JP3297296B2 - 廃プラスチックからの油回収装置 - Google Patents
廃プラスチックからの油回収装置Info
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- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
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- Y02W30/50—Reuse, recycling or recovery technologies
- Y02W30/62—Plastics recycling; Rubber recycling
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- Processing Of Solid Wastes (AREA)
- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
- Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
- Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
- Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃プラスチックを
熱分解により油回収する装置に係り、特に都市ごみで分
別収集された廃プラスチック、又は産業廃棄物として回
収された廃プラスチックを油に変換して燃料として再利
用する廃プラスチックからの油回収装置に関する。
熱分解により油回収する装置に係り、特に都市ごみで分
別収集された廃プラスチック、又は産業廃棄物として回
収された廃プラスチックを油に変換して燃料として再利
用する廃プラスチックからの油回収装置に関する。
【0002】
【従来の技術】前記の廃プラスチックから油を得るに
は、従来400℃前後の温度で炭素骨格を切断して低分
子化・液状化させている。この方法では、約500〜
1,000kcal/kg(プラスチック)のエネルギ
ーを必要としており、このエネルギーをプラスチックに
与える方法として、溶融したプラスチックをポンプで循
環させ、その途中に設けた加熱炉でエネルギーを与える
方法がある。
は、従来400℃前後の温度で炭素骨格を切断して低分
子化・液状化させている。この方法では、約500〜
1,000kcal/kg(プラスチック)のエネルギ
ーを必要としており、このエネルギーをプラスチックに
与える方法として、溶融したプラスチックをポンプで循
環させ、その途中に設けた加熱炉でエネルギーを与える
方法がある。
【0003】又この方法では、熱硬化性樹脂や固型の異
物により、ポンプ循環ラインのトラブルを回避するため
に、それらを前処理手段で完全に取り除く必要があり、
そのコストは大きく、経済性に問題が生じていた。
物により、ポンプ循環ラインのトラブルを回避するため
に、それらを前処理手段で完全に取り除く必要があり、
そのコストは大きく、経済性に問題が生じていた。
【0004】更に、熱のみで分解して得られた油は、不
安定であり、加熱炉の管内壁面でコーキングするトラブ
ルを発生させる。
安定であり、加熱炉の管内壁面でコーキングするトラブ
ルを発生させる。
【0005】また、熱可塑性樹脂でも熱重縮合で炭素質
の残渣を一部生成するが、これらはポンプ循環ライン中
に浮遊しており、ロ過や遠心分離法などで固液分離して
分離回収するが、一部の油の混入は避けられず、油の損
失となっている。また、回収された炭素質の残渣は貴重
なエネルギー源であるが、有効に利用されていない。
の残渣を一部生成するが、これらはポンプ循環ライン中
に浮遊しており、ロ過や遠心分離法などで固液分離して
分離回収するが、一部の油の混入は避けられず、油の損
失となっている。また、回収された炭素質の残渣は貴重
なエネルギー源であるが、有効に利用されていない。
【0006】更に、これらの液状油は常温では固化する
ので、ポンプ循環ラインはスチームジャケット等の保温
が必要で、スタートアップ及びシャットダウン時には重
油等でプロセスラインを置換する必要があり、運転維持
費の増大につながっている。
ので、ポンプ循環ラインはスチームジャケット等の保温
が必要で、スタートアップ及びシャットダウン時には重
油等でプロセスラインを置換する必要があり、運転維持
費の増大につながっている。
【0007】本出願人はかかる課題を解決するために、
特願平7−194226号において、熱硬化性樹脂や固
体状の異物が混入してもトラブル要因とならない方法を
提案している。(非公知、以下先願技術という) かかる出願は、廃プラスチックを熱分解により油回収す
る総合的なシステムとして開発されたもので、その特徴
とする所は、廃プラスチックを高温の砂と混合し、温度
250〜350℃に加熱することにより、実質的に塩素
が除去された廃プラスチックと砂の混合物から成る処理
物を製造する脱塩素手段、前記脱塩素手段の処理物に、
高温の砂及び/又は添加剤等を添加し、温度略350〜
500℃、好ましくは略400〜480℃に加熱するこ
とにより、ガス状の高沸点油、低沸点油及び低分子ガス
から成る熱分解生成物と固体状の熱分解残渣・砂混合物
を製造する熱分解手段、前記熱分解手段の熱分解生成物
を液体の高沸点油と気体の低沸点油と低分子ガスに分離
し、高沸点油を熱分解手段に還流する第1の気液分離手
段、液体の低沸点油と気体の低分子ガスに分離する第2
の気液分離手段、熱分解手段の固体状の熱分解残渣・砂
混合物、第2気液分離手段の低分子ガスを空気で流動す
る砂を媒体とする流動床で燃焼し、高温の砂を製造し、
その一部を前記脱塩素手段若しくは熱分解手段に再循環
使用する残渣焼却手段からなる油回収方法に有る。
特願平7−194226号において、熱硬化性樹脂や固
体状の異物が混入してもトラブル要因とならない方法を
提案している。(非公知、以下先願技術という) かかる出願は、廃プラスチックを熱分解により油回収す
