JP3611306B2 - 廃プラスチックからの油回収方法 - Google Patents

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  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
  • Devices And Processes Conducted In The Presence Of Fluids And Solid Particles (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃プラスチックを熱分解により油回収する方法に係り、特に都市ごみで分別収集された廃プラスチック、又は産業廃棄物として回収された廃プラスチックを油に変換して燃料として再利用する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
前記の廃プラスチックから油を得るには、従来400℃前後の温度で炭素骨格を切断して低分子化・液状化させている。
この方法では、約500〜1、000kcal/kg(プラスチック)のエネルギーを必要としており、このエネルギーをプラスチックに与える方法として、溶融したプラスチックをポンプで循環させ、その途中に設けた加熱炉でエネルギーを与える方法がある。
【0003】
又この方法では、熱硬化性樹脂や固型の異物により、ポンプ循環ラインのトラブルを回避するために、それらを前処理工程で完全に取り除く必要があり、そのコストは大きく、経済性に問題が生じていた。
【0004】
更に、熱のみで分解して得られた油は、不安定であり、加熱炉の管内壁面でコーキングするトラブルを発生させる。
【0005】
また、熱可塑性樹脂でも熱重縮合で炭素質の残渣を一部生成するが、これらはポンプ循環ライン中に浮遊しており、ろ過や遠心分離法などで固液分離して分離回収するが、一部の油の混入は避けられず、油の損失となっている。また、回収された炭素質の残渣は貴重なエネルギー源であるが、有効に利用されていない。
【0006】
更に、これらの液状油は常温では固化するので、ポンプ循環ラインはスチームジャケット等の保温が必要で、スタートアップ及びシャットダウン時には重油等でプロセスラインを置換する必要があり、運転維持費の増大につながっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、熱硬化性樹脂や固体状の異物が混入してもトラブル要因とならない方法を提供して、前処理分別工程の負荷を大巾に軽減する油回収方法を提供するものである。
また、本発明の他の目的は、廃プラスチックのエネルギーを与える過程でコーキングトラブルを抑制し、また固体質熱分解残渣は分離することなく熱源として有効利用する方法を提供する。
また、本発明の他の目的は、前記廃プラスチックを熱分解により油回収する方法におけるスタートアップ及びシャットダウンが容易な方法を提供する。
更には、本発明の他の目的は、低沸点で高品質の油を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討した結果、前記課題を解決するための手段として、下記方法を見出した。即ち、
塩化ビニルその他の塩素を含む廃プラスチックを熱分解により油回収する場合は、熱分解工程の前に、廃プラスチックを押し出し流れさせながら該廃プラスチックを高温の砂と直接前記処理物とを接触させて混合し、温度250〜350℃に加熱することにより、実質的に塩素が除去された廃プラスチックと砂の混合物から成る処理物を製造する工程を設けた点を第一の特徴とする。
【0009】
又前記前処理終了後の塩素が除去された廃プラスチック若しくはそれ自体の組成により実質的に塩素が除去された廃プラスチックを熱分解を行なう熱分解工程として、高温の砂と混合しながら、直接前記処理物と接触させて加熱して温度略350〜500℃、好ましくは略400〜480℃に昇温・保持することにより、廃プラスチックの加熱分解を行なう熱分解工程であることを第二の特徴とする。
