JPS598827Y2 - プレス型取付装置における連動機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はプレス型取付装置における連動機構、さらに詳
しくはプレス型取付装置において特に金型をクランプし
且つ位置決めするための一連の連動機構に関し、その目
的とするところは、プレス型の取替え作業が極めて簡単
且つ迅速に行なえしかも動作が確実で耐久性、耐振性に
すぐれ且つ位置決め精度が格別良好なプレス型取付装置
における連動機構を提供するにある。

従来、この種プレス型取付装置は金型の迅速交換による
段取り時間の低減を目的として種々考案されているが、
大別するとベースプレートの金型を締付け固定するクラ
ンプと金型の位置決めをはかるロケーションピンを夫々
別途に動作させる機構とクランプとピンを同時に連動さ
せる機構とに分けることができる。

前者の機構としては実開昭４．９−第７３０７５号のよ
うに従来より最も多く採用されておりその技術思想はベ
ースプレートに取付けられる金型の垂直方向の動きを阻
止するためにクランプを設けて該クランプをピストンロ
ツド等により揺動させて金型を締め付け固定するもので
、金型の垂直方向の動きを確実且つ強力に阻止するにあ
る。

しかるに最近クランプの機能は金型を締め付け固定させ
るのではなくギャップをなくすだけの役目をさせれば十
分であるという技術思想に基づき前記のような締め付け
クランプを設けることなく第６図のように偏心軸２８に
よって金型のギャップを阻止する機構が開発され且つ偏
心軸２８の採用によってラック２つとピニオン３０の噛
合を介して偏心軸２８の回転によりロケーションピン１
１がベースプレート９の位置決め用孔１０に出没自在に
構或してなる装置が知られている。

すなわち後者の偏心軸２８とロケーションピン１１の連
動機構は金型の取り替え作業性から非常に効果的で段取
り時間の低減を可能とする点では前者の個別作業に比し
２つの動．作を偏心軸２８を回す１つの動作で可能とな
り非常にすぐれた効果がある。

しかしながら後者のように金型の垂直方向の動きを単に
ギャップを阻止するのみの目的で偏心軸で構或すると金
型取付け後の作業中の衝撃等により金型の垂直方向の位
置決めが不安定となり製品に対する信頼性に欠ける重大
な難点がある他、偏心軸２８とロケーションピン１１の
連動をラツク２９とピニオン３０の噛合によって行なう
ものであるため作業中の激しい振動や衝撃等によりラツ
ク２９が破壊される等重大な難点となっていた。

また偏心軸とロケーションピンはいずれも小径なるため
これにラックやピニオンを形或することは製作面で非常
に難題とされた。

いずれにしても第６図に示ざれたプレス型取付装置は偏
心軸２８とロケーションピン１１をラックとピニオンを
介して連動させ偏心軸のみの回転によって金型のギャッ
プ防止（垂直方向の位置決め）と平面的な動きの防止（
水平方向の位置決め）を同時に行なわせる操作性の点に
おいては格別な効果を有するがそれ以外の信頼性や耐久
性や製作面等上記各点において種々の致命的欠点があっ
た。

本考案はこのような点に着目し上記考案の最大の利点で
ある連動機構の構或に根本的な改良を加えたものでその
特徴とするところは、下型を取付けるベースプレート、
又は上型を取付けるベースプレートをクランプし且つ位
置決めするためのプレス型取付装置における連動機構に
おいて、前記ベースプレートをそれぞれ取付ける下型又
は上型ホルダーに設けられた支持板に枢支ピンにて回動
自在に枢着されたクランプと、該クランプに一体的に設
けられ且つ該クランプの回動によって上下動するバーと
、該バーに連杆を介して一端側が押圧されて枢支ピンを
支点に揺動する１対の揺動杆と、該揺動杆の他端側に一
体的に設けられたロケーションピンと、該ロケーション
ピンの先端を常時は上下各ホルダーに設けられた空間部
からベースプレートに穿設された位置決め用孔に突出さ
せないよう該ロケーションピンを附勢してなるスプリン
グとからなるにある。