る総合的なシステムとして開発されたもので、その特徴
とする所は、廃プラスチックを高温の砂と混合し、温度
250〜350℃に加熱することにより、実質的に塩素
が除去された廃プラスチックと砂の混合物から成る処理
物を製造する脱塩素手段、前記脱塩素手段の処理物に、
高温の砂及び/又は添加剤等を添加し、温度略350〜
500℃、好ましくは略400〜480℃に加熱するこ
とにより、ガス状の高沸点油、低沸点油及び低分子ガス
から成る熱分解生成物と固体状の熱分解残渣・砂混合物
を製造する熱分解手段、前記熱分解手段の熱分解生成物
を液体の高沸点油と気体の低沸点油と低分子ガスに分離
し、高沸点油を熱分解手段に還流する第1の気液分離手
段、液体の低沸点油と気体の低分子ガスに分離する第2
の気液分離手段、熱分解手段の固体状の熱分解残渣・砂
混合物、第2気液分離手段の低分子ガスを空気で流動す
る砂を媒体とする流動床で燃焼し、高温の砂を製造し、
その一部を前記脱塩素手段若しくは熱分解手段に再循環
使用する残渣焼却手段からなる油回収方法に有る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる有為
な出願を更に改良し、特に前記熱分解手段のガス状熱分
解生成物を液体の高沸点油と気体の低沸点油と低分子ガ
スに分離し、高沸点油を熱分解手段に還流する第1の気
液分離手段と、液体の低沸点油と気体の低分子ガスに分
離する第2の気液分離手段に工夫を凝らし、これにより
低沸点で高品質の油を容易に且つ効率よく得る装置を提
供することにある。
な出願を更に改良し、特に前記熱分解手段のガス状熱分
解生成物を液体の高沸点油と気体の低沸点油と低分子ガ
スに分離し、高沸点油を熱分解手段に還流する第1の気
液分離手段と、液体の低沸点油と気体の低分子ガスに分
離する第2の気液分離手段に工夫を凝らし、これにより
低沸点で高品質の油を容易に且つ効率よく得る装置を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
廃プラスチックから所定の前処理により若しくはそれ自
体の組成により実質的に塩素を除去する手段と、 該塩素
が除去された廃プラスチックに、高温の砂及び/又は廃
プラスチックの熱分解で生成するワックスを分解促進さ
せる触媒を添加し、温度略350〜500℃に加熱する
ことにより、ガス状の高沸点油、低沸点油及び低分子ガ
スから成る熱分解生成物と固体状の熱分解残渣を製造す
る熱分解手段と、前記熱分解手段により得た熱分解生成
物を液体の高沸点油と気体の低沸点油と低分子ガスに分
離し、高沸点油を前記熱分解手段に還流する第1の気液
分離手段と、 前記第1の気液分離手段により得た気体の
低沸点油と気体の低分子ガスを液体の低沸点油と気体の
低分子ガスに分離する第2の気液分離手段とを具え、 前
記第1の気液分離手段と第2の気液分離手段とを直列に
接続するとともに、前記第2の気液分離手段を、塔内に
上下に配列した複数の気液接触部を有する塔体で構成
し、第1の気液分離手段通過後のガス状熱分解生成物
を、両気液接触部間に導入した事を特徴とする。
廃プラスチックから所定の前処理により若しくはそれ自
体の組成により実質的に塩素を除去する手段と、 該塩素
が除去された廃プラスチックに、高温の砂及び/又は廃
プラスチックの熱分解で生成するワックスを分解促進さ
せる触媒を添加し、温度略350〜500℃に加熱する
ことにより、ガス状の高沸点油、低沸点油及び低分子ガ
スから成る熱分解生成物と固体状の熱分解残渣を製造す
る熱分解手段と、前記熱分解手段により得た熱分解生成
物を液体の高沸点油と気体の低沸点油と低分子ガスに分
離し、高沸点油を前記熱分解手段に還流する第1の気液
分離手段と、 前記第1の気液分離手段により得た気体の
低沸点油と気体の低分子ガスを液体の低沸点油と気体の
低分子ガスに分離する第2の気液分離手段とを具え、 前
記第1の気液分離手段と第2の気液分離手段とを直列に
接続するとともに、前記第2の気液分離手段を、塔内に
上下に配列した複数の気液接触部を有する塔体で構成
し、第1の気液分離手段通過後のガス状熱分解生成物
を、両気液接触部間に導入した事を特徴とする。
【0010】この場合前記第2の気液分離手段を、下方
から順にリボイラ、下方気液接触部、上方気液接触部、
及び冷却部からなるほぼ垂直塔体で構成するとともに、
第1の気液分離手段通過後のガス状熱分解生成物を、主
として低沸点油回収部として機能する上方気液接触部
と、低分子ガス放散部として機能する上方気液接触部間
に導入するように構成するのが良い。
から順にリボイラ、下方気液接触部、上方気液接触部、
及び冷却部からなるほぼ垂直塔体で構成するとともに、
第1の気液分離手段通過後のガス状熱分解生成物を、主
として低沸点油回収部として機能する上方気液接触部
と、低分子ガス放散部として機能する上方気液接触部間
に導入するように構成するのが良い。
【0011】また、請求項3記載の発明のように、前記
第1の気液分離手段を、気液接触部とその上方側に配し
た液分散部で構成し、そして前記液分散部に供給する液
として、第2の気液分離手段により分離且つ冷却された
低沸点油を用いるのがよい。さらに、請求項2記載の発
明は、廃プラスチックから所定の前処理により若しくは
それ自体の組成により実質的に塩素を除去する手段と、
該塩素が除去された廃プラスチックに、高温の砂及び/
又は廃プラスチックの熱分解で生成するワックスを分解
促進させる触媒を添加し、温度略350〜500℃に加
熱することにより、ガス状の高沸点油、低沸点油及び低
分子ガスから成る熱分解生成物と固体状の熱分解残渣を
製造する熱分解手段と、 前記熱分解手段により得た熱分
解生成物を液体の高沸点油と気体の低沸点油と低分子ガ
スに分離し、高沸点油を前記熱分解手段に還流する第1
の気液分離手段と、 前記第1の気液分離手段により得た
気体の低沸点油と気体の低分子ガスを液体の低沸点油と
気体の低分子ガスに分離する第2の気液分離手段とを具
え、 前記第1の気液分離手段と第2の気液分離手段とを
直列に接続するとともに、 前記第1の気液分離手段を、
