JPS598458B2 - ダイセツタ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は１つのプレス装置と複数の型材修正ラインを有
するトライプレス装置にぢけるダイ− ・ツタ装置に関
する。

トライプレス装置はプレス型を製作した後、試し打ちを
行ない、不良部分を手直しするものである。

ところで、従来のトライプレス装置は型の修正をプレス
装置に固定したままで行なうため、多大の時間を要する
修正作業中、プレススライドは上型を下型から分離して
保持するクレーンとしての役目しか果さず、従つて、高
価なプレス装置はその間本来の機能を発揮することがで
きないので、プレス装置としての稼働率は著しく低く、
多数の試し打ちを要する型材を控える場合、甚だしく非
能率的であつた。本発明は上記に鑑みプレス装置とは別
に上型修正区画と下型修正区画とを設け、トライプレス
を終えた型材をそれぞれ上記の区画で修正の上、再びプ
レス装置に持ち込んでトライプレスを行ないうるように
、それに適したレールを布設するとともに、型材搬送用
のムービングボルスタを該レール上を自走させる機構の
下に、トライプレスおよび下型の修正は型材をムービン
グボルスタ上に載置のままで行ない、上型修正区画では
ダイセツタ装置によつて上型を持上げ、下型を次の下型
修正区画に送るようにするとともに、その間プレス装置
を有効に他のプレスに使用できるようにした。

ところで、上型にブランクホルダを付随させた複動型式
のプレス型材は、元来その上型を持上げる場合、ブラン
クホルダは下型の上に残るように分離されているもので
あるから、上型とブランクホルダとを組にして上記ダイ
セツタ装置で持上げ修正することに困難がある。そこで
、本発明では上型がブランクホルダ上面内周側に係止さ
れ、ブランクホルダ上面外周部がアウタアダプタプレー
トにボルトで固定されている構造のものを、ダイセツタ
装置に設けた昇降可能なプレートによつて上記のアウタ
アダプトプレートを把持上昇させることにより、ブラン
クホルダも上型も同時に持上げられるようにしたダイセ
ツタ装置を提供するものである。以下、本発明を図面に
示す一実施例に基いて具体的に、かつ詳細に説明する。

プレス装置と別に型材の修正区画を有するトライプレス
装置には、プレス装置の４本の支柱フレームによつて形
成される複数の門跨からレール、上型修正区画、下型修
正区画を有する所要数の修正ラインを設けるものと、上
記１つ以上の門跨から導かれたレールにターンテーブル
を介して所要数の修正ラインを設けるものとが考慮され
るが、本実施例は後者に属するものである。

第１図において、プレス装置１の門跨内を含んで布設さ
れた基幹レール６と、上型修正区画２および下型修正区
画３を含んで布設された第１レール７ａ１第２レール７
ｂ１第３レール７ｃとは一方向にレールを布設してある
ターンテーブル８により相互が連結可能に構成されてい
る。

勿論これらのレールは並行の組レールである。以下、対
をなす上型、下型の両型修正区画とそのレールとを総称
して型材の修正ラインという。

しかして、台車形のムーピングボルスタ４が基幹レール
６および各修正ラインにそれぞれ配車されている。プレ
ス装置１は第２図に示すように、四隅に立設のフレーム
１０間に油圧、圧搾空気等の動力によつて上下動する複
動型のプレススライドを備え、そのフレームによつて形
成される門跨内のフロア１２に基幹レール６が布設され
ている。尚、上記複動型のプレススライドはアウタプレ
ススライド１１と同アウタプレススライドに内嵌した図
示しないインナプレススライドとで構成され、それぞれ
のスライドは同時または別々に作動可能となつている。
プレス装置内におけるムーピングボルスタ４の停止位置
Ｍ（第２図参照）にて該ボルスタの車輪を支持している
レールは図示しないシリンダにより下降するよう構成さ
れ、該レールの下降によりムーピングボルスタ４は下降
してフロア１２上面に当接支持される。

フロア１２の下面にはクランパ１３Ａが設けられその軸
棒を作業員の指令により励磁されたソレノイドの付勢力
により上方へ突出させムーピングボルスタ４の水平方向
への移動を拘束する。５は型材を示し、その下型５１は
下側アダプタプレート５２にボルトで固定され、そのア
ダプタプレートはムーピングボルスタ４の台床に載置固
定されている。

