JPS6042017Y2 - フライス加工装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はフライス加工装置に関し、その目的は、主軸に
取付けられている工具の取付は取外しを容易且つ迅速に
行えるようにしたことである。

工作物をフライス加工する加工装置においては、工具を
支持する工具保持体は一端は主軸に結合され、他端は支
持ブロックによって支持する両端支持で回転駆動するよ
うにしている。

このような装置において、主軸の軸移動のみによって工
具保持体を支持ブロックから抜き取って工具交換を行う
ようにすると、加工時において工具の取付位置と主軸の
支承部との距離が長くなって工具の保持剛性が低下する
ため、従来では主軸を固定とし、支持ブロックを主軸軸
線方向へ移動できるようにしたり、支持ブロックを半割
構造として一方のブロックを開閉できるようにしていた
。

しかしながら前者の場合では支持ブロックを主軸から遠
ざけるのに主軸から離れる側に大きな移動スペースや必
要となり、また後者の場合ではブロックを開閉するため
の大きなスペースが支持ブロックの側部に必要とするた
め、支持ブロック周囲に大きなスペースが存在しない形
式の装置においてはこれらの何れの方式も採用すること
ができず、主軸頭全体を支持ブロックから遠ざけて工具
保持体を取外さなければならなかった。

このため、このような装置においては工具交換が非常に
面倒になる問題があった。

本考案は上記従来の問題を解決したもので、その特長は
、一端を主軸に着脱自在に結合する工具保持体の他端を
回転自在に支承する支持ブロックを設けて、加工中にお
ける工具保持体の支持剛性を高めるとともに、この支持
ブロックを主軸軸線を通る面内において主軸軸線と一致
する角度位置から所要の角度範囲だけ揺動可能とし、工
具の着脱時には、支持ブロックを主軸軸線と一致する角
度位置から主軸軸線外の傾斜角度位置まで傾動させて工
具の脱着を行うようにしたことである。

以下本考案の実施例を図面によって説明する。

第１図及び第２図において１は主軸頭、２は該主軸頭１
に軸方向に移動可能に軸承されたラム、３は該ラム２に
回転可能に軸承された主軸である。

この主軸頭１はコラム４に固設されている。

５は主軸３に一端が着脱可能に結合された工具保持体で
あり、これに工作物Ｗを加工するフライスカッタ等の工
具６を保持している。

この工具保持体５の主軸３への着脱可能な結合構造とし
ては、第２図及び第３図に示すように工具保持体５に穴
径の大小異なるダルマ形のボルト穴５ｂを設け、このボ
ルト穴５ｂを貫通して取付ボルト８を主軸３に螺着した
もので、工具保持体５を主軸３に対して回動することに
より取付ボルト８の頭部がボルト穴５ｂの犬、小細れか
の位置に合致し、大径部分では取付ボルト８の頭部を抜
き差し自在とし、また小径部では係合して結合状態とな
るようにされている。

７は前記工具保持体５の他端を支持する支持ブロックで
ある。

すなわち、主軸３の軸心と同心に支持筒９がベアリング
１０によって回転自在に保持され、この支持筒９に工具
保持体５の他端に形威した支承部５ａを嵌合し、キー１
１によって係合されている。

この支持ブロック７は次のような構造によってコラム４
に揺動可能に支承されている。

すなわち、主軸３の軸線と平行な平面であるコラム４に
支持板１２を固着し、この支持板１２に主軸３の軸線と
直交する軸線の軸部１４を有する揺動面板１３を揺動可
能に支持する。

この揺動面板１３に支持ブロック７が一体に形威されて
いるのである。

さらに、揺動面板１３には軸部１４の軸心を中心とする
半径の円弧状のガイド穴１５が設けられ、支持板１２に
固設されたストッパピン１６がガイド穴１５に挿入され
、揺動面板１３の揺動回転角度位置を規定している。

また、揺動面板１３の支持板１２との対接面には支持ブ
冶ツク７を、前記工具保持体５が主軸３と同軸となる角
度位置に位置決めするための位置決め穴１７が穿設され
ている。

そして、支持板１２にはこの位置決め穴１７に係脱する
ノックピン１８がスプリング１９によって係合方向に常
に押動された状態で設けられている。

このノックピン１８の係脱操作機構としては、ノックピ
ン１８の後端に可動軸２０を結合し、これに操作ロッド
２２に取付けられた作動板２１を係合すると共に、操作
ロッド２２端に操作レバー２３を取付けた構造とする。

次いで、前記ノックピン１８によって位置決めされた揺
動面板１３をクランプする装置が設けられている。

このクランプ装置は第２図及び第４図で示すように、揺
動面板１３の軸部１４に細径部２４を形威し、この細径
部２４にクランプアーム２５の中央部が支持されている
。

そして、クランプアーム２５の一端はコラム４に固設し
た固定ブロック２６に当接し、他端はコラム４に螺装し
ているクランプボルト２７と当接させた構造とし、クラ
ンプボルト２７によってクランプアーム２５をテコの作
用で揺動面板１３を支持板１２の面に引き付は圧着する
ようにしている。

