JPS598830Y2 - プレス型取付装置における連動機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はプレス型取付装置における連動機構、さらに詳
しくはプレス型取付装置において特に金型をクランプし
且つ位置決めするための一連の連動機構に関し、その目
的とするところは、プレス型の取替え作業が極めて簡単
且つ迅速に行なえしかも動作が確実で耐久性、耐振性に
すぐれ且つ位置決め精度が格別良好なプレス型取付装置
における連動機構を提供するにある。

従来、この種プレス型取付装置は金型の迅速交換による
段取り時間の低減を目的として種々考案されているが、
大別するとベースプレート上の金型を締付け固定するク
ランプと金型の位置決めをはかるロケーションピンを夫
々別途に動作させる機構とクランプとピンを同時に連動
させる機構とに分けることができる。

前者の機構としては実開昭４９一第７３０７５号のよう
に従来より最も多く採用されておりその技術思想はベー
スプレートに取付けられる金型の垂直方向の動きを阻止
するためにクランプを設けて該クランプをピストンロツ
ド等により揺動させて金型を締付け固定するもので、金
型の垂直方向の動きを確実且つ強力に阻止するにある。

しかるに最近クランプの機能は金型を締付け固定させる
のではなくギャップをなくすだけの役目をさせれば十分
であるという技術思想に基づき前記のような締付けクラ
ンプを設けることなく第６図のように偏心軸２７によっ
て金型のギャップを阻止する機構が開発され且つ偏心軸
２７の採用によってラック２８とピニオン２９の噛合を
介して偏心軸２７の回転によりロケーションピン１３が
べ−スプレート１１の位置決め用孔１２に出没自在に構
戊してなる装置が知られている。

すなわち後者の偏心軸２７とロケーションピン１３の連
動機構は金型の取り替え作業性から非常に効果的で段取
り時間の低減を可能とする点では前者の個別作業に比し
２つの動作を偏心軸２７を回す１つの動作で可能となり
非常にすぐれた効果がある。

しかしながら後者のように金型の垂直方向の動きを単に
ギャップを阻止するのみの目的で偏心軸で構威すると金
型取付け後の作業中の衝撃等により金型の垂直方向の位
置決めが不安定となり製品に対する信頼性に欠ける重大
な難点がある他、偏心軸４５とロケーションピン１３の
連動をラック２８とピニオン２９の噛今によって行なう
ものであるため作業中の激しい振動や衝撃等によりラツ
ク２８が破壊される等重大な難点となっていた。

また偏心軸とロケーションピンはいずれも小径なるため
これにラックやピニオンを形戊することは製作面で非常
に難題とされた。

いずれにしても第６図に示されたプレス型取付装置は偏
心軸２７とロケーションピン１３をラックとピニオンを
介して連動させ偏心軸のみの回転によって金型のギャッ
プ防止（垂直方向の位置決め）と平面的な動きの防止（
水平方向の位置決め）を同時に行なわせる操作性の点に
おいては格別な効果を有するがそれ以外の信頼性や耐久
性や製作面等上記各点において種々の致命的欠点があっ
た。

本考案はこのような点に着目し上記考案の最大の利点で
ある連動機構をの構或に根本的な改良を加えたものでそ
の特徴とするところは、下型を取付けるベースプレート
、又は上型を取付けるベースプレートをクランプし且つ
位置決めするためのプレス型取付装置における連動機構
において、前記ベースプレートをそれぞれ取付ける下型
又は上型ホルダーに設けられた支持板にクランプ軸にて
回動自在に枢着されたクランプと、該クランプに一体的
に設けられ且つ該クランプの回動により左右にスイング
するバーと、該バーの下端部に直交して設けられた連杆
の両側に一端が連結されて前記バーのスイングにより往
復動可能な１対の連結杆と、該連結杆の他端側に連結さ
れて該連結杆の往復動により枢支ピンを支点にスイング
するスイングカムと、該スイングカムのスイングにより
ホルダーの空間部からベースプレートの位置決め用孔に
出没自在なるべく該スイングカムのカム部に載置されて
なるロケーションピンとからなるにある。

