JPH033543B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、大形重量ワークを対象としたコンベ
アラインにおける溶接装置に関する。

従来、トーチを含む溶接ロボツトと、ワーク取
付具とから成る自動溶接装置において、ワーク取
付具へのワークの搬出入作業は、ワークが重量物
または長尺のものについてはクレーン等の荷役機
械を使用して行われ、この場合の作業は位置決
め、取付け、取外しに相当長時間を要するため自
動溶接装置の処理能力の低下を招き、さらにワー
クの落下、あるいは溶接熱のこもつたワークに手
を触れて火傷する等の危険性もあり、安全面でも
問題となつていた。

本発明は前述事情に鑑み、コンベアラインの途
中にコンベアラインの移送方向に平行な水平軸線
まわりに一体に回動可能に左右１対の環状回動枠
体を設け、該両回動枠体の中央部間に横架材を架
設し、該横架材には全長に渉つて上流側および下
流側コンベアラインに接続可能にパレツト支持用
の支持ローラ群を軸支し、回動枠体および横架材
にはパレツト位置決め固定装置とパレツト搬送装
置を設け、両回動枠体間の側部固定床に溶接ロボ
ツトを設置し、コンベアラインによつて移送され
てくる各パレツトをパレツト位置決め固定装置に
より位置決め固定した状態で回動枠体、横架材、
パレツトおよびワークを一体的に回動可能とした
ことを特徴とし、ワークの溶接段取り作業を自動
化して作業能率の向上を図るとともに安全上の問
題も一挙に解消することを目的とした、コンベア
ラインにおける溶接装置を提供するものである。

以下、図面の実施例に基づき詳述する。説明の
便宜上、第１，３図における左・右をそれぞれ
「左」または「上流」、「右」または「下流」、第２
図における左・右をそれぞれ「前」・「後」と呼称
する。

１は左右方向に延びるコンベアラインで、途中
分断するとともに該分断個所の床２に矩形のピツ
ト３を掘設し、該ピツト３の左・右両側の床２に
上流側および下流側ローラコンベア４，５を設置
している。

６ａ，６ｂは前記ビツト３において左右離間し
て配置した１対の環状左・右回動枠体で、上・下
部２個所間を連結棒７ａ，７ｂで一体に連結し、
ピツト３の床３ａに設置せる基台８左・右部に軸
支した各前後１対の鍔付支持ローラ９ａ，９ｂ，
１０ａ，１０ｂ（但し支持ローラ１０ａは図示せ
ず）により共通の水平軸線まわりに回動自在に各
左・右回動枠体６，６′の外周面を下方より支持
している。

また前記左・右回動枠体６ａ，６ｂは、各々前
記水平軸線Ｈより適宜距離離間し、前後方向に並
行して補強梁１１ａ，１１ｂを架設してある。

１２は前記支持ローラ９ｂ，１０ｂを一体に連
結した中心軸、１３は該中心軸１２の左方延長端
に固定した被動スプロケツト、１４は基台８の左
側部に据付けた減速機およびブレーキ付の可逆モ
ータで、出力軸端に固定せる駆動スプロケツト１
４ａと前記被動スプロケツト１３との間に無端鎖
１５を巻掛け、該モータ１４の駆動により中心軸
１２、支持ローラ９ｂ，１０ｂ等を介し左・右回
動枠体６ａ，６ｂを一体に回動するごとくしてあ
る。

１６ａ，１６ｂはそれぞれ前記支持ローラ９
ａ，９ｂの前方および後方の基台８に立設した１
対のストツパ部材で、各々上端には左回動枠体６
ａの外周面に近接し且つ該外周面の接線方向に対
し直角方向に傾斜したストツパ板１６a₁，１６b₁
を固設している。

