JPS5828745Y2 - 工作機械の手動クランパ− - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、金属加工機械や切削加工機械等に工具又は被
加工物等（以下、工具等という）を固定する手動クラン
パーに関し、厚みの異る工具等でも簡単に強力に固定で
きるようにする事を目的とする。

手動クランパーの基本構造は、クランプ腕の中間部に支
点、後端に力点、先端に作用点を形成し、力点を手動式
締付装置で線上げることにより、クランプ腕を支点の回
りにシーソー揺動させ、作用点を工具等に押圧して、固
定するようになっている。

このとき、作用点は少し空動きした後に、工具等に当っ
て固定することとなる。

この空動きは、工具等の交換時に、工具等と作用点との
干渉を避けるために、不可欠である。

従来では、手動式締付装置は、作用点が工具等に当てつ
けられた後の有効締付はリフト分を動かすだけでなく、
工具等に当るまでの空動きリフト分をも動かしていた。

このため、手動式締付装置は工具等の有効な締付けを全
動作リフトの一部でしか行なわず、その間の締付仕事量
が小さく、締付力を大きくとれない。

また、締付力を大きくするために、手動式締付装置の動
作リフトに対するクランプ腕の作用点の作動リフトの比
率即ち倍力率を大きくしている。

ところが、倍力率を大きくしたのに反比例して、クラン
プ腕の作用点の全作動リフトが小さくなるため、工具等
が標準厚さよりも少しでも厚くても薄くても、正しくク
ランプできない。

というのは、厚ければ工具等が作用点と干渉して設置で
きず、薄ければ作用点が正規の締付力が出る位置にまで
屈かないからである。

本考案は、このような欠点を解消して、締付力を大きく
できるうえ、厚さの異る工具等でも正しく固定でき、し
かもその締付作業を簡単に手早く行なえるようにする事
を目的とする。

そして、このために、まづクランプ腕の支点を偏心輪に
より大きく上下調節して、作用点を工具等に当てつけて
おき、ここから手動式締付装置の作動リフトの全部で工
具等を有効に締付けるようにするものである。

次に、本考案の実施例を図に基き説明する。

第１図〜第３図に示すように、手動クランパーはクラン
パ一本体１の左右両側に立設の枢支ブラケラト部１ａ間
のクランプ腕２を支点軸３を介して枢支ブラケット部１
ａに偏心揺動可能に枢支し、クランプ腕２の後部の力点
部２ａを手動締付装置４で押上げることによりクランプ
腕２先端部の作用点部２ｂで金型５をクランプする。

クランパ一本体１０基盤部１ｂは平面方形の盤状とし、
この全長に亘って左右両側部の上面に基盤部１ｂと一体
に枢支ブラケット部１ａを立設する。

クランプ腕２は両枢支ブラケット部１ａ間に配置し、そ
の先端部を枢支ブラケット部１ａの前方へ突出させて金
型５をクランプする作用点部２ｂとし、その下面は金型
５を傷つけないよう凸曲面状に形成する。

両枢支ブラケット部１ａの前寄り部の中段に左右方向に
透設の円形の支点受孔７を設け、又クランプ腕２の中間
部の中段左右方向に大径の支点孔８を形成し、両支点受
孔７と支点孔８とに亘って支点軸３を挿嵌してクランプ
腕２を枢支ブラケット部１ａに枢支するが、支点孔８に
挿嵌される支点軸３は支点受孔７に挿嵌する支点軸３の
枢支部３ａと偏心する偏心輪部３ｂに形成し、この支点
軸３の回動でクランプ腕２を上下方向に進退させ得るよ
う形成する。

この回動の為、支点軸３の左右両端部は左右枢支ブラケ
ット部１ａの側面外へ突出させ、正四角柱状の手動回転
用入力部３ｃとする。

クランプ腕２の後部は、その下面が枢支ブラケット部１
ａの略中段の高さ位置になるよう形成して力点部２ａと
し、この力点部２ａを偏心輪式の手動締付装置４で上方
に締上げてクランプ腕２をクランプ側へ揺動させ得るよ
う形成する。

手動締付装置４は力点部２ａと基盤部１ｂ上面間で、力
点軸９を両枢支ブラケット部１ａの力点枢支孔１０に亘
って挿嵌し、この挿嵌部分間の力点軸９を力点枢支孔１
０の中心軸と偏心する偏心輪部９ａとし、この偏心輪部
９ａを力点部２ａの下面に接当させる。

両枢支ブラケット部１ａに挿嵌する力点軸９の左右の枢
支部９ｂのうち、左側の枢支部９ｂは偏心輪部９ａより
大径に形成し、左側方から力点軸９を挿入装着する。

この大径の枢支部９ｂにはその端面から正方柱状の工具
挿入穴９ｃを凹設し、力点軸９を工具で回動するよう形
成する。

同、符号１１は止め輪である。基盤部１ｂの前端部の中
央に上面から立てにバネ装着孔１２を凹設し、ここに戻
しバネ１３を弾圧装着してクランプ腕２の下面に接当さ
せ、クランプ腕２をアンクランプ側へ付勢する。

