JPS6012868Y2 - シヤツタ−手動用チエンの天井面操作口の構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、火災等の非常時に建物内に入って消火活動
等ができるように、外部よりシャッターを開くために天
井面に設けられるシャッター手動用チェンの操作口の構
造に関する。

シャッターにおいて非常時に使用きれる手動用チェノは
、通常シャッターケース内に収納して保管されており、
必要な時にはシャッターケース内壁に開設した操作口の
蓋を開き、この操作口より引き出して垂下させシャッタ
ー巻上操作を行うようになっている。

このため、操作口の開蓋と同時にシャッターケース内の
手動用チェノが頭上に落下してきたり、操作口より手を
差し込んで手動用チェノを引き出そうとしたとたんに手
動用チェノが落下する等の危険があった。

そこで、従来においては、操作口の蓋の裏面にポケット
を設け、開蓋時に手動用チェノの端部がポケット内に収
納されるようにし、しかる後に、ポケットから手動用チ
ェノを繰り出して垂下させ、シャッター巻上操作を行う
ようにしたものが提案されている。

しかしながら、このような従来のシャッター手動用チエ
ンの操作口の構造においては、操作口の開蓋時においで
手動用チェノの急激な落下を完全に防止することはでき
ても、操作口の開蓋操作に加えてポケット内から手動用
チェノを繰り出す操作が必要になり、しかも、開放した
蓋の裏面に設けたポケットまでは地上から手が届かず、
手動用チェノの繰出操作の際に脚立等の高い踏台が必要
になり、足場が不安定になる等によって、操作口を開蓋
してから垂下された手動用チェノを操作してシャッター
巻上操作をするまでに手間どり、早期の鎮火等の処置が
とれなくなって大事に至る虞れがあつた。

この考案は、かかる観点に鑑み、シャッター手動用チエ
ンの操作口を天井面に設けると共に、この操作口の蓋体
裏面に手動用チェノを格納し、蓋体開時にこの蓋体がゆ
っくり開放して手動用チェノを安全に、かつ、唯一の操
作で垂下させることができるようにしたシャッター手動
用チェンの天井面操作口の構造を提供するものである。

以下、添付図面に示す実施例に基づいて、この考案を詳
細に説明する。

第１図において、軒等の天井面に設けられ、天井スラブ
１に取付けられた電動式シャッター２の手動用チェノ３
の天井面操作口４の構造が示されている。

この天井面操作口４の構造は、天井板５に開設された天
井面開口６内に嵌め込まれ、適宜の手段で止着された矩
形の外枠７と、一端がこの外枠７に軸支され他端が回動
して天井面操作口４を開閉する蓋体８と、この蓋体８の
裏面に形成され、平常時には上記手動用チェノ３を載置
して格納する受台９と、蓋体８の回動端側に位置する外
枠７上部に設けられてこの蓋体８を常時閉状態に維持す
るロック装置１０と、外枠７と蓋体８との間に設けられ
て蓋体８開時にこの蓋体８を受台９上に載置された手動
用チェノ３の重量に抗してゆっくりと開放させるダンパ
ー１１とで構成されている。

この実施例において、外枠７は、外側を凸面とする断面
略々円弧状の主縁部１２とこの主縁部１２の下端に形成
された外向突縁１３とを有する四つの枠体１４を枠組し
て形成されており、この外枠７は、その外向突縁１３が
天井面開口６の開口縁部と外枠７外側面との間に生じる
間隙を穏蔽するように、天井面開口６内に取付けられて
いる。

又、外枠７内に設けられる蓋体８は、下端に内向突縁１
５を有する内枠１６とこの内枠１６内に嵌め込まれて内
向突縁１５上に載置され断面略々円弧状のスペーサ１７
によって押圧固定されている蓋板１８とからなり、スペ
ーサ１７上面には平板状の受台９が設けられている。

外枠７あるいは蓋体８の内枠１６の上部は受台９上面よ
り幾分上方に突出しており、これによって受台９上面に
手動用チェノ３を載置して格納する際にこの手動用チェ
ノ３が受台９上面から天井板５上面側にずれたりするこ
とがないようにしである。

更に、受台９上面には、その回動端側（即ち、蓋体８の
回動端側）に滑走板１９が斜設されており、この滑走板
１９は蓋体８開時に所定位置で略々水平な姿勢をとり、
受台９上に載置された手動用チェノ３の滑走を制御した
り又所定位置に静かに落下させる作用をするほか、手動
用チェノ３の落下方向を案内して落下時この手動用チェ
ノ３が大きく振れるようなことがないようにしている。