以下その具体的構成を図面に示した一実施例に従って説
明する。

３は下型ホルダー１上に立設された支持板４にクランプ
軸５にて回動自在に枢着されたクランプ、６はクランプ
３の下面に垂設されたバー、７は枢支ピン８にて連結杆
９の一端９ａに連結されたスイングカムで、前記下型ホ
ルダー１の内部に切欠き形威されたボックス状の空間部
２内で枢支ピン１０を支点にスイング自在に枢着されて
いる。

１３は前記スイングカム７に湾曲状に形或されてなるカ
ム部１４に載置されたロケーションピンである。

しかも前記連結杆９、スイングカム７及びロケーション
ピン１３は前記下型ホルダー１上に取付けられたベース
プレート１１上の４ケ所に穿設された位置決め用孔１２
・・・のうも２ケ所の位置決め用孔１２． １２に対応
して夫々１対ずつ設けられ、且つ両側の連結杆９，９の
他端９ｂ，９ｂは連杆１５にて、バー６に対じ回動自在
に連結されてなる。

上記構戊からなるクランプ機構、連結杆、スイングカム
及びロケーションピンの各連動機構は下型ホルダー１の
他側面側にも対称的に設けられてなる。

そして上記構戒からなる連動機構は上型取付用の上型ホ
ルダー１６の一側面及び他側面側にもそれぞれ対称的に
設けられている。

すなわち上型ホルダー１６の内部に空間部２′が形或さ
れ且つ該上型ホルダー１６に垂設された支持板４′にク
ランプ軸５′にてクランプ３′が回動自在に枢着され、
しかも前記空間部２′内でスイングカム７′に枢支ピン
８′にて一端９’ａが連結された連結杆９′を往復動せ
しめるバー６′が前記クランプ３′に立設されてなる。

さらに上型ホルダー１６の取付面には４ケ所に位置決め
用孔１２・・・が穿設されたベースプレート１１′が取
付けられ、また前記スイングカム７′に形威されたカム
部１４′にはロケーションピン１３′が載置されてなる
。

しかも前記連結杆９′、スイングカム７′及びロケーシ
ョンピン１３′は一側面に２ケ所位置決め用孔１２に対
応して夫々設けられ且つ両側の連結杆９’， ９’の他
端９’ｂ，９’ｂに連杆１５′にて、バー６′に対じ回
動自在に連結されてなる。

以上のように該実施例はベースプレートに４ケ所位置決
め用孔を穿設し夫々の孔に出没自在のロケーションピン
を配置し、該ロケーションピンに連動するクランプをベ
ースプレートの両側に設けてクランプとロケーションピ
ンをバー、連結杆及びスイングカムによって連動してな
るものでこの構戒が、下型取付用の下型ホルダーと上型
取付用取付用の下型ホルダーと上型取付用の上型ホルダ
ーに対称的に設けられてなる。

尚、下型ホルダー１の両側並びに上型ホルダー１６の両
側には夫々支持用の工具が設けられ、該工具１７は第５
図のようにクランプ３の一片３ａ直下にスプラインボル
ト１８の頭部１８′が位置するよう該ボルト１８をホル
ダー１，１６に螺着して設け且つラチェットボデイ１９
内に装着したスプライン軸部２０に方向切換ノブ２１の
上下動によって左右一対のラチェット爪２２のいずれか
一方を係合可能ららしめしかもスプラインボルト１８に
対しラチェットレバ−２３を直交して設けてなるにある
。

本考案は上記構戒からなるため、まず下型ホルダー１及
び上型ホルダー１６に、上型Ａのベースプレート１１′
と下型Ｂのベースプレート１１を夫々取付けた後、クラ
ンプ３を支持板４に枢着しているクランプ軸５をわずか
に反時計方向に回動させるとクランプ３の回動によって
バー６が反時計方向にスイングする。