気液接触部とその上方側に配した液分散部で構成し、前
記液分散部に供給する液として、第2の気液分離手段に
より分離且つ冷却された低沸点油を用いたことを特徴と
する。
第1の気液分離手段を、気液接触部とその上方側に配し
た液分散部で構成し、そして前記液分散部に供給する液
として、第2の気液分離手段により分離且つ冷却された
低沸点油を用いるのがよい。さらに、請求項2記載の発
明は、廃プラスチックから所定の前処理により若しくは
それ自体の組成により実質的に塩素を除去する手段と、
該塩素が除去された廃プラスチックに、高温の砂及び/
又は廃プラスチックの熱分解で生成するワックスを分解
促進させる触媒を添加し、温度略350〜500℃に加
熱することにより、ガス状の高沸点油、低沸点油及び低
分子ガスから成る熱分解生成物と固体状の熱分解残渣を
製造する熱分解手段と、 前記熱分解手段により得た熱分
解生成物を液体の高沸点油と気体の低沸点油と低分子ガ
スに分離し、高沸点油を前記熱分解手段に還流する第1
の気液分離手段と、 前記第1の気液分離手段により得た
気体の低沸点油と気体の低分子ガスを液体の低沸点油と
気体の低分子ガスに分離する第2の気液分離手段とを具
え、 前記第1の気液分離手段と第2の気液分離手段とを
直列に接続するとともに、 前記第1の気液分離手段を、
気液接触部とその上方側に配した液分散部で構成し、前
記液分散部に供給する液として、第2の気液分離手段に
より分離且つ冷却された低沸点油を用いたことを特徴と
する。
【0012】請求項4記載の発明は、廃プラスチックを
温度250〜350℃に加熱することにより、実質的に
塩素が除去された廃プラスチックから成る処理物を製造
する脱塩素手段と、前記脱塩素手段の処理物に、高温の
砂及び/又は廃プラスチックの熱分解で生成するワック
スを分解促進させる触媒を添加し、温度略350〜50
0℃に加熱することにより、ガス状の高沸点油、低沸点
油及び低分子ガスから成る熱分解生成物と固体状の熱分
解残渣・砂混合物を製造する熱分解手段と、を含む廃プ
ラスチックからの油回収装置において前記熱分解手段の
熱分解生成物を液体の高沸点油と気体の低沸点油と低分
子ガスに分離し、高沸点油を熱分解手段に還流する第1
の気液分離手段と、前記第1の気液分離手段により得た
気体の低沸点油と気体の低分子ガスを液体の低沸点油と
気体の低分子ガスに分離する第2の気液分離手段とをラ
インを介して直列に接続するとともに、前記脱塩素手段
より排出された含塩素ガス又は該ガス中の塩素を除去し
た後の残りのガスを第2の気液分離手段入口側ラインに
導入したことを特徴とするものである。
温度250〜350℃に加熱することにより、実質的に
塩素が除去された廃プラスチックから成る処理物を製造
する脱塩素手段と、前記脱塩素手段の処理物に、高温の
砂及び/又は廃プラスチックの熱分解で生成するワック
スを分解促進させる触媒を添加し、温度略350〜50
0℃に加熱することにより、ガス状の高沸点油、低沸点
油及び低分子ガスから成る熱分解生成物と固体状の熱分
解残渣・砂混合物を製造する熱分解手段と、を含む廃プ
ラスチックからの油回収装置において前記熱分解手段の
熱分解生成物を液体の高沸点油と気体の低沸点油と低分
子ガスに分離し、高沸点油を熱分解手段に還流する第1
の気液分離手段と、前記第1の気液分離手段により得た
気体の低沸点油と気体の低分子ガスを液体の低沸点油と
気体の低分子ガスに分離する第2の気液分離手段とをラ
インを介して直列に接続するとともに、前記脱塩素手段
より排出された含塩素ガス又は該ガス中の塩素を除去し
た後の残りのガスを第2の気液分離手段入口側ラインに
導入したことを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の態様を詳細に
説明する。先ず本発明でいう廃プラスチックとは、都市
ごみから分別されたプラスチックを多く含むごみで、熱
可塑性樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチ
レンなど)を主成分とし、一部ポリ塩化ビニル、PET
類、熱硬化性樹脂や紙、ちゅう芥類の夾雑物が混入して
いても良い。また、産業廃棄物の中でも、プラスチック
ダイキャスト製品の残渣プラスチック等のプラスチック
を多く含むものも含まれる。
説明する。先ず本発明でいう廃プラスチックとは、都市
ごみから分別されたプラスチックを多く含むごみで、熱
可塑性樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチ
レンなど)を主成分とし、一部ポリ塩化ビニル、PET
類、熱硬化性樹脂や紙、ちゅう芥類の夾雑物が混入して
いても良い。また、産業廃棄物の中でも、プラスチック
ダイキャスト製品の残渣プラスチック等のプラスチック
を多く含むものも含まれる。
【0014】さてポリ塩化ビニルのように廃プラスチッ
ク中に塩素が含まれている場合これを熱分解して油を生
成した場合、油の品質を悪くし、触媒の劣化の原因とな
るので、前もって分離除去する必要がある。この廃プラ
スチック中の塩素は殆どポリ塩化ビニルに由来してお
り、ポリ塩化ビニル中の塩素は温度250〜350℃に
加熱することにより選択的に分離除去されることが一般
的に知られている。
ク中に塩素が含まれている場合これを熱分解して油を生
成した場合、油の品質を悪くし、触媒の劣化の原因とな
るので、前もって分離除去する必要がある。この廃プラ
スチック中の塩素は殆どポリ塩化ビニルに由来してお
り、ポリ塩化ビニル中の塩素は温度250〜350℃に
加熱することにより選択的に分離除去されることが一般
的に知られている。
【0015】そこで本実施形態においては、熱分解の前
処理手段として脱塩素手段を設ける。この場合脱塩素手
段として高温の砂で直接加熱する装置、更に廃プラスチ
ックを押し出し流れとする構造のものが脱塩素率向上の
点から好ましく、具体的にはロータリーキルンが好まし
い。
処理手段として脱塩素手段を設ける。この場合脱塩素手
段として高温の砂で直接加熱する装置、更に廃プラスチ