本考案は上記の通りの構造であるから、工作物Ｗの加工
時にわいては第１図及び第２図に示すように、ノックピ
ン１８は位置決め穴１７に係合し、支持ブロック７は揺
動面板１３を介して工具保持体５が主軸３と同軸となる
角度位置に位置決めされていると共に、クランプアーム
２５によってクランプされている。

また、工具保持体５は主軸３と一体に結合されている。

このような状態から工具交換するときには、先ず工具保
持体５を主軸３に結合している取付ボルト８の締付けを
若干緩めて工具保持体５を回動し取付ボルト８の頭部が
ボルト穴５ｂの大径部と合致させる。

次いでラム２を後退移動させ取付ボルト８の頭部をボル
ト穴５ｂより抜き取る。

これによって主軸３と工具保持体５とは第５図に示すよ
うに完全に分離される。

そこで、クランプボルト２７を操作してクランプアーム
２５によるクランプを解除し、さらに操作レバー２３を
操作してノックピン１８を位置決め穴１７より抜き取る
。

これで揺動面板１３は軸部１４を中心にして揺動可能と
なり第５図に２点鎖線で示すようにガイド穴１５とスト
ッパピン１６とによって規定される角度位置まで支持ブ
ロック７を回動する。

よって工具保持体５は主軸３の軸線外に位置腰主軸３と
干渉することなく工具保持体５を支持ブロック７から容
易に抜き取ったり装着する工具交換を行うものである。

このように本考案によると主軸と着脱可能に結合される
工具保持体の支持ブロックを主軸と平行な平面内で揺動
可能としたものであるから、工具交換に際しては主軸を
わずかに後退させて支持ブロックを傾動し、工具保持体
を主軸の軸線外に位置することにより工具保持体は主軸
と河谷干渉することなく容易に支持ブロックに着脱する
ことができ、支持ブロックの回りに大きなスペースがな
い加工装置においても工具保持体の取外し取付けが容易
に行える利点がある。

また、本考案においては、工具保持体の支持剛性を高め
るために設けられる支持ブロックをコラムの前面に揺動
可能に取付けることにより、支持ブロックを工具の脱着
に利用できるようにしたものであるから、工具交換用の
装置を別個に設けるもののように工具交換装置を設置す
るスペースが必要なくなり、装置を小形化できる利点が
ある。

さらに、支持ブロックの回動のみによって工具保持軸の
軸線を主軸軸線に一致させることができるので、工具保
持軸の位置合わせを極めて簡単にかつ短時間で行える利
点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の正面図、第２図は第１図■−■線
断面図、第３図は第２図■−■線断面図、第４図は第１
図ＩＶ−ＴＶ線断面図、第５図は工具保持体の着脱時の
正面図である。 １・・・・・・主軸頭、２・・・・・・ラム、３・・・
・・・主軸、４・・・・・・コラム、５・・・・・・工
具保持体、５ａ・・・・・・支承部、５ｂ・・・・・・
ボルト穴、６・・・・・・工具、７・・・・・・支持ブ
ロック、８・・・・・・取付ボルト、９・・・・・・支
持筒、１０・・・・・・ベアリング、１１・・・・・・
キー、１２・・・・・・支持板、１３・・・・・・揺動
面板、１４・・・・・・軸部、１５・・・・・・ガイド
穴、１６・・・・・・ストッパピン、１７・・・・・・
位置決め穴、１８・・・・・・ノックピン、２３・・・
・・・操作レバー、２５・・・・・・クランプアーム、
２６・・・・・・固定ブロック、２７・・・・・・クラ
ンプボルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コラム前面に取付けられた主軸頭に回転並びに軸方向移
   動可能な主軸を装架すると共に、該主軸に一端が着脱自
   在に結合され軸方向の中央に工具を取付けた工具保持体
   を設け、該工具保持体の他端が挿入可能な嵌合穴を有し
   、加工時において該工具保持体の他端を回転自在に支持
   する支持ブロックを前記コラムの前面に前記主軸と対向
   して配設し、該支持ブロックは主軸軸線と平行な平面内
   において前記嵌合穴の軸線が主軸軸線と一致する角度位
   置から所要の角度範囲で揺動可能に支承すると共に、加
   工性においては該支持ブロックを前記工具保持体が主軸
   軸線上に位置する角度位置で位置決めクランプし工具の
   着脱時には位置決めクランプを解除して前記支持ブロッ
   クの回動を許容する位置決めクランプ装置を備えたこと
   を特徴とするフライス加工装置。