【0010】
更に熱分解後の固体状の熱分解残渣等の有効利用を図るために、熱分解後の固体状の熱分解残渣等の熱分解派生物を空気で流動する砂を媒体とする流動床(気泡流動床又は高速循環流動床)で燃焼して、高温の砂を製造し、該高温砂の一部を前記廃プラスチックの熱分解工程若しくはその前工程の塩素除去工程に戻入させ、再循環使用することを第三の特徴とする。
【0011】
更に低沸点で高品質の油を得る為に、廃プラスチックの熱分解工程により得た熱分解生成物を第1の気液分離手段により液体の高沸点油と気体の低沸点油と低分子ガスに分離し、高沸点油を前記熱分解工程に還流する工程と第2の気液分離手段により液体の低沸点油と気体の低分子ガスに分離する工程とを直列に接続したことを第四の特徴とする。
【0012】
そして本発明は、廃プラスチックを熱分解により油回収する総合的なシステムとして、廃プラスチックの熱分解加熱方式として高温の砂の直接接触による加熱手段を用いてなる廃プラスチックからの油回収方法において、
廃プラスチックをロータリーキルン内で高温の砂と直接接触させて該廃プラスチックを押し出し流れさせながら混合し、キルン内温度を空気を導入することなく250〜350℃に保持、該キルン内で発生したHCl主成分のガスを排気することにより含塩素プラスチックの塩素を除去し、実質的に塩素が除去された廃プラスチックと砂の混合物からなる処理物を製造する第1工程と、
前記第1工程の処理物を、高温の砂を熱源とし該高温砂との均一混合を達成する攪拌槽へ導入し、空気を導入することなくかつ該撹拌槽内温度を400〜480℃に保持することにより、ガス状の高沸点油、低沸点油及び低分子ガスから成る熱分解生成物と固体状の熱分解残渣と砂との混合物を製造する第2工程と、
前記第2工程のガス出口ラインに、ガス状熱分解生成物を気液分離する第1及び第2の気液分離手段を直列状に接続し、第1の気液分離手段により液状の高沸点油と気体状低沸点油と低分子ガスに分離し、高沸点油を第2工程に還流させるとともに、その下流側に位置する第2の気液分離手段により液体の低沸点油と気体の低分子ガスに分離する分離工程と、
前記第2の工程で得られた固体状の熱分解残渣と砂の混合物及び第2気液分離手段で凝縮しなかった低分子ガスを空気で流動する砂を媒体とする流動床で燃焼して、高温の砂を製造し、その一部を前記第2工程の高温の砂として再循環使用する第3工程と
から成ることを特徴とする廃プラスチックからの油回収方法を提案する。
【0013】
この場合第2工程に使用する添加剤は、ワックス分解促進用の触媒で、合成ゼオライト又は天然ゼオライトで、好ましくは天然のモルデナイトであるのがよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の態様を詳細に説明する。
本発明でいう廃プラスチックとは、都市ごみから分別されたプラスチックを多く含むごみで、熱可塑性樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなど)を主成分とし、一部ポリ塩化ビニル、PET類、熱硬化性樹脂や紙、ちゅう芥類の夾雑物が混入していても良い。
また、産業廃棄物の中でも、プラスチックダイキャスト製品の残渣プラスチック等のプラスチックを多く含むものも含まれる。
【0015】
さてポリ塩化ビニルのように廃プラスチック中に塩素が含まれている場合これを熱分解して油を生成した場合、油の品質を悪くし、触媒の劣化や材料の腐食の原因となるので、前もって分離除去する必要がある。
この廃プラスチック中の塩素は殆どポリ塩化ビニルやポリ塩化ビニリデンに由来しており、これらの塩素は温度250〜350℃に加熱することにより選択的に分離除去されることが一般的に知られている。
【0016】
本発明者らは、温度250〜350℃に加熱する方法として、高温の砂と直接接触させながら加熱する方法が好ましいことを見出した。伝熱面積は砂の表面積であり、容易に廃プラスチックを加熱することができるのである。