以下その具体的構戊について図面に示した一実施例に従
って説明する。

３は下型ホルダー１上に立設された支持板４に枢支ピン
５にて回動自在に枢着されたクランプ、６はクランプ３
の下面に垂設されたバー、７は枢支ピン８にて揺動自在
に枢着された揺動杆で前記下型ホルダー１の内部に切欠
き形或されたボックス状の空間部２内に設けられてなる
。

１１は前記揺動杆７の一端に突設された係合突起１２が
底面に嵌入されるべく凹部１３が形或されたロケーショ
ンピンで常時はスプリング１４によってロケーションピ
ン１１先端がベースプレート９上の４ケ所に穿設された
位置決め用孔１０・・・から突出することのないよう附
勢されてなる。

しかも前記揺動杆７及びロケーションピン１１は一側面
に２ケ所位置決め用孔１０に対応して夫々設けられ且つ
両側の揺動杆７，７は連杆１６にて連結されてなる。

上記構戊からなるクランプ機構及び揺動杆並びにロケー
ションピンの各連動機構は下型ホルダー１の他側面側に
も対称的に設けられてなる。

そして上記構戊からなる連動機構は上型取付用の上型ホ
ルダー１７の一側面及び他側面側にもそれぞれ対称的に
設けられている。

すなわち上型ホルダー１７の内部に空間部２′が形或さ
れ且つ該上型ホルダー１７に垂設された支持板４′に枢
支ピン５′にてクランプ３′が回動自在に枢着され、し
かも前記空間部２′内に枢支ピン５′にて揺動自在に枢
着された揺動杆７′を揺動せしめるバー６′が前記クラ
ンプ３′に立設されてなる。

さらに上型ホルダー１７の取付面には４ケ所に位置決め
用孔１０・・・が穿設されたベースプレート９′が取付
けられ且つ該位置決め用孔１０に出没自在のロケーショ
ンピン１１′が常時はスプリング１４′によってピン１
１′先端がベースプレート９′内に突出することのない
よう附勢されてなる。

しかも前記揺動杆７′及びロケーションピン１１′は一
側面に２ケ所位置決め用｛Ｌ１０に対応して夫々設けら
れ且つ両側の揺動杆７’， ７’は連杆１６′にて連結
されてなる。

以上のように該実施例はペースプレニトに４ケ所位置決
め用孔を穿設し夫々の孔に出没自在のロケーションピン
を配置し、該ロケーションピンに連動するクランプをベ
ースプレートの両側に設けてクランプとロケーションピ
ンをバーと揺動杆によって連動してなるものでこの構或
が、下型取付用の下型ホルダーと上型取付用の上型ホル
ダーに対称的に設けられてなる。

尚、下型ホルダー１の両側並びに上型ホルダー１７の両
側には夫々締付用の工具が設けられ、該工具１８は第５
図のようにクランプ３の一片３ａ直下にスプラインボル
ト１９の頭部１９′が位置するよう該ボルト１９をホル
ダー１，１７に螺着して設け且つラチェットボデイ２０
内に装着したスプライン軸部２１に方向切換ノブ２２の
上下動によって左右一対のラチェット爪２３のいずれか
一方を保合可能ならしめしかもスプラインボルト１９に
対しラチェットレバー２４を直交して設けてなるにある
。

本考案は上記構或からなるため、まず下型ホルダー１及
び上型ホルダー１７に、上型Ａのベースプレート９′と
下型Ｂのベースプレート９を夫々取付けた後、方向切換
ノブ２２を下側に移動させると板ばね２５の移動によっ
て第５図のように右側のラチェット爪２３がスプライン
ボルト１９のスプライン軸部２１の溝部と係合し、この
時同図のように左側のラチェット爪２３がスプライン軸
部２１から溝２６側に転倒傾斜しスプライン軸部２１と
はフノーな状態になる。

