JP4317368B2 - ヘミング加工装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、金属板などのワークを折曲加工するヘミング加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5は、従来のプレスタイプのヘミング装置の正面図である。図5に示すように、プレスタイプのヘミング装置50は、ベッド51と下型52、コラム53とプレス駆動部54、ラム55と上型56で構成され、マテハンロボット57によってワークWの交換が行われる。このように、従来のプレスタイプのヘミング装置は、下型52と上型56とが交換可能なヘム型交換装置を設置することにより、専用部品である下型52と上型56のヘム型を取り替えることで、生産機種の変更が可能であり、プレス機を含めた駆動装置を汎用的に使用することができる反面、装置が大型化になるという問題があった。
【0003】
図6は、従来のテーブルトップタイプのヘミング加工装置の正面図である。図6に示すように、テーブルトップタイプのヘミング加工装置60は、一般的に背丈が低くコンパクトにできるが、ワークWを挟持して加圧する駆動装置61、61が左右に配置され一体となったヘミング加工装置であるため、生産機種の変更に対応できない専用機であり、汎用性を持たせることができないという問題があった。
【0004】
これらの問題を解決したヘミング装置として、特許文献1が知られている(例えば、特許文献1参照)。図7(a)は、従来のヘミング加工装置の加工前の状態を示す側面図であり、図7(b)は、予備曲げパンチ74のプリクリンチ刃75による加工の状態を示す側面図であり、図7(c)は、本曲げパンチ78のクリンチ刃81による加工の状態を示す側面図である。
図7(a)に示すように、従来のヘミング加工装置70は、ベース71上にワークWが平面上に載置されるダイ72と、軸受部材73と、さらにコラム77とをそれぞれ近接して並列にベース71上に固定し、前記軸受部材73には前記ダイ72の平面に対し所要の傾斜角度の刃面を有するプリクリンチ刃75とローラ76とを有する揺動体(予備曲げパンチ)74をダイ72に対して常に後退傾向に位置するよう揺動可能に軸支している。また、前記コラム77には一対の平行リンク79a、79bを介して昇降体(本曲げパンチ)78を支持し、該本曲げパンチ78には前記ダイ72の平面と平行な刃面を有するクリンチ刃81とローラ82とを設け、前記平行リンクの一方には予備曲げパンチ74のローラ76と接触する押圧カム80を設け、本曲げパンチ78のローラ82は加圧装置83と対接して構成されている。
【0005】
しかしながら、図7(b)に示すように、予備曲げパンチ74は、押圧カム80の形状から制約を受け、ピン73pを中心にして回動させて予備曲げを行う方法では、押圧カム80の角80aがローラと衝突すると共に、図7(c)に示すように、本曲げパンチ78がリターンして上昇する際には、ローラ76と衝突を繰り返すため、ローラ76の外周に傷が付いてへたりが早く、予備曲げの曲げ角にばらつきが生じてしまうため、本曲げパンチ78によるヘム(曲げ)加工の品質にもばらつきが生じるという問題があった。
また、ピン73pを中心にして回動させて予備曲げを行うので、ワークWを中央部方向に動かす力が作用するため、ワークWが動かないようにプレッサーパットにて押圧する必要がある。したがって、現在ある装置とは別に押圧装置(プレッサー)を設備しなければならないという問題があった。
【0006】
【特許文献1】
実開昭57−37523号(図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み創案されたものであり、予備曲げパンチは、押圧カムとローラを使用することなく、ピンを回動の中心にして円弧動作する代わりに、上下方向に直線移動部を設けて予備曲げが十分にできるようにして本曲げパンチによるヘム加工の品質を向上すると共に、ワークWが動かないようにするための押圧装置(プレッサー)を必要としないコンパクトで安価なヘミング装置を提供する。