JPS6222366Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は被転写物の傾斜した転写面に皺寄りな
く箔押しを行うことができる熱転写装置に関する
ものである。

箔付きフイルムの箔部を転写ロールをもつて被
転写物に転写するようにした従来の熱転写装置
は、被転写物の傾斜した被転写面に箔押ししよう
とすると案内ロールから送られる箔付きフイルム
に捩れが生じ、転写された箔部に皺寄りが生ずる
という問題点がある。

本考案はこのような問題点を解決した熱転写装
置を目的として完成されたもので、以下、図示の
実施例について詳細に説明する。

１はベース２上に設けられる往復台であつて、
該往復台１はベース２に取付けたシリンダ３のピ
ストンロツドに連結されてベース２上を左右方向
に往復動する。４は往復台１上に取付けられて被
転写物を載置できるようにした治具台で、該治具
台４はこれに取付けたシリンダ５により図示しな
い歯車機構を介し時計方向すなわち往復台１の進
行方向に傾倒自在になつている。６は治具台４の
上方に設けられてモータ７により昇降動するヘツ
ドで、該ヘツド６にシリンダ８をもつて昇降動さ
れる昇降部材９が適当数取付けられており、各昇
降部材９の下面には表面が珪素樹脂等の耐熱性弾
性体をもつて形成された転写ロール１０を前後方
向への首振りすなわち前記往復台１の移動方向と
直交する方向にシリンダ１０′をもつて傾動でき
るように設けるとともに該転写ロール１０と所要
の間隔をおいて箔付きフイルム支持用ロール１１
を設け、さらに該転写ロール１０と箔付きフイル
ム支持用ロール１１間には後記する昇降用シリン
ダ１３と傾動用シリンダ２０をもつて昇降動と傾
動が自在な箔付きフイルム用の案内ロール機構１
２が設けられている。すなわち、この案内ロール
機構１２は第２図、第３図から明らかなように、
前記昇降部材９に取付けられた昇降用シリンダ１
３をもつてガイド部材１４の案内下に昇降動され
る取付板１５と、該取付板１５の一端方部に垂設
された連結部材１７と、該取付板１５の他端方部
下面に枢着された傾動用シリンダ２０と、連結部
材１７と傾動用シリンダ２０の下端に枢着される
傾動自在な枠材１８と、該枠材１８の下端に中間
が枢着される軸受板２５とよりなり、この軸受板
２５の先端には案内ロール２６を軸支するととも
に該軸受板２５の基端はばね２７により前記枠材
１８の中間に向け牽引されて案内ロール２６に下
向きの押圧力を与えている。２３は枠材１８の下
方部に軸支される中間案内ロールで、前記の傾動
用シリンダ２０が作動してそのピストンロツド２
２が伸長すれば、枠材１８はヒンジピン１６を支
点として第３図に示す鎖線のように傾動して中間
案内ロール２３と案内ロール２６は傾斜状態にな
り、従つて、案内ロール２６から往復台上の巻取
ロール２９側へ送られる箔付きフイルムイは所要
の角度に傾斜して転写ロール１０へ送られるもの
である。なお、図中２８は他方の案内ロール機構
１２に接近してヘツド６に取付けられる箔付きフ
イルムロール装置、３０は往復台１上に設けられ
る箔付きフイルムイを案内する中間ロール、３１
は往復台１上に設けられる箔付きフイルムイを巻
取る巻取ロール装置である。

このように構成されたものは、第４図に示すよ
うな部分的に傾斜する縁部を有する被転写物ロを
治具台４に取付けておき、ヘツド６をモータ７の
作動により所定の位置まで降下させた後、図示し
ない倣いサーボ弁により案内ロール機構１２の昇
降用シリンダ１３を作動させて案内ロール機構１
２を所定位置に設定し、治具台４をシリンダ３の
作動により前進させれば、被転写物ロの傾斜した
縁部Ａに対応するようプログラム制御された案内
ロール機構１２は被転写物ロの傾斜に応じて傾動
用シリンダ２０を作動させて案内ロール機構１２
の枠材１８を第３図の鎖線で示すように被転写物
ロの傾動角度だけ傾斜させることになり、これに
より枠材１８に取付けられている中間案内ロール
２３と案内ロール２６も同一の傾動角度を保つて
箔付きフイルム支持用ロール１１から送られてく
る箔付きフイルムイを被転写物ロの傾斜に応じ傾
斜させて転写ロール１０側へ送り出すことになる
から、箔付きフイルムイの箔部が転写ロール１０
によつて傾斜した縁部Ａに熱圧されて転写される
際にも、該箔部が捩れて皺寄りを生じることは全
くないものになつて転写仕上面は極めて美しいも
のとなる。また、被転写物ロの他方の縁部A′に
転写を行うには治具台４の引続く前進により他方
の箔付きフイルムロール装置２８から他方の巻取
ロール装置３１へ送られてゆく箔付きフイルムイ
を他方の転写ロール１０と他方の案内ロール機構
１２とにより前記と同様に転写すればよいもので
ある。その後は転写済の製品を治具台４から取外
し次の新しい被転写物ロを治具台４に載置したう
えこの治具台４をシリンダ３の逆作動により元の
位置へ復帰したうえ前記と同様の作用を繰返して
被転写物ロへの転写を行うものである。

本考案は前記実施例による説明によつても明ら
かなように、転写ロールと箔付きフイルム支持用
ロール間に昇降用シリンダと傾動用シリンダとに
より昇降および傾動が自在な案内ロール機構を設
けたから、転写後の製品には箔付きフイルムの箔
部が皺寄ることのない美しい転写仕上面が得られ
るもので、従来の熱転写装置の問題点を解決した
ものとして実用的価値極めて大なものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
一部切欠正面図、第２図は同じく要部の一部切欠
正面図、第３図は同じく要部の一部切欠側面図、
第４図は被転写物の一部切欠斜視図である。 ４：治具台、１０：転写ロール、１１：箔付き
フイルム支持用ロール、１２：箔付きフイルム用
の案内ロール機構、１３：昇降用シリンダ、２
０：傾動用シリンダ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 被転写物を載せる治具台４の上方に転写ロール
   １０と箔付きフイルム支持用ロール１１を所要の
   間隔をおいて昇降動自在に設けるとともに該転写
   ロール１０と箔付きフイルム支持用ロール１１間
   には昇降用シリンダ１３と傾動用シリンダ２０を
   もつて昇降動と傾動が自在な箔付きフイルム用の
   案内ロール機構１２を設けたことを特徴とする熱
   転写装置。