そしてこのような脱塩素工程(第一工程)を実現する装置としては、廃プラスチックを押し出し流れとする構造のものが脱塩素率向上の点から好ましく、具体的にはロータリーキルンが好ましいことも見出した。
【0017】
かかる方法により、分離したHCl主成分のガスは水又はアルカリ吸収液で回収する。
一方、熱分解工程(第2工程)では、比表面積の大きな高温の砂と直接接触させて廃プラスチックを加熱して400〜480℃に昇温・保持することにより、従来の間接熱交換器のように伝熱面でのコーキングによるトラブルを回避できることが見出された。
【0018】
本発明の場合、砂の表面に炭素質が付着したとしても、砂は絶えず流動しており、而も炭素質が付着した砂は前記第3工程(砂再生工程)で燃焼することにより容易に再生できるのでトラブルは未然に防止することができることも見出された。
【0019】
本発明の熱分解工程(第2工程)を実現するための装置としては、機械的な強制撹拌によって、砂、添加剤、廃プラスチックを均一に混合できる撹拌槽が適している。
本発明の熱分解工程(第2工程)は、具体的には添加剤と500〜950℃の高温の循環砂を処理物(廃プラスチック)とともに混合し、温度350〜500℃に、好ましくは400〜480℃に保持するものである。
【0020】
そして添加剤10は、廃プラスチックの熱分解で生成するワックスを更に分解促進させる触媒で、従来石油化学分野で良く用いられていて合成ゼオライト又は天然ゼオライトであり、好ましくは天然のモルデナイトである。
かかる添加剤により、熱分解と同時に起る重縮合反応によるコーキングを同時に抑制できることも本発明者により見出された。
【0021】
次に、第2工程において発生した熱分解生成物の内低分子ガス、ガス状の低沸点油(沸点250℃以下)、高沸点油(沸点250℃以上)は第2工程のガス出口ラインから取り出され第1の気液分離手段により約200〜250℃に冷却し高沸点油のみを液化させ、還流ラインより第2工程に戻入循環させるのがよい。尚、この250℃という境界温度は必要に応じて200〜400℃の範囲に自由に設定することができる。
【0022】
かかる方法により、高沸点油は更に第2工程で添加剤のもとで加熱されるので、高沸点油は更に分解されて低沸点油になり、低沸点油の収率が増大し、油の品質・貯蔵安定性が向上することが見出された。
【0023】
したがって、本発明においては液体の高沸点油と気体の低沸点油と低分子ガスに分離する第1の気液分離手段と液体の低沸点油と気体の低分子ガスに分離する第2の気液分離手段は直列に接続されている為に第2の気液分離手段からは低分子ガスと低沸点油のみが得られ、該第2気液分離手段で約30℃に冷却して低沸点油と低分子ガスを得る。
【0024】
次に、第2工程で生成した固体状の熱分解残渣(炭素質)、固型異物、液化しなかった熱硬化性樹脂はスクリューフィーダー等で取り出し、第3工程3に導入し、該第3の工程3では、空気を導入し砂を媒体とする流動床を形成せしめ、前記有機物や砂等に付着した有機物を完全燃焼させ、温度を500〜950℃に保持し、砂の一部はライン20より第1、第2工程に再循環使用する。
【0025】
第3工程を実現するための装置としては、気泡流動床又は高速循環流動床が最も適していることも見出された。
従って本発明では、第1、2、3工程全て砂を流動媒体としているので、廃プラスチック中の固型分は100〜200mm以下に破砕してあれば、ライン閉塞等のトラブルはないことも見出された。この結果、前処理は破砕のみで良く、分別は不要とすることができることも見出された。
【0026】
【実施例】
以下図1〜図2を参照して本発明の実施例につき詳細に説明する。
但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がないかぎりは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0027】
1は脱塩素を行なうロータリーキルン(脱塩素工程)で、廃プラスチック供給ライン6より供給された廃プラスチックPと400〜950℃に高温加熱した循環砂Sを押し出し混合させながら、前記廃プラスチックPを温度250〜350℃に加熱する。