この状態でラチェットレバー２４を右側方向に複数回繰
り返して回動するとスプラインボルト１９は螺合した下
型ホルダー１から徐々に回転しながら上昇する。

該スプラインボルト１９の上昇に伴ないボルト１９の頭
部１９′がクランプ３の一片３ａに接しこれを押圧せし
め、よってクランプ３は枢支ピン５を支点にわずかに反
時計方向に回動すると同時にクランプ３の回動によって
バー６が下降し連杆１６を押圧せしめる。

連杆１６が押圧せしめられ、さらに両側の揺動杆７，７
の一端側７ａ，７ａが押圧されると、揺動杆７，７は枢
支ピン８を支点に揺動しその他端側７ｂ，７ｂが上昇し
、よって他端側７ｂ，７ｂに載置されたロケーションピ
ン１１がスプリング１４の弾圧力に抗して上昇しベース
プレート９の位置決め用の孔１０．１０にスムーズに嵌
入せしめられる。

従ってベースプレーｈ １０，１０の一側面は上記ロケ
ーションピン１１，１１の嵌入によって水平方向の位置
決めが図られる。

次にベースプレート９の他側面側も上記方法によって締
付工具１８を操作しロケーションピン１１，１１をベー
スプレート９の位置決め用孔１０．１０に夫々嵌入せし
めるとペースペレート９はその水平方向の位置決めが確
実に図られる。

このようにペースペレート９の４ケ所の位置決め用孔１
０．１０に夫々ロケーションピン１１，１１を嵌入せし
めて水平方向の位置決めを行った状態でさらに前記工具
１８．１８のラチェットレバ−２４を回動させるとスプ
ラインボルト１９はその頭部１ｇがクランプ３の一片３
ａを押圧しながら上昇し、よってクランプ３の他片３ｂ
がベースプレート９に接しこれを押圧しながら締付け固
定する。

これがベースプレート９に対し両側面の締付工具１８．
１８によって締め付けるため、金型ベースプレート９の
充分なる垂直方向の締付けを行なうことができ、しかも
締結後は第５図口のように右側のラチェット爪２３がス
プライン軸部２１と係合しているため逆方向のスプライ
ンボルト１９の回転は阻止されベースプレート９の弛み
を防止できる。

上記方法にて上型取付用のベースプレー｝９も水平方向
をロケーションピン１１′にて垂直方向をクランプ３′
にて夫々位置決め固定を図るものである。

尚、ベースプレート９の締付け解除は、締付工具１８の
方向切換ノブ２２を上側に移動させて、左側のラチェッ
ト爪２３を板ばね２５の移動によりスプライン軸部２１
に係合し、右側のラチェット爪２３′をスプライン軸部
２１からフリーな状態にする。

この状態でラチェットレバ−２４を左側方向に複数回繰
り返して回動するとスプラインボルト１９が回転しなが
ら下型ホルダー１のねじ部２７内に下降螺着し、その頭
部１９′がクランプ３の一片３ａの押圧を徐々に緩める
。

クランプ３の一片３ａの押圧が緩められるとロケーショ
ンピン１１に介装したスプリング１４の弾圧力の働きに
より、ロケーションピン１１が下降しベースプレート９
の位置決め用孔１０から抜け出ると同時に揺動杆７が枢
支ピン８を支点に反時計方向に揺動し、よって連杆１６
を介しバー６が持ち上がりでクランプ３が枢支ピン５を
支点に時計方向に回動しその他片３ｂがベースプレート
９がら離れてその押圧締付けを解除する。

従ってその後は容易に金型の交換を行なうことができる
のである。

以上のように本考案はベースプレート９の垂直方向の締
付けを行なうクランプと水平方向の位置決めを行なうロ
ケーションピンを連動させてなるため、上下のベースプ
レートの位置決め及び締付けが４工程で行なうことがで
き、従来のように位置決めと締付けを別々に行なう８工
程に比し大幅に作業工程を省略できる効果がある。

尚、クランプ３を回動させる手段は決して該実施例のよ
うな工具１８に限定されるものではない。

また該実施例では揺動杆７の他端側７ｂの係合突起１２
にロケーションピン１１の凹部１３を嵌合させて、ロケ
ーションピン１１の位置決めを行なっているが、ロケー
ションピン１１の位置決め手段並びに位置決め用孔１０
の数は決して限定されるものではない。

