JP2001107058A - 廃プラスチックの熱分解油化方法 - Google Patents

廃プラスチックの熱分解油化方法

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JP2001107058A
JP2001107058A JP28901299A JP28901299A JP2001107058A JP 2001107058 A JP2001107058 A JP 2001107058A JP 28901299 A JP28901299 A JP 28901299A JP 28901299 A JP28901299 A JP 28901299A JP 2001107058 A JP2001107058 A JP 2001107058A
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pyrolysis
waste plastic
oil
neutralizing agent
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Yasuhiro Sueoka
靖裕 末岡
Hirotoshi Horizoe
浩俊 堀添
Takeshi Amari
猛 甘利
Yasumasa Matsukawa
泰昌 松川
Shigehiro Sato
繁博 佐藤
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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  • Incineration Of Waste (AREA)
  • Gasification And Melting Of Waste (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 前記脱塩素加熱炉と熱分解手段とを効果的に
活用することにより、脱塩素分処理、低沸点油の収率を
増加させる廃プラスチックの熱分解油化方法。 【解決手段】 低沸点油を製造するに当たって、廃プラ
スチックPを加熱し、塩素分を分離させる段階で、廃プ
ラスチックPと微粉状の中和剤Nとを接触させ、分離し
た塩素分を中和剤Nと結合させることを第1の要旨と
し、更に前記熱分解工程に直接若しくは脱塩素を行なう
前処理工程を介して間接的に、前記熱分解域に原料廃プ
ラスチックに対して5〜35重量%のFCC廃触媒を添
加することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として低沸点油
を製造する廃プラスチックの熱分解油化方法に係り、塩
化ビニルその他の塩素を含む廃プラスチックの熱分解工
程の前に高温の砂や必要に応じて添加剤と混合しなが
ら、塩素除去を行なう廃プラスチックの熱分解油化方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より廃プラスチックを熱分解により
油を回収する方法として、400℃前後の温度で廃プラ
スチックの炭素骨格を切断して低分子化・液化させるこ
とよりなるものが知られている。さらに廃プラスチック
の熱分解に必要な約500〜1、000kcal/kg
(プラスチック)の熱を与える手段として、溶融したプ
ラスチックをポンプで循環させ、その途中に設けられた
加熱炉でエネルギーを与えることを含むものの他に、本
出願人によって特開平9−71684号に開示されてい
る発明が提案されている。
【0003】すなわち、かかる基本技術は図3に示すよ
うに、廃プラスチックを200mm前後の粒径に粗粉砕
した後、ロータリーキルン等の脱塩素加熱炉1におい
て、廃プラスチックPは砂循環ライン7より高温の砂S
と混合され、温度250〜350℃に加熱されることに
より塩素分は除去される。前記脱塩素加熱炉1によって
実質的に塩素分が除去された廃プラスチックPは抜き出
しライン9より流動層若しくは撹拌槽からなる熱分解炉
2に送給される。
【0004】熱分解炉2では、砂取り出しライン20よ
り高温の砂S及び/又は添加剤供給ラインより添加剤T
等が添加され、比表面積の大きい砂により直接廃プラス
チックを加熱して温度略350〜500℃、好ましくは
400〜480℃に加熱されることにより、ガス状熱分
解生成物(ガス状の高沸点油、低沸点油、低分子ガス)
に熱分解されると共に熱分解残渣を副生する。熱分解残
渣は、ライン17を通って流動床形燃焼炉3に送られ
る。
