JPS6012765Y2 - 自動車のキ−シリンダ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はイグニッションスイッチを内蔵しこれを操作す
るための自動車用キーシリンダの改良に関する。

周知の如く、自動車のキーシリンダの取り付は位置は大
別して２箇所であって、その１つは、ステアリングシャ
フトの周囲、他の１つはインストルメントパネルである
。

ステアリングシャフトの周囲にキーシリンダを取り付け
る場合には、シリンダ錠は従来はとんど例外なくステア
リングシャフトに対して直交方向に配置されており、そ
のため、シリンダ錠のロータのキ一孔は運転者に対向せ
ず運転者の側部に位置するドアーの方向を向くことにな
る。

したがって、この型式のものは、運転者にとっては、キ
一孔が見にくく、したがってキーが多少差し込みにくい
という難点がある。

一方、インストルメントパネルに取り付けられたキーシ
リンダにおいては上記の如き難点はないものの、前者の
型式のものに比較して、キーシリンダの取り付は位置が
運転者から遠くなるため、この点においてキー操作がし
にくいという難点がある。

本考案は上記両型式の何れの難点も解消された自動車の
キーシリンダを提供するものである。

すなわち本考案は、キーシリンダ自体は運転者に比較的
近いステアリングシャフトの周囲に取り付けるが、シリ
ンダ錠はそのロータのキ一孔カ運転者に見易いように該
運転者に略対向するように配置し、しかも、上記シリン
ダ錠の配置に帰因するキーの回転操作のやりにくさを解
消するため、ステアリングシャフトに対して略直交する
軸を中心として回転させることにより、スイッチ機構を
操作する操作部材を新たに付設したものである。

以下に、本考案を図示の実施例について具体的に説明す
る。

第１，２図に第１実施例を示している。

図において１はステアリングシャフト、２は該ステアリ
ングシャフト１の外周に設けたカバーである。

そしてこのカバー２に、キーシリンダ３のボデー４をそ
の脚６ａ、６ｂを介して固定している。

このボデー４のカバー２に対する固定位置は、通常一般
に設けられるところ、すなわち、ステアリングホイル（
図示しない）に比較的近いところでかつ運転席からイン
ストルメントパネルに向って、図示の如く右側のところ
である（尤も運転席が右側にある場合）。

上記ボデー４は、軸心０′がステアリングシャフト１の
軸心Ｏ′と平行な貫通孔５を備えている。

そして、この貫通孔５内にかつ軸心Ｏ′沿いに、ロータ
１１をそのケース７に回転自在に嵌め込んでなるシリン
ダ錠８、上記ロータ１１と一体的に回転する伝達部材１
４、該伝達部材１４と一体的に回転する今１つの伝達部
材１５、該伝達部材１５の回転によりスイッチング動作
されるスイッチｉ構（イグニッションスイッチやスター
タスイッチよりなる）１６を設けている。

上記ロータ１１は、従来のものと同様、キー１０の差し
込まれるキ一孔９並びにタンブラ１２を備えており、キ
一孔９に適合するキー１０を差し込んだ際、タンブラ１
２はロータ１１内に引っ込んで回転可となり、第２図に
示す如く、ロータケース７に対して、ステアリングシャ
フト１をロックするための位置（ＬＯＣＫ）から、イグ
ニッションスイッチのＯＦＦ位置すなわちアクセサリス
イッチのＯＮ位置（ＡＣＣ）およびイグニッションスイ
ッチのＯＮ位置（ＯＮ）を経て、スタータスイッチのＯ
Ｎ位置（ＳＴＡＲＴ）までの間を回転し得る。

尚、キ一孔９は運転者に丁度対向する位置になる。

ロータ１１と伝達部材１４の連結は、ロータ１１の端部
突起１３を伝達部材１４の端部凹部１４ａに嵌合せしめ
ることにより行っている。

また、２つの伝達部材１４と１５は一体成形されており
、その間には、傘歯車２２を一体的に設けている。

したがって、キー操作によってロータ１１をそのケース
７に対して回転させることにより、２つの伝達部材１４
．１５を介してスイッチｊ６を０Ｎ−ＯＦＦさせること
ができる。

