JP2001323283A - 廃プラスチックからの油回収方法 - Google Patents

廃プラスチックからの油回収方法

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JP2001323283A JP2001077394A JP2001077394A JP2001323283A JP 2001323283 A JP2001323283 A JP 2001323283A JP 2001077394 A JP2001077394 A JP 2001077394A JP 2001077394 A JP2001077394 A JP 2001077394A JP 2001323283 A JP2001323283 A JP 2001323283A
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猛 甘利
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洋 永井
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静生 保田
Yuji Kaihara
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  • Gasification And Melting Of Waste (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
  • Devices And Processes Conducted In The Presence Of Fluids And Solid Particles (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 コーキングを抑制し、熱分解残渣を分離せず
に熱源に利用し、低沸点で高品質の油を廃プラスチック
から回収する方法を提供する。 【解決手段】 廃プラスチックPを高温の砂と直接接触
混合し、実質的に塩素除去廃プラスチックと砂からなる
処理物9を製造する第1工程1と、処理物を高温の砂を
熱源とする攪拌槽へ導入し熱分解生成物と固体状の熱分
解残渣と砂との混合物を製造する第2工程2と、第2工
程のガス出口ラインにガス状熱分解生成物を気液分離す
る第1及び第2気液分離手段4,5を直列状に接続し、
1気液分離手段により液状の高沸点油と気体状低沸点油
と低分子ガスに分離し、高沸点油を第2工程に還流させ
る工程と、熱分解残渣と砂の混合物及び低分子ガスを空
気で流動する砂を媒体とする流動床で燃焼して高温の砂
を製造し、第1若しくは第2工程の高温の砂として再循
環使用する第3工程3とよりなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃プラスチックを
熱分解により油回収する方法に係り、特に都市ごみで分
別収集された廃プラスチック、又は産業廃棄物として回
収された廃プラスチックを油に変換して燃料として再利
用する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】前記の廃プラスチックから油を得るに
は、従来400℃前後の温度で炭素骨格を切断して低分
子化・液状化させている。この方法では、約500〜
1、000kcal/kg(プラスチック)のエネルギ
ーを必要としており、このエネルギーをプラスチックに
与える方法として、溶融したプラスチックをポンプで循
環させ、その途中に設けた加熱炉でエネルギーを与える
方法がある。
【0003】又この方法では、熱硬化性樹脂や固型の異
物により、ポンプ循環ラインのトラブルを回避するため
に、それらを前処理工程で完全に取り除く必要があり、
そのコストは大きく、経済性に問題が生じていた。
【0004】更に、熱のみで分解して得られた油は、不
安定であり、加熱炉の管内壁面でコーキングするトラブ
ルを発生させる。
【0005】また、熱可塑性樹脂でも熱重縮合で炭素質
の残渣を一部生成するが、これらはポンプ循環ライン中
に浮遊しており、ろ過や遠心分離法などで固液分離して
分離回収するが、一部の油の混入は避けられず、油の損
失となっている。また、回収された炭素質の残渣は貴重