【0005】そして前記熱分解炉2の上方には還流塔4
が接続され、該還流塔4では下方の熱分解炉2から供給
され、上昇するガス状熱分解生成物と、上方からスプレ
ーノズル塔の液分散器42により供給され下降する20
0〜250℃の温度の低沸点油と、向流接触させ、ガス
状熱分解生成物は液状の高沸点油(沸点250℃以上)
と低沸点成分(沸点250℃以下のガス状の低沸点油、
低分子ガス)とに分離される。そのうち、高沸点油は前
記熱分解炉2に還流される。そして前記還流塔4で高沸
点油と分離されたガス状の低沸点油、低分子ガスは未凝
縮ガス抜き出しライン13より分留塔若しくは放散塔か
らなる油回収塔5に導入される。
【0006】前記油回収塔5は上側充填部の上方にクー
ラ51が配置され、該クーラ51により前記ガスを常温
に冷却することにより、常温で液体の低沸点油は下方底
部に貯留され、常温で気体の低分子ガスはライン16を
介して流動床燃焼炉3に送られ、該燃焼炉3の燃料に供
される。なお、油回収塔5で分離された低沸点油の一部
は循環ライン23を介して還流塔4の液分散器に戻さ
れ、高沸点油の洗浄・捕集に使用される。また、上記各
気液分離手段としては、例えば充填塔や塔内に上下に配
列された複数段の棚段より段塔等が使用される。
【0007】さらに前記熱分解炉2で生成した固体状の
熱分解残渣(炭素質)・固型異物・液化しなかった熱硬
化性樹脂等の有機物は、スクリューフィーダ等で取り出
され、前記した流動床燃焼炉3に導入される。該燃焼炉
3は、空気が吹き込まれることよって砂Sを媒体とする
流動床が形成されており、前記有機物や砂Sに付着した
有機物は完全燃焼し、砂Sは600〜950℃に加熱さ
れる。砂Sは灰分と分離され、脱塩素用ロータリーキル
ン1と熱分解炉2とにライン20、11及び7を介して
再循環使用される。一方、前記ロータリーキルン1で除
去された塩素(塩化水素)は前記キルン内で蒸発した塩ビ
可塑剤やタール等の含有ガスとともに、塩化水素吸収塔
50に導かれて、塩素分を除去した後、前記した流動床
燃焼炉3に導入される。
【0008】以上のように構成されることにより、本従
来技術では、次のような作用を奏する。即ち、熱分解炉
2では、比表面積の大きい高温の砂Sにより直接廃プラ
スチックPが加熱されるため、従来の間接熱交換器のよ
うに伝熱面でのコーキングトラブルが回避され、運転が
安定し、長期連続運転が可能となる。副生した熱分解残
渣は砂Sに付着・成長するが、砂Sは絶えず流動し、流
動床形燃焼炉3との間を循環しており、該燃焼炉3で熱
分解残渣が燃焼消失することによって容易に加熱再生さ
れる。
【0009】次に高沸点油が還流塔4によって低沸点成
分と分離され、熱分解炉2に戻され、さらに再加熱・熱
分解されることによって低沸点油を生成するため、低沸
点油が効率よく回収できる。
【0010】更に油回収塔5によって低分子ガスと分離
された低沸点油の一部が還流塔4に戻されるため、高沸
点油がその還流塔4を誤って通過しようとしても、低沸
点油と接触し、それに捕捉され、その中に分散され、熱
分解炉2側に確実に還流される。従って、ワックス分
(高沸点油)が低沸点油側に移行・混入することがな
く、高品質の低沸点油が得られる。
【0011】更に又前記熱分解炉2で生成した熱分解残
渣等の有機物は、砂Sと共に流動床燃焼炉3に導入さ
れ、吹き込まれた空気によって完全燃焼すると共に、そ
の発生する熱によって砂Sを600〜950℃に加熱す
る。砂Sの一部は、脱塩素加熱炉1と熱分解炉2とに再
循環され、それぞれ熱媒体として繰り返し使用されるた
め、廃プラスチックP中の固形分は100〜200mm
以下に破砕されていれば、前処理は破砕のみでよく、格
別の分別は不要となる。従って本先行技術によって、熱
分解炉2におけるコーキングトラブルの回避、長期連続
運転の達成、熱分解残渣の有効利用、高品質の低沸点油
の収率向上、ごみの分別の簡略化が可能となった
【0012】
【発明が解決しようとする課題】前記先行技術によれば
脱塩素加熱炉のガス出口側において、塩化水素ガス吸収
塔21を設けており、かかる吸収塔には、NaOH水溶
液を流下しながら充填塔内で接触させる湿式法と、消石
灰を用いる乾式法とが存在するが、湿式処理は、廃プラ
スチックPと分離した塩素分を湿式処理する充填材の隙
間に同伴する塩ビ可塑剤(フタール酸エステル等)等が
詰まったり、これらが含まれる排水処理の負担が大きい
という問題点が残っている。又同様に消石灰を用いる乾
式法では通常150℃程度の温度に設定しているため前