ブランクホルダ５５は下型５１に対面して載置され、そ
の背面（上面）には中抜き形のアウタアダプタプレート
５６がボルトで固定されている。また、上記アウタアダ
プタプレート５６の中抜き部には第７図に示すようにブ
ランクホルダ５５の上面内周側に下面を係止させた上型
５３のフランジ状セフテイラグ５３Ａと、同セフテイラ
グ５３Ａの上面に図示しないボルトで固着されたインナ
アダプタプレート５４とが遊嵌した構造となつている。
また、インナアダプタプレート５４及びアウタプレスス
ライド１１の下部外側端辺に第５図に示すオートタラン
パ１４Ａが複数個配設されている。先ず、インナプレス
スライド６０を所定の位置まで降下させ、鈎部を先端に
有するそのクランプロツド１５Ａは作業員によるボタン
スイツチ等の操作により矢方向Ａ，ｂで示すように垂直
方向と外側方向とに回動させることができ、そのロツド
１５Ａが垂直方向に位置したとき、インナアダプタプレ
ート５４の側面に設けた切欠き５７（第５図参照）に係
合してオートクランパ１４Ａはインナアダプタプレート
５４を保持する。次いで、アウタプレススライド１１を
所定の位置まで降下させ、アウタプレススライド１１の
下部側端辺に配設した複数のオートクランパ１４Ａは下
面にブランクホルダ５５をボルトにて固定し、かつ外側
部に切欠き５７（第５図参照）が配設されたアウタアダ
プタプレート５６をインナプレススライド６０と同様に
保持する。しかし、この場合、インナプレススライドを
再び上昇させると上型５３を持上げることができる。次
に、型材の修正ラインについて説明する。

しかして、各修正ラインは略同型であるので、ここでは
第１レール７ａを備える第１修正ラインについてだけ説
明を行ない、他の説明を省略する。上型修正区画２には
第３図、第４図に示すダイセツタ装置２０が設けられて
いる。このダイセツタ装置２０は四隅に立設された柱２
１に沿つてねじ棒２２の回転によつて昇降可能な対向す
る一対の梁材２４が設けられ、またこの梁材によつて水
平状態に軸支２５され、その両梁材間にあつて上下反転
可能に構成されたプレート２６が設けられている。この
プレート２６は図示例では中央部に第６図に示すように
空間部である径の大きい孔を設けた中抜きプレートとし
て示されている。また、プレート２６は上下反転間の任
意の角度において停止し、その傾斜状態を保持させるこ
とができる。プレート２６は第４図には全幅図示されて
いるが、第３図においては梁材２４に隠れた位置にあり
、その軸２５とその軸を偏心位置に支えるプレート下部
のブラケツトの一部だけが示されている。しかして、上
記ねじ棒２２は柱２１の上部に懸け渡された梁板上のモ
ータ２３により回転され、上記プレート２６は梁材２４
に設けられたモータ２７とウオーム歯車装置２８とから
なる回転手段によつて回動される。プレート２６の側″
端にはプレス装置１に設けたと同種のオートクランパ１
４Ｂが複数個設けられ、下面の一側にストツパ２９が下
向きに突設されている。しかして、本発明の目的からす
ると、ブランクホルダ付随の上型をブランタホルダと共
に持上げるためのプレート２６は梁材２４によつて水平
に保持されていればよい訳で、上記のように反転可能の
機構を設けた理由は反転を必要とする型材の修正要求に
対しても、このダイセツタ装置２０が使用できる、いわ
ゆる汎用性を持たせてその稼働率を高めるとともに、ト
ライブレス全体としての能率を高めるためである。

第６図は上記プレート２６と型材５との関係を示したも
ので、中抜き部２６Ａの径は上型５３のフランジ状セフ
テイラグ５３Ａ及びインナアダプタプレート５４を遊嵌
するのに充分であり、ブランクホルダ５５の背面（上面
）の内側部分に上記セフテイラグ５３Ａが係止するよう
に形成され、ブランクホルダ背面における残りの外側部
分にアウタアダプタプレート５６が固定されている。