ックを押し出し流れとする構造のものが脱塩素率向上の
点から好ましく、具体的にはロータリーキルンが好まし
い。
【0016】かかる装置により、分離したHCl主成分
のガスは水又はアルカリ吸収液で回収するか若しくは前
記した第2の気液分離手段に導入し、前記脱塩素手段で
気化した低沸点油の回収を図ってもよい。これにより低
沸点油の一層の収量の増大が図れる。
のガスは水又はアルカリ吸収液で回収するか若しくは前
記した第2の気液分離手段に導入し、前記脱塩素手段で
気化した低沸点油の回収を図ってもよい。これにより低
沸点油の一層の収量の増大が図れる。
【0017】そして、脱塩素された処理物を熱分解する
訳であるが、該熱分解は、比表面積の大きな高温の砂に
より直接廃プラスチックを加熱して、より具体的には添
加剤と500〜950℃の高温の循環砂を処理物(廃プ
ラスチック)とともに混合し400〜480℃に昇温・
保持することにより、従来の間接熱交換器のように伝熱
面でのコーキングによるトラブルを回避でき、而も砂の
表面に炭素質が付着したとしても、砂は絶えず流動して
おり、而も炭素質が付着した砂は前記残渣焼却手段(兼
砂再生手段)で燃焼することにより容易に再生できるの
でトラブルは未然に防止することができる。
訳であるが、該熱分解は、比表面積の大きな高温の砂に
より直接廃プラスチックを加熱して、より具体的には添
加剤と500〜950℃の高温の循環砂を処理物(廃プ
ラスチック)とともに混合し400〜480℃に昇温・
保持することにより、従来の間接熱交換器のように伝熱
面でのコーキングによるトラブルを回避でき、而も砂の
表面に炭素質が付着したとしても、砂は絶えず流動して
おり、而も炭素質が付着した砂は前記残渣焼却手段(兼
砂再生手段)で燃焼することにより容易に再生できるの
でトラブルは未然に防止することができる。
【0018】そしてこのような熱分解装置としては、
砂、添加剤、廃プラスチックを均一に混合できる流動床
攪拌槽が適している。尚添加剤10は、廃プラスチック
の熱分解で生成するワックスを更に分解促進させる触媒
で、従来石油化学分野で良く用いられていて合成ゼオラ
イト又は天然ゼオライトであり、好ましくは天然のモル
デナイトである。かかる添加剤により、熱分解と同時に
起る重縮合反応によるコーキングを同時に抑制できる。
砂、添加剤、廃プラスチックを均一に混合できる流動床
攪拌槽が適している。尚添加剤10は、廃プラスチック
の熱分解で生成するワックスを更に分解促進させる触媒
で、従来石油化学分野で良く用いられていて合成ゼオラ
イト又は天然ゼオライトであり、好ましくは天然のモル
デナイトである。かかる添加剤により、熱分解と同時に
起る重縮合反応によるコーキングを同時に抑制できる。
【0019】次に、前記熱分解手段において発生したガ
ス状熱分解生成物の内低分子ガス、ガス状の低沸点油
(例えば沸点250℃以下)、高沸点油(例えば沸点2
50℃以上)はガス出口から取り出され第1の気液分離
手段により約200〜250℃に冷却し高沸点油のみを
液化させ、熱分解手段に戻入循環させる。そして前記第
1の気液分離手段の上方側にガス給送ラインを介して第
2の気液分離手段とを直列に接続し、該第2の気液分離
手段により液体の低沸点油と気体の低分子ガスに分離す
る。そして前記第1の気液分離手段は、気液接触部とそ
の上方側に配した液分散部で構成し、前記液分散部に供
給する液として、第2の気液分離手段により分離且つ冷
却された低沸点油を用いるか、若しくは気液接触部の上
方側に冷水循環回路を配設して冷却するようにしても良
い。
ス状熱分解生成物の内低分子ガス、ガス状の低沸点油
(例えば沸点250℃以下)、高沸点油(例えば沸点2
50℃以上)はガス出口から取り出され第1の気液分離
手段により約200〜250℃に冷却し高沸点油のみを
液化させ、熱分解手段に戻入循環させる。そして前記第
1の気液分離手段の上方側にガス給送ラインを介して第
2の気液分離手段とを直列に接続し、該第2の気液分離
手段により液体の低沸点油と気体の低分子ガスに分離す
る。そして前記第1の気液分離手段は、気液接触部とそ
の上方側に配した液分散部で構成し、前記液分散部に供
給する液として、第2の気液分離手段により分離且つ冷
却された低沸点油を用いるか、若しくは気液接触部の上
方側に冷水循環回路を配設して冷却するようにしても良
い。
【0020】かかる装置により、高沸点油は更に熱分解
手段で再加熱されるので、高沸点油は更に分解されて低
沸点油になり、低沸点油の収率が増大し、油の品質・貯
蔵安定性が向上する。
手段で再加熱されるので、高沸点油は更に分解されて低
沸点油になり、低沸点油の収率が増大し、油の品質・貯
蔵安定性が向上する。
【0021】特に本発明によれば液体の高沸点油と気体
の低沸点油と低分子ガスの分離を気液接触部、例えば充
填塔、段塔等の蒸留塔からなる気液接触部により行うと
ともに、その上方側に冷却した低沸点油による液分散部
を配設し、該液分散部に供給する液として、第2の気液
分離手段により分離された低沸点油を用いた為に、誤っ
て前記気液接触部を通過し例え気化状態にある高沸点油
でも前記分散低沸点油との接触により容易に捕足する事
が出来、而も冷却された低沸点油を用いる事により前記
気化状態にある高沸点油の冷却による液化が一層促進さ
れ、熱分解手段側に確実に還流させる事が出来、これに
よりワックス分(高沸点油)が低沸点油側に移行する事
はない。又前記高沸点油は効率よく熱分解手段側に還流
されるために、該高沸点油の熱分解が効率よく進み、低
沸点油の収量の増大が図れる。
の低沸点油と低分子ガスの分離を気液接触部、例えば充
填塔、段塔等の蒸留塔からなる気液接触部により行うと
ともに、その上方側に冷却した低沸点油による液分散部
を配設し、該液分散部に供給する液として、第2の気液
分離手段により分離された低沸点油を用いた為に、誤っ
て前記気液接触部を通過し例え気化状態にある高沸点油
でも前記分散低沸点油との接触により容易に捕足する事
が出来、而も冷却された低沸点油を用いる事により前記
気化状態にある高沸点油の冷却による液化が一層促進さ
