JPS5821632Y2 - フイクスチヤ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はトランスファマシンなどの工作機械に使用さ
れるフイクスチャに関し、１モーシヨンによってワーク
を位置決めし、かつ強固に固定保持するようにしたもの
である。

各種工作機械によって所定のワークに切削加工を施す場
合にはワークを何らかの方法で固定保持することは周知
のと訃りであるが、ワーク自体の剛性が低かったりある
いはワークが複雑形状をなす場合にはワークの数箇所を
クランプする必要があり、しかも単一加工のみならず、
多次元の加工を行なうトランスファマシンなどの加工能
率の高い工作機械にあっては、１モーシヨンでワークの
高精度な位置決めと同時に多次元の切削加工に充分に耐
え得るワーククランプを行ない得るフイクスチャの必要
性があった。

そこで本考案は上記のような点に鑑みてなされたもので
、ワークの位置決めとクランプとを１モーシヨンによっ
て同時に行ない得るようにした操作性のすぐれたフィク
スチャを提供しようとするものである。

以下、この考案の一実施例を図面に基づき説明する。

図面は一例として椀状大径部の先端に小径突起部を有す
るワークを゛クランプするフィクスチャを示すもので、
その椀状大径部の外周の一角部を基準としてその周方向
の位置決めを行なうとともに、椀状大径部の３点をクラ
ンプして所定の基準面にワークを固定するものである。

図において１はカムによるクランプ機構を内蔵する基体
であって、この基体１上の垂壁中央部には凹状のワーク
取付部２が一体成形しであるとともに、第３図に示すよ
うにその背面から円環状の基準プレート３が一体的に固
着され、この基準プレート３を基準面としてワークＷの
大径部をクランプするようにしである。

４は基体１の中央下方部にあってその前後方向に配設さ
れたカム軸で、このカム軸４の前端部には円板状の一部
に切欠いてなる蝶形の端面カム５が自動調心形のスラス
トベアリング６を介して揺動可能に取り付けてあり、こ
の端面カム５の後側周縁部にはリード面５ａが突出形成
しであるとともに、この端面カム５の外周部と上記基体
１の側壁との間に張設されたスプリングによって常時イ
方向に付勢されている。

８は上記カム軸４にその後方からスプリング８ａを介し
て嵌挿されたスリーブであって、このスリーブ８の基体
背面に突出する後端部にはレバー９が一体的に固着しで
あるとともに、このスリーブ８の先端部には２本のピン
１０．１０が突設されたピンプレート１１が一体的に取
り付けられている。

このピン１０．１０はそのピンプレート１１と並列する
端面カム５の後側面に形成された溝１２内に係合し、こ
れによりピンプレート１１の回転に追従して端面カム５
が同期回転するように構成しであるとともに、同時にピ
ン１０，１０は端面カム５の自動調心形のスラストベア
リング６による偏位方向を一方向のみに規制する機能を
具備している。

１３ａ、１３ｂは基体１の両側部にニードルベアリング
１４督よびボールベアリング１５を介して回転可能に垂
設された回転軸で、この両回転軸１３ａ、１３ｂの下端
部には上記端面カム５のリード面５ａに当接するローラ
ー１６ａを有するカムフォロアレバー１６が互いに対向
するように固着され、このカムフォロアレバー１６はそ
の両者間に張設されたスプリング１７によってそのロー
ラー１６ａが端面カム５のリード面に当接するよう相互
に付勢されているとともに、端面カム５の回転に伴なっ
て回動し、回転軸１３ａ、１３ｂを同期回転させるよう
に構成しである。

１８は回転軸１３ａのほぼ中央部に固着されたくさび形
の先鋭部を有するクランプ爪、１９は同じく回転軸１３
ｂのほぼ中央部に上記クランプ爪１８と対向するように
固着されたＶ字状をなすイコライザ形のクランプ爪で、
このクランプ爪１９の先端のくさび状爪部１９ａは基部
１９ｂに対してピン２０を回転中心として回転自在に構
成され、クランプ時の締めしるが異なる場合にもワーク
を均等にクランプすることができるようになっていると
ともに、第３図に示すように上記クランプ爪１８および
１９の３点支持により、ワークＷの大径部を押圧してこ
のクランプ爪１８，１９と基準プレート３間に挾持固定
するようになっている。

クランプ爪１８および１９は、ワークＷの大径部のバラ
ツキがあってもワークを均等にクランプできるように、
上述のように自動調心形のスラストベアリング６が端面
カム５の内部端面に当接してあり、フローティングでき
る。

２１は上記回転軸１３ａの上端部にサラバネ２２を介し
て固着された逆円錐状のカムで、このカム２１のリード
面には前記垂壁部に斜めに、かつスプリング２３を介し
て進退可能に設けられたワーク位置決めコマ２４の頭部
が当接し、上記カム２１の回転に伴ない位置決めコマ２
４がワーク取付部２内に突出し、かつその先端■溝２４
ａがワークＷの外周の一角部を押圧してワークの周方向
の位置決めを行なうようにしである。

なわ上記サラバネ２２はワーククランプ時のワークの逃
げを吸収するものである。

次に上記の如く構成されたフィクスチャの動作について
説明する。

図面はクランプ状態を示すものであり、この状態からの
アンクランプ操作に際しては、渣ず図示しない駆動手段
によってレバー９を介してスリーブ８を回転させると、
このスリーブ８に一体的に固着されたピン１０，１０と
端面カム５の溝１２との係合によって端面カム５がイ′
方向に所定角度同時回転する。