ステアリングをロックするための機構は、従来のものと
同様で、ステアリングシャフト１に対して直交方向に移
動可に、ロックパー２３がボデー４並びにその脚６ｂに
設けた直交方向の孔１８内に収納されるとともに、伝達
部材１５がロックパー２３の孔２３ａ内を貫通するよう
になっている。

また、このロックパー２３は、該ロックパー２３とボデ
ー壁間に設けたスプリング２４によっテ、ソの突部２３
ｂがステアリングシャフト１のロック溝１ａに向けて突
出すべく常時付勢されている。

したがって、ロータ１１がロータケース７に対してロッ
ク位置（ＬＯＣＫ）に存する際には、ロックパー２３が
スプリング２４の付勢力により押されて、その端部２３
ｂが、図示の如く、ステアリングシャフト１のロック溝
１ａに嵌入腰ステアリングシャフト１をロックする。

一方、図示しないが、ロータ１１がロータケース７に対
してロック位置以外の位置に回転すると、伝達部材１５
の周囲に形成されたカム部１５ａがロックパー２３をス
プリング２４の付勢力に抗してステアリングシャフト１
から遠去ける方向に移動せしめ、ステアリングシャフト
１に対するロックを解除する。

さて、このキーシリンダ３のボデー４には、上記貫通孔
５換言すればステアリングシャフト１に対して直交する
方向に孔５ａが設けられており、上記伝達部材１５に一
体化された傘歯車２２に噛合する傘歯車２１を備えた操
作部材１７がこの孔５ａ内に収納されている。

そして、この操作部材１７には、ディスク状ノブ２０が
孔５ａの外側に設けられている。

したがって、このノブ２０をステアリングシャフト１に
対する直交軸Ｏ″を軸中心として回転させると、伝達部
材１５が傘歯車２１、伝達部材１５の傘歯車２２を介し
て回転する。

尤も、伝達部材１５は、伝達部材１４並びにロータ１１
と共に一体回転するようになっているので、キー１０が
ロータ１１のキ一孔９内に差し込まれて解錠されていな
い限りはロータ１１自体が回転しないので、操作部材１
７も当然に回転しない。

上記構成のキーシリンダによると、シリンダ錠８のロー
タ１１のキ一孔９が運転者に対して丁度対向するので、
運転者は、運転席に正姿勢で座ったままでキ一孔９の位
置を視覚で容易に確認できた後には、回転操作の容易な
操作部材１７のノブ２０を回転操作することにより、ス
イッチ１６のスイッチング動作を行うことができる。

尤も、キー１０自体を回転せしめることによってスイッ
チ１６のスイッチング動作を行うこともできるが、運転
車の座姿勢との関係で操作部材１７による方が操作がや
り易い。

上記第１，２図についての第１実施例は、キーシリンダ
３のシリンダ錠８の軸心Ｏ′がステアリングシャフト１
の軸心Ｏと平行な場合であるが、自動車の車種によって
、ステアリングホイルを取り付けるためのスポークの位
置やデザインは種々異なるので、シリンダ錠のロータの
キ一孔は、運転者に対して真正面を向いていることが、
限らずしも運転者に最も見易すかったりキーを最も差し
込み易いことにはならない。

第３図の第２実施例に示す如く、シリンダ錠８がその手
前側がステアリングシャフト１から遠去かる方向にステ
アリングシャフト１の軸心Ｏに対して任意の角度αだけ
傾斜している方がよい場合がある。

この場合も、ロータ１１のキ一孔９は、運転者に対して
真正面を向かないものの、運転者に対して一応対向して
いる。

すなわち、運転席に正姿勢で座ったままで、キ一孔９が
運転者の視角に十分大る。

第３図に示した実施例では、ボデー４のシリンダ錠８を
収納する部分のみが、シリンダ錠８の軸心Ｏ″′がステ
アリングシャフト１に対して角度αだけ傾斜すべく傾斜
している。

そしてこの場合は、第１実施例の如く、ロータ１１と伝
達部材１５とを直接連結することは困難であるので、ロ
ータ１１の端部に操作部材１７の傘歯車２１と噛合する
傘歯車２５を固定している。