オートクランパ１４Ｂのクランプロツド１５Ｂは垂直方
向に位置してアウタアダプタプレート５６の切欠きに係
合している状態が示されている。ダイセツタ装置２０の
フロア下面にはストツパ１３Ｂが設けられ、ストツパの
軸棒をフロア上に突出させてムーピングボルスタ４の移
動を自動的に拘束することができる。なお、オートクラ
ンパ１４Ｂのクランプロツド１５Ｂは第５図に示してあ
る。次に、下型修正区画３においては、第１レール７ａ
の終端にストツパ３１が設けられていて、図示しないリ
ミツトスイツチによりムーピングボルスタ４を正規位置
に自動的に停止させ、その移動を拘束する。なお、上記
プレート２６は中抜きとせず、例えば上部は閉塞され内
部に下向きの凹部を形成せしめるようにしてもよく、要
はセフテイラグ５３Ａとそれに固定されたインナアダプ
タプレート５４を遊嵌可能とする空間を有することであ
る。

その他、ダイセツタ装置２０における梁材２４の昇降を
油圧、空圧等を使用する他の適当な昇降機構とすること
、オートクランパ１４系と切欠き５７とを電磁吸着機構
とすること、ストツパ１３Ｂ，３１をレールに設けた車
輪クランパ型とすること、ダイセツタ装置２０において
プレート２６を梁材２４に直接に固定すること、及び修
正ライン数、ターンテーブル数、ムーピングボルスタ数
を要求によつて増減する等はすべて本発明の範囲とする
ものである。本実施例のものは上記のように構成された
から、型材５をムーピングボルスタ４に載置の上、その
下側アダプタプレート５２を台床に固定した後、そのボ
ルスタ４を自走させてプレス装置１のプレス停止位置に
進行させると、図示しないリミツトスイツチが働いてボ
ルスタ４は自動的に停止し、クランパ１３Ａが作動して
ボルスタ４の水平移動を拘束する。

プレス装置１に複動型プレス型の上型を固定するには、
先ず図示しないインナブレススライドを下降に操作し、
インナプレススライドの下面がインナアダプタプレート
５４に当接すると、図示しないリミツトスイツチが働い
て、インナプレススライドは下降を停止する。

インナプレススライドのオートクランパ１４Ａを駆動し
てインナアダプタプレート５４の切欠き５７にクランプ
ロツド１５を係合させる。クランプロツド１５Ａがイン
ナアダプタプレート５４を確実に固着したことを確認の
上、アウタプレススライド１１を下降させ、インナプレ
ススライドと同じようにアウタアダプタプレート５６の
切欠き５７にクランプロツド１５Ａを係合させ、次いで
両プレススライドを上昇に操作し適宜位置に停止待機さ
せる。上型５３が持上げられている下型５１の型面に作
業員によつて被加工物、例えば板金を載置しセツトする
。次いでプレス装置を作動させて試し打ち（トライプレ
ス）を符なう。両プレススライドを再び上昇位置となし
、作業員は加工物を検査の上、型材５の不具合による加
工物の欠陥を発見したならば、型材を修正ラインに送る
。すなわち、作業員は、要すれば加工物を取除き、両プ
レススライドを再び下降位置とし、それらのオートクラ
ンパ１４Ａを外してブランクホルダ５５及び上型５３を
下型５１上に解放する。クランパ１３Ａを解放の後、ボ
ルスタ４を自走させ基幹レール６、ターンテーブル８を
経て所定修正ラインのレールに乗り入れ上型修正区画２
のダイセツタ装置２０における所定位置で図示しないリ
ミツトスイツチの働きにより停止させる。

同時にストツパ１３Ｂが作動してボルスタ４の移動が拘
束される。ダイセツタ装置２０の所定位置にムーピング
ボルスタ４がセツトされたら、作業員はモータ２３を駆
動し、ねじ棒２２の回転を介して梁材２４を下降させる
。

水平状態のプレート２６が型材のアウタアダプタプレー
ト５６に第６図に示すように当接すると、図示しないリ
ミツトスイツチが働いて梁材２４の下降は自動的に停止
する。オートクランプ１４Ｂを駆動してアウタアダプタ
プレート５６の切欠き５７にクランプロツド１５Ｂを係
合させた後、梁材２４を上昇させてアウタアダプタプレ
ート５６を持上げるとともにブランクホルダ５５を介し
て上型５３を上昇させる。このようにして適宜の上昇位
置に保持された上型５３は、型面が下向きのままで修正
が行なわれる。