この滑走板１９の傾斜角度は、適宜選択できるものであ
るが、手動用チェノ３が垂下する位置等を考慮し、蓋体
８の開動作の過程においてこの手動用チェノ３がまつす
ぐに垂下した際にほぼ水平な姿勢になって手動用チェノ
３の端部が滑走板１９上に停止し、その後に落下させる
ような角度にするのがよい。

又、外枠７と蓋体８との間に設けられるダンパー１１は
、一端が外枠７に設けたブラケット２０に回動自在に軸
支され、他端が蓋体８の内枠１６に設けたブラケット２
１に回動自在に軸支されている。

このダンパー１１は、蓋体８開時にこの蓋体８をゆつく
りと開放させるようなものであれば如何なるタイプのも
のであってもよいが、ロック装置１０のロック解除によ
って蓋体８を強制的に開放する機能を備えているもので
あれば、蓋体８と外枠７との間にゴミ等がつまってもこ
の蓋体８を強制的に開くことができるので好都合である
。

次に、上記実施例において蓋体８を閉状態に維持するた
めに使用されているロック装置１０は、第２図及び第３
図に示すように、外枠７側に設けられたロック機構Ｒと
蓋体８側に設けられたストライカＳと一端がロック機構
Ｒに連結され他端が天井板５を貫通して天井面表側に露
出するロック解除索２２とからなり、上記ロック機構Ｒ
は、蓋体８の回動端側に、位置する外枠７の枠体１４上
部に設けられた支持ブラケット２３によって支持された
ケーシング２４と、このケーシング２４内に収納され、
常時スプリング２５によって先端がケーシング、２４よ
り外枠７の内方に回けて突出し、蓋体８の閉時にストラ
イカＳと係合するラッチ２６と、このラッチ２６に対し
て常時係合し、ラッチ２６のケーシング２４からの出没
を許容すると共にラッチ２６の回転を静止するロック杆
２７と、上記ロック解除索２２の一端が連結され、この
ロック解除索２２を引いた際にロック杆２７を後退させ
てラッチ２６との係合を解除し、ラッチ２６の回転をフ
リーにする作動片２８とで形成されており、又、ラッチ
２６においてケーシング２４から突出した部分は、上面
が略々水平になっていて下面が斜面となっており、下方
からストライカＳが接近してラッチ２６に当接した際に
ストライカＳによってラッチ２６が後退して再びラッチ
２６とストライカＳとが係合し、蓋体８を閉状態に復帰
させることができるようになっている。

従って、この実施例の天井面操作口４の構造によれば、
火災等の非常時に停電して、電動式シャッター２の図示
外の電動機が作動しないような場合でも、天井板５の表
面側に露出したロック解除室２２の先端をとび口等で引
っ掛けて引つ張れば、ロック装置１１のロックが解除さ
れ、天井面操作口４の蓋体８はダンパー１１によって制
動されながらゆっくりと開き始め、第４図に示すように
開放される。

このとき、蓋体８裏面の受台９上に載置格納された手動
用チェノ３は、蓋体８が回動して受台９が徐々に傾斜す
るにつれ、徐々に蓋体８の回動端側に向けて受台９上を
滑り、更に、滑走板１９によって案内され、かつ、その
滑走速度を制御されながらこめ滑走板１９の先端に移動
し、そこから落下する。

手動用チェノ３の端部は少くとも操作者の手が届く高さ
にまで垂下し、操作者はこの手動用チェノ３を操作して
シャッター２を手動で巻き上げることができる。

又、天井面より垂下した手動用チェノ３を蓋体８の受台
９上に載置格納する場合には、先ず、少くとも滑走板１
９が略々水平になるまで蓋体８を押し上げ、受台９ある
いは滑走板１９上に手動用チェノ３をたぐり上げて載置
し、しかる後にこの蓋体８が完全に閉じるまで蓋体８を
押し上げれば、蓋体８側に設けられたストライカＳがロ
ック機構Ｒのラッチ２６と係合し、蓋体８は再びロック
装置１０により閉状態に保持される。

尚、上記実施例において、ロック装置１０のロックを解
除する手段としては、天井板５表面側に露呈するロック
解除室２２を示したが、これに限定されるものではなく
、例えば、突き上げられてロック装置１０のロックを解
除するロック解除杆の先端部を天井面に開設した開口内
に臨ませ、この開口の天井面側には非常時に突き破られ
る赤色のカバー等を設けるようにしたものでもよく、又
、蓋体８の回動端側を一度上方に押し上げることによっ
てロックが解除されるようなロック装置であってもよい
。