このバー６のスイングにより連結杆９は右方に引っ張ら
れて移動すると、スイングカム７が枢支ピン１０を支点
として右方にスイングする。

ここで゛スイングカム７のカム部１４は先端１４ａにな
るほど枢支ピン１０との距離が長くなっているため、カ
ム部１４に載置されているロケーションピン１３が上昇
することになり、よってベースプレート１１の位置決め
用孔１２にスムーズに嵌入せしめられる。

従ってベースプレート１１の一側面は上記ロケーション
ピン１３，１３の嵌入によって水平方向の位置決めが図
られる。

このとき、クランプ３はクランプ軸５の回動により回動
するため、クランプ３の他片３ｂはベースプレート１１
を圧接した状態になり、従ってベースプレート１１の一
側面は垂直方向にも位置決めされている。

次にベースプレート１１の他側面側も上記方法と同様に
クランプ軸５を回動させることにより、ロケーションピ
ン１３，１３をベースプレート１１の位置決め用孔１２
．１２に夫々嵌入せしめて、ベースプレート１１の水平
方向の位置決めを図ると同時に、クランプ３の他片３ｂ
をベースプレート１１に圧接させてベースプレート１１
の垂直方向の位置決めを図る。

その後、この状態を固定させるために支持工具１７を操
作する。

まず方向切換ノブ２１を下側に移動させると板ばね２４
の移動によって第５図のように右側のラチェット爪２２
がスプラインボルト１８のスプライン軸部２０の溝部と
係合し、この時同図のように左側のラチェット爪２２が
スプライン軸部２０から溝２５側の転倒傾斜しスプライ
ン軸部２０とはフリーな状態になる。

この状態でラチェットレバー２３を右側方向に複数回繰
り返して回動するとスプラインボルト１８は螺合した下
型ホルダー１から徐々に回転しながら上昇する。

該スプラインボルト１８の上昇に伴ないボルト１８の頭
部１８′がクランプ３の一片３ａに接し、これを押圧支
持することにより、クランプ３が固定され、さらにはロ
ケーションピン１３も固定される。

この支持工具１７の押圧支持は、第５図口のように右側
のラチェット爪２２がスプライン軸部２０と係合してい
るため逆方向のスプラインボルト１８の回転は阻止され
ベースプレート１１の弛みを防止できる。

上記方法にて上型取付用のベースプレート１１′も水平
方向をロケーションピン１３′にて、垂直方向をクラン
プ３′にて夫々位置決め固定を図るものである。

尚、ベースプレート１１の締付け解除は、支持工具１７
の方向切換ノブ２１を上側に移動させて、左側のラチェ
ット爪２２を板ばね２４の移動によりスプライン軸部２
０に係合し、右側のラチェット爪２２′をスプライン軸
部２０からフリーな状態にする。

この状態でラチェットレバ−２３を左側方向に複数回繰
り返して回動するとスプラインボルト１８が回転しなが
ら下型ホルダー１のねし部２６内に下降螺着し、その頭
部１８′がクランプ３の一片３ａの押圧を徐々に緩める
。

さらにラチェットレハー２３を回動させて、スプライン
ボルト１８の頭部１８′をクランプ３の一片３ａよりや
や下方まで下げておき、次にクランプ軸５を時計方向に
回動させると、クランプ３か゛回動して他片３ｂがベー
スプレート１１から離脱する。

これと同時にバー６は左方にスイングするため、連結杆
９を介してスイング勿ム７はバー６に押され、枢支ピン
１０を支点として左方にスイングする。

このときスイングカム７のカム部１４の基部１４ ｂと
枢支ピン１０との距離が短いため、カム部１４に載置さ
れているロケーションピン１３が下降し、よってベース
プレート１１の位置決め用孔１２から抜け出る。

従ってその後は容易に金型の交換を行なうことができる
のである。

以上のように本考案はベースプレート１１の垂直方向の
締付けを行なうクランプと水平方向の位置決めを行なう
ロケーションピンを連動させてなるため、上下のベース
プレートの位置決め及び締付けが４工程で行なうことが
でき、従来の８工程に比し大幅に作業工程を省略できる
効果がある。