記キルン出口側で、塩ビ可塑剤(フタール酸エステル
等)等の閉塞が重要な問題になる。
【0013】又、前記乾式処理は、本脱塩素加熱炉のよ
うに高濃度(HCl:0.1〜0.3%)の塩素分を含
むものは、多量の中和剤と大きい固気接触面積とを必要
とし、その接触手段を気流輸送とバグフィルタ等の固定
床とだけに依存することは、負担が過大であるという問
題点がある。
【0014】更に前記先行技術等により得られる油の品
質は、重質分の割合、ジエン価共に高く、原油の石油精
製によって得られる油に比較して、油中に塩素分や酸素
分が僅かに含まれ、ジエン化が高いことにより、腐食
性、貯蔵安定性に劣るという問題点が残っている。
【0015】本発明は、上記先行技術を更に改良し、前
記脱塩素加熱炉と熱分解手段とを効果的に活用すること
により廃プラスチックの熱分解油の品質向上と収率向上
を図る方法を提供することにある。本発明の他の目的
は、脱塩素分処理を効果的に行なうことの出来る廃プラ
スチックの熱分解油化方法を提供することにある。本発
明の他の目的は、極めて殆どコストの上昇なしに、低沸
点油の収率を増加する、廃プラスチックの熱分解油化方
法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
廃プラスチックを主成分とする廃棄物に、高温の砂を添
加し、廃棄物を加熱して主として塩素分を分離させる第
1の加熱分解工程と、該工程で実質的に塩素分が除去さ
れた廃プラスチックをさらに高温に加熱して熱分解させ
る第2の加熱分解工程と、前記第1の加熱分解工程で生
成したガス状可燃物及び第2の加熱分解工程で生成した
熱分解残渣を燃焼させる燃焼工程とを具えた廃プラスチ
ックの熱分解油化方法において、前記第1の加熱分解工
程で、廃プラスチックと微粉状の中和剤とを接触させ、
分離した塩素分を中和剤と結合させるとともに、該塩素
分を結合した微粉状の中和剤の少なくとも一部が第2の
熱分解工程を経由することなく、第1の加熱分解工程で
生成したガス状可燃物とともに燃焼工程に導くことを特
徴とする廃プラスチックの熱分解油化方法を提案する。
【0017】即ち本発明は主として低沸点油を製造する
に当たって、廃プラスチックPを加熱し、塩素分を分離
させる段階で、廃プラスチックPと微粉状の中和剤Nと
を接触させ、分離した塩素分を中和剤Nと結合させるこ
とを第1の要旨とするものである。そして前記中和剤は
微粉状であるために、該塩素分を結合した微粉状の中和
剤の少なくとも一部が第2の熱分解工程を経由して若し
くは経由することなくバイパス的に、第1の加熱分解工
程で生成したガス状可燃物とともに前記燃焼工程に導く
ことを第2の要旨とする。
【0018】請求項2記載の発明は、前記第1の加熱分
解工程で、廃プラスチックと微粉状の中和剤とを接触さ
せ、分離した塩素分を中和剤と結合させるとともに、該
塩素分を結合した微粉状の中和剤を第1の加熱分解工程
で生成したガス状可燃物とともに燃焼工程に導いた後、
該中和剤をバグフィルタで濾過分離する際に、燃焼ガス
中に残る塩素分を、前記分離された中和剤と接触させ、
固定することを特徴とする。
【0019】請求項1記載の発明によれば、脱塩素用の
第1の加熱分解工程(以下脱塩素工程という)で、廃プ
ラスチックPの熱分解によって発生する塩素分の大部分
は、中和剤と即座に接触し、固定され、第2の熱分解工
程2に送られる。そのため、脱塩素工程1から排出され
るガス状低沸点成分に含まれる塩素分が僅少となり、排
ガス処理が著しく容易になる。
【0020】さらに請求項2記載の発明によれば、脱塩
素工程1から排出される、塩素分を僅かしか含まないガ
ス状低沸点成分と、第2の熱分解工程2を経て若しくは
バイパス的に排出される、中和剤に同伴する可燃物とを
燃焼させ、その燃焼排ガスを、バグフィルタで乾式処理
することによって中和剤を容易に分離することが可能で
ある。しかも、そのバグフィルタで捕集された中和剤に
よってガス中に僅かに残った塩素分をも反応捕捉するこ
とが出来る。
【0021】請求項3記載の発明は、廃プラスチックを
主成分とする廃棄物と、少なくとも高温の砂を添加し、
廃棄物を温度略350〜500℃に加熱することによ
り、廃プラスチックを熱分解する熱分解工程を具えた廃
プラスチックの熱分解油化方法において、前記熱分解工
程に直接若しくは脱塩素を行なう前処理工程を介して間
接的に、前記熱分解域に、原料廃プラスチックに対して
5〜35重量%のFCC廃触媒を添加することを特徴と
する。
【0022】より具体的に本発明を説明する。従来より
