JPS598459B2 - 複動型式のプレス型材 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は１つのプレス装置と複数の型材修正ラインを有
するトライプレス装置に使用する複動型式のプレス型材
に関する。

トライプレス装置はプレス型を製作した後、試し打ちを
行ない、不良部分を手直しするものである。

ところで、従来のトライプレス装置は型の修正をプレス
装置に固定したままで行なうため、多大の時間を要する
修正作業中、プレススライドは上型を下型から分離して
保持するクレーンとしての役目しか果さず、従つて、高
価なプレス装置はその間本来の機能を発揮することがで
きないので、プレス装置としての稼働率は著しく低く、
多数の試し打ちを要する型材を控える場合、甚だしく非
能率的であつた。本発明は上記に鑑みプレス装置とは別
に上型修正区画と下型修正区画とを設け、トライプレス
を終えた型材をそれぞれ上記の区画で修正の上、再びプ
レス装置に持ち込んでトライプレスを行ないうるように
、それに適したレールを布設するとともに、型材搬送用
のムービングボルスタを該レール上を自走させる機構の
下に、トライプレス及び下型の修正は型材をムービング
ボルスタ上に載置のままで行ない、上型修正区画ではダ
イセツタ装置を備えて上型を持上げ、下型を次の下型修
正区画に送るようにするとともに、その間、プレス装置
を有効に他のプレスに使用できるようにした。

ところで、上型にブランクホルダを付随させた複動型の
プレス型材はダイセツタ装置において、上型がそのフラ
ンジ状セフティラグをブランクホルダに引掛け、ブラン
クホルダの持上げによつて持上げられても、それらを反
転すると、上型はブランクホルダから離れて落下するよ
うになるから、上型の型面を上向きにして修正作業を行
なうことに困難がある。そこで、本発明では、反転時上
型のブランクホルダからの落下を防ぐため、上型とブラ
ンクホルダとを複数の着脱可能とするリテーナピンによ
り両者を一体的に連結せしめるようにした複動型式のプ
レス型材を提供するものである。発下、本発明を図面に
示す一実施例に基いて具体的に、かつ詳細に説明する。
プレス装置と別に型材の修正区画を有するトライプレス
装置にはプレス装置の４本の支柱フレームによつて形成
される複数の門跨からレール、上型修正区画、下型修正
区画を有する所要数の修正ラインを設けるものと、上記
１つ以上の門跨から導かれたレールにターンテーブルを
介して所要数の修正ラインを設けるものとが考慮される
が、本実施例は後者に属するものである。

第１図において、プレス装置１の門跨内を含んで布設さ
れた基幹レール６と、上記修正区画２及び下型修正区画
３を含んで布設された第１レール７ａ１第２レール７ｂ
１第３レール７ｃとが一方向にレールを布設してあるタ
ーンテーブル８により相互が連結可能に構成されている
。以下、対をなす上型、下型修正区画とこれに付随する
レール７とを総称して修正ラインと呼ぶ。しかして、台
車状のムーピングボルスタ４は基幹レール６及び各修正
ラインにそれぞれ配車されている。プレス装置１は第２
図に示すように四隅に立設のフレーム１０間に油圧、圧
搾空気等の動力によつて上下する複動型のプレススライ
ドを備えフレームによつて形成される門跨内のフロア１
２に基幹レール６が布設されている。

プレス装置内におけるムーピングボルスタ４の停止位置
Ｍ（第２図参照）にて該ボルスタの車輪を支持している
レールは図示しないシリンダにより下降するよう構成さ
れ、該レールの下降によりムーピングボルスタ４は下降
してフロア１２上面に当接支持される。フロア１２の下
面にはクランパ１３Ａが設けられその軸棒を作業員の指
令により励磁されたソレノイドの付勢力により上方へ突
出させムーピングボルスタ４の水平方向への移動を拘束
する。尚、上記複動型のプレススライドはアウタプレス
スライド１１と同アウタプレススライドに内嵌したイン
ナプレススライド６０とで構成され、それぞれのスライ
ドは同時または別々に作動可能となつている。