１７ａ，１７ｂは左回動枠体６ａの外周面に水
平軸線Ｈに対し90゜の放射角をもつて突設した緩
衝ばね付のストツパピンで、左・右回動枠体６
ａ，６ｂが第２図における時計回り方向または反
時計回り方向に回動した際、それぞれストツパピ
ン１７ｂ，１７ａが前記ストツパ板１６b₁，１６
a₁に衝合して前記補強梁１１ａ，１１ｂが上・下
または下・上の関係となる水平状態に配置される
ごとく、各ストツパピン１７ａ，１７ｂを位置決
めしてある。

１８は前記左・右回動枠体６ａ，６ｂに対する
枠体固定装置で、基台８の左側部中央にブラケツ
ト１８ａを介してエアシリンダ１８ｂを据付け、
右方水平に延びるロツド１８b₁先端に先細りの係
合ピン１８ｃを固定してある。また左回動枠体６
ａの内周面には水平中心軸線Ｈに関して対称位置
に２個の被係合穴部材１８d₁，１８d₂を固定して
あり、前述ストツパピン１７ｂとストツパ板１６
b₁との衝合状態またはストツパピン１７ａとスト
ツパ板１６a₁との衝合状態で、前記ロツド１８b₁
の伸長により係合ピン１８ｃが被係合穴部材１８
d₂または１８d₁の穴に嵌入して、左・右回動枠体
６ａ，６ｂを固定するをごとくしてある。

１９は前記補強梁１１ｂ，１１ｂの内方間に左
右水平に架設した断面矩形且つ中空状の横架材
で、前・後面の全長に渉り等間隔に前後水平軸ま
わりに回転自在の多数の支持ローラ２０と該支持
ローラ２０の若干上方位置に水平回転自在の多数
の案内ローラ２１を軸支しており、前記支持ロー
ラ２０は第１，２図に示すごとく前記ローラコン
ベ４，５のローラ４ａ，５ａと同一高さレベルに
配置してある。また前記各補強梁１１ｂの前・後
部には前後方向に細長い短尺の支持板２２を架設
し、該支持板２２上に４個１組の補助支持ローラ
２３を軸支してある。

２４は矩形板の中央前・後部を削除してＨ形と
なし、さらに中央下面には左右方向全長に渉つて
凹溝２４ａを形成させたパレツトで、前記上流側
のコンベア４より左右回動枠体６ａ，６ｂの補強
梁１１ａ，１１ｂ間に侵入した際、中央部と左右
部の下面を前記支支持ローラ２０と補助支持ロー
ラと補助支持ローラ２３とによりそれぞれ支持さ
れ、また、前記凹溝２４ａの前後壁を前記案内ロ
ーラ２１によつて案内されて前後方向の位置規制
を受けるごとくなつている。

２５は前記横架材１９に内蔵したパレツト搬送
装置で、左右に適宜距離離間して軸支した１対の
スプロケツト２５ａ，２５ｂ間に無端鎖２５ｃを
巻掛け、該無端鎖２５ｃには１個の移送爪２５ｄ
を取付けている。そして前記スプロケツト２５ｂ
と同軸に被動スプロケツト２５ｅを固定し、減速
機付可逆モータ２５ｆの出力軸に固定せる駆動ス
プロケツト２５ｇと前記被動スプロケツト２５ｅ
との間に無端鎖２５ｈを巻掛けてある。また、前
記無端鎖２５ｃ上方の横架材１９上壁には左右方
向に延びる開口１９ａを削設し、該無端鎖２５ｃ
の循環移動により移送爪２５ｄが先端を開口１９
ａより上方に突出した状態で左右方向水平に移動
できるようにしてある。

しかして、前記モータ２５ｆの駆動により移送
爪２５ｄの右方上側における水平移動時に、該移
送爪２５ｄが前記凹溝２４ａ上壁より垂設した突
起板２４ｂに係合してパレツト２４を右方に移送
するごとくしてある。