石油精製プラントでは、重質油のFCC分解による油の
軽質化が行なわれており、接触分解域と再生域との間を
多量の触媒が循環使用されている。その際、触媒の劣化
を補うため、常時新たな触媒が所定量補給され、この補
給量に見合う量の循環触媒が系外に排出される。このた
め多量の廃触媒が発生している。この廃触媒は、系内で
循環使用されているものであり、未だ十分な触媒活性を
有しているものの、セメントの増量剤や耐火ボードの原
料として極めて低い価格で引き取られている。
【0023】従って、廃プラスチックを主成分とする廃
棄物に、高温の砂や添加剤等を添加し、廃棄物を温度略
350〜500℃に加熱することにより、廃プラスチッ
クを熱分解し、主として低沸点油を製造する第2の熱分
解工程に5〜35重量%のFCC廃触媒、好ましくは1
0〜30重量%のFCC廃触媒を添加することにより、
軽質分の収率・コストが最適化され且つその投入コスト
も増加しない。尚、前記FCC廃触媒はコストも安く5
〜35重量%のFCC廃触媒Cを投入することは容易で
ある。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示した実施例
を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載され
る構成部品の寸法、形状、その相対配置などは特に特定
的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定
する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0025】図1は本発明の実施形態にかかる廃プラス
チック油化装置の全体システム構成図で、図3に示す特
開平9−71684号とその要素技術は同一であるため
に、主要要素部分を除いて他の要素は概略的に説明す
る。先ず本発明でいう廃プラスチックとは、都市ごみか
ら分別された、主としてプラスチックを含むごみで、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなど熱可塑
性樹脂を主成分として、ポリ塩化ビニル(PVC)、P
ET類等を含むものをいい、熱硬化性樹脂や紙、ちゅう
芥類の夾雑雑が混入していても良い。また、産業廃棄物
の中でも、プラスチックダイキャスト製品の残渣プラス
チック等のポリ塩化ビニル(PVC)、PET類等を含
むものも包含される。
【0026】図1において、廃プラスチックP中の固型
分は100〜200mmに破砕した後、脱塩素を行なう
ロータリーキルン1に投入される。ロータリーキルン1
では、廃プラスチック供給ライン11より供給された廃
プラスチックPと、微粉状の中和剤(例えば消石灰)
と、600〜950℃に高温加熱された砂Sとがロータ
リーキルン内で混合されながら一端から他端へ向かって
送られる間に、廃プラスチックPは砂Sからの熱を受け
て、温度250〜350℃に加熱される。その結果、廃
プラスチックPは分解され、その中に含まれる塩素の約
95%以上が分離される。なお、中和剤である消石灰N
は20μm程度の微粉状に形成され、PVCの当量比で
1〜3倍、具体的には廃プラスチック中にPVCが8%
存在すると仮定すると、Clは4%となり、従って消石
灰は2〜6モル%投入すればよい。
【0027】脱塩素用のロータリーキルン1では、廃プ
ラスチックPが温度250〜350℃に加熱されるた
め、HClリッチガス抜き出しライン8より取り出され
たガスは、HClやその中和剤の他に低分子ガスも含ま
れる。その低分子ガスの熱利用のため、微粉状の中和剤
Nを含むガス抜き出しライン8は低分子ガス抜き出しラ
イン16に接続され、微粉状の中和剤Nを含むガスが、
流動床燃焼炉3のフリーボード域に導入されて燃焼した
後、該流動床燃焼炉3よりの燃焼排ガスは、熱回収器3
1、バグフィルタ32を通す際に該バグフィルタ32で
回収する。
【0028】即ち、図2に示すように、バグフィルタ3
2のバフ61は基材61a、フェルト層61b、プレコ
ート層61cからなり、前記プレコート層61cの表面
に燃焼ガスの煤塵、中和剤Nとしての消石灰を捕集する
とともに、該バフ61表面上に消石灰層が形成されるた
めに、前記ロータリーキルン1で捕足されなかった僅か
な塩素分も捕集出来る。一方、砂Sと脱塩素されたプラ
スチックPとの混合物(脱塩素処理物)はスクリューコ
ンベア等(図示省略)からなる抜き出しライン9を経て
流動床炉若しくは撹拌槽からなる熱分解炉2に供給され
る。