また、大型でないコンパクトなテーブルトップタイプのヘミング装置でありながら、生産機種の変更が可能であり、汎用性を高めたヘミング加工装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載された本発明は、基台(1)上に固設され、ワーク(W)を載置するヘミングダイ(2)と、前記ヘミングダイ(2)に対峙して立設され、本曲げリンク(4)と中間リンク(5)と予備曲げリンク(6)の支持部(4a,5a,6a)を回動自在に支持するリンク支持ブロック(3)と、前記本曲げリンク(4)の先端部(4b)と、前記中間リンク(5)の先端部(5b)に回動自在に軸支され、前記本曲げリンク(4)の支持部(4a)から当該本曲げリンク(4)の前記先端部(4b)までの長さと、前記中間リンク(5)の支持部(5a)から当該中間リンク(5)の前記先端部(5b)までの長さが等しく、かつ、平行に配置された前記本曲げリンク(4)と前記中間リンク(5)によって同姿勢を保ちながら上下方向へ移動自在の本曲げパンチ(7)と、後端部の上部が、前記中間リンク(5)の支持部(5a)と先端部(5b)の間に配置された第1ピン(5p)を介して支持され、後端部の下部が、前記予備曲げリンク(6)の先端部に配置された第2ピン(6p)を介して支持され、前記中間リンク(5)の支持部(5a)から前記第1ピン(5p)までの長さと、前記予備曲げリンク(6)の支持部(6a)から前記第2ピン(6p)までの長さが等しく、かつ、平行に配置された前記中間リンク(5)と前記予備曲げリンク(6)によって同姿勢を保ちながら略上下方向へ移動自在の予備曲げパンチ(9)と、を有するヘミング加工装置(10)であって、前記中間リンク(5)の前記支持部(5a)から当該中間リンク(5)の後端部(5c)までの長さと、前記予備曲げリンク(6)の前記支持部(6a)から当該予備曲げリンク(6)の後端部(6c)までの長さが等しく、かつ、前記中間リンク(5)の前記後端部(5c)と前記予備曲げリンク(6)の前記後端部(6c)とが接続された連結リンク(15)と、前記第1ピン(5p)を通し、リンク支持ブロック(3)に設けられ、傾斜部(3c,3d)と垂直部(3b)で形成された貫通した第1略くの字状のカム溝穴(3a)と、前記第2ピン(6p)を通し、前記リンク支持ブロック(3)に設けられ、傾斜部(3c,3d)と垂直部(3b)で形成された貫通した第2略くの字状のカム溝穴(3a)と、前記中間リンク(5)の前記支持部(5a)と前記先端部(5b)との間に設けられた前記第1ピン(5p)を通す長穴(5d,5d)と、前記予備曲げリンク(6)の前記先端部に設けられた前記第2ピン(6p)を通す長穴(6d,6d)と、を備え、前記本曲げパンチ(7)の上部には駆動力受け部(8)が設けられたことを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、本曲げリンクと中間リンクと予備曲げパンチとからなるリンク支持機構を有するヘミング加工装置としたために、予備曲げパンチは、押圧カムを使用することなく、回動による動作の代わりに、上下方向に直線移動部を設けて予備曲げが十分にできるようにして本曲げパンチによるヘム加工の品質を向上すると共に、押圧装置(プレッサー)を必要としないヘミング装置を提供することができる。
【0010】
さらに、リンク支持ブロックに設けた傾斜部と垂直部と傾斜部を有するカム溝穴部を形成したことにより、回動する代わりに、上下方向に直線移動部を設けて予備曲げ加工が十分にできるようにしたため、ヘム加工の品質を高めることができる。
【0011】
また、予備曲げパンチの軌道軌跡は、別途に設けられたカム溝穴部を形成したゲージプレートをリンク支持ブロックにボルト等で固着する構成にし、ゲージプレートを複数揃えておき交換することで容易に調整可能なので、初期生産の準備作業および変更が可能である。