JPS6144742Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は加圧機構を備えた加工装置のワーク搬
入搬出装置に関し、特にワーク搬入搬出用ローラ
コンベヤを加圧機構の加圧力を利用して下降せし
め、該ワークを支持台に支持させて加工し得るよ
うにした装置に関するものである。

一般に、支持台上のワークに押圧力を加える加
圧機構を備えた加工装置にワークを搬入し、搬出
する装置、例えば車両用エンジンのシリンダブロ
ツク副室内壁を圧入する装置のワーク搬入搬出装
置は、搬入されたワークをローラコンベヤに載せ
たまま下降させ、支持台に支持させて加圧作業を
為し、作業終了後再びローラコンベヤを上昇させ
て搬出することができるように構成されるが、こ
の際のローラコンベヤの昇降については専用の油
圧、空気圧、電動などのアクチユエータが用いら
れるのが通例である。

このように従来装置では、別個のアクチユエー
タが必要であるから、必然的にこのアクチユエー
タ駆動用の油圧、エア若しくは電力等の動力源が
必要となり、しかも、このアクチユエータをシー
ケンス作動させる為の制御装置が必要であり、更
にこれを作動させるためのリミツトスイツチを作
動範囲の上端、下端等に配設することが必要とな
る等、装置が複雑となる欠点があつた。

本考案は従来技術の上記欠点を解消するため
に、ローラコンベヤの昇降に専用のアクチユエー
タを用いず、代りに加工機構の加圧力を利用する
ことを目的として為されたものであり、本考案に
係る搬入搬出装置の特徴とするところは、ほぼ水
平に配設されたローラコンベヤと、該ローラコン
ベヤを前記支持台のワーク支持面より上方の位置
から下方の位置まで平行移動するように案内する
案内機構と、前記ローラコンベヤを常時上向きに
付勢する弾性手段と、前記ローラコンベヤの上昇
を前記支持台のワーク支持面より上方の所定高さ
において規制するストツパとを含み、ワークの搬
入搬出時には前記ローラコンベヤでワークを移動
容易に支持し、前記加圧機構によりワークに押圧
力が加えられたときは該ローラコンベヤが前記弾
性手段の付勢力に抗して下降し、ワークが前記支
持台によつて強固に支持されることを許容にする
ように構成されたことにある。

以下、本考案の一実施例を示す図面に基づいて
詳細に説明する。

添付図において、１はベースであり、このベー
ス１の四隅にはそれぞれリンク３の一端がピン４
により枢着され、他の一端がピン５によりローラ
コンベヤ２に枢着されている。そしてこのローラ
コンベヤ２は長方形の枠６とその長手方向に直角
に梯子状に且つ回転自在に配設された適数個のロ
ーラ７とから成り、ベース１との間に設けられた
圧縮ばね８（弾性手段）により上方に付勢されて
おり、案内機構としてのリンク３の回動により水
平な姿勢を保つたまゝ昇降し得るようにベース１
に保持されている。

また、ベース１の上面には、ワーク支持面９ａ
を備えた支持台９がローラ７の回転及び移動に支
障のない位置に適数個設けられており、更にベー
ス１の上方にはローラコンベヤ２の上昇をワーク
支持面９ａより上方の所定高さにおいて規制する
ストツパ１０が設けられている。このストツパ１
０に当つて上限の位置にあるローラコンベヤ２と
同等の高さにおいて、右側にワーク供給用のロー
ラコンベヤ２′および左側にワーク搬出用のロー
ラコンベヤ２″が僅かな間隔を置いて配設されて
いる。

ローラコンベヤ２の上方において、加圧機構と
しての油圧シリンダ１１が前記ベース１と一体の
図示しないフレームに固定され、ピストンロツド
１２が下方のワークＷに向けて所定のストローク
昇降可能とされている。そしてピストンロツド１
２に固定の加圧具１３にはワークＷが加圧される
直前にワークＷを位置決めするための位置決めピ
ン１４が垂直下方に向けて取付けられている。こ
の位置決めピン１４には、これに上昇方向の移動
を許容するコイルばね１５が嵌装されている。