したがって、ロータ１１は、傘歯車２５，２１．２２を
介して伝達部材１５に連結されることになる。

シリンダ錠８のステアリングシャフト１に対する角度α
は、傘歯車２５の歯すじ角を変えることによって任意に
変更し得る。

そして、シリンダ錠８の取付角αによって、伝達部材１
５並びにスイッチ１６は何ら位置的制限を受けることが
ない。

第２実施例の操作要領は第１実施例と何ら変わらない。

上記第１，２実施例では操作部材１７０回転軸Ｏ“はス
テアリングシャフト１の軸心Ｏに対して９０°に直交す
る軸であるが、この軸Ｏ“はステアリングシャフト１の
軸心Ｏに対して正確に９０°の直交軸でなくともよく、
略直交する軸であればよい。

以上実施例の具体的説明から明らかなように、本考案に
係る自動車のキーシリンダは、ステアリングシャフトの
周囲に固定するとともに、そのボデー内に収納されたス
イッチ機構のＯＮ・ＯＦＦ操作をするための機構と、同
じくボデー内に収納されたシリンダ錠を施錠・解錠する
ための機構とを一応分離して考え、シリンダ錠のロータ
のキ一孔を運転者に対して略対向せしめたので、キ一孔
に対するキーの差し込みが容易になるとともに、スイッ
チ機構の操作をなす操作部材の操作をステアリングシャ
フトに対する直交軸を回転中心とする回転運動としたの
で、スイッチ機構の操作自体も容易である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は第１実施
例に係るキーシリンダをステアリングシャフトの周囲に
固定した状態における断面図、第２図は第１図矢印Ｘ方
向に見た一部断面図、第３図は第２実施例の第１図に対
応する断面図である。 １・・・・・・ステアリングシャフト、３・・・・・・
キーシリンダ、４・・・・・・ボデー ７・・・・・田
−タケース、８・・・・・・シリンダ錠、９・・・・・
・キーＬ １０−−−−−−キー、１１・・・・・・
ロータ、１４，１５・・・・・・伝達部材、１６・・・
・・・スイッチ機構、１７・・・・・・操作部材、２０
・・・・・・ノブ、 ２１゜ ２２゜ ２５・・・・・・傘歯車、 ２３・・・・・・ロッ クバー。

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）ステアリングシャフトの周囲にボデーを固定する
   とともに、該ボデー内にシリンダ錠を、そのロータのキ
   一孔が運転者に略対向すべく、ステアリングシャフトに
   対して該シリンダ錠の軸線が平行若しくは運転者側がス
   テアリングシャフトから遠去かる態様で斜めに配置し、
   また同じくボデー内に、ステアリングシャフトおよび該
   シリンダ錠の軸線に対して略直交な軸を中心として外部
   より回転操作することが可能で、かつ、該回転操作によ
   りボデー内に収納された伝達部材を一体的に回転せしめ
   ることにより該伝達部材を介して、イグニッションスイ
   ッチやスタータスイッチ等よりなるボデー内に収納され
   在スイッチ機構のＯＮ・ＯＦＦ操作をなす操作部材を設
   け、さらに、上記伝達部材が上記シリンダ錠のロータと
   一体的に回転するようにしたことを特徴とする自動車の
   キーシリンダ。
2. （２）実用新案登録請求の範囲第１項記載の自動車のキ
   ーシリンダにおいて、上記操作部材並びに伝達部材は夫
   々相噛合する歯車を備えたことを特徴とするもの、
3. （３）実用新案登録請求の範囲第２項記載の自動車のキ
   ーシリンダにおいて、上記シリンダ錠はステアリングシ
   ャフトと平行に配置、され、かつ、上記シリンダ錠のロ
   ータと上記伝達部材とが今１つの伝達部材で連結された
   ことを特徴とするもの。
4. （４）実用新案登録請求の範囲第２項記載の自動車のキ
   ーシリンダにおいて、上記シリンダ錠はステアリングシ
   ャフトに対して、手前側がステアリングシャフトから遠
   去かる態様で斜めに配置され、そのロータは上記操作部
   材の歯車と噛合する歯車を備えたことを特徴とするもの
   。