れ、熱分解手段側に確実に還流させる事が出来、これに
よりワックス分(高沸点油)が低沸点油側に移行する事
はない。又前記高沸点油は効率よく熱分解手段側に還流
されるために、該高沸点油の熱分解が効率よく進み、低
沸点油の収量の増大が図れる。
【0022】又、第1の気液分離手段と液体の低沸点油
と気体の低分子ガスに分離する第2の気液分離手段は直
列に接続されている為に第2の気液分離手段に導入され
るガス状熱分解生成物は、低分子ガスと低沸点油のみで
あり、従って該第2気液分離手段でガス状熱分解生成物
を約30℃に冷却することにより低沸点油と低分子ガス
を容易に得る。
と気体の低分子ガスに分離する第2の気液分離手段は直
列に接続されている為に第2の気液分離手段に導入され
るガス状熱分解生成物は、低分子ガスと低沸点油のみで
あり、従って該第2気液分離手段でガス状熱分解生成物
を約30℃に冷却することにより低沸点油と低分子ガス
を容易に得る。
【0023】この場合前記第2の気液分離手段を、低沸
点油回収部として機能する上方気液接触部と、低分子ガ
ス放散部として機能する下方気液接触部とから構成する
ことにより、下方気液接触部(低分子ガス放散部)で放
散された低分子ガス中の残留低沸点油はその上方の上方
気液接触部(低沸点油回収部)で捕足される。又、前記
上方気液接触部で回収された低沸点油は、その下方に位
置する下方気液接触部に落下し、該ガス放散部で低沸点
油中の残留ガスが除去されて底部の貯溜溜めに貯溜され
る。従って低沸点油と低分子ガスが効率よく捕足され
る。
点油回収部として機能する上方気液接触部と、低分子ガ
ス放散部として機能する下方気液接触部とから構成する
ことにより、下方気液接触部(低分子ガス放散部)で放
散された低分子ガス中の残留低沸点油はその上方の上方
気液接触部(低沸点油回収部)で捕足される。又、前記
上方気液接触部で回収された低沸点油は、その下方に位
置する下方気液接触部に落下し、該ガス放散部で低沸点
油中の残留ガスが除去されて底部の貯溜溜めに貯溜され
る。従って低沸点油と低分子ガスが効率よく捕足され
る。
【0024】更に前記第2の気液分離手段は、下方から
順にリボイラ、下方気液接触部(低分子ガス放散部)、
上方気液接触部(低沸点油回収部)、及び冷却部からな
るほぼ垂直塔体で構成するとともに、第1の気液分離手
段通過後のガス状熱分解生成物を、上方気液接触部(低
沸点油回収部)と下方気液接触部(低分子ガス放散部)
間に導入するように構成するのが良い。
順にリボイラ、下方気液接触部(低分子ガス放散部)、
上方気液接触部(低沸点油回収部)、及び冷却部からな
るほぼ垂直塔体で構成するとともに、第1の気液分離手
段通過後のガス状熱分解生成物を、上方気液接触部(低
沸点油回収部)と下方気液接触部(低分子ガス放散部)
間に導入するように構成するのが良い。
【0025】これにより前記した効果とともに、上方気
液接触部(低沸点油回収部)の上方に冷却部を設けたた
めに、上方気液接触部を通過し、ガス化した低沸点油が
完全に液化して回収されるために、該低沸点油の捕足が
効率よく進み、その収量の増大が図れる。又垂直塔の底
部にリボイラが配設されているために、低沸点油中に溶
解した低分子ガスは前記リボイラにより再蒸発され、高
品質の低沸点油が得られる。
液接触部(低沸点油回収部)の上方に冷却部を設けたた
めに、上方気液接触部を通過し、ガス化した低沸点油が
完全に液化して回収されるために、該低沸点油の捕足が
効率よく進み、その収量の増大が図れる。又垂直塔の底
部にリボイラが配設されているために、低沸点油中に溶
解した低分子ガスは前記リボイラにより再蒸発され、高
品質の低沸点油が得られる。
【0026】又本発明によれば第1の気液分離手段によ
り高沸点油を前記熱分解手段に繰返し還流させる手段と
し且つ第1の気液分離手段と第2の気液分離手段を直列
接続させる構成としたために、該第2の気液分離手段で
分離される低沸点油側に高沸点油のワックス成分が混入
する事なく、高品質の低沸点油が得られることも有為な
効果である。
り高沸点油を前記熱分解手段に繰返し還流させる手段と
し且つ第1の気液分離手段と第2の気液分離手段を直列
接続させる構成としたために、該第2の気液分離手段で
分離される低沸点油側に高沸点油のワックス成分が混入
する事なく、高品質の低沸点油が得られることも有為な
効果である。
【0027】次に、前記熱分解手段で生成した固体状の
熱分解残渣(炭素質)、固型異物、液化しなかった熱硬
化性樹脂はスクリューフィーダー等で取り出し、残渣焼
却手段に導入し、該手段では、空気を導入し砂を媒体と
する流動床を形成せしめ、前記有機物や砂等に付着した
有機物を完全燃焼させ、温度を500〜950℃に保持
し、砂の一部は、脱塩素手段と熱分解手段に再循環使用
する。
熱分解残渣(炭素質)、固型異物、液化しなかった熱硬
化性樹脂はスクリューフィーダー等で取り出し、残渣焼
却手段に導入し、該手段では、空気を導入し砂を媒体と
する流動床を形成せしめ、前記有機物や砂等に付着した
有機物を完全燃焼させ、温度を500〜950℃に保持
し、砂の一部は、脱塩素手段と熱分解手段に再循環使用
する。
【0028】かかる残渣焼却手段は、気泡循環流動床又
は高速循環流動床が最も適している。従って本実施形態
では、前記脱塩素、熱分解、残渣焼却手段全て砂を流動
媒体としているので、廃プラスチック中の固型分は10
0〜200mm以下に破砕してあれば、ライン閉塞等の
トラブルはなく、この結果、前処理は破砕のみで良く、
分別は不要とすることができる。
は高速循環流動床が最も適している。従って本実施形態
では、前記脱塩素、熱分解、残渣焼却手段全て砂を流動
媒体としているので、廃プラスチック中の固型分は10
0〜200mm以下に破砕してあれば、ライン閉塞等の
トラブルはなく、この結果、前処理は破砕のみで良く、
分別は不要とすることができる。
【0029】
【実施例】以下図1〜図2を参照して本発明の実施形態
を詳細に説明する。但し、この実施形態に記載されてい
る構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特