更に、ロック装置１０のロックを解除する手段を電動式
シャッター２とは電源を別にする警報装置（図示せず）
のスイッチに接続し、この警報装置を管理人室に備えつ
けたり、近隣の人が常時駐在する場所に設置し、非常事
態が発生してロック解除手段が操作されたときにはこの
非常事態をいちはやく管理人等に知らせるようにするこ
ともでき、このようにしておけばたとえロック解除手段
が建物外部から操作できるようになっていても盗難防止
になる。

又、ロック装置１０についても、上記実施例の場合に固
定されるものではなく、ストライカＳとロック機構Ｒと
ロック解除手段とからなり、このロック解除手段によっ
て非常時にロックを解除することができ、又、蓋体８を
閉じたときにストライカＳがロック機構Ｒのラッチ２６
と係合して再び蓋体８を閉状態に維持できるようなもの
であれば如何なるタイプのものであってもよい。

更に、外枠７や蓋体８の構造についても上記実施例の場
合に限定されるものではなく、ロック装置１０やダンパ
ー１１を取付けることができるようなものであればよい
。

以上の通り、この考案は、非常時に使用する手動用チェ
ノを備えたシャッター付近の天井面に天井面開口を設け
、この天井面開口には外枠とこの外枠に軸支されて開閉
する蓋体を設け、この蓋体の裏面に手動用チェノの受台
を形成すると共に外枠と蓋体の間にロック装置とダンパ
ーとを設け、非常時ロック装置のロックを解除した際に
蓋体がゆっくり開いて手動用チェノを落下させるように
したので、ロック装置のロック解除手段を操作してから
蓋体の受台上に格納した手動用チェノが落下してくるま
で一定の間があり、しかも、受台上の手動用チェノは、
受台が傾斜するにつれてこの受台上面をするすると滑り
、受台の回動端側端部よりずり落ちるものであるから、
急激に落下することがなく、火災等や非常時に操作者が
慌ててロック解除手段を操作しても安全に、かつ、確実
に手動用チェノを垂下させることができ、この手動用チ
ェノを操作してシャッターを巻き上げることができる。

更に、従来のこの種の手動用チェノの操作口とは異なり
、手動用チェノを垂下させてシャッターの巻き上げ操作
が可能になるまでにロック解除手段の操作だけでよく、
このロック解除手段の操作も地上から簡単に行うことが
できるので脚立等の高い踏台を必要とせず、ロック解除
手段の操作からシャッター巻き上が操作までを迅速に、
かつ、確実に操作することができ、シャッターのために
消防士等の建物内への侵入が遅れて大事に至るというよ
うなことがなくなる。

尚、上記実施例においては、電動式シャッターの手動用
チェノの天井面操作口を例にして説明したが、手動式シ
ャッターにおいても非常時外部から操作するための手動
用チェノの天井面操作口についても適用でき、更に、こ
の天井面操作口は建物内部の天井面に設けて非常時に停
電した際に脱出のために利用することもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例に係るシャッター手動用チェ
ンの天井面操作口の構造を示す断面図、第２図及び第３
図は第１図の天井面操作口に使用されているロック装置
を示す説明図、第４図は第１図の天井面操作口の蓋体を
開いた状態を示す第１図と同様の断面図である。 ２・・・・・・・電動式シャッター、３・・・・・・手
動用チェノ、４・・・・・・天井面操作口、６・・・・
・・天井面開口、７・・・・・・外枠、訃・・・・・蓋
体、９・・・・・・受台、１０・・・・・・ロック装置
、１１・・・・ダンパー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 非常時に使用する手動用チェノを備えたシャッター付近
   の天井面に天井面開口を設け、この天井面開口には外枠
   を嵌め込んで止着すると共に一端が外枠に軸支されて他
   端が回動開閉する蓋体を設け、この蓋体の裏面には上記
   手動用チェノを載置する受台を形成し、上記外枠と蓋体
   との間には蓋体を常時閉状態に維持するロック装置を設
   けると共に蓋体開時にこの蓋体をゆつくりと開放させる
   ダンパーを設け、非常時ロック装置のロックを解除した
   際に蓋体がゆっくりと開放して手動用チェノを落下させ
   るようにしたことを特徴とするシャッター手動用チエン
   の天井面操作口の構造。