この結果、廃プラスチックP中の塩素は約95%以上を分離してキルン1上部に設けたHClリッチガス抜出しライン8よりHCl主成分のガスが取り出され、不図示の吸収槽により水又はアルカリ吸収液で回収するとともに、循環砂Sと脱塩素されたプラスチックPとの混合物(第1工程処理物)はスクリューコンベア等からなる抜出しライン9を介して熱分解工程2に供給される。
【0028】
かかる工程1によれば、高温の砂で直接加熱する為伝熱面積は砂の表面積と大きく、容易に廃プラスチックPを加熱することができる。
【0029】
熱分解工程2は機械的な強制撹拌によって、砂、添加剤、廃プラスチックPを均一に混合できる撹拌槽からなり、添加剤供給ライン10より供給された添加剤Tと、循環砂供給ライン11より供給された500〜950℃の高温の循環砂Sを、抜出しライン9より供給された第1工程処理物とともに混合し、温度350〜500℃に、好ましくは400〜480℃に保持しながら加熱分解を行なう。
【0030】
尚前記添加剤Tには、合成ゼオライト又は天然ゼオライト、好ましくは天然のモルデナイトを用いる。
かかる熱分解工程2では、流動状態にある比表面積の大きな高温の砂により直接廃プラスチックPと接触させて加熱して容易に400〜480℃に昇温・保持出来る。
又、熱分解工程2は砂と廃プラスチックPが強制撹拌する撹拌槽のために、砂の表面に炭素質が付着したとしても、砂は絶えず流動しており、熱分解残渣混合物抜出しライン17より取り出して第3工程3で燃焼することにより容易に再生できるのでコーキングトラブルは未然に防止できる。
【0031】
次に、前記熱分解工程2には熱分解生成物抜出しライン12を介して第1の気液分離手段4、第1気液分離手段未凝縮ガス抜出しライン13を介して第2の気液分離手段5が直列接続されている。
この結果、前記熱分解工程2で発生した熱分解生成物の内、低分子ガス、ガス状の低沸点油(沸点250℃以下)、高沸点油(沸点250℃以上)はライン12から取り出されコンデンサ等の第1気液分離手段4により約200〜250℃に冷却することにより高沸点油のみを液化させ、高沸点留分凝縮液還流ライン14又はライン12より熱分解工程2に戻入循環させる。高沸点油をラインにて還流することにより、ライン12内でのスケール付着が防止できることも見出された。
【0032】
かかる方法により、還流した高沸点油は更に熱分解工程2で加熱されるので、高沸点油は更に分解されて低沸点油になり、低沸点油の収率が増大し、油の品質・貯蔵安定性が向上する。
【0033】
したがって、前記ライン13からは低分子ガスと低沸点油が得られ、コンデンサ等の第2気液分離手段5で約30℃に冷却して低沸点留分凝縮液抜出しライン15より低沸点油Oを得、更に未凝縮の低分子ガスは、低分子ガス抜出しライン16より残渣焼却工程3に送出される。
【0034】
次に、熱分解工程2で生成した固体状の熱分解残渣(炭素質)、固型異物、液化しなかった熱硬化性樹脂は熱分解残渣混合物抜出しライン17より、スクリューフィーダー等で取り出し、残渣焼却工程3に導入する。
【0035】
残渣焼却工程3は図2に示すような流動床(高速循環流動床若しくは気泡流動床)で構成され、図2に示すように燃焼用空気供給ライン18より空気Aを導入し砂を媒体とする流動床を形成せしめ、温度を500〜950℃、好ましくは750〜950℃に保持し、ライン17中の有機物を完全燃焼させ、更にライン180より二次空気の導入によりその排ガスを850〜950℃に昇温させてダイオキシン等の発生を抑制させつつ、燃焼排ガス取出しライン21からは燃焼排ガスGを取り出し、必要に応じて排ガス処理を行う。
【0036】
一方、残渣焼却工程3で焼却しきれなかった金属やガラス等の不燃物Fは不燃物抜出しライン19より取り出す。又、750〜950℃に加熱された流動床中の砂の一部は砂取出しライン20により重力により負圧ポット30に投入され、空気分岐ライン18’より吸気部301に投入された空気とともに、砂取り出しライン20を介してサイクロン32に導かれ、ここで砂と分離された高温空気は戻入ライン33より流動床3に戻され、流動床の燃焼及び750〜950℃の温度維持に供される。
