JPS59978Y2 - 車輛のサンル−フの構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車輌のサンルーフに係る。

天窓開口を有する天井と、車輌の進行方向に見て後方に
あたる前記天窓開口の後縁に設けられたスリット開口よ
り進退して前記天窓開口を開閉する摺動蓋とを含む自動
車等の車輌のサンルーフに於いては、前記摺動蓋が前記
スリット開口より退き、前記天窓開口が開かれた状態に
ある時には、この状態で車輌が走行すると、前記天窓開
口の後縁の上端或はスリット開口に臨む摺動蓋の前縁が
走行風を切ることによって風切り音が発生し、又天窓開
口の後縁の下端を横切って車室内へ走行風が共振的に流
入することによりウィンドスロップと称される車室内の
空気振動が生ずるという問題があった。

本考案はかかる原因により生ずる風切り音及びウィンド
スロップを効果的に抑制することの出来る装置を備えた
改良された車輌のサンルーフの構造を提供することを目
的としている。

かかる目的は、本考案によれば、天窓開口を有する天井
と、車輌の進行方向に見て後方にあたる前記天窓開口の
後縁に設けられたスリット開口より進退して前記天窓開
口を開閉する摺動蓋とを含むサンルーフの構造にして、
前記摺動蓋が前記スリット開口より退き前記天窓開口が
開かれた時前記後縁を覆う帯状の整流板を有し、前記整
流板はその下流縁よりその上流縁へ向けて車輌の進行方
向に見て後方へ且上方へ傾斜していることを特徴とする
サンルーフの構造によって遠戚される。

上記の如き構成の整流板を設けることによって、車輌の
走行に際して天窓開口の後縁へ向けて流れる空気流は、
前記整流板によって滑らかに天窓開口より朴部へ向けて
案内され、天窓開口の後縁付近に風切り音やウィンドス
ロップの原因となる空気の乱れが生ずることが効果的に
回避される。

かかる整流板は、その下縁部にて天窓開口の後縁の下端
部に沿って延在する一つの枢軸線の周りに回動し、その
上縁部が天窓開口の後縁に対し可撓的に押付けられる様
にばね力を及ぼされた状態に装着されているのが好まし
い。

整流板がこの様に装着されている時には、摺動蓋が前記
スリット開口より退き天窓開口が開かれている時には、
整流板はばね力によって天窓開口の後縁を覆う位置に自
動的に保持され、車輌の走行に際して走行風が生ずると
該走行風が及ぼす風圧によって整流板は一層強固に天窓
開口の後縁を覆う位置に保持される。

これに対し、摺動蓋を前記スリット開口より前進させ、
天窓開口を閉じる時には摺動蓋の前進に伴って整流板は
摺動蓋の前縁によってその下端の枢着部に於ける枢着軸
線の周りにその上縁部が車輌の進行方向に見て前方へ移
動する様にばね力に抗して回動され、摺動蓋が天窓開口
を閉じる位置へ移動することを許容する。

そして再び４ｆＥ動蓋が前記スリット開口より退き天窓
開口が開がれた時には、それに作用するばね力によって
前述の如く天窓開口の後縁及びそこに開口するスリット
開口を覆う位置に自動的にもたらされる。

以下に添付の図を参照して本考案を実施例について詳細
に説明する。

添付の第１図は本考案による車輌のサンルーフの構造を
示す斜視図である。

図に於いて、矢印Ａは車輌の進行方向であり、この方向
に車輌が進行することによってこのサンルーフの部分に
は相対的に見て矢印Ｂ方向の走行風が作用する。

車輌の天井１には天窓開口２が設けられている。

この天窓開口第１図に於ける線Ｘ−Ｘを通る垂直平面に
よる断面を示す第２図及び第３図に示されている如く、
摺動蓋３によって選択的に開閉される様になっている。

この摺動蓋はパネル部４とライニング部５とを含む構造
を有し、車輌の進行方向に見て後方にあたる天窓開口の
後縁６に設けられたスリット開ロアより摺動式に前進或
は後退する様になっている。

摺動蓋３がスリット開ロアより前進した時には、第２図
に示す如く天窓開口２は摺動蓋３によって閉じられ、又
スリット開ロアより摺動蓋３が後退した時には該摺動蓋
は天井１を構成する天井パネル８と天井内張り９の間に
形成されたスペース１０内に収納され、天窓開口２は開
かれる様になっている。

尚第２図に示す如く天窓開口２が摺動蓋３によって閉じ
られた状態に於けるシール性を改善する目的で、摺動蓋
３の周縁部にはシール要素１１が設けられている。

天窓開口の後縁６の近くには整流板１２がその下縁部に
て天窓開口の後縁６の下縁に沿って延在する枢動軸線１
３の周りに枢動し得る様装着されている。

この場合、図示の実施例に於いては整流板１２は天井内
張り側に於いて天窓開口を郭定する枠体１４上に装着さ
れたブラケット１５によって上述の如き態様にて枢動可
能な様に支持されている。