なエネルギー源であるが、有効に利用されていない。
【0006】更に、これらの液状油は常温では固化する
ので、ポンプ循環ラインはスチームジャケット等の保温
が必要で、スタートアップ及びシャットダウン時には重
油等でプロセスラインを置換する必要があり、運転維持
費の増大につながっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の課題に鑑み、熱硬化性樹脂や固体状の異物が混入
してもトラブル要因とならない方法を提供して、前処理
分別工程の負荷を大巾に軽減する油回収方法を提供する
ものである。また、本発明の他の目的は、廃プラスチッ
クのエネルギーを与える過程でコーキングトラブルを抑
制し、また固体質熱分解残渣は分離することなく熱源と
して有効利用する方法を提供する。また、本発明の他の
目的は、前記廃プラスチックを熱分解により油回収する
方法におけるスタートアップ及びシャットダウンが容易
な方法を提供する。更には、本発明の他の目的は、低沸
点で高品質の油を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、前記課題を解決するための手段として、下記
方法を見出した。即ち、塩化ビニルその他の塩素を含む
廃プラスチックを熱分解により油回収する場合は、熱分
解工程の前に、廃プラスチックを押し出し流れさせなが
ら該廃プラスチックを高温の砂と直接前記処理物とを接
触させて混合し、温度250〜350℃に加熱すること
により、実質的に塩素が除去された廃プラスチックと砂
の混合物から成る処理物を製造する工程を設けた点を第
一の特徴とする。
【0009】又前記前処理終了後の塩素が除去された廃
プラスチック若しくはそれ自体の組成により実質的に塩
素が除去された廃プラスチックを熱分解を行なう熱分解
工程として、高温の砂と混合しながら、直接前記処理物
と接触させて加熱して温度略350〜500℃、好まし
くは略400〜480℃に昇温・保持することにより、
廃プラスチックの加熱分解を行なう熱分解工程であるこ
とを第二の特徴とする。
【0010】更に熱分解後の固体状の熱分解残渣等の有
効利用を図るために、熱分解後の固体状の熱分解残渣等
の熱分解派生物を空気で流動する砂を媒体とする流動床
(気泡流動床又は高速循環流動床)で燃焼して、高温の
砂を製造し、該高温砂の一部を前記廃プラスチックの熱
分解工程若しくはその前工程の塩素除去工程に戻入さ
せ、再循環使用することを第三の特徴とする。
【0011】更に低沸点で高品質の油を得る為に、廃プ
ラスチックの熱分解工程により得た熱分解生成物を第1
の気液分離手段により液体の高沸点油と気体の低沸点油
と低分子ガスに分離し、高沸点油を前記熱分解工程に還
流する工程と第2の気液分離手段により液体の低沸点油
と気体の低分子ガスに分離する工程とを直列に接続した
ことを第四の特徴とする。
【0012】そして更に廃プラスチックを熱分解により
油回収する総合的なシステムとして、廃プラスチックの
熱分解加熱方式として高温の砂の直接接触による加熱手
段を用いてなる廃プラスチックからの油回収方法におい
て、廃プラスチックをロータリーキルン内で高温の砂と
直接接触させて混合し、かつキルン内温度を250〜3
50℃に保持して、該キルン内で発生したHCl主成分
のガスを排気することにより含塩素プラスチックの塩素
を除去し、実質的に塩素が除去された廃プラスチックと
砂の混合物からなる処理物を製造する第1工程と、前記
第1工程の処理物を、高温の砂を熱源とし該高温砂との
均一混合を達成する攪拌槽へ導入し、該撹拌槽内温度を
400〜480℃に保持することにより、ガス状の高沸
点油、低沸点油及び低分子ガスから成る熱分解生成物と
固体状の熱分解残渣と砂との混合物を製造する第2工程
と、前記第2工程のガス出口ラインに、ガス状熱分解生
成物を気液分離する第1及び第二の気鋭器分離手段を直
列状に接続し、第1の気液分離手段により液状の高沸点
油と気体状低沸点油と低分子ガスに分離し、高沸点油を
第2工程に還流させるとともに、その下流側に位置する
第2の気液分離手段により液体の低沸点油と気体の低分
子ガスに分離する分離工程と、前記第2工程で得られた
固体状の熱分解残渣と砂の混合物及び第2気液分離手段
で凝縮しなかった低分子ガスを空気で流動する砂を媒体