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載されたヘミング加工装置であって、前記リンク支持ブロックと前記予備曲げパンチとの間、または前記リンク支持ブロックと本曲げパンチとの間の少なくとも一方には、左右両面にコイルバネが配設されていることを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、前記リンク支持ブロックと前記予備曲げパンチとの間、または前記リンク支持ブロックと本曲げパンチとの間の少なくとも一方には、左右両面にコイルバネを配設したことにより、ヘミング加工後に加圧装置が上昇すると同時に、効率よくコイルバネの付勢力によって元の位置に戻すことができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載されたヘミング加工装置であって、前記本曲げパンチと前記カム溝穴部を挿通するピンとの間には、左右両面にコイルバネが配設されていることを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、本曲げパンチとカム溝穴部を挿通するピンとの間に、コイルバネを左右両面に配設したことにより、予備曲げパンチが動作する時は、コイルバネの付勢力によって略くの字状のカム溝穴部の内壁面に前記ピンを当接することができることから、予備曲げの品質を向上し、延いては本曲げによるヘム品質の向上を図ることができる。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1に記載のヘミング加工装置であって、前記ヘミング加工装置がプレス機内のベッド上に載置されると共に、前記プレス機のプレス駆動によりラムを上部から下降させて、前記駆動力受け部の上部に当接させて前記本曲げパンチと前記予備曲げパンチを駆動し、ヘミング加工を行うことを特徴とする。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、構造がシンプルで、且つ軽量化が可能であり、結果として装置の制作費、メンテナンス費を安価にすることができる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載のヘミング加工装置であって、前記ヘミング加工装置がリフター上に載置されると共に、ベッド上に立設するポストの上部には庇状のストッパ部を形成し、前記リフターの下部には、前記ポストと一体に構成されているフレーム上に前記リフターを上下動自在に移動可能な機構を設け、リフターの上昇の動作に伴い、前記駆動力受け部を前記ストッパ部に当てることにより、ヘミング加工を行うことを特徴とする。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、ヘミング加工装置をプレス機内に配設し、前記プレス機のプレス駆動により上部から下降させてヘミング加工をする方式に比べて、ベッド上に立設するポストの上部には庇状のストッパ部を形成し、ワークの上方にワークの搬入搬出が可能な空間を確保しているので、ロボット等ワーク搬送装置にてワークの搬入搬出が容易となる。また、本曲げパンチと予備曲げパンチとヘミングダイを変更するのみ、他の機構部は共通部品であり、装置制作費が節約可能であると共に、専用部品に取り替えることで、生産機種の変更が可能となり、FMS生産にも対応ができる。このように、大型でないコンパクトなテーブルトップタイプのヘミング装置でありながら、生産機種の変更が可能であり、汎用性を高めたヘミング加工装置を提供することができる。
【0020】
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載されたヘミング加工装置であって、前記リフターには前記ヘミング加工装置の昇降、搬入、搬出及び位置決めをするダイリフター及び搬入、搬出のための移動機構を設けたことを特徴とする。
【0021】
請求項6に記載の発明によれば、移動機構を設けたことにより、ヘミング装置の交換が可能となり生産機種の変更が容易にできる。
【0022】
【発明の実施の形態】
<第1実施の形態>
以下、本発明の一実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1(a)は、本発明の第1実施の形態を示すヘミング加工装置の側面図であり、(b)は、(a)に示すA矢視図である。
図1(a)に示すように、ヘミング加工装置10は、基台1上に固設したヘミングダイ2と、前記基台1上のヘミングダイ2に対峙して立設させたリンク支持機構を有するリンク支持ブロック3と、リンク支持ブロック3に本曲げリンク4、中間リンク5を支持部4a、5aによって回動自在に軸支すると共に、本曲げパンチ7を上下移動可能に支持している。
中間リンク5と予備曲げリンク6のそれぞれのワークW反対側を連結リンク15で連結している。
