JPS6010737Y2 - プレス装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、板金素材を絞り成形するプレス装置の改良に
関する。

従来の板金素材を絞り成形するプレス装置の一例を第１
図乃至第３図に就いて説明する。

１はプレス装置の下型であって、同下型の外周部には成
型時に板金素材２を後述のブランクホルダー６と協働し
て挾持するしわ抑え面３が設けられている。

４はプレス装置の上型であって、図示されない駆動装置
により上下方向に移動可能に設けられ上記下型１と協働
して板金素材２を所望の製品形状に絞り成形する。

さらに上記上型４の周囲には図示されない駆動装置によ
り同上型の側面５を上下方向に摺動するブランクホルダ
ー６が設けられており、同ブランクホルダーの下面７は
しわ抑え面３と対応する形状を有すると共に同しわ抑え
面と協働して板金素材２を挾持する。

上記しわ抑え面３は、全周略同じ平面上に設けた方がブ
ランクホルダー６が下降して板金素材２に当接するとき
全周略同時に当接するため下型１上の所定の位置に載置
された板金素材２の移動する虞れがなく好ましいが、製
品形状によってはしわ抑え面３を全周略同じ平面上に設
けようとするとプレス装置が大型化しかつ板金素材の歩
留りが悪くなるためしわ抑え面を全周略同じ平面上に設
けられない場合が多い。

例えば、第２図及び第３図に示すように、しわ抑え面３
の左側面８及び右側面９に比べて前側面１０が下方に設
けられている場合、下型１上の所定位置に載置されてい
る板金素材２をブランクホルダー６と下型１とで成形前
に挾持するとき、同ブランクホルダー６が下降すると、
まず最初にブランクホルダー６の前側面６′が板金素材
２に当接する。

さらに下降すると同板金素材は下方に押圧されて二点鎖
線で示すように移動し上記ブランクホルダー６の右下端
１１が板金素材２に当接する。

さらにブランクホルダー６が下降し下型１のしわ抑え面
３と協働して板金素材２を挾持するがこのとき板金素材
２の中央部が下方に膨出するように変形ししわ抑え面３
のの左側面８と右側面９との間に板金素材２が所望量以
上入り絞り成形時に製品にシワができたりまたブランク
ホルダー６と下型１とで板金素材２の適切かつ安定した
挟持ができなくなり同板金素材の大きさを大きくしなけ
ればならないという虞れがあった。

本考案は、上記不具合を解消するために創案されたもの
で、絞り成形時に板金素材の周縁部分を把持するブラン
クホルダーを有するプレスにおいて、上記周縁部分によ
り下方に押圧され、同押圧部が下方へ回動すると共に上
記周縁部が下方へ通過するのを許容する回動部材と、上
記回動部材の押圧部が上記周縁部分により上方へ押圧さ
れても、同押圧部が上方へ回動するのを阻止して、上記
板金素材の周縁部が上昇するのを防ぐ回転阻止部材とか
ら構成されたストッパ装置を上記ブランクホルダーの外
方に設けたことを特徴とするプレス装置を設けたことを
特徴とするプレス装置を要旨とするものである。

本考案によれば、ストッパ装置を設は成形部にブランク
ホルダーと上型又は下型と協働して板金素材を挟持する
ときに、同板金素材周縁の上方への移動を上記ストッパ
装置により防止するように構成したので、上記板金素材
の上方への移動が従来装置に比べて大巾に少なくなり、
製品にシワができたり又ブランクホルダーと上型又は下
型とで板金素材の適切かつ安定した挾持ができなくなる
という不具合が改善されるものである。

以下本考案の実施例を第４図及び第５図に就いて詳細に
説明する。

なお、従来構造と同−又は実質的に同一部分には同一符
号を付して説明は省略する。

１２は下型１のしわ抑え面３の左側面８外方かつ上方近
傍に設けられたストッパ装置であって、同ストッパ装置
は回動部材であるストッパレバー１９がゲージプレート
１３に植立されたボルト１４に自身の重心位置よりも第
４図右側を枢支されゲージプレート１３に固着された回
動阻止部材であるストッパプレート１５とストッパピン
１６との間を回動できるように構成されている。