するとこの端面カム５の回転に伴ないこれのリード面５
ａに当接しているカムフォロアレバー１６はスプリング
１７の引張力によって互いに口′方向に回動して、回転
軸１３ａ。

１３ｂを介して両クランプ爪１８．１９が同じく口′方
向に回動してアンクランプ動作するとともに、カム２１
０回転に伴ないワーク位置決めコマ２４がスプリング２
３の復帰力によって後退復帰してその位置決めが解除さ
れてワークＷは解放状態となる。

一方、クランプ操作に際しては上記とは逆に、ワーク取
付部２にワークＷを供給し、第３図に示すようにその大
径部の端面を基準プレート３の内筒部に嵌合するように
して位置させる。

この後、上記と同様にしてレバー９釦よびスリーブ８を
介して端面カム５をイ方向に回転させると、この端面カ
ム５の回転に伴ないこれのリード面５ａに当接している
カムフォロアレバー１６が口方向に回動して回転軸１３
ａ、１３ｂがそれぞれ口方向に同時回転する。

すると回転軸１３ａの上端のカム２１の回転に伴ないこ
れに当接しているワーク位置決めコマ２４が前進し、そ
の先端■溝２４ａがワークＷの外周の一角部を押圧して
ワークＷの円周方向の位置決めを行なうと同時に、両回
転軸１３ａ、１３ｂに固着されているクランプ爪１８゜
１９がそれぞれワークＷの椀状大径部を両クランプ爪１
８および１９０３点支持によって押圧し、この両クラン
プ爪１８．１９と基準プレート３間にワークＷを強固に
挟持固定する。

クランプ爪１８．１９がワークを同時クランプするとき
に、ワークのバラツキに応じて端面カム５がフローティ
ングする。

な釦、クランプ時の端面カムはクサビ状に働いてクラン
プ力を強くするとともに抜けないようになっている。

こうして固定保持されたワークＷはその前面、背面釦よ
び上面からそれぞれポーリングあるいはフェーシングな
どの各種切削加工が行なわれるのである。

以上のようにこの考案に係るフイクスチャは、ワーク固
定基準面の両側部に回転自在に設けられ、かつそれぞれ
にカムフォロアレバーを備えた一対の回転軸と、この回
転軸に互いに対向するようにそれぞれ取り付けられると
ともに、上記回転軸を介して回動されることによりワー
ク固定基準面に対して開閉クランプ動作する一対のクラ
ンプ爪と、上記カムフォロアレバーに対接するとともに
このカムフォロアレバーを介して上記回転軸を回転させ
るべく外部駆動手段によって回転される端面カムと、上
記回転軸のいずれか一方に取り付けられたカムと、この
カムに対接するとともにこれの回転に伴ない、ワーク固
定基準面にクランプされるワークの外周に対して前後進
されるワーク位置決めコマとからなり、上記端面カムの
回転によってワーク位置決めコマを前進させ、その先端
部をワーク外周の周方向の位置決め基準部に押圧してワ
ークの周方向の位置決めを行なうと同時に、上記クラン
プ爪をクランプ動作させてこのクランプ爪と上記ワーク
固定基準面間にワークを挟持固定するように構成したも
のであるから、ワークの周方向の高精度な位置決めとク
ランプとを１モーシヨンによって同時に行なうことがで
きるので極めて操作性に富み、しかも多次元の加工にも
充分耐え得るクランプ状態を維持することができるので
、特にトランスファマシンなどの加工能率の高い工作機
械に適用した場合には極めて犬なる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係るフイクスチャの一部断面説明図
、第２図は第１図にわけるＡ−Ａ’断面説明図、第３図
は同じく第１図におけるＢ−Ｂ’断面説明図である。 １・・・・・・基体、３・・・・・・基準プレート、５
・・・・・・端面カム、１３ａ、１３ｂ・・・・・・回
転軸、１６・・・・・・カムフォロアレバー、１８．１
９・・・・・・クランプ爪、２２１・・・・・・カム、
２４・・・・・・ワーク位置決めコマ、Ｗ・・・・・・
ワーク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 周方向の位置決めを要するワークをクランプするフイク
   スチャであって、ワーク固定基準面の両側部に回転自在
   に設けられ、かつそれぞれにカムフォロアレバーヲ備え
   た一対の回転軸と、この回転軸に互いに対向するように
   それぞれ取り付けられると共に上記回転軸を介して回動
   されることによりワーク固定基準面に対して開閉クラン
   プ動作する一対のクランプ爪と、上記カムフォロアレバ
   ーに対接すると共にこのカムフォロアレバーヲ介して上
   記回転軸を回転させるべく外部駆動手段によって回転さ
   れる端面カムと、上記回転軸のいずれか一方に取り付け
   られたカムと、このカムに対接すると共にこれの回転に
   伴ない、ワーク固定基準面にクランプされるワークの外
   周に対して前後進されるワーク位置決めコマとからなり
   ζ上記端面カムの回転によってワーク位置決めコマを前
   進させ、その先端部をワーク外周の周方向の位置決め基
   準部に押圧してワークの周方向の位置決めを行なうと同
   時に、上記クランプ爪をクランプ動作させてこのクラン
   プ爪と上記ワーク固定基準面間にワークを挟持固定する
   ように構成したフイクスチャ。