さらに、リンク支持ブロック3と予備曲げパンチ9との間には、コイルバネ13、13にて上方に常に付勢しながら、予備曲げパンチ9を上下移動可能に支持している。なお、リンク支持ブロック3と予備曲げパンチ9との間の代わりに、リンク支持ブロック3と本曲げパンチ7との間(図2(a)参照)にコイルバネ13、13を配置してもよい。
【0023】
また、本曲げパンチ7とカム溝穴3aを挿通するピン5pとの間には、左右両面にコイルバネ14、14を配設することにより、予備曲げパンチが動作する時は、コイルバネの付勢力によって略くの字状のカム溝穴3a(図3(a)参照)の内壁にピン5pを当接することができるので、予備曲げの品質を向上し、本曲げによるヘム品質の向上を図ることができる。
なお、中間リンク5と予備曲げリンク6のワークW反対側を連結リンク15で連結する代わりに、本曲げリンク4を左側に延長し、予備曲げリンク6とをワークW反対側を連結リンク15で連結しても構わない。
本曲げパンチ7の上部には加圧装置12の駆動力を受ける駆動力受け部8が設けられている。
【0024】
図1(a)に示すように、中間リンク5の支持部5aと先端部5bとの間には長穴5dが設けられ、リンク支持ブロック3の側面には、略くの字状のカム溝穴3aが形成されている。この略くの字状のカム溝穴3aは、正確には上から斜めカム溝穴3d、垂直カム溝穴3b、逆斜めカム溝穴3cの3つが連続して形成されている。したがって、ピン5pの両端部は、予備曲げパンチ9のフランジ部9a、9a(図1(b)参照)の両端に支持され接続されており、中間リンク5の長穴5dを挿通し、リンク支持ブロック3に形成されたカム溝穴3aに挿通されている。これにより、予備曲げパンチ9は、斜めカム溝穴3dに沿って降下、接近し、垂直カム溝穴3bに沿って垂直に降下して予備ヘム加工を行い、逆斜めカム溝穴3cに沿って退避させることができる。
その反対に、元の位置に戻る戻り工程は、カム溝穴3c、3b、3dに沿って接近し、上昇、待機する。
【0025】
予備曲げリンク6も中間リンク5と同様に、予備曲げリンク6のワークW側の先端には、長穴6dが設けられ、リンク支持ブロック3の側面には、前記した形状と同様に略くの字状のカム溝穴が形成されている。したがって、ピン6pは、予備曲げパンチ9のフランジ部9a、9aの両端に支持され固定されており、予備曲げリンク6の長穴6dを挿通し、リンク支持ブロック3に形成されたカム溝穴3aに挿通されている。これにより、予備曲げリンク6は、中間リンク5に平行な関係により、予備曲げパンチ9の姿勢を維持しながら、予備曲げパンチ9をカム溝穴3aの斜めカム溝穴3dに沿って降下、接近し、垂直カム溝穴3bに沿って垂直に降下して予備ヘム加工を施し、逆斜めカム溝穴3cに沿って退避させることができる。
【0026】
本発明のヘミング加工装置の動作について説明する。
図2はヘミング加工装置の各動作を示す側面図であり、(a)は初動時、(b)は予備曲げパンチによる加工時、(c)は本曲げパンチによる加工時を示す側面図である。
図2(a)に示すように、本曲げパンチ7は、最上端に設けられたコイルバネ13、13にて上方に付勢され、支持されている。図2(b)に示すように、加圧装置12が下降しはじめると、本曲げパンチ7は、本曲げリンク4と中間リンク5によって同姿勢を維持しながらワークWに向って下降する。また、予備曲げパンチ9は、中間リンク5と予備曲げリンク6と連結リンク15によって、下方に移動し、予備曲げパンチ9をカム溝穴3aに沿って降下、接近させ、カム溝穴3bに沿って垂直に降下して予備ヘム加工を施し、カム溝穴3cに沿って退避させる。
その後、図2(c)に示すように、本曲げパンチ7によって、予備曲げされたワークWは、ヘム加工される。
なお、図示しないコイルバネ14、14の付勢力によって略くの字状のカム溝穴部の内壁(図3(a)参照)にピン5pを当接することができるので、予備曲げの品質を向上し、本曲げによるヘム品質の向上を図ることができる。
【0027】
図3(a)は、本発明のカム溝穴を示す詳細図であり、(b)は予備曲げパンチの動作を表した動作図、(c)は従来技術の図7に示す予備曲げパンチの動きを表した動作図である。
図3(a)に示すように、カム溝穴3aは、略くの字状の溝が形成されており、上から斜めカム溝穴3d、垂直カム溝穴3b、逆斜めカム溝穴3cの3部で構成されている。