に特定的な記載がないかぎりは、この発明の範囲をそれ
に限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。1
は脱塩素を行なうロータリーキルン(脱塩素手段)で、
廃プラスチック供給ライン6より供給された廃プラスチ
ックPと400〜950℃に高温加熱した循環砂Sを押
し出し混合させながら、前記廃プラスチックPを温度2
50〜350℃に加熱する。この結果、廃プラスチック
P中の塩素は約95%以上を分離してキルン1上部に設
けたHClリッチガス抜出しライン8よりHCl主成分
のガスが取り出され、不図示の吸収槽により水、又はア
ルカリ吸収液で回収する(図2の場合)とともに、循環
砂Sと脱塩素されたプラスチックPとの混合物(脱塩素
処理物)はスクリューコンベア等からなる抜出しライン
9を介して熱分解手段2に供給される。尚、脱塩素手段
1は廃プラスチックPを温度250〜350℃に加熱す
る為に、HClリッチガス抜出しライン8より取り出さ
れたガスは、HClの他に低沸点油と低分子ガスも含ま
れるために、これらが第2気液手段5で回収した方が、
好ましい。そこで図1に示すようにHClリッチガス抜
出しライン8を未凝縮ガス抜出しライン13に接続し、
該ライン13を介して第2の気液分離手段5に導入する
ように構成している。
を詳細に説明する。但し、この実施形態に記載されてい
る構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特
に特定的な記載がないかぎりは、この発明の範囲をそれ
に限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。1
は脱塩素を行なうロータリーキルン(脱塩素手段)で、
廃プラスチック供給ライン6より供給された廃プラスチ
ックPと400〜950℃に高温加熱した循環砂Sを押
し出し混合させながら、前記廃プラスチックPを温度2
50〜350℃に加熱する。この結果、廃プラスチック
P中の塩素は約95%以上を分離してキルン1上部に設
けたHClリッチガス抜出しライン8よりHCl主成分
のガスが取り出され、不図示の吸収槽により水、又はア
ルカリ吸収液で回収する(図2の場合)とともに、循環
砂Sと脱塩素されたプラスチックPとの混合物(脱塩素
処理物)はスクリューコンベア等からなる抜出しライン
9を介して熱分解手段2に供給される。尚、脱塩素手段
1は廃プラスチックPを温度250〜350℃に加熱す
る為に、HClリッチガス抜出しライン8より取り出さ
れたガスは、HClの他に低沸点油と低分子ガスも含ま
れるために、これらが第2気液手段5で回収した方が、
好ましい。そこで図1に示すようにHClリッチガス抜
出しライン8を未凝縮ガス抜出しライン13に接続し、
該ライン13を介して第2の気液分離手段5に導入する
ように構成している。
【0030】熱分解手段2は砂、添加剤、廃プラスチッ
クPを均一に混合できる攪拌槽からなり、添加剤供給ラ
イン10より供給された添加剤Tと、循環砂供給ライン
11より供給された500〜950℃の高温の循環砂S
を、抜出しライン9より供給された脱塩素処理物ととも
に混合し、温度350〜500℃に、好ましくは400
〜480℃に保持しながら加熱分解を行なう。
クPを均一に混合できる攪拌槽からなり、添加剤供給ラ
イン10より供給された添加剤Tと、循環砂供給ライン
11より供給された500〜950℃の高温の循環砂S
を、抜出しライン9より供給された脱塩素処理物ととも
に混合し、温度350〜500℃に、好ましくは400
〜480℃に保持しながら加熱分解を行なう。
【0031】次に、前記熱分解手段2には熱分解生成物
が蒸発する出口部2aに第1の気液分離手段4が取り付
けられ、又該第1気液分離手段のガス出口側は未凝縮ガ
ス抜出しライン13を介して第2の気液分離手段5が直
列接続されている。この結果、前記熱分解手段2で発生
したガス状熱分解生成物の内、低分子ガス、ガス状の低
沸点油(例えば沸点250℃以下)、高沸点油(例えば
沸点250℃以上)は出口部2aから取り出され第1気
液分離手段4により約200〜250℃に冷却すること
により高沸点油等の凝縮液を出口部2aより熱分解手段
2に戻入循環させる。
が蒸発する出口部2aに第1の気液分離手段4が取り付
けられ、又該第1気液分離手段のガス出口側は未凝縮ガ
ス抜出しライン13を介して第2の気液分離手段5が直
列接続されている。この結果、前記熱分解手段2で発生
したガス状熱分解生成物の内、低分子ガス、ガス状の低
沸点油(例えば沸点250℃以下)、高沸点油(例えば
沸点250℃以上)は出口部2aから取り出され第1気
液分離手段4により約200〜250℃に冷却すること
により高沸点油等の凝縮液を出口部2aより熱分解手段
2に戻入循環させる。
【0032】又、前記ライン13からは低分子ガスと低
沸点油が得られ、コンデンサ若しくは気液接触装置等の
第2気液分離手段5で約30℃に冷却して低沸点留分凝
縮液抜出しライン15より低沸点油Oを得、更に未凝縮
の低分子ガスは、低分子ガス抜出しライン16より残渣
焼却手段3に送出される。
沸点油が得られ、コンデンサ若しくは気液接触装置等の
第2気液分離手段5で約30℃に冷却して低沸点留分凝
縮液抜出しライン15より低沸点油Oを得、更に未凝縮
の低分子ガスは、低分子ガス抜出しライン16より残渣
焼却手段3に送出される。
【0033】前記第2の気液分離手段5はコンデンサで
構成する事も出来るが、例えば図1及び図2に示すよう
に、垂直塔の底部より順にリボイラ53、下方気液接触
部(低分子ガス放散部)51A、上方気液接触部(低沸
点油回収部)51B、及び冷却部52からなるほぼ垂直
塔体で構成するとともに、未凝縮ガス抜出しライン13
を上方気液接触部51Bと下方気液接触部51A間に接
続して構成するのがよい。そして第2の気液分離手段5
底部よりライン15を介して抜き出された低沸点油は冷
却器22により冷却した後、再利用されるが、その一部
が分岐ライン15’を介して第1の気液分離手段4の液