とする流動床で燃焼して、高温の砂を製造し、少なくと
もその一部を前記第1若しくは第2工程の高温の砂とし
て再循環使用する第3工程とよりなる廃プラスチックか
らの油回収方法を提案する。
【0013】この場合第2工程に使用する添加剤は、ワ
ックス分解促進用の触媒で、合成ゼオライト又は天然ゼ
オライトで、好ましくは天然のモルデナイトであるのが
よい。
【0014】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の態様を詳細に
説明する。本発明でいう廃プラスチックとは、都市ごみ
から分別されたプラスチックを多く含むごみで、熱可塑
性樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン
など)を主成分とし、一部ポリ塩化ビニル、PET類、
熱硬化性樹脂や紙、ちゅう芥類の夾雑物が混入していて
も良い。また、産業廃棄物の中でも、プラスチックダイ
キャスト製品の残渣プラスチック等のプラスチックを多
く含むものも含まれる。
【0015】さてポリ塩化ビニルのように廃プラスチッ
ク中に塩素が含まれている場合これを熱分解して油を生
成した場合、油の品質を悪くし、触媒の劣化や材料の腐
食の原因となるので、前もって分離除去する必要があ
る。この廃プラスチック中の塩素は殆どポリ塩化ビニル
やポリ塩化ビニリデンに由来しており、これらの塩素は
温度250〜350℃に加熱することにより選択的に分
離除去されることが一般的に知られている。
【0016】本発明者らは、温度250〜350℃に加
熱する方法として、高温の砂と直接接触させながら加熱
する方法が好ましいことを見出した。伝熱面積は砂の表
面積であり、容易に廃プラスチックを加熱することがで
きるのである。そしてこのような脱塩素工程(第一工
程)を実現する装置としては、廃プラスチックを押し出
し流れとする構造のものが脱塩素率向上の点から好まし
く、具体的にはロータリーキルンが好ましいことも見出
した。
【0017】かかる方法により、分離したHCl主成分
のガスは水又はアルカリ吸収液で回収する。一方、熱分
解工程(第2工程)では、比表面積の大きな高温の砂と
直接接触させて廃プラスチックを加熱して400〜48
0℃に昇温・保持することにより、従来の間接熱交換器
のように伝熱面でのコーキングによるトラブルを回避で
きることが見出された。
【0018】本発明の場合、砂の表面に炭素質が付着し
たとしても、砂は絶えず流動しており、而も炭素質が付
着した砂は前記第3工程(砂再生工程)で燃焼すること
により容易に再生できるのでトラブルは未然に防止する
ことができることも見出された。
【0019】本発明の熱分解工程(第2工程)を実現す
るための装置としては、機械的な強制撹拌によって、
砂、添加剤、廃プラスチックを均一に混合できる撹拌槽
が適している。本発明の熱分解工程(第2工程)は、具
体的には添加剤と500〜950℃の高温の循環砂を処
理物(廃プラスチック)とともに混合し、温度350〜
500℃に、好ましくは400〜480℃に保持するも
のである。
【0020】そして添加剤10は、廃プラスチックの熱
分解で生成するワックスを更に分解促進させる触媒で、
従来石油化学分野で良く用いられていて合成ゼオライト
又は天然ゼオライトであり、好ましくは天然のモルデナ
イトである。かかる添加剤により、熱分解と同時に起る
重縮合反応によるコーキングを同時に抑制できることも
本発明者により見出された。
【0021】次に、第2工程において発生した熱分解生
成物の内低分子ガス、ガス状の低沸点油(沸点250℃
以下)、高沸点油(沸点250℃以上)は第2工程のガ
ス出口ラインから取り出され第1の気液分離手段により
約200〜250℃に冷却し高沸点油のみを液化させ、
還流ラインより第2工程に戻入循環させるのがよい。
尚、この250℃という境界温度は必要に応じて200
〜400℃の範囲に自由に設定することができる。
【0022】かかる方法により、高沸点油は更に第2工
程で添加剤のもとで加熱されるので、高沸点油は更に分
解されて低沸点油になり、低沸点油の収率が増大し、油
の品質・貯蔵安定性が向上することが見出された。
【0023】したがって、本発明においては液体の高沸