図3(b)に示すように、矢印Aは、予備曲げパンチ9の進入動作であり、約45°の角度で進入し、矢印Bは、予備曲げ加工動作であり、垂直に降下し、予備曲げ加工を行い、矢印Cは、予備曲げパンチ9の退避動作である。
これに対し、従来の予備曲げパンチは、図3(c)に示すように、ピン73pを回動中心にした往復動Dによる。つまり、従来の動作は、A、B、Cの3つの動作のうち、Aの動作に過ぎないことが判る。
【0028】
<第2実施の形態>
さらに、図4(a)は、本発明の第2実施の形態を示すヘミング加工装置を使用したテーブルトップタイプのヘミング加工装置の構成を示す側面図である。
図4(a)に示すように、テーブルトップタイプのヘミング加工装置20は、リフター22上に設けられた基台1の上にワークWをセットしたヘミングダイ2を搭載し、前記ヘミングダイ2の外周側に本曲げパンチ7と予備曲げパンチ9とを上下に移動可能に設けたヘムユニット10を近接して搭載している。
ベッド11上に立設するポスト24の上部には庇状のストッパ部25aを形成し、前記リフター22の下部には、前記ポスト24と一体に構成されているフレーム上に前記リフター22を上下動自在に移動可能な機構を設け、リフター22の上昇の動作に伴い、前記駆動力受け部8を前記ストッパ部25aに当てることにより、本曲げパンチ7と予備曲げパンチ9とを順次動作させて、本曲げパンチ7と予備曲げパンチ9は、ヘミングダイ2に挟持したワークWを加圧してヘミング加工を行う。
【0029】
この結果、請求項1に記載のヘミング加工装置(へムユニット)10を、リフター22の上部に配置し、リフター22の下部には例えば、加圧機構23の油圧シリンダを配置することにより、機構の簡素化と装置製作費のコストダウンが可能であると共に、ヘミングダイ2と本曲げパンチ7と予備曲げパンチ9とを変更するのみで、他の機構部は共通化が可能である。さらに、へムユニット交換をすることにより、生産機種の変更が可能であり、FMS生産にも十分対応ができる。
【0030】
図4(a)を参照して、第2実施の形態のヘミング加工装置20の動作について説明する。
1.マテハンロボット(記載せず)にてワーク(例えば、マリッジパネル)Wをヘミングダイ2にセットし、その状態でマテハンロボットにてワークWを位置決めする。
2.リフター22が上昇し、予備曲げ、本曲げを行う。
3.リフター22が下降する。
4.マテハンロボットにてワークWを取り出す。
【0031】
<第3実施の形態>
図4(b)は、第3実施の形態を示すヘミング加工装置を使用したテーブルトップタイプのヘミング加工装置の構成を示す側面図であり、さらにダイリフター及び搬入、搬出のための移動機構を設けた構成を示す側面図である。
図4(b)に示すように、ダイリフター27は、図示しない油圧シリンダによりコロを上下させてリフター22から基台1を浮かせ、ヘミング加工装置21を移動可能にしている。
なお、通常のへミング加工時は、コロの上面はリフター22の上面より、下方に位置している。また、リフター22にヘミング加工装置10の搬入搬出方向に溝を形成し、その溝にダイリフター27を埋め込むと都合がよい。
このように、ヘミング加工装置21は、さらに、ヘミング加工装置10の搬入搬出装置25にダイリフター27を設けたことにより、ヘミング加工装置10の搬入、搬出することが容易となる。
【0032】
ここで、図4(b)において、ヘミング加工装置10の交換の動作について説明する。
1.ヘミング加工装置10の搬入搬出装置25のコロ上面高さ位置より3〜5mm低い位置にリフター22を下降させる。
2.ヘミング加工装置10が位置決めされているクランパ(図示せず)を解除し、油圧ポンプ(図示せず)を作動させてダイリフター27を3〜5mm上昇させることにより搬送レベルを合わせる。
3.搬入搬出装置25の押引装置にてヘミング加工装置10を搬出すると同時に、新規のヘミング加工装置とはリンクで連結されているので、新規のヘミング加工装置の搬入が完了する。
4.新規のヘミング加工装置10の搬入が完了したら、2,1と順序を逆にして、また動作を逆に行うことで、交換作業が簡単に行うことができる。
【0033】