２６は前記横架材１９の右端部に設けたパレツ
ト２４用可動ストツパーで、一端を横架材１９の
内部上壁より垂設せるブラケツトに上下揺動可能
に枢着した屈曲アーム２６ａの他端に固設せるス
トツパ板２６ｂと、横架材１９の下面に突設した
ブラケツト２６ｃを介て筒部を左右揺動自在に支
持されて上方に延びるロツド２６d₁先端を前記屈
曲アーム２６ａの中間屈曲部に枢結したエアシリ
ンダ２６ｄとから構成しており、ロツド２６d₁の
伸長動作による屈曲アーム２６ａの上方揺動によ
りストツパ板２６ｂを横架材１９より上方に位置
せしめ、パレツト２４の右方への移送を阻止する
ごとくしてある。

２７，２７′は前記左・右回動枠体６ａ，６ｂ
の各々前・後部に設けたパレツト位置決め固定装
置で、補強梁１１ｂの前・後部にエアシリンダ２
８，２８′を据付け、該エアシリンダ２８，２
８′の上方に延びるロツド２８ａ，２８′ａ上端に
矩形の押付板２９，２９′を固設している。さら
に左・右回動枠体６ａ，６ｂの前・後部内周面に
は前後方向内方に固定板３０，３０′を突設して
おり、左回動枠体６ａの固定板３０と右回動枠体
６ｂの固定板３０′の下面にはテーパピン３１，
３１′を垂設している。しかして、パレツト２４
が支持ローラ２０および補助支持ローラ２３上に
載置された状態において、エアシリンダロツド２
８ａ，２８′ａ伸長動作により押付板２９，２
９′がパレツト２４を押し上げて浮上せしめ、該
パレツト２４の上面が固定板３０，３０下面に当
接する寸前にテーパピン３１，３１′とパレツト
２４の左前部上面および右後部上面に穿設せる穴
２４ｃとの嵌合によりパレツト２４の左右、前後
方向の位置決めを行い、最終的にはパレツト２４
を固定板３０，３０′に所定圧力で押圧保持する
ごとくしてある。

３２，３２′は左・右回動枠体６ａ，６ｂ間中
央部の前・後地上床２に対向して設置した２台の
多関節形溶接ロボツトで、各々最終制御軸にトー
チ３２ａ，３２′ａを取着してある。

次に以上の構成によるコンベアラインを含めた
溶接装置全体の作用につき説明する。

溶接装置の初期状態として、左・右回動枠体６
ａ，６ｂはストツパピン１７ｂがストツパ板１６
b₁に衝合した状態で停止し、固定装置１８の作動
による係合ピン１８と被係合穴部材１８b₂との嵌
合により固定されている。このとき補強梁１１ａ
１１ｂは上・下の配置で水平状となつており、支
持ローラ２０および補助支持ローラ２３は上流側
および下流側ローラコンベア４，５のローラ４
ａ，５ａと面一になつている。また、可動ストツ
パ２６はロツド２６d₁の伸長動作によりストツパ
板２６ｂを上方に押上げており（第１図二点鎖
線）、位置決め固定装置２７，２７′はロツド２８
ａ，２８′ａの短縮動作により押付板２９，２
９′を補助支持ローラ２３の上面より下方に引込
ませている（第６図二点鎖線）。また、パレツト
搬送装置２５は第３，５図実線で示すごとく移送
爪２５ｄを左側のスプロケツト２５ａに位置さ、
該移送爪２５ｄの先端は横架材１９内に収まつて
いる。さらに、溶接ロボツド３２，３２′は第２
図に二点鎖線で示すように、左・右回動枠体６
ａ，６ｂを結ぶ円筒状空間外にトーチ３２ａ，３
２′ａを待機させている。

そしてこれから溶接しようとするワークＷは
（第３図参照）、縦材W₁、該縦材W₁の両端部に仮
付けした開脚状の１対の脚材W₂，W₃、該各脚材
W₂，W₃と縦材W₁との間に仮付けした補強材
W₄，W₅から成り、これらのワークＷは１台のパ
レツト２４に２個宛、第３図二点鎖線で示すよう
に縦材W₁，W₁同士を突合わせた対向状且つ前記
仮付部がパレツト２４の前後切欠部に配置される
ように位置決め載置し、縦材W₁および脚材W₂，
W₃の適所を複数個のクランプＣでパレツト２４
に固定してある。