点油と気体の低沸点油と低分子ガスに分離する第1の気
液分離手段と液体の低沸点油と気体の低分子ガスに分離
する第2の気液分離手段は直列に接続されている為に第
2の気液分離手段からは低分子ガスと低沸点油のみが得
られ、該第2気液分離手段で約30℃に冷却して低沸点
油と低分子ガスを得る。
【0024】次に、第2工程で生成した固体状の熱分解
残渣(炭素質)、固型異物、液化しなかった熱硬化性樹
脂はスクリューフィーダー等で取り出し、第3工程3に
導入し、該第3の工程3では、空気を導入し砂を媒体と
する流動床を形成せしめ、前記有機物や砂等に付着した
有機物を完全燃焼させ、温度を500〜950℃に保持
し、砂の一部はライン20より第1、第2工程に再循環
使用する。
【0025】第3工程を実現するための装置としては、
気泡流動床又は高速循環流動床が最も適していることも
見出された。従って本発明では、第1、2、3工程全て
砂を流動媒体としているので、廃プラスチック中の固型
分は100〜200mm以下に破砕してあれば、ライン
閉塞等のトラブルはないことも見出された。この結果、
前処理は破砕のみで良く、分別は不要とすることができ
ることも見出された。
【0026】
【実施例】以下図1〜図2を参照して本発明の実施例に
つき詳細に説明する。但し、この実施例に記載されてい
る構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特
に特定的な記載がないかぎりは、この発明の範囲をそれ
に限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0027】1は脱塩素を行なうロータリーキルン(脱
塩素工程)で、廃プラスチック供給ライン6より供給さ
れた廃プラスチックPと400〜950℃に高温加熱し
た循環砂Sを押し出し混合させながら、前記廃プラスチ
ックPを温度250〜350℃に加熱する。この結果、
廃プラスチックP中の塩素は約95%以上を分離してキ
ルン1上部に設けたHClリッチガス抜出しライン8よ
りHCl主成分のガスが取り出され、不図示の吸収槽に
より水又はアルカリ吸収液で回収するとともに、循環砂
Sと脱塩素されたプラスチックPとの混合物(第1工程
処理物)はスクリューコンベア等からなる抜出しライン
9を介して熱分解工程2に供給される。
【0028】かかる工程1によれば、高温の砂で直接加
熱する為伝熱面積は砂の表面積と大きく、容易に廃プラ
スチックPを加熱することができる。
【0029】熱分解工程2は機械的な強制撹拌によっ
て、砂、添加剤、廃プラスチックPを均一に混合できる
撹拌槽からなり、添加剤供給ライン10より供給された
添加剤Tと、循環砂供給ライン11より供給された50
0〜950℃の高温の循環砂Sを、抜出しライン9より
供給された第1工程処理物とともに混合し、温度350
〜500℃に、好ましくは400〜480℃に保持しな
がら加熱分解を行なう。
【0030】尚前記添加剤Tには、合成ゼオライト又は
天然ゼオライト、好ましくは天然のモルデナイトを用い
る。かかる熱分解工程2では、流動状態にある比表面積
の大きな高温の砂により直接廃プラスチックPと接触さ
せて加熱して容易に400〜480℃に昇温・保持出来
る。又、熱分解工程2は砂と廃プラスチックPが強制撹
拌する撹拌槽のために、砂の表面に炭素質が付着したと
しても、砂は絶えず流動しており、熱分解残渣混合物抜
出しライン17より取り出して第3工程3で燃焼するこ
とにより容易に再生できるのでコーキングトラブルは未
然に防止できる。
【0031】次に、前記熱分解工程2には熱分解生成物
抜出しライン12を介して第1の気液分離手段4、第1
気液分離手段未凝縮ガス抜出しライン13を介して第2
の気液分離手段5が直列接続されている。この結果、前
記熱分解工程2で発生した熱分解生成物の内、低分子ガ
ス、ガス状の低沸点油(沸点250℃以下)、高沸点油
(沸点250℃以上)はライン12から取り出されコン
デンサ等の第1気液分離手段4により約200〜250
℃に冷却することにより高沸点油のみを液化させ、高沸
点留分凝縮液還流ライン14又はライン12より熱分解
工程2に戻入循環させる。高沸点油をラインにて還流す
ることにより、ライン12内でのスケール付着が防止で
きることも見出された。
【0032】かかる方法により、還流した高沸点油は更