５は型材であつて、その下型５１は下側アダプタプレー
ト５２にボルト等で固定され、そのアダプタプレートは
ムーピングボルスタ４の台床に載置固定されている。

ブランクホルダ５５は下型５１に対面して載置され、そ
の背面（上面）にはアウタアダプタプレート５６がボル
トで固定されている。第８図に示すように、アウタアダ
プタプレート５６の内側部には上型５３のセフテイラグ
５３Ａ外縁部正面（下面）がブランクホルダ５５の背面
に係合したように載置されている。そのセフテイラグ５
３Ａの背面（上面）にはインナアダプタプレート５４が
図示しないボルトで固定されている。インナプレススラ
イド６０及びアウタプレススライド１１の下部外側端辺
には第５図に示すオートクランパ１４Ａが複数個配設さ
れている。先ず、インナプレススライド６０を所定の位
置まで降下させ、鈎部を先端に有するそのクランプロツ
ド１５Ａは作業員によるボタンスイツチ等の操作により
矢方向Ａ，ｂで示すように垂直方向と外側方向とに回動
させることができ、そのロツド１５Ａが垂直方向に位置
したとき、インナアダプタプレート５４の側に設けた切
欠き５７（第５図参照）に係合してオートクランパ１４
Ａはインナアダプタプレート５４を保持する。次に、ア
ウタプレススライド１１を所定の位置まで降下させ、ア
ウタプレススライド１１の下部側端辺に配設した複数の
オートクランパ１４Ａは下面にブランクホルダ５５をボ
ルトにて固定し、かつ外側部に切欠き５７（第５図参照
）が配設されたアウタアダプタプレート５６をインナプ
レススライド６０と同様に保持する。

しかし、この場合、インナプレススライドを再び上昇さ
せると、上型５３をブランクホルダ５５と無関係に持上
げることができる。次に、プレス型の修正ラインについ
て説明する。

各修正ラインは数があつてもほぼ同型であるので、ここ
では第１レール７ａを備える第１修正ラインについてだ
け説明し、他の説明を省略する。上型修正区画２は第３
図、第４図に示すダイセツタ装置２０を備えている。こ
のダイセツタ装置２０は四隅に立設された柱２１に沿つ
てねじ棒２２の回転によつて昇降可能な対向する一対の
梁材２４が設けられ、またこの梁材によつて水平状態に
軸支２５され、その両梁材間にあつて上下反転可能な中
央部を中抜きされたプレート２６が設けられている。こ
の中抜きプレート２６は上下反転間の任意の角度におい
て停止し、その傾斜角度を保持させることができる。

なお、同プレート２６は第４図には全幅図示されている
が、第３図においては梁材２４に隠れた位置にあり、そ
の軸２５とその軸を偏心位置に支えるプレート下部のブ
ラケツトの一部だけが示されている。しかして、上記ね
じ棒２２は柱２１の上部に懸け渡された梁板上のモーー
タ２３により回転され、上記中抜きプレート２６は梁材
２４に設けられたモータ２７によりウオーム歯車装置２
８を介して回動される。中抜きプレート２６の側端には
プレス装置１に設けたと同種のオートクランパ１４Ｂが
複数個設けられ、下面の一側にストツパ２９が下向きに
突設されている。

第６図は上記中抜きプレート２６と型材５との関係を示
したもので、中抜き部２６Ａの径は上型５３のフランジ
状セフテイラグ５３Ａ及びインナアダプタプレート５４
を遊嵌するのに充分であり、ブランクホルダ５５背面（
上面）の内側部分に上記セフテイラグ５３Ａが引掛かる
ように形成され、ブランクホルダ背面における残りの外
側部分にアウタアダプタプレート５６が固定されている
。オートクランパ１４Ｂのクランプロツド１５Ｂは垂直
方向に位置してアウタアダプタプレート５６の切欠きに
係合している状態が示されている。そして第７図に示す
ようにブランクホルダ５５と上型５３とはブランクホル
ダの外周側からブランクホルダを貫通し、上型に設けら
れた穴３０に差込まれる着脱自在の複数のリテーナピン
５８により、一体化されている。