【0037】
又サイクロン32で分離された砂は砂ホッパ34に投入されライン11、7より脱塩素工程1及び熱分解工程2に再循環使用する。この方法により、高温の砂を容易に循環使用でき、本発明に適していることが見出された。
【0038】
又循環砂Sの熱量が不足する場合は、必要により低分子ガス抜出しライン16の低分子ガス又は低沸点留分凝縮液抜出しライン15の油Oの一部を残渣焼却工程3の燃料として使用することができる。
【0039】
従って本実施例では、第1工程(脱塩素工程)、第2工程(熱分解工程)及び第3工程(残渣焼却工程)全て砂を流動媒体としているので、廃プラスチックP中の固型分は100〜200mm以下に破砕してあれば、ライン閉塞等のトラブルはないことも見出された。この結果、前処理は破砕のみで良く、分別は不要とすることができる。
【0040】
【発明の効果】
以上記載した如く本発明によれば、廃プラスチックの油回収に関し、固型異物混入対応型で前処理分別の簡素化、コーキング抑制による長期連続運転、スタートアップ、シャットダウンの簡素化、熱分解残渣の有効利用、及び低沸点で高品質油の収率増大という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る廃プラスチックからの油回収装置を示す概略図である。
【図2】前記実施態様に係る第3工程の好ましい実施例の流動床を示す概略図である。
【符号の説明】
1 第1工程(脱塩素工程)
2 第2工程(熱分解工程)
3 第3工程(残渣焼却工程)
4 第1気液分離手段
5 第2気液分離手段
6 廃プラスチック供給ライン
7 循環砂供給ライン
8 HClリッチガス抜出しライン
9 第1工程処理物(砂と脱塩素されたプラスチックとの混合物)抜出しライン
10 添加剤供給ライン
11 循環砂供給ライン
12 熱分解生成物(高沸点油、低沸点油、低分子ガス)抜出しライン
13 第1気液分離手段未凝縮ガス抜出しライン
14 高沸点留分凝縮液還流ライン
15 低沸点留分凝縮液抜出しライン
16 低分子ガス抜出しライン
17 熱分解残渣混合物抜出しライン
18 燃焼用空気供給ライン
19 不燃物抜出しライン
20 砂取出しライン
21 燃焼排ガス取出しライン

Claims (1)

  1. 廃プラスチックの熱分解加熱方式として高温の砂の直接接触による加熱手段を用いてなる廃プラスチックからの油回収方法において、
    廃プラスチックをロータリーキルン内で高温の砂と直接接触させて該廃プラスチックを押し出し流れさせながら混合し、キルン内温度を空気を導入することなく250〜350℃に保持し、該キルン内で発生したHCl主成分のガスを排気することにより含塩素プラスチックの塩素を除去し、実質的に塩素が除去された廃プラスチックと砂の混合物からなる処理物を製造する第1工程と、
    前記第1工程の処理物を、高温の砂を熱源とし該高温砂との均一混合を達成する攪拌槽へ導入し、空気を導入することなくかつ該撹拌槽内温度を400〜480℃に保持することにより、ガス状の高沸点油、低沸点油及び低分子ガスから成る熱分解生成物と固体状の熱分解残渣と砂との混合物を製造する第2工程と、
    前記第2工程のガス出口ラインに、ガス状熱分解生成物を気液分離する第1及び第2の気液分離手段を直列状に接続し、第1の気液分離手段により液状の高沸点油と気体状低沸点油と低分子ガスに分離し、高沸点油を第2工程に還流させるとともに、その下流側に位置する第2の気液分離手段により液体の低沸点油と気体の低分子ガスに分離する分離工程と、
    前記第2の工程で得られた固体状の熱分解残渣と砂の混合物及び第2気液分離手段で凝縮しなかった低分子ガスを空気で流動する砂を媒体とする流動床で燃焼して、高温の砂を製造し、その一部を前記第2工程の高温の砂として再循環使用する第3工程と、
    から成ることを特徴とする廃プラスチックからの油回収方法。
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