このような構成において、シリンダブロツク等
の箱物ワークＷがワーク供給用のローラコンベヤ
２′によりローラコンベヤ２上に運ばれて、加圧
具１３のほぼ真下に停止させられる。その後シリ
ンダ１１に圧油が供給されて加圧具１３が下降し
始めると、これがワークＷに当接する直前に、先
ず位置決めピン１４がワークＷ上面に設けられた
位置決め穴Waに嵌入され、ワークＷの正確な位
置決めが行なわれる。なおこの時期のワークＷは
回転自在なローラ７に支えられているので横移動
は極めて容易である。

次に、加圧具１３がワークＷ上の圧入部材を押
圧するが、この圧入部材が圧入される以前に、ロ
ーラコンベヤ２は圧縮ばね８の押上げ力に抗して
下降し、ワークＷの下面がワーク支持面９ａに当
接した時点で停止させられる。この際リンク３は
それぞれピン４の周りに回動し、ローラコンベヤ
２は第１図左方へも移動させられるのであるが、
ワークＷは位置決めピン１４に横移動を阻止され
ているため、垂直に下降する。

ワークＷが支持台９により強固に支持された
後、シリンダ１１本来の加圧力により圧入される
べき部材がワークＷ内に圧入されて所定の圧入作
業が終了する。

加圧具１３が上昇すると、ワークＷはローラコ
ンベヤ２と共に圧縮ばね８により持ち上げられ、
ローラコンベヤ２がストツパ１０に当つて停止さ
せられる。その後ワークＷは左方に押されて、ワ
ーク搬出用のローラコンベヤ２″により搬出され
るのである。

このように、ローラコンベヤ２を昇降させるの
に加圧用シリンダ１１及び圧縮ばね８を利用する
ことによつて専用のアクチユエータを省略したの
で、これを駆動する油圧、エア若しくは電力等の
動力源も不用となり、これを制御する制御装置
も、リミツトスイツチ等も必要でなくなつた。そ
れ故に装置が極めて簡略化され、設備費も安価と
なり、しかも装置の自動化も容易となつたのであ
る。

以上に述べた実施例では、シリンダブロツク等
の箱物ワークに対する圧入機について述べたが、
本考案は何等これに限定されるものではなく、支
持台上のワークに押圧力を加える加圧機構を備え
た加工装置にワークを搬入し、搬出する装置であ
れば同様に本考案を適用し得るのであり、またロ
ーラコンベヤを平行移動させる案内機構としては
前述のリンク３（平行リンク）を使用するものの
みならず、適数本のガイドロツドでローラコンベ
ヤの昇降を案内するもの等であつてもよいのであ
る。

以上詳述したように、本考案はローラコンベヤ
の昇降にアクチユエータを用いず、代りに加圧機
構の加圧力を利用したため、従来複雑であつた装
置が極めて簡略化され、安価に提供され得るよう
になると共に、ワーク搬入搬出の自動化も容易と
なる等の優れた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

添付図は本考案の一実施例であるワーク搬入搬
出装置の正面図である。 ２……ローラコンベヤ、３……リンク（案内機
構）、８……圧縮ばね（弾性手段）、９……支持
台、９ａ……ワーク支持面、１０……ストツパ、
１１……シリンダ（加圧機構）、１２……ピスト
ンロツド、１３……加圧具。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 支持台上のワークに押圧力を加える加圧機構を
   備えた加工装置にワークを搬入し、搬出するため
   の装置であつて、 ほぼ水平に配設されたローラコンベヤと、 該ローラコンベヤを前記支持台のワーク支持面
   より上方の位置から下方の位置まで平行移動する
   ように案内する案内機構と、 前記ローラコンベヤを常時上向きに付勢する弾
   性手段と、 前記ローラコンベヤの上昇を前記支持台のワー
   ク支持面より上方の所定高さにおいて規制するス
   トツパと を含み、ワークの搬入搬出時には前記ローラコン
   ベヤでワークを移動容易に支持し、前記加圧機構
   によりワークに押圧力が加えられたときは該ロー
   ラコンベヤが前記弾性手段の付勢力に抗して下降
   し、ワークが前記支持台によつて強固に支持され
   ることを許容するように構成されたことを特徴と
   する加圧機構付加工装置のワーク搬入搬出装置。