５９は止めビスである。

ダイセツタ装置２０のフロア下面にはストツパ１３Ｂが
設けられ、ストツパの軸棒をフロア上に突出させてムー
ピングボルスタ４の移動を拘束することができる。なお
、オートクランパ１４Ｂのクランプロツド１５Ｂは第５
図に示してある。次に、下型修正区画３においては、第
１レール７ａの終端にストツパ３１が設けられていて、
図示しないリミツトスイツチによりムーピングボルスタ
４を正規位置に自動的に停止させ、その移動を拘束する
。本実施例のものは上記のように構成されたから、型材
５をムーピングボルスタに載置の上、その下側アダプタ
プレート５２を台床に固定した後、そのボルスタ４を自
走させてプレス装置１のプレス停止位置に進行させると
、図示しないリミツトスイツチが働いてボルスタ４は自
動的に停止し、クランパ１３Ａが作動してボルスタ４の
水平移動を拘束する。

プレス装置１のアウタプレススライド１１及び図示しな
いインナプレススライドを下降に操作し、それらのプレ
ススライドの下面がそれぞれアウタアダプタプレート５
６及びインナアダプタプレート５４に当接すると、図示
しないリミツトスイツチが働いて両プレススライドの下
降が停止する。

そして、両プレススライドのオートクランパ１４Ａを駆
動してアウタアダプタプレート５６及びインナアダプタ
プレート５４のそれぞれの切欠き５７にクランプロツド
１５を係合させた後、両プレススライドを上昇に操作し
適宜位置に停止待機させる。上型５３が持上げられてい
る下型５１の型面に作業員によつて被加工物、例えば板
金を載置しセツトする。次いで、プレス装置を作動させ
て試し打ち（トライプレス）を行なう。両プレススライ
ドを再び上昇位置となし、作業員は加工物を検査の上、
型材５の不具合による加工物の欠陥を発見したならば、
型材を修正ラインに送る。すなわち、作業員は要すれば
加工物を取除き、両プレススライドを再び下降位置とし
、それらのオートクランパ１４Ａを外してブランクホル
ダ５５及び上型５３を下型５１上に解放する。クランパ
１３Ａを解放の後、ボルスタ４を自走させ基幹レール６
、ターンテーブル８を経て所定修正ラインのレールに乗
り入れ上型修正区画２のダイセツタ装置における所定位
置で図示しないリミツトスイツチの働きにより停止させ
る。

同時にストツパ１３Ｂが作動してボルスタ４の移動が拘
束される。ダイセツタ装置２０の所定位置にムーピング
ボルスタ４がセツトされたら、作業員はモータ２３を駆
動し、ねじ棒２２の回転を介して梁材２４を下降させる
。

水平状態の中抜きプレート２６が型材のアウタアダプタ
プレート５６に第６図に示すように当接すると、図示し
ないリミツトスイツチが働いて梁材２４の下降は自動的
に停止する。オートクランパ１４Ｂを駆動してアウタア
ダプタプレート５６の切欠き５７にクランプロツド１５
Ｂを係合させた後、梁材２４をモータ２３の駆動で上昇
させてアウタアダプタプレート５６、ひいてはブランク
ホルダ５５を持上げる。上型５３のセフテイラグ５３Ａ
はブランクホルダ５５の背面に引掛かつているから、同
時に上型５３も持上げられる。次いでリテーナピン５８
をブランクホルダ５５、上型５３に取付けた後、モータ
２７を駆動して中抜きプレート２６を第３図における反
時計方向に回動し反転させる。このとき、ブランクホル
ダ５５、上型５３及び両アダプタプレート５６，５４は
オートクランパ１４Ｂによつて係止され懸吊されている
だけであるので、これらの重量物は中抜きプレート２６
の傾動中は該プレートに対し辷りを起すがストツパ２９
がよくこれを支える。しかして、上型５３は中抜きプレ
ート２６とともに反転されてもリテーナピン５８により
ブランクホルダ５５と一体化されており、そのブランク
ホルダ５５はアウタアダプタプレート５６を介して中抜
きプレート２６に載置の状態にあるから落下することは
ない。上型５３はこの上向きの状態の下に修正が行なわ
れるので修正作業は従来の下向きの場合と異なり極めて
容易である。