しかして、上流側ローラコンベア４の駆動によ
りパレツト２４は支持ローラ２０および補助支持
ローラ２３に移乗するとともに左回動枠体６ａの
補強梁１１ａ，１１ｂ間を右方に進み、ローラコ
ンベア４から離脱したところで停止し、その直後
ローラコンベア４も駆動を停止する。このとき、
パレツト２４の右端はストツパ板２６ｂに到達し
ておらず、突起板２４ｂは開口１９ａ上方の第５
図に一点鎖線で示す左側の位置にある。

続いてパレツト搬送装置２５の作動によつて無
端鎖２５ｃが時計回り方向（第５図）に移動し、
移送爪２５ｄは突起板２４ｂに係合してパレツト
２４を右方に押動し、パレツト２４右端がストツ
パ板２６ｂに衝接したところで停止する。次い
で、パレツト搬送装置２５の逆転作動により移送
爪２５ｄを左方に後退させるとともにエアシリン
ダ２６ｄのロツド２６d₁短縮作動によりストツパ
板２６ｂを右下方に退避させ、パレツト２４を左
右揺動自在に解放する。

この状態でパレツト位置決め固定装置２７，２
７′が作動し、ロツド２８ａ，２８′ａ伸長動作に
より押付板２９，２９′がパレツト２４を押し上
げて支持ローラ２０および補助支持ローラ２３よ
り浮上せしめ、さらにパレツト２４を固定板３
０，３０′に押付ける。このとき、テーパピン３
１，３１′と穴２４ｃとの嵌合によりパレツト２
４の位置決めが行われる（第１，２，３，６図実
線状態）。

これで溶接準備が整い、溶接ロボツト３２，３
２′の嫁働により、第２図実線で示すように、ト
ーチ３２ａ，３２′ａが各ワークＷに近づき各表
側反付接合部の溶接を行う。

溶接ロボツト３２，３２′はこの表側仮付接合
部の溶接を終了すると、再び第２図二点鎖線の位
置にトーチ３２ａ，３２′ａを待機させる。

次いで枠体固定装置１８の作動を解除する。即
ち、ロツド１８b₁の短縮動作により係合ピン１８
ｃを被係合穴部材１８d₁から離脱させて左・右回
動枠体６ａ，６ｂ等を解放する。そしてモータ１
４の駆動により左・右回動枠体６ａ，６ｂ、横架
材１９、パレツト２４等は一体的に反時計回り方
向（第２図において）に回動し、ストツパピン１
７ａがストツパ板１６a₁と衝合した状態で回動を
停止する。この状態で枠体固定装置１８が再び作
動し、係合ピン１８ｃが被係合穴部材１８d₁に嵌
入することにより左・右回動枠体６ａ，６ｂ等を
一体に固定する。

これでパレツト２４およびワークＷの180゜反転
を完了し、溶接ロボツト３２，３２′は再び嫁働
して裏側仮付接合部の溶接を行う。この溶接作業
の終了後、溶接ロボツト３２，３２′は第２図二
点鎖線の待機状態に復帰する。そして先と逆の手
順、即ち枠体固定装置１８の作動解除、モータ１
４の逆転により左・右回動枠体６ａ，６ｂ等の時
計回り方向（第２図）180゜回動、枠体固定装置１
８の再作動により第２図実線の状態に戻す。

さらに、位置決め固定装置２７，２７′の作動
解除（ロツド２８ａ，２８′ａの短縮作動）によ
りパレツト２４を解放するとともに該パレツト２
４を支持ローラ２０および補助支持ローラ２０お
よび補助支持ローラ２３上に載置させる。

最後に、パレツト搬送装置２５の作動により移
送爪２５ｄが右方に移動して突起板２４ｂを第５
図二点鎖線で示す右側の位置まで押動する。これ
によりパレツト２４が右方へ移動してその右端部
が下流側ローラコンベ５上に移載される。