さらに上記ゲージプレート１３にはゴム製のガイドロー
ラ１７がボルト１８により枢支されている。

なお、２０はゲージプレート１３を固着した台座であっ
て、図示されないボルトにより下型１に固着されている
。

板金素材２を下型１上に上方より搬入するときは、同板
金素材の端部をガイドローラ１７にほぼ当接するように
落下させることにより板金素材の左右方向の位置決めが
行なわれ、さらにストッパ装置１２の押圧部である右端
部１９に当接押圧し、同ストッパ装置を二点鎖線のよう
に時計方向に回転させ、板金素材２は下型１上に載置さ
れる。

次に板金素材２を成形部にブランクホルダー６と下型１
のしわ抑え面３とで挾持するときに、先ずブランクホル
ダー６の前側面６′により板金素材２が下方に押圧され
同板金素材の第４図左端部が上方に移動を開始する。

このときストッパ装置１２が下型１のしわ抑え面８の外
方かつ上方近傍に設けられているため、板金素材２の左
端部は同ストッパ装置の右端部１９下面に当接してスト
ッパ装置１２を第４図反時計方向に回転させるように押
圧するが、同ストッパ装置はストッパプレート１５によ
り反時計方向の回転を阻止されているので、板金素材２
の左端部は上方への移動を防止されるものである。

従って、板金素材２の下型１のしわ抑え面３内に所望量
以上入りすぎることがなく絞り成形時に製品にシワがで
きたり又ブランクホルダー６と下型１のしわ抑え面３と
で板金素材２の適切かつ安定した挟持ができなくなるよ
うな不具合が解消されるという効果を奏する。

なお、上記実施例ではブランクホルダー６は上型４の側
面５に摺動自在に設けられたプレス装置について説明し
たが、ブランクホルダー６が下型１の側面に摺動自在に
設けられたプレス装置又は下型１と上型４の両方の側面
に摺動自在に設けられたプレス装置の場合は、ストッパ
装置１２を下型１の側面に設けられたブランクホルダー
６に設ければ上記実施例と略同じ効果を奏する。

また、ストッパ装置１２は板金素材２を成形部にブラン
クホルダー６と上型４又は下型１とで挾持するとき同板
金素材の周縁の移動量が大きい場所近傍に適宜個数設け
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はプレス装置の下型のしわ抑え面のみを示す斜視
説明図、第２図は従来のプレス装置を示す第１図■−■
線に沿う断面図、第３図は第２図のプレス装置のブラン
クホルダーと下型１とで板金素材を挾持するときの板金
素材の移動を示す断面説明図、第４図は本考案の実施例
を示す第３図の■拡大断面図、第５図は第４図の平面図
を夫々示す。 １・・・・・・下型、２・・・・・・板金素材、３・・
・・・・しわ抑え面、４・・・・・・上型、６・・・・
・・ブランクホルダー １２・・・・・・ストッパ装置
、１３・・・・・・ゲージプレート、１５・・・・・・
ストッパプレート、１６・・・・・・ストッパピン、１
７・・・・・・ガイドローラ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 絞り成形時に板金素材の周縁部分を把持するブランクホ
   ルダーを有するプレスにおいて、上記周縁部分により下
   方に押圧され、同押圧部が下方へ回動すると共に上記周
   縁部が下方へ通過するのを許容する回動部材と、上記回
   動部材の押圧部が上記周縁部分により上方へ押圧されて
   も、同押圧部が上方へ回動するのを阻止して、上記板金
   素材の周縁部が上昇するのを防ぐ回転阻止部材とから構
   成されたストッパ装置を上記ブランクホルダーの外方に
   設けたことを特徴とするプレス装置。