部/時、塔底から5.95部/時の流量でそれぞれの流出物を抜き出した。この場合、塔頂流出物と塔底流出物の重量比率は94.9:5.1であった。
クエンチ塔から抜き出したそれぞれの流出物は、実施例1と同様に処理した。上記の条件で運転した結果、分解炉、クエンチ塔及び塩化水素塔までの各機器のいずれも11ケ月以上安定して連続運転することが出来た。また、コークの飛散も観察されず、機器の清掃作業も不要であった。
【0025】
比較例1
図−2に示す装置により、EDCの熱分解を行ってVCMを製造した。
205℃に予熱した液状EDCを96.5部/時の流量で熱分解炉(1)に供給した。分解炉の分解温度は510℃、分解圧力32kg/cm2Gであり、供給EDCの分解率約52%で運転した。
熱分解炉からの流出分解ガス(510℃)を直接クエンチ塔(3)に供給して急冷した。クエンチ塔を塔底温度89℃、塔頂温度85℃、塔頂圧18kg/cm2Gで運転し、塔頂から41.8部/時、塔底から54.7部/時の流量でそれぞれ流出物を抜き出した。この場合、塔頂流出物と塔底流出物の重量比率は43.3:56.7であった。
【0026】
このような条件下で、連続運転した結果、クエンチ塔の塔底液の冷却器はコークにより能力が低下し、約一ヶ月に一回の割合で清掃作業が必要であった。更に、塔頂流出物に付随して流出したソフトコークは塩化水素塔にまで運ばれ機器を汚染した。
【0027】
比較例2
図−3に示す装置により、EDCの熱分解を行ってVCMを製造した。
230℃に予熱したガス状EDCを96.5部/時の流量で熱分解炉(1)に供給した。分解炉の分解温度は487℃、分解圧力18.5kg/cm2Gであり、供給EDCの分解率約52%で運転した。
熱分解炉からの流出分解ガス(487℃)を熱交換器(2)に導入した。熱交換器には、冷却液媒体としてEDC(220℃)を供給した。熱交換器出口から流出する分解ガスの温度は200℃であった。冷却された分解ガスはクエンチ塔(3)に供給し冷却した。クエンチ塔は塔底温度89℃、塔頂温度85℃、塔頂圧18kg/cm2Gで運転し、塔頂から41.8部/時、塔底から54.7部/時の流量でそれぞれ流出物を抜き出した。この場合、塔頂流出物と塔底流出物の重量比率は43.3:56.7であった。
このような条件下で、連続運転した結果、クエンチ塔の塔底液の冷却器はコークにより効率が低下し、6ヶ月に一回の割合で清掃作業が必要であった。
【0028】
比較例3
分解ガスを間接冷却する熱交換器(2)を備えていない以外は図−1と同様の装置により、EDCの熱分解を行ってVCMを製造した。
143℃に予熱した液状EDCを94.4部/時の流量で熱分解炉(1)に供給した。分解炉の分解温度は498℃、分解圧力26.4kg/cm2Gであり、供給EDCの分解率約52%で運転した。
熱分解炉からの流出分解ガス(498℃)を直接クエンチ塔(3)に供給し急冷した。クエンチ塔を塔底温度192.1℃、塔頂温度185.6℃、塔頂圧21.8kg/cm2Gで運転し、塔頂から90.37部/時、塔底から4.03部/時の流量でそれぞれ流出物を抜き出した。この場合、塔頂流出物と塔底流出物の重量比率は95.7:4.3であった。塔底流出物及び塔頂流出物は、実施例1と同様に処理した。このような条件下で、連続運転すると、クエンチ塔及びクエンチ塔搭頂の機器はソフトコークで汚れるため、3ヶ月に1回の割合で清掃作業が必要であった。
【0029】
【発明の効果】
本発明方法では、EDCの熱分解ガスを間接冷却により所定温度に冷却し、その後クエンチ塔において所定条件下で冷却することによりハードコークを選択的に生成させ、生成コークはクエンチ塔からの塔底流出物と一緒に抜き出されるので、クエンチ塔及び後続の機器のコーク汚染を防止し、安定した長期運転を可能にする。また、クエンチ塔からの塔底流出物は少量であるので、設備の小型化が可能となり、経済性に富む方法といえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図−1は本発明方法における装置の概略フローシートである。
【図2】 図−2は比較例1の方法における装置の概略フローシートである。
【図3】 図−3は比較例2の方法における装置の概略フローシートである。
【符号の説明】
1 熱分解炉
2 熱交換器
3 クエンチ塔
4 分離装置
5 分離・冷却装置
6 塩化水素塔

Claims (6)

  1. 1,2−ジクロロエタンを熱分解炉で分解して得られる分解ガスを先ず熱交換器で冷却し、次いでクエンチ塔でさらに冷却したのち蒸留して塩化ビニルを分離する方法において、該分解ガスを熱交換器で少なくとも350℃に冷却すること、及びクエンチ塔は流入した該分解ガスの80〜98(重量)%が塔頂流出物として、残りの20〜2(重量)%が塔底流出物としてそれぞれ抜き出されて次工程に送られるように制御し、生成コークは塔底流出物と共に流出させることを特徴とする分離方法。
  2. クエンチ塔から流出するコーク含有塔底流出物は、コークを分離した後に蒸留に付されることを特徴とする請求項1記載の分離方法。
  3. 分解ガスを熱交換器で200〜350℃に冷却することを特徴とする請求項1または2記載の分離方法。
  4. 熱交換器の冷却媒体として液状1,2−ジクロロエタンを用い、熱交換器において気化した1,2−ジクロロエタンは熱分解炉に導入することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の分離方法。
  5. クエンチ塔の塔底温度を140〜190℃、クエンチ塔の圧力を12〜21kg/cm2Gの範囲で制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の分離方法。
  6. クエンチ塔の塔底温度を155〜180℃、クエンチ塔の圧力を16〜20kg/cm2Gの範囲で制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の分離方法。
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