また、上型を上向き（反転）並びに任意の傾斜角に回動
した状態で上型修正作業を行なう場合はブランクホルダ
５５と上型５３とを何等かの方法で一体化する必要があ
る。たとえば、複数のリテーナピンをブランクホルダの
外周部から同ブランクホルダを貫通させ、リテーナピン
の先端部が上型に挿入されることによりブランクホルダ
から上型が離れないようにする方法を採つてもよい。上
記修正作業に先立つて、下型５１を載せたボルスタ４は
ストツパ１３Ｂを解放の上、次の下型修正区画に自走で
送られる。下型修正区画３に自走してきたムーピングボ
ルスタ４はストツパ３１に当接し、図示しないリミツト
スイツチが働いて自動的に停止する。

加工物が載置されているならば加工物を取外した後、下
型５１はボルスタ４上で修正が行なわれる。取外された
加工物は修正区画付近に置かれ、必要に応じ修正上の資
料として随時見ることができる。しかして、下型５１の
修正をボルスタ４に載置のまま行なうことはその高さが
修正作業により好適であるだけでなく、作業手順の簡素
化につながり能率的である。また、このトライプレス装
置１は型材を型の修正ラインで修正している間、他の型
材のトライプレスを行なうことができるからプレス装置
の稼働率を高くすることができる。なお、修正の終つた
型材を再びプレス装置に送りトライプレスを行なう手順
は上記の逆の手順によればよい。以上のように本発明は
プレス装置に対し、ダイセツタ装置を備えた上型修正区
画と下型修正区画とからなる少なくとも一連の修正区画
を有し、それらを自走ムーピングボルスタを配車のレー
ルによつて連結したトライプレス装置において、ダイセ
ツタ装置に複動型式の型材が運ばれてきたとき、その上
型とブランクホルダとを持上げ修正するためダイセツタ
装置に具えた昇降可能なプレートにセフテイラグとそれ
に固定されたインナアダプタプレートとを遊嵌可能とす
る空間を設けたもので、該プレートのオートクランパで
ブランクホルダのアウタアダプタプレートを持上げのた
め把持するとき、上型のセフテイラグとそのインナアダ
プタプレートとを上記プレート内部に収容できるように
して上記の把持を可能かつ容易にしたから、本来ならば
プレス装置のような上型とブランクホルダとを別々に把
持して昇降させる機構を必要とするところ、本発明では
構造極めて簡単で能率的なダイセツタ装置を提供するこ
とができたものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示したもので、第１図はトラ
イプレス装置の平面図、第２図はプレス装置の正面図、
第３図は第１図のｌ−Ｉ線に沿つたダイセツタ装置の側
面図、第４図は第１図の−線に沿つたダイセツタ装置の
正面図、第５図はオートクランパの側面図、第６図は中
抜きプレートと上型とを組合せた一部破断の側面図、第
７図はアウタアダプタプレートと上型とを組合せた一部
破断の側面図である。 １：プレス装置、２：上型修正区画、３：下型修正区画
、４：ムーピングボルスタ、５：型材、６，７ａ，７ｂ
，７ｃ：レール、１４Ｂ：オートクランパ、２１：柱、
２６：プレート、２７：モ−タ（回動手段を構成）、２
８：ウオーム歯車装置（回動手段を構成）、５３：上型
、５３Ａ：セフテイラグ、５４：インナアダプタプレー
ト、５５：ブランクホルダ、５６：アウタアダプタプレ
ート、５７：切欠き。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ プレス装置と、プレス型の上型修正区画及び下型修
   正区画を有する修正区画と、複数の同修正区画及び上記
   プレス装置間を結ぶレールと、同レール上を移動するム
   ービングボルスタとからなるトライプレス装置の上記上
   型修正区画に配設されたダイセツタ装置において、上記
   上型修正区画の四隅に立設された柱と、同柱に沿つて昇
   降する昇降装置を備えた梁材と、同梁材に軸支され、回
   動手段を備えると共に側辺に複数のオートクランパを配
   設し、かつ空間部を有したプレートとからなり、上記空
   間部はブランクホルダの上面内周部に係止される上型セ
   フティラグと、それに固定されたインナアダプタプレー
   トとを遊嵌可能とし、かつ上記オートクランパは上記ブ
   ランクホルダ上面外周部に固定されている中抜き形のア
   ウタアダプタプレートの外周側に設けられた切欠きに係
   脱可能に構成されたことを特徴とするダイセツタ装置。