これと同時に下流側ローラコンベア５が駆動し
てパレツト２４を下流に搬送する。

尚、前述実施例において左・右回動枠体６ａ，
６ｂおよび横架材１９等は180゜の回動位置２ケ所
に固定するごとくしたが、それ以上の回動位置の
固定あるいは無段階の回動制御を行うようにして
もよい。

以上詳述せるごとく本発明によるときは、ワー
クを載置したパレツトを上流側コンベアラインと
パレツト搬送装置の協働により左・右回動枠体間
に搬入し、該パレツトを位置決め固定装置により
固定した状態で溶接ロボツトによりワーク表側の
溶接を行い、次いで前記回動枠体によるワークお
よびパレツトの反転を行つた後ワーク裏側の溶接
を行い、溶接終了によりパレツトの固定を解除し
て再び搬送装置と下流側のコンベアラインの協働
によつてパレツトを前記回動枠体から搬出せしめ
るもので、これら作業はすべて自動的に行い得る
ため溶接段取時間が大巾に短縮できるのみなら
ず、作業員が溶接熱の残留するワークに直接手を
触れる必要がないので安全な作業を行うことがで
きるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すもので、第１図
は第２図の〜矢視側面図、第２図は第１図の
〜矢視正面図、第３図は第１図の〜矢視
平面図、第４図は第２図の〜矢視拡大断面
図、第５図は第３図の〜矢視拡大断面図、第
６図は第２図の部拡大詳細図である。 図中、１はコンベアライン、６ａ，６ｂはそれ
ぞれ左・右回動枠体、１９は横架材、２０は支持
ローラ、２４はパレツト、２５はパレツト搬出装
置、２７，２７′はパレツト位置決め固定装置、
Ｗはワークである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ワークを位置決め固定した複数のパレツト
   と、該各パレツトを間欠移送するコンベアライン
   と、該コンベアラインの途中において該コンベア
   ラインの移送方向に平行な水平軸線まわりに回動
   可能且つ一体に連結した左右１対の環状回動枠体
   と、該両回動枠体の中央部間に前記移送方向に架
   設した横架材と、該横架材に前記移送方向のほぼ
   全長に渉つて軸支したパレツト支持用の支持ロー
   ラ群と、前記回動枠体に設けたパレツト位置決め
   固定装置と、各パレツトを移送方向上流側のコン
   ベアラインから両回動枠体間へ搬入し該両回動枠
   体間から移送方向下流側のコンベアラインへ搬出
   するために前記コンベアラインおよび／または横
   架材に設けたパレツト搬送装置とから成り、前記
   各パレツトをパレツト位置決め固定装置により位
   置決め固定した状態で前記回動枠体、横架材、パ
   レツトおよびワークを一体的に回動可能にしたこ
   とを特徴とする、コンベアラインにおける溶接装
   置。 ２ 前記パレツト位置決め固定装置は、前記各回
   動枠体に内方に突設した固定板と、上端に押付板
   を固設したロツドの伸長動作によりパレツトを前
   記支持ローラ群より上方に浮上せしめるとともに
   前記固定板にパレツトを押付ける作動シリンダ
   と、前記パレツトの浮上および押付け動作時に該
   パレツト上面に穿設せる位置決め用穴に嵌合して
   該パレツトの位置決めを行うごとく前記固定板の
   下面に垂設したテーパピンとから成る、特許請求
   の範囲第１項記載のコンベアラインにおける溶接
   装置。 ３ 前記パレツト搬送装置は、前記横架材に移送
   方向に離間して軸支した１対のスプロケツトと、
   該両スプロケツト間に巻掛けた無端鎖と、該無端
   鎖に取着した１個の移送爪と、前記無端鎖を循環
   させるべく前記一方のスプロケツトと同軸に連係
   した駆動源とから成り、前記無端鎖の循環移動時
   に前記移送爪がパレツト下面に垂設せる突起板に
   係合してパレツトを移送方向に搬送するごとくし
   た、特許請求の範囲第１項記載のコンベアライン
   における溶接装置。