【0029】熱分解炉2は砂Sと添加剤TとFCC廃触
媒C及び廃プラスチックPを均一に混合できる撹拌槽か
らなり、添加剤供給ライン10より供給された添加剤T
と、循環砂供給ライン11より供給された600〜95
0℃の高温の循環砂Sと、抜出しライン9より供給され
たプラスチックP混合物と、該破砕破砕したプラスチッ
クP重量に対し、重量比で5〜35%、好ましくは10
〜30%、具体的には略20%程度の前記FCC廃触媒
Cがライン9’より導入されて混合され、高温の循還砂
によって温度350〜500℃、好ましくは400〜4
80℃に加熱保持されることによって、廃プラスチック
Pの加熱接触分解が従来の熱分解よりも大きい速度で進
行する。
【0030】なお、図ではFCC廃触媒Cが熱分解炉2
に直接供給されるよう構成されることもあるが、前述の
脱塩素用ロータリキルン1に供給されることも好ましい
ことである。これにより液状化された廃プラスチックS
とFCC廃触媒Cとの混合が促進され、熱分解炉2にお
ける廃プラスチックSの接触分解が促進されると共に、
油中の塩素分や酸素分が一層低減する。
【0031】尚、FCC廃触媒とは、軽質油から常圧残
油までの広範囲な石油溜分を選択的に接触分解する流動
性分解法に用いる触媒を再生したものであり平衡触媒若
しくは再生触媒とも呼ばれ、具体的には原油精製時の流
動性接を、コークス等が付着した状態で取り出し、同伴
する炭化水素をスチームでストリップした後に再生塔に
送って空気を吹き込み、コークスを燃焼させて触媒の活
性化を図って得られるものであって、例えば石油メーカ
より得られるFCC廃触媒の場合は、平均密度が0.7
4〜0.91と廃プラスチックとほぼ同一であるため
に、熱分解炉2内でよく混合され、又平均粒径も61〜
75μmであって、コストは新品の触媒と比較して極め
て安い。尚、前記FCC触媒の物性は、Alを主
成分とし、これにNa、Fe、C、V、Ni、Sb等が
少量ずつ配合されている。
【0032】前記FCC触媒と接触されながら行なわれ
る熱分解により得られた熱分解ガス状生成物は、従来の
熱分解によるものよりも、軽質化される。本実施形態で
は{PE45%、PP22%、PS31%、PVC2
%}の試料に対し、FCC廃触媒を20%熱分解炉に投
入し、425℃の温度で加熱分解させたところ、ロータ
リキルン1に投入された廃プラスチック重量に対し、従
来の熱分解によって得られた油の組成G軽質油(ガソリ
ン、灯、軽油)の収率が9%向上し、且つジェン価が1
/20に低減した。
【0033】従って本実施形態によれば、熱分解ガス状
生成物の組成分布が軽質側に移り、重質分が激減し、軽
油・ガソリン留分が増大し、塩素分・酸素分が低減さ
れ、ジエン価も著しく低下し、通常の石油精製における
FCC分解によって得られる油の組成に近く、腐食性、
貯蔵安定性に優れたものにすることが出来るのみなら
ず、その処理コスト変動は軽質分の収率向上と相殺され
る。
【0034】そして、熱分解炉2で生成した固体状の熱
分解残渣(炭素質)、固型異物、液化しなかった熱硬化
性樹脂は熱分解残渣混合物抜出しライン17より、スク
リューフィーダ等で取り出し、流動床燃焼炉3に導入す
る。
【0035】又前記熱分解炉2の上方には還流塔4が接
続されており、該還流塔4内でタールやワックス等の重
質分を重力で熱分解炉2に戻す。そして前記還流塔4で
重質分が除去された熱分解生成ガスは、分溜塔や放散塔
等の回収塔5で低沸点油と低分子ガスに分離し、未凝縮
の低分子ガスは、低分子ガス抜出しライン16より燃焼
炉3に送出される。
【0036】燃焼炉3は高速循環流動床若しくは気泡流
動床で構成され、燃焼用空気供給ライン18より空気を
導入し砂を媒体とする流動床を形成せしめ、温度を60
0〜950℃、好ましくは750〜850℃に保持し、
ライン17中の有機物を完全燃焼させ、更に二次空気A
の導入によりその排ガスを850〜950℃に昇温させ
てダイオキシン等の発生を抑制させつつ、燃焼排ガス取
出しライン21からは燃焼排ガスGを取り出し、熱交換
器による熱回収60、バグフィルタ61による灰や中和
剤捕集及び中和剤による塩化水素除去等の排ガス処理を
行なう。
【0037】一方、燃焼炉3で焼却しきれなかった金属
やガラス等の不燃物Fは不燃物抜出しライン19より取
り出す。又、750〜950℃に加熱された流動床中の
砂は砂取出しライン11、7より脱塩素用のキルン1及
び熱分解炉2に再循環使用する。
【0038】
【発明の効果】以上記載のごとく本発明によれば、前記
脱塩素加熱炉と熱分解手段とを効果的に活用することに