尚、該実施例ではスイングカム７と連結杆９の一端９ａ
とを枢支ピン８により連結してなるが連結手段は決して
これに限定されるものではない。

またスイングカム７の形状も決して該実施例に限定され
るものではない。

さらにクランプ３の一片３ａを押圧支持する支持工具１
７も決して該実施例に限定されるものではない。

その他、ベースプレート１１の位置決め用孔１２の数も
決して限定されるものではない。

叙上のように本考案はクランプの回動によってバーをス
イングせしめ該バーのスイングにより連結杆を往復動せ
しめ且つ連結杆の往復動によりスイングカムを介してロ
ケーションピンを昇降せしめる構成なるため、まず操作
性においてクランプとロケーションピンの連動によりク
ランプとロケーションピンの２動作を１動作でもって行
なうことができ、上型、下型を含め４動作でベースプレ
ートの位置決めが行なえこれによる操作性及び作業性が
飛躍的に向上した。

さらに連動機構が従来のようにロケーションピンとクラ
ンプをラックとピニオンの噛合を介して行なうのに比し
、バーと連結杆及びスイングカムを介して行なうもので
あるため、製作が容易で且つ急激な振動や衝撃に対して
も十分に対処でき、よってその耐久性耐振性にすぐれて
いる等の格別な効果がある。

また本考案は連動機構を採用しながらベースプレートの
押圧による締付け固定により垂直方向の位置決めを図る
ものであるため、従来の連動機構の如く偏心軸による点
又は線接触に比し面接触となりこれがその安定性を著し
く大ならしめ製品に対する信頼性が非常に大きい。

さらに連動機構における各動作が確実で、ロケーション
ピンに対し無理な力をかけないため水平方向の位置決め
精度が常に安定しガタつき等生しるおそれがない。

またベースプレートは単純形状で製作並びに取り扱いが
容易である。

さらに金型の交換がスムース且つ容易に行なえる利点が
ある。

さらにバーには連杆を介してｌ対の連結杆が設けられ且
つ該連結杆にスイングカムを介してそれぞれロケーショ
ンピンが設けられてなるため、クランプの締付け操作に
よりベースプレート上の２ケ所の位置決め用孔に同時に
ロケーションピンが挿入され、よって位置決め作業が効
率的に行なわれるという利点がある。

その他全体の形状が簡単で安価に提供できる等すぐれた
実用的価値がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はプレス型取付装置の上型ホルダーを取外した状
態の平面図。 第２図はプレス型取付装置の正面図。 第３図は一実施例としての連動機構の拡大断面図。 第４図は連動機構を示す概略平面図。第５図は支持工具
を示し、イは縦断面図、口は横断面図。 第６図は従来例を示す縦断面図。１・・・下型ホルダー
、３・・・クランプ、４・・・支持板、５・・・クラン
フ゜軸、６・・・バー ７・・・スイングカム、９・・
・連結杆、１０・・・枢支ピン、１１・・・ベースプレ
ート、１２・・・位置決め用孔、１３・・・ロケーショ
ンピン、１４・・・カム部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下型を取付けるベースプレート１１，又は上型を取付け
   るベースプレート１１′をクランプし且つ位置決めする
   ためのプレス型取付装置における連動機構において、前
   記ベースプレー｝ １１．１１’をそれぞれ取付ける下
   型又は上型ホルダー１，１６に設けられた支持板にクラ
   ンプ軸５にて回動自在に枢着されたクランプ３と、該ク
   ランプ３に一体的に設けられ且つ該クランプ３の回動に
   より左右にスイングするバー６と、該バー６の下端部に
   直交して設けられた連杆１５の両端部に一端が連結され
   て該バー６のスイングにより往復動する１対の連結杆９
   ，つと、該連結杆９，９の他端に連結されて該連結杆９
   ，９の往復動により枢支ピン１０を支点にスイングする
   １対のスイングカム７，７と、該スイングカム７のスイ
   ングによりホルダーの空間部２からベースプレートの位
   置決め用孔１２に出没自在なるべく該スイングカム７の
   カム部１４に載置されてなる１対のロケーションピン１
   ３，１２とからなることを特徴とするプレス型取付装置
   における連動機構。