整流板１２は更に第４図により良く示されている如く、
ばね１６によってその枢動軸線の周りに可撓的モーメン
トを及ぼされており、即ちこの場合整流板１２はその上
縁部が天窓開口の後縁６を覆う位置へ向けて可撓的に押
圧される様になっている。

更に詳細には、第３図により良く示されている如く、整
流板１２はそれが天窓開口の後縁６へ向けて押付けられ
た時には、その上縁部１２ ａが天井パネル８に於ける
天窓開口を郭定する天井パネルの端部８ａに当接する様
になっている。

又この場合、第３図より明らかな如く、整流板１２はそ
の下縁部よりその上縁部へ向けて車輌の進行方向に見て
後方へ且上方へ傾斜する様になっている。

整流板１２がこの様に天窓開口の後縁を覆う位置にもた
らされている時には、車輛の走行によって生じた走行風
のうちの天窓開口の後縁６へ向けて流れる流れＦ、、Ｆ
２等は整流板１２によって天窓開口外へ向う方向へ滑ら
かに偏向され、ががる整流板が設けられていない時に天
窓開口の後縁を横切って車室内へ共振的に流入する空気
の流れが生ずることはない。

又整流板１２によって天窓開口外へ偏向される空気流は
天井パネル８と整流板１２の各端部８ａと１２ ａの接
合部が滑らかに形成されていることから何処にても風切
り音を発生することはない。

第３図に示す如く天窓開口が開がれた状態より、摺動蓋
３が天窓開口の後縁６に於けるスリット開ロアを経て前
進され、天窓開口２を閉じる時には、摺動蓋３の前進に
伴って整流板１２は摺動蓋の前端により押されて第３図
で見て枢動軸１３の周りに反時計方向へ回動し、天窓開
口が摺動蓋によって閉じられている状態に於いては、第
２図に示す如く摺動蓋のライニング５の部分に沿う状態
に保持されている。

又第２図に示す状態から摺動蓋がスリット開ロアを経て
後退し、第３図に示す如き天窓開口が開かれた状態にな
る時、整流板１２は自動的に第３図に示す位置へ回動さ
れることは明らかであろう。

第５図及び第６図は整流板１２の横断面形状に関する修
正例を示す要部の断面図である。

第５図に示す実施例に於いては、整流板１２の上縁部１
２ａは幾分湾曲され、天井パネル８の端部８ａ上に重な
り合う様になっている。

かかる構成によれば、整流板１２と天井パネル８の接合
部に於いて走行風を滑らかに案内することがより確実に
なり、風切り音の発生が確実に回避される。

又第６図に示す実施例に於いては、整流板１２の下端部
が幾分車輛の進行方向へ向けて湾曲されており、これに
よって整流板へ向けて流れる空気流をより良く天窓開口
外へ導く作用が得られる。

以上に於いては本考案を一つの実施例及びその一部の修
正例について詳細に説明したが、本考案がかかる実施例
にのみ限られるものではなく、かかる実施例について本
考案の範囲内にて種々の修正が可能であることは当業者
にとって明らかであろう。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による車輌のサンルーフ構造の一つの実
施例を示す斜視図、第２図及び第３図は第１図の線Ｘ−
Ｘを通る垂直平面による断面を天窓開口の閉状態及び開
状態に於いて示す断面図、第４図は整流板の取付は構造
部を分解して示す部分斜視図、第５図及び第６図は整流
板の横断面形状に関する修正例を示す要部の断面図であ
る。 １・・・天井、２・・・天窓開口、３・・・摺動蓋、４
・・・パネル部、５・・・ライニング部、６・・・天窓
開口の後縁、７・・・スリット開口、８・・・天井パネ
ル、９・・・天井内張り、１０・・・スペース、１１・
・・シール要素、１２・・・整流板、１３・・・枢動軸
線、１４・・・枠体、１５・・・ブラケット、１６・・
・は゛ね。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 天窓開口を有する天井と、車輌の進行方向に見て後方に
   あたる前記天窓開口の後縁に設けられたスリット開口よ
   り進退して前記天窓開口を開閉する摺動蓋とを含む車輌
   のサンルーフの構造にして、前記摺動蓋が前記スリット
   開口より退き前記天窓開口が開かれた時前記後縁を覆う
   帯状の整流板を有し、前記整流板はその下縁部よりその
   上縁部へ向けて車輌の進行方向に見て後方へ且上方へ傾
   斜していることを特徴とするサンルーフの構造。