なお、本発明はその技術思想の範囲内で種々の改造、変更が可能であり、本発明はこの改造、変更された発明であっても、これ以外のワークのヘミング加工装置に及ぶことは当然である。例えば、図1(a)において、本曲げリンク4の4bを、あるいは連結リンク15の連結ピン5c、6cを油圧シリンダで押し引きしてヘミング加工を行ってもよい。また、コイルバネの代わりに伸縮自在の高圧ガスが封入されたガスステーであってもよい。
【0034】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、本曲げリンクと中間リンクと予備曲げパンチとからなるリンク支持機構を有するヘミング加工装置としたために、予備曲げパンチは、押圧カムを使用することなく、回動による動作の代わりに、上下方向に直線移動部を設けて予備曲げが十分にできるようにして本曲げパンチによるヘム加工の品質を向上すると共に、押圧装置(プレッサー)を必要としないヘミング装置を提供することができる。また、構造がシンプルで、且つ軽量化が可能であり、装置の制作費、メンテナンス費を安価にすることができる。
【0035】
また、構造がシンプルで、且つ軽量化が可能であり、装置の制作費、メンテナンス費を安価にすることができる。
【0036】
さらに、リンク支持ブロックに設けた傾斜部と垂直部と傾斜部を有するカム溝穴部を形成したことにより、回動する代わりに、上下方向に直線移動部を設けて予備曲げ加工が十分にできるようにしたため、ヘム加工の品質を高めることができる。また、予備曲げパンチの軌道軌跡は、別途に設けられたカム溝穴部を形成したゲージプレートをリンク支持ブロックにボルト等で固着する構成にし、ゲージプレートを複数揃えておき交換することで容易に調整可能なので、初期生産の準備作業および変更が可能である。
【0037】
請求項2に記載の発明によれば、ヘミング加工後に加圧装置が上昇すると同時に、効率よくコイルバネの付勢力によって元の位置に戻すことができる。
【0038】
請求項3に記載の発明によれば、コイルバネの付勢力によって略くの字状のカム溝穴部の内壁面に前記ピンを当接することができることから、予備曲げの品質を向上し、延いては本曲げによるヘム品質の向上を図ることができる。
【0039】
請求項4に記載の発明によれば、構造がシンプルで、且つ軽量化が可能であり、結果として装置の制作費、メンテナンス費を安価にすることができる。
【0040】
請求項5に記載の発明によれば、大型でないコンパクトなテーブルトップタイプのヘミング装置でありながら、生産機種の変更が可能であり、汎用性を高めたヘミング加工装置を提供することができる。
【0041】
請求項6に記載の発明によれば、移動機構を設けたことにより、ヘミング装置の交換が可能となり生産機種の変更が容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は、本発明の第1実施の形態を示すヘミング加工装置の側面図であり、(b)は、(a)に示すA矢視図である。
【図2】 第1実施の形態を示し、ヘミング加工装置の各動作を示す側面図であり、(a)は、初動時、(b)は、予備曲げパンチによる加工時、(c)本曲げパンチによる加工時を示す側面図である。
【図3】 (a)は、本発明のカム溝穴を示す詳細図であり、(b)は予備曲げパンチの動作を表した動作図であり、(c)は従来技術の図7に示す予備曲げパンチの動きを表した動作図である。
【図4】 (a)は、本発明の第2実施の形態を示すヘミング加工装置を使用したテーブルトップタイプのヘミング加工装置の構成を示す側面図である。
(b)は、本発明の第3実施の形態を示すヘミング加工装置を使用したテーブルトップタイプのヘミング加工装置の構成を示す側面図であり、さらにダイリフター及び搬入、搬出のための移動機構を設けた構成を示す側面図である。
【図5】 従来のプレスタイプのヘミング加工装置の正面図である。
【図6】 従来のテーブルトップタイプのヘミング加工装置を示す正面図である。
【図7】 (a)は、従来のヘミング加工装置の加工前の状態を示す側面図であり、(b)は、予備ヘムパンチのプリクリンチ刃による加工の状態を示す側面図であり、(c)は、本ヘムパンチのクリンチ刃による加工の状態を示す側面図である。
【符号の説明】
1 基台
2 ヘミングダイ
3 リンク支持ブロック
3a カム溝穴
3b 垂直部(垂直カム溝穴)
3c 傾斜部(逆斜めカム溝穴)