同、クランパ一本体１は固定ボルト１４で工作機械の取
付台６の上面に固定する。

上記本考案の手動クランパーで金型５をクランプする場
合、金型５の厚さに応じた作用点部２ｂの高さ位置の調
整及び金型５の固定締付けは、支点軸３の回動により又
手動締付装置４の力点軸９０回動により手動で適宜行な
うことができる。

上記の本考案の実施例の変形例として、その一部を次の
ように変更することがセきる。

Ａ）、第４図・第５図に示すように、手動締付装置４を
手動回動式のウオーム軸１５とウオームホイール１６で
形成する。

力点部２ａ直下の基盤部１ｂに立てに穿孔のネジ穴１７
にウオームホイール１６の基部１６ａを螺合し、ウオー
ムホイール１６の凸状の上端面をクランプ腕２の力点部
２ａ下面に接当させ、更にウオームホイール１６の上半
部周面のウオームホイール歯にウオーム軸１５のウオー
ム歯を噛合せて形成し、ウオーム軸１５の回動によりウ
オームホイール１６を回動させ上下方向に進退させるよ
う形成する。

ウオーム軸１５は左右の枢支ブラケット部１ａに枢支す
るが、その右端部１５ａは枢支穴１８に挿嵌枢支し、そ
の左端部１５ｂは太く形成して左側方からウオーム軸１
５の挿入装着を可能とし、ウオーム軸１５の脱落を防止
する為、ここに回動自在に外嵌のブツシュ２１を枢支ブ
ラケット部１ａに螺合しその先端でウオーム軸１５の鍔
部１５ｃを接当係止する。

また、ウオーム軸１５の左端面から工具挿入穴１９を凹
設してウオーム軸１５を工具で回動し得るよう形成する
。

尚、クランパ一本体１はその下面から突設の逆Ｔ型固定
具２０で工作機械の取付台６のＴ溝に装着される。

Ｂ）、第６図・第７図に示すように、手動締付装置４を
テーパーコツタ式に形成する。

クランプ腕２の力点部２ａの下面を左右に傾斜させ、こ
の傾斜面と基盤部１ｂ上面間にコツタ２２を装着し、こ
のコツタ２２に螺合貫通のネジ軸２３を左右枢支ブラケ
ット部１ａに枢支し、ネジ軸２３の手動回動でコツタ２
２を左右方向に進退させることにより力点部２ａを上下
進退させるよう形成する。

同、コツタ２２はバネ２４でクランプ腕２のクランプ側
へ付勢され、ネジ軸２３はブツシュ２５で脱落を拘束さ
れる。

同、符号２６は工具挿入孔である。

本考案は、上記のように構成されるので、次の効果を奏
する。

（イ）予め、クランプ腕の支点孔を支点軸の偏心輪部で
上下調節して、作用点部を工具等に押し当てておき、こ
の状態からＪ手動式締付装置で力点部を締上げて行く事
に゛より、手動式締付装置の作動リフトの全部を有効に
生かして工具等を締付けることができ、その間の締付仕
事量が大きくなるから、工具等の締付力を大きく強固に
できる。

（ロ）クランプ腕の支点孔を支点軸の偏心輪部で上下調
節することにより、作用点部の上下位置を大きく調節で
きるので、この大きな調節寸法がある分だけ、厚い工具
等でも薄い工具等でも正しくクランプできる。

（ハ）上記効果（イ）及び（ロ）を得るために、支点軸
を回転調節してから、手動式締付装置を操作するだけで
済み、その締付は作業を効果（イ）及び（ロ）を奏する
割には簡単に手早く行なえる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示し、第１図は要部縦断側面図、
第２図は正面図、第３図は第１図の■■線断正面図、第
４図・第５図は第１別実施例を示し、第４図は第１図相
当図、第５図は第４図の■−Ｖ線断面図、第６図・第１
図は第２別実施例を示し、第６図は第１図相当図、第７
図は第６図の■−■線断面図である。 １・・・クランパ一本体、２・・・クランプ腕、２ａ・
・・力点部、２ｂ・・・作用点部、３・・・支点軸（３
ｂ・・・偏心輪部、３ｃ・・・手動回転用入力部）、４
・・・手動締付装置、７・・・支点受孔、８・・・支点
孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クランプ本体１にクランプ腕２の中間部をシーソー揺動
   自在に枢支し、クランプ本体１の後ろ寄り部に設けた手
   動式締付装置４でクランプ腕４をクランプ側に駆動可能
   に構成した手動クランパーにおいて、クランプ腕４をク
   ランプ本体１に枢支する支点軸３の途中部に偏心輪部３
   ｂを形成し、この支点軸３の偏心輪部３ｂをクランプ腕
   ２の支点孔８に内嵌させるとともに、支点軸３をクラン
   パ一本体１の支点受孔７に回転可能に支持させ、支点軸
   ３の端部に形成した手動回転用入力部３Ｃをクランパ一
   本体１の側面外に臨ませたことを特徴とする工作機械の
   手動クランパー。