分散器42に供給される。
構成する事も出来るが、例えば図1及び図2に示すよう
に、垂直塔の底部より順にリボイラ53、下方気液接触
部(低分子ガス放散部)51A、上方気液接触部(低沸
点油回収部)51B、及び冷却部52からなるほぼ垂直
塔体で構成するとともに、未凝縮ガス抜出しライン13
を上方気液接触部51Bと下方気液接触部51A間に接
続して構成するのがよい。そして第2の気液分離手段5
底部よりライン15を介して抜き出された低沸点油は冷
却器22により冷却した後、再利用されるが、その一部
が分岐ライン15’を介して第1の気液分離手段4の液
分散器42に供給される。
【0034】一方、熱分解手段2で生成した固体状の熱
分解残渣(炭素質)、固型異物、液化しなかった熱硬化
性樹脂は熱分解残渣混合物抜出しライン17より、スク
リューフィーダー等で取り出し、残渣焼却手段3に導入
する。
分解残渣(炭素質)、固型異物、液化しなかった熱硬化
性樹脂は熱分解残渣混合物抜出しライン17より、スク
リューフィーダー等で取り出し、残渣焼却手段3に導入
する。
【0035】前記第1気液分離手段4は図1に示すよう
に、気液接触部としての充填塔若しくは段塔その他の蒸
留塔41の上方側にスプレーノズル等の液分散器42を
配設して構成し、前記液分散器42に供給する液とし
て、第2の気液分離手段5に分離され、冷却器22によ
り冷却された低沸点油を分岐ライン15’を用いて供給
するように構成している。
に、気液接触部としての充填塔若しくは段塔その他の蒸
留塔41の上方側にスプレーノズル等の液分散器42を
配設して構成し、前記液分散器42に供給する液とし
て、第2の気液分離手段5に分離され、冷却器22によ
り冷却された低沸点油を分岐ライン15’を用いて供給
するように構成している。
【0036】残渣焼却手段3は気泡流動床又は高速循環
流動床で構成され、燃焼用空気供給ライン18より空気
Aを導入し砂を媒体とする流動床を形成せしめ、温度を
500〜950℃、好ましくは750〜950℃に保持
し、ライン17中の有機物を完全燃焼させ、更に必要に
応じて二次空気の導入によりその排ガスを850〜95
0℃に昇温させて、燃焼排ガス取出しライン21からは
燃焼排ガスGを取り出し、必要に応じて排ガス処理を行
う。
流動床で構成され、燃焼用空気供給ライン18より空気
Aを導入し砂を媒体とする流動床を形成せしめ、温度を
500〜950℃、好ましくは750〜950℃に保持
し、ライン17中の有機物を完全燃焼させ、更に必要に
応じて二次空気の導入によりその排ガスを850〜95
0℃に昇温させて、燃焼排ガス取出しライン21からは
燃焼排ガスGを取り出し、必要に応じて排ガス処理を行
う。
【0037】一方、残渣焼却手段3で焼却しきれなかっ
た金属やガラス等の不燃物Fは不燃物抜出しライン19
より取り出す。又、750〜950℃に加熱された流動
床中の砂の一部は砂取出しライン20によりライン1
1、7を介して脱塩素手段1及び熱分解手段2に再循環
使用する。この装置により、高温の砂を容易に循環使用
できる。
た金属やガラス等の不燃物Fは不燃物抜出しライン19
より取り出す。又、750〜950℃に加熱された流動
床中の砂の一部は砂取出しライン20によりライン1
1、7を介して脱塩素手段1及び熱分解手段2に再循環
使用する。この装置により、高温の砂を容易に循環使用
できる。
【0038】又循環砂Sの熱量が不足する場合は、低分
子ガス抜出しライン16の低分子ガス又は低沸点留分凝
縮液抜出しライン15の油Oの一部を残渣焼却手段3の
燃料として使用することができる。
子ガス抜出しライン16の低分子ガス又は低沸点留分凝
縮液抜出しライン15の油Oの一部を残渣焼却手段3の
燃料として使用することができる。
【0039】
【発明の効果】以上記載した如く本発明によれば、前記
熱分解手段の効率化とともに低沸点で高品質の油の収率
を増大させることができ、社会的に極めて有用である。
熱分解手段の効率化とともに低沸点で高品質の油の収率
を増大させることができ、社会的に極めて有用である。
【図1】本発明の実施例に係る廃プラスチックからの油
回収装置を示す概略図である。
回収装置を示す概略図である。
【図2】図1の変形例を示す油回収装置を示す概略図で
ある。
ある。
1 脱塩素手段 2 熱分解手段 3 残渣焼却手段 4 第1気液分離手段 5 第2気液分離手段 20 攪拌槽 41 気液接触部 42 液分散部 51A 下方気液接触部(低分子ガス放散部) 51B 上方気液接触部(低沸点油回収部) 52 冷却部 53 リボイラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C10G 1/10 B09B 3/00 302 B29B 17/00 C08J 11/12
Claims (4)
- 【請求項1】 廃プラスチックから所定の前処理により
若しくはそれ自体の組成により実質的に塩素を除去する
手段と、 該塩素が 除去された廃プラスチックに、高温の砂及び/
又は廃プラスチックの熱分解で生成するワックスを分解
促進させる触媒を添加し、温度略350〜500℃に加
熱することにより、ガス状の高沸点油、低沸点油及び低
分子ガスから成る熱分解生成物と固体状の熱分解残渣を
製造する熱分解手段と、 前記熱分解手段により得た熱分解生成物を液体の高沸点
油と気体の低沸点油と低分子ガスに分離し、高沸点油を
前記熱分解手段に還流する第1の気液分離手段と、 前記第1の気液分離手段により得た気体の低沸点油と気
体の低分子ガスを 液体の低沸点油と気体の低分子ガスに
分離する第2の気液分離手段とを具え、 前記第1の気液分離手段と第2の気液分離手段と を直列
に接続するとともに、 前記第2の気液分離手段を、塔内に上下に配列した複数
の気液接触部を有する塔体で構成し、第1の気液分離手
段通過後のガス状熱分解生成物を、両気液接触部間に導
入した事を特徴とする廃プラスチックからの油回収装
置。 - 【請求項2】 廃プラスチックから所定の前処理により
若しくはそれ自体の組成により実質的に塩素を除去する
手段と、 該塩素が除去された廃プラスチックに、高温の砂及び/