3d 傾斜部(斜めカム溝穴)
4 本曲げリンク
5 中間リンク
5a 第1支持部
5b 第1先端部
5c 第1連結ピン
5d 第1長穴
5p 第1ピン
6 予備曲げリンク
6a 第2支持部
6c 第2連結ピン
6d 第2長穴
6p 第2ピン
7 本曲げパンチ
8 駆動力受け部
9 予備曲げパンチ
10 ヘミング加工装置(ヘムユニット)
11 ベッド
12 加圧装置
13 第1コイルバネ
14 第2コイルバネ
15 連結リンク
20、21 ヘミング加工装置(テーブルトップタイプ)
22 リフター
23 加圧装置
24 ポスト
25 移動機構(搬出搬入装置)
25a ストッパ部
26 テーブル
27 ダイリフター
W ワーク
Claims (6)
- 基台上に固設され、ワークを載置するヘミングダイと、
前記ヘミングダイに対峙して立設され、本曲げリンクと中間リンクと予備曲げリンクの支持部を回動自在に支持するリンク支持ブロックと、
前記本曲げリンクの先端部と、前記中間リンクの先端部に回動自在に軸支され、前記本曲げリンクの支持部から当該本曲げリンクの前記先端部までの長さと、前記中間リンクの支持部から当該中間リンクの前記先端部までの長さが等しく、かつ、平行に配置された前記本曲げリンクと前記中間リンクによって同姿勢を保ちながら上下方向へ移動自在の本曲げパンチと、
後端部の上部が、前記中間リンクの支持部と先端部の間に配置された第1ピンを介して支持され、後端部の下部が、前記予備曲げリンクの先端部に配置された第2ピンを介して支持され、前記中間リンクの支持部から前記第1ピンまでの長さと、前記予備曲げリンクの支持部から前記第2ピンまでの長さが等しく、かつ、平行に配置された前記中間リンクと前記予備曲げリンクによって同姿勢を保ちながら略上下方向へ移動自在の予備曲げパンチと、
を有するヘミング加工装置であって、
前記中間リンクの前記支持部から当該中間リンクの後端部までの長さと、前記予備曲げリンクの前記支持部から当該予備曲げリンクの後端部までの長さが等しく、かつ、前記中間リンクの前記後端部と前記予備曲げリンクの前記後端部とが接続された連結リンクと、
前記第1ピンを通し、リンク支持ブロックに設けられ、傾斜部と垂直部で形成された貫通した第1略くの字状のカム溝穴と、前記第2ピンを通し、前記リンク支持ブロックに設けられ、傾斜部と垂直部で形成された貫通した第2略くの字状のカム溝穴と、
前記中間リンクの前記支持部と前記先端部との間に設けられた前記第1ピンを通す長穴と、
前記予備曲げリンクの前記先端部に設けられた前記第2ピンを通す長穴と、
を備え、
前記本曲げパンチの上部には駆動力受け部が設けられたことを特徴とするヘミング加工装置。 - 前記リンク支持ブロックと前記予備曲げパンチとの間、または前記リンク支持ブロックと本曲げパンチとの間の少なくとも一方には、左右両面にコイルバネが配設されていることを特徴とする請求項1に記載されたヘミング加工装置。
- 前記本曲げパンチと前記カム溝穴部を挿通するピンとの間には、左右両面にコイルバネが配設されていることを特徴とする請求項1に記載されたヘミング加工装置。
- 請求項1に記載のヘミング加工装置であって、
前記ヘミング加工装置がプレス機内のベッド上に載置されると共に、前記プレス機のプレス駆動によりラムを上部から下降させて、前記駆動力受け部の上部に当接させて前記本曲げパンチと前記予備曲げパンチを駆動し、ヘミング加工を行うことを特徴とするヘミング加工装置。 - 請求項1に記載のヘミング加工装置であって、
前記ヘミング加工装置がリフター上に載置されると共に、ベッド上に立設するポストの上部には庇状のストッパ部を形成し、前記リフターの下部には、前記ポストと一体に構成されているフレーム上に前記リフターを上下動自在に移動可能な機構を設け、リフターの上昇の動作に伴い、前記駆動力受け部を前記ストッパ部に当てることにより、前記本曲げパンチと前記予備曲げパンチを駆動し、ヘミング加工を行うことを特徴とするヘミング加工装置。 - 前記リフターには前記ヘミング加工装置の昇降、搬入、搬出及び位置決めをするダイリフター及び搬入、搬出のための移動機構を設けたことを特徴とする請求項4に記載されたヘミング加工装置。
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