に熱分解工程2で加熱されるので、高沸点油は更に分解
されて低沸点油になり、低沸点油の収率が増大し、油の
品質・貯蔵安定性が向上する。
【0033】したがって、前記ライン13からは低分子
ガスと低沸点油が得られ、コンデンサ等の第2気液分離
手段5で約30℃に冷却して低沸点留分凝縮液抜出しラ
イン15より低沸点油Oを得、更に未凝縮の低分子ガス
は、低分子ガス抜出しライン16より残渣焼却工程3に
送出される。
【0034】次に、熱分解工程2で生成した固体状の熱
分解残渣(炭素質)、固型異物、液化しなかった熱硬化
性樹脂は熱分解残渣混合物抜出しライン17より、スク
リューフィーダー等で取り出し、残渣焼却工程3に導入
する。
【0035】残渣焼却工程3は図2に示すような流動床
(高速循環流動床若しくは気泡流動床)で構成され、図
2に示すように燃焼用空気供給ライン18より空気Aを
導入し砂を媒体とする流動床を形成せしめ、温度を50
0〜950℃、好ましくは750〜950℃に保持し、
ライン17中の有機物を完全燃焼させ、更にライン18
0より二次空気の導入によりその排ガスを850〜95
0℃に昇温させてダイオキシン等の発生を抑制させつ
つ、燃焼排ガス取出しライン21からは燃焼排ガスGを
取り出し、必要に応じて排ガス処理を行う。
【0036】一方、残渣焼却工程3で焼却しきれなかっ
た金属やガラス等の不燃物Fは不燃物抜出しライン19
より取り出す。又、750〜950℃に加熱された流動
床中の砂の一部は砂取出しライン20により重力により
負圧ポット30に投入され、空気分岐ライン18’より
吸気部301に投入された空気とともに、砂取り出しラ
イン20を介してサイクロン32に導かれ、ここで砂と
分離された高温空気は戻入ライン33より流動床3に戻
され、流動床の燃焼及び750〜950℃の温度維持に
供される。
【0037】又サイクロン32で分離された砂は砂ホッ
パ34に投入されライン11、7より脱塩素工程1及び
熱分解工程2に再循環使用する。この方法により、高温
の砂を容易に循環使用でき、本発明に適していることが
見出された。
【0038】又循環砂Sの熱量が不足する場合は、必要
により低分子ガス抜出しライン16の低分子ガス又は低
沸点留分凝縮液抜出しライン15の油Oの一部を残渣焼
却工程3の燃料として使用することができる。
【0039】従って本実施例では、第1工程(脱塩素工
程)、第2工程(熱分解工程)及び第3工程(残渣焼却
工程)全て砂を流動媒体としているので、廃プラスチッ
クP中の固型分は100〜200mm以下に破砕してあ
れば、ライン閉塞等のトラブルはないことも見出され
た。この結果、前処理は破砕のみで良く、分別は不要と
することができる。
【0040】
【発明の効果】以上記載した如く本発明によれば、廃プ
ラスチックの油回収に関し、固型異物混入対応型で前処
理分別の簡素化、コーキング抑制による長期連続運転、
スタートアップ、シャットダウンの簡素化、熱分解残渣
の有効利用、及び低沸点で高品質油の収率増大という効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る廃プラスチックからの油
回収装置を示す概略図である。
【図2】前記実施態様に係る第3工程の好ましい実施例
の流動床を示す概略図である。
【符号の説明】
1 第1工程(脱塩素工程) 2 第2工程(熱分解工程) 3 第3工程(残渣焼却工程) 4 第1気液分離手段 5 第2気液分離手段 6 廃プラスチック供給ライン 7 循環砂供給ライン 8 HClリッチガス抜出しライン 9 第1工程処理物(砂と脱塩素されたプラスチッ
クとの混合物)抜出しライン 10 添加剤供給ライン 11 循環砂供給ライン 12 熱分解生成物(高沸点油、低沸点油、低分子ガ
ス)抜出しライン 13 第1気液分離手段未凝縮ガス抜出しライン 14 高沸点留分凝縮液還流ライン 15 低沸点留分凝縮液抜出しライン 16 低分子ガス抜出しライン 17 熱分解残渣混合物抜出しライン 18 燃焼用空気供給ライン 19 不燃物抜出しライン 20 砂取出しライン 21 燃焼排ガス取出しライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08L 27:06 C08L 27:06 (72)発明者 永井 洋 横浜市金沢区幸浦一丁目8番地1 三菱重 工業株式会社横浜研究所内 (72)発明者 保田 静生 横浜市中区錦町12番地 三菱重工業株式会 社横浜製作所内 (72)発明者 貝原 裕二 横浜市中区錦町12番地 三菱重工業株式会 社横浜製作所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニルその他の含塩素プラスチック