又は廃プラスチックの熱分解で生成するワックスを分解
促進させる触媒を添加し、温度略350〜500℃に加
熱することにより、ガス状の高沸点油、低沸点油及び低
分子ガスから成る熱分解生成物と固体状の熱分解残渣を
製造する熱分解手段と、 前記熱分解手段により得た熱分解生成物を液体の高沸点
油と気体の低沸点油と低分子ガスに分離し、高沸点油を
前記熱分解手段に還流する第1の気液分離手段と、 前記第1の気液分離手段により得た気体の低沸点油と気
体の低分子ガスを液体の低沸点油と気体の低分子ガスに
分離する第2の気液分離手段とを具え、 前記第1の気液分離手段と第2の気液分離手段とを直列
に接続するとともに、 前記第1の気液分離手段を、気液接触部とその上方側に
配した液分散部で構成 し、前記液分散部に供給する液と
して、第2の気液分離手段により分離且つ冷却された低
沸点油を用いたことを特徴とする 廃プラスチックからの
油回収装置。 - 【請求項3】 前記第1の気液分離手段を、気液接触部
とその上方側に配した液分散部で構成し、前記液分散部
に供給する液として、第2の気液分離手段により分離且
つ冷却された低沸点油を用いたことを特徴とする請求項
1記載の廃プラスチックからの油回収装置。 - 【請求項4】 廃プラスチックを温度250〜350℃
に加熱することにより、実質的に塩素が除去された廃プ
ラスチックから成る処理物を製造する脱塩素手段と、 前記脱塩素手段の処理物に、高温の砂及び/又は廃プラ
スチックの熱分解で生成するワックスを分解促進させる
触媒を添加し、温度略350〜500℃に加熱すること
により、ガス状の高沸点油、低沸点油及び低分子ガスか
ら成る熱分解生成物と固体状の熱分解残渣・砂混合物を
製造する熱分解手段と、 を含む廃プラスチックからの油回収装置において前記熱
分解手段の熱分解生成物を液体の高沸点油と気体の低沸
点油と低分子ガスに分離し、高沸点油を熱分解手段に還
流する第1の気液分離手段と、 前記第1の気液分離手段により得た気体の低沸点油と気
体の低分子ガスを液体の低沸点油と気体の低分子ガスに
分離する第2の気液分離手段とをラインを介して直列に
接続するとともに、前記脱塩素手段より排出された含塩
素ガス又は該ガス中の塩素を除去した後の残りのガスを
第2の気液分離手段入口側ラインに導入したことを特徴
とする廃プラスチックからの油回収装置。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6904996A JP3297296B2 (ja) | 1996-02-29 | 1996-02-29 | 廃プラスチックからの油回収装置 |
PCT/JP1997/000572 WO1997031990A1 (fr) | 1996-02-27 | 1997-02-27 | Procede et appareil de recuperation d'huile a partir de dechets plastiques |
EP19970903616 EP0823469B1 (en) | 1996-02-27 | 1997-02-27 | Method and apparatus for recovering oil from waste plastic |
US08/945,458 US6011187A (en) | 1996-02-27 | 1997-02-27 | Method and apparatus for reclaiming oil from waste plastic |
DE1997636263 DE69736263T2 (de) | 1996-02-27 | 1997-02-27 | Methode und apparat zur wiedergewinnung von öl aus plastikabfällen |
US09/438,307 US6172271B1 (en) | 1996-02-27 | 1999-11-12 | Method and apparatus for reclaiming oil from waste plastic |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6904996A JP3297296B2 (ja) | 1996-02-29 | 1996-02-29 | 廃プラスチックからの油回収装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09235562A JPH09235562A (ja) | 1997-09-09 |
JP3297296B2 true JP3297296B2 (ja) | 2002-07-02 |
Family
ID=13391341
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6904996A Expired - Fee Related JP3297296B2 (ja) | 1996-02-27 | 1996-02-29 | 廃プラスチックからの油回収装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3297296B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3808646B2 (ja) * | 1998-03-02 | 2006-08-16 | 株式会社東芝 | 熱処理方法 |
WO2024209851A1 (ja) * | 2023-04-07 | 2024-10-10 | アースリサイクル株式会社 | 材料再生方法、及び、材料再生装置 |
-
1996
- 1996-02-29 JP JP6904996A patent/JP3297296B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09235562A (ja) | 1997-09-09 |
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