より廃プラスチックの熱分解油の品質向上と収率向上を
図ることが出来、特に請求項1〜2及び4記載の発明に
よれば、脱塩素分処理を効果的に行なうことが出来る。
又請求項3、4記載の発明によれば、殆どコストの上昇
なしに、低沸点油の収率を増加させることが出来ると共
に回収した油の品質及び貯蔵安定性を向上させることが
出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態にかかる廃プラ油化装置の
全体システム構成図である。
【図2】 図1に用いるバグフィルタのバフの断面図で
ある。
【図3】 従来技術にかかる廃プラ油化装置の全体シス
テム構成図である。
【符号の説明】 1 脱塩素用ロータリーキルン 2 熱分解炉 3 流動床燃焼炉 4 還流塔 5 放散塔 F 不燃物 O 低沸点油 P 廃プラスチック S 砂 F FCC廃触媒 N 中和剤
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F23G 5/027 ZAB F23G 5/16 ZABE 5/16 ZAB 7/12 ZABZ 7/12 ZAB B09B 3/00 303B (72)発明者 甘利 猛 横浜市金沢区幸浦一丁目8番地1 三菱重 工業株式会社横浜研究所内 (72)発明者 松川 泰昌 横浜市金沢区幸浦一丁目8番地1 三菱重 工業株式会社横浜研究所内 (72)発明者 佐藤 繁博 横浜市中区錦町12番地 三菱重工業株式会 社横浜製作所内 Fターム(参考) 3K061 AA24 AC19 BA05 FA01 FA21 3K078 AA04 AA05 BA01 BA26 CA01 4D004 AA47 AB03 AC08 BA03 CA22 CA30 CB04 CB34 CC17 DA03 DA10 4F301 AA17 CA09 CA23 CA24 CA43 CA52 CA64 4H029 CA04 CA10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃プラスチックを主成分とする廃棄物
    に、高温の砂を添加し、廃棄物を加熱して主として塩素
    分を分離させる第1の加熱分解工程と、該工程で実質的
    に塩素分が除去された廃プラスチックをさらに高温に加
    熱して熱分解させる第2の加熱分解工程と、前記第1の
    加熱分解工程で生成したガス状可燃物及び第2の加熱分
    解工程で生成した熱分解残渣を燃焼させる燃焼工程とを
    具えた廃プラスチックの熱分解油化方法において、 前記第1の加熱分解工程で、廃プラスチックと微粉状の
    中和剤とを接触させ、分離した塩素分を中和剤と結合さ
    せるとともに、該塩素分と結合した微粉状の中和剤の少
    なくとも一部が、第1の加熱分解工程で生成したガス状
    可燃物とともに前記燃焼工程に導かれることを特徴とす
    る廃プラスチックの熱分解油化方法。
  2. 【請求項2】 前記微粉状の中和剤を燃焼工程に導いた
    後、該中和剤をバグフィルタで濾過分離する際に、燃焼
    ガス中に残る塩素分を、前記分離された中和剤と接触さ
    せ、固定することを特徴とする廃プラスチックの熱分解
    油化方法。
  3. 【請求項3】 廃プラスチックを主成分とする廃棄物
    と、少なくとも高温の砂を添加し、廃棄物を温度略35
    0〜500℃に加熱することにより、廃プラスチックを
    熱分解する熱分解工程を具えた廃プラスチックの熱分解
    油化方法において、 前記熱分解工程に直接若しくは脱塩素を行なう前処理工
    程を介して間接的に、前記熱分解域に、投入される廃プ
    ラスチックに対して5〜35重量%のFCC廃触媒を添
    加することを特徴とする廃プラスチックの熱分解油化方
    法。
  4. 【請求項4】 廃プラスチックを主成分とする廃棄物
    に、高温の砂を添加し、廃棄物を加熱して主として塩素
    分を分離させる第1の加熱分解工程と、該工程で実質的
    に塩素分が除去された廃プラスチックをさらに高温に加
    熱して熱分解させる第2の加熱分解工程とを具えた廃プ
    ラスチックの熱分解油化方法において、 前記第1の加熱分解工程に、微粉状の中和剤とともにF
    CC廃触媒を投入することを特徴とする廃プラスチック
    の熱分解油化方法。
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