    を含む廃プラスチックを温度250〜350℃に加熱す
    ることにより、実質的に塩素を除去する塩素除去工程
    と、 該塩素が除去された廃プラスチックを温度略350〜5
    00℃に昇温・保持することにより、廃プラスチックの
    加熱分解を行なう加熱分解工程とからなる廃プラスチッ
    クの油回収方法において、 前記塩素除去工程が、廃プラスチックを押し出し流れさ
    せながら該廃プラスチックを高温の砂と混合し、高温の
    砂との熱接触により実質的に塩素が除去された廃プラス
    チックと砂の混合物から成る処理物を製造する工程であ
    り、 前記熱分解工程が、高温の砂と前記処理物とを直接接触
    させて混合しながら加熱して温度略350〜500℃に
    昇温・保持することにより、廃プラスチックの加熱分解
    を行なうことを特徴とする廃プラスチックからの油回収
    方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の油回収方法において、 熱分解後の固体状の熱分解残渣を流動床で燃焼して、高
    温の砂を製造した後、該高温砂の一部を廃プラスチック
    の熱分解工程と前工程の塩素除去工程に戻入させ、再循
    環使用することを特徴とする廃プラスチックからの油回
    収方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の油回収方法において、 廃プラスチックの熱分解工程により得た熱分解生成物を
    第1の気液分離手段により液体の高沸点油と気体の低沸
    点油と低分子ガスに分離し、高沸点油を前記熱分解工程
    に還流する工程と第2の気液分離手段により液体の低沸
    点油と気体の低分子ガスに分離する工程とを直列に接続
    したことを特徴とする廃プラスチックからの油回収方
    法。
  4. 【請求項4】 廃プラスチックの熱分解加熱方式として
    高温の砂の直接接触による加熱手段を用いてなる廃プラ
    スチックからの油回収方法において、 廃プラスチックをロータリーキルン内で高温の砂と直接
    接触させて混合し、かつキルン内温度を250〜350
    ℃に保持し、該キルン内で発生したHCl主成分のガス
    を排気することにより含塩素プラスチックの塩素を除去
    し、実質的に塩素が除去された廃プラスチックと砂の混
    合物からなる処理物を製造する第1工程と、 前記第1工程の処理物を、高温の砂を熱源とし該高温砂
    との均一混合を達成する攪拌槽へ導入し、かつ該撹拌槽
    内温度を400〜480℃に保持することにより、ガス
    状の高沸点油、低沸点油及び低分子ガスから成る熱分解
    生成物と固体状の熱分解残渣と砂との混合物を製造する
    第2工程と、 前記第2工程のガス出口ラインに、ガス状熱分解生成物
    を気液分離する第1及び第二の気鋭器分離手段を直列状
    に接続し、第1の気液分離手段により液状の高沸点油と
    気体状低沸点油と低分子ガスに分離し、高沸点油を第2
    工程に還流させるとともに、その下流側に位置する第2
    の気液分離手段により液体の低沸点油と気体の低分子ガ
    スに分離する分離工程と、 前記第2工程で得られた固体状の熱分解残渣と砂の混合
    物及び第2気液分離手段で凝縮しなかった低分子ガスを
    空気で流動する砂を媒体とする流動床で燃焼して、高温
    の砂を製造し、少なくともその一部を前記第1若しくは
    第2工程の高温の砂として再循環使用する第3工程と、 から成ることを特徴とする廃プラスチックからの油回収
    方法。
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