叙上のように本考案はクランプの回動によってバーを昇
降せしめ該バーの昇降により揺動杆を揺動せしめ且つ揺
動杆の揺動によりロケーションピンを昇降せしめる構威
なるため、まず操作性においてクランプとロケーション
ピンの連動によりクランプとロケーションピンの２′動
作を１動作でもって行なうことができ、上型、下型を含
め４動作でベースプレートの位置決めが行なえ、これに
よる操作性及び作業性が飛躍的に向上した。

さらに連動機構が従来のようにロケーションピンとクラ
ンプをラックとピニオンの噛合を介して行なうのに比し
、バーと揺動杆を介して行なうものであるため、製作が
容易で且つ急激な振動や衝撃に対しても十分に対処でき
、よってその耐久性耐振性にすぐれている等の格別な効
果がある。

また本考案は連動機構を採用しながらベースプレートの
押圧による締付け固定により垂直方向の位置決めを図る
ものであるため、従来の連動機構の如く偏心軸による点
又は線接触に比し面接触となりこれがその安定性を著し
く大ならしめ製品に対する信頼性が非常に大きい。

さらに連動機構における各動作が確実で、ロケーション
ピンに対し無理な力をかけないため水平方向の位置決め
精度が常に安定しガタつき等が生しるおそれがない。

またベースプレートは単純形状で製作並びに取り扱いが
容易である。

さらに金型の交換がスムース且つ容易に行なえる利点が
ある。

さらにロケーションピンは常時はスプリングによって附
勢されてなるため、該ロケーションピンのベースプレー
ト上への不用意な突出を確実に阻止することができる利
点がある。

さらにバーには連杆を介して１対の揺動杆が設けられ且
つ該揺動杆にそれぞれロケーションピンが設けられてな
るため、クランプの締付け操作によりベースプレート上
の２ケ所の位置決め用孔に同時にロケーションピンが挿
入され、よって位置決め作業が効率的に行なわれる利点
がある。

その他全体の形状が簡単で安価に提供できる等すぐれた
実用的価値がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はプレス型取付装置の上型ホルダーを取外した状
態の平面図。 第２図はプレス型取付装置の正面図。 第３図は一実施例としての連動機構の拡大断面図。 第４図は連動機構を示す概略平面図。第５図は締付工具
を示し、イは縦断面図、口は横断面図。 第６図は従来例を示す縦断面図。１・・・下型ホルダー
、３・・・クランプ、４・・・支持板、５・・・枢支ピ
ン、６・・・バー ７・・・揺動杆、８・・・枢支ピン
、９・・・ベースプレート、１０・・・位置決め用孔、
１１・・・ロケーションピン、１４・・・スプリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下型を取付けるベースプレート９、又は上型を取付ける
   ベースプレート９′をクランプし且つ位置決めするため
   のプレス型取付装置における連動機構において、前記ベ
   ースプレ−１−９．９’をそれぞれ取付ける下型又は上
   型ホルダー１，１７に設けられた支持板に枢支ピン５に
   て回動自在に枢着されたクランプ３と、該クランプ３の
   回動によって上下動自在に該クランプ３に一体的に設け
   られたバー６と、該バー６にほぼ直交する連杆１６を介
   して一端側が押圧されて枢支ピン８を支点に揺動可能に
   該連杆１６の両側に＝端が連結された１対の揺動杆７，
   ７と、該揺動杆７，７の他端側に一体的に設けられた１
   対のロケーションピン１１，１１と該ロケーションピン
   １１，１．１の先端を常時は下型又は上型ホルダーに設
   けられた空間部２からベースプレートに穿設さ・れた位
   置決め用孔１０に突出させないよう該ロケーションピン
   １１，１．．１を附勢してなる１対のスプリング１４．
   １４とからなることを特徴とするプレス型取付装置にお
   ける連動機構。