なお、作業員の要求により上型を正反転の状態でなく任
意角度の傾斜上向きとして保持できることは、モータ２
７による駆動系にウオームギヤ装置２８を介在させてあ
ることから明らかである。上記修正作業に先立つて、下
型５１を載せたボルスタ４はストツパ１３Ｂを解放の上
、次の下型修正区画に自走で送られる。下型修正区画３
に自走してきたムーピングボルスタ４はストツパ３１に
当接し、図示しないリミツトスイツチが働いて自動的に
停止する。加工物が載置されているならば加工物を取外
した後、下型５１はボルスタ４上で修正が行なわれる。
取外された加工物は修正区画付近に置かれ、必要に応じ
修正上の資料として随時見ることができる。しかして、
下型５１の修正をボルスタ４に載置のまま行なうことは
その高さが修正作業により好適であるだけでなく、作業
手順の簡素化につながり能率的である。また、このトラ
イプレス装置は型材を型の修正ラインで修正している間
、他の型材のトライプレスを行なうことができるから、
プレス装置の稼働率を高くすることができる。なお、修
正の終つた型材を再びプレス装置に送りトライプレスを
行なう手順は上記の逆の手順によればよい。

以上のように本発明はプレス装置に対し、上型修正区画
と下型修正区画とからなる少なくとも一連の修正区画を
有し、それらを自走ムーピングボルスタを配車のレール
によつて連結したトライプレス装置に適用される複動型
式の型材であつて、上記上型修正区画のダイセツタ装置
に運ばれてきた型材の上型がダイセツタに設けられてい
る昇降反転可能なプレートに把持されるブランクホルダ
に伴つて昇降及び反転される機構の下に、上型とブラン
クホルダとを着脱容易であり、かつ構造の極めて簡単な
リテーナピンで一体化することにより、上記反転時本来
ならば抜出し落下する上型をブランクホルダに保持でき
るようにしたから、上型とブランクホルダの反転が可能
となり、それらの修正を容易にした複動型式の型材を提
供することができたものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示したもので、第１図はトラ
イプレス装置の平面図、第２図はプレス装置の正面図、
第３図は第１図の一線に沿つたダイセツタ装置の側面図
、第４図は第１図の−線に沿つたダイセツタ装置の正面
図、第５図はオートクランパの側面図、第６図は中抜き
プレートと上型とを組合せた一部破断の側面図、第７図
は第６図の要部の拡大図、第８図はアウタアダプタプレ
ートと上型とを組合せた一部破断の側面図である。 １：プレス装置、２：上型修正区画、３：下型修正区画
、４：ムーピングボルスタ、５：型材、６，７ａ，７ｂ
，７ｃ：レール、５３：上型、５５：ブランクホルダ、
５８：リテーナピン。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ プレス装置と、プレス型の上型修正区画及び下型修
   正区画を有する修正区画と、複数の同修正区画及び上記
   プレス装置間を結ぶレールと、同レール上を移動する自
   走ムービングボルスタとからなるトライプレス装置に適
   用される複動型式のプレス型材であつて、上型に付随し
   たブランクホルダの外周部から同ブランクホルダを貫通
   し、上記上型に挿入される複数のリテーナピンによつて
   上型と一体化可能に構成され、上記上型修正区画で上記
   上型とブランクホルダとを反転または傾斜時それぞれが
   離れないようにしたことを特徴とする複動型式のプレス
   型材。