JPS597713Y2 - 感熱制御器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はサーマルリードスイッチを使用した感熱制御
器に関する。

従来よりサーマルリードスイッチが特定の温度（キュリ
一温度）を界にして動作電流を制御する感熱制御器とし
て広く利用されているが、接点の溶着、溶断又は回路の
断線等の故障に対しては動作電流の制御が不可能であり
、又これらの故障を検出する方法もなくガス燃焼器等の
感熱制御器として使用する場合、安全性に問題があった
。

この考案はこれらの欠点を解消することを目的とするも
のであって、サーマルリードスイッチに隣接して励磁コ
イルを設置し、該励磁コイルに交流印加回路を接続し励
磁コイルに発生する磁界によりサーマルリードスイッチ
の２個の磁性体がらなるリードを連続的に開閉動作する
ようになし、かつ、前記サーマルリードスイッチと直列
にして直流電源を接続し、該サーマルリードスイッチを
流れる電流から周波数弁別回路等によりサーマルリード
スイッチの接点の動作状態を検知し被測定物の特定温度
以上の温度上昇を検出すると共にサーマルリードスイッ
チのリード（接点）の溶着等の故障の発生に際しても同
様にこれを検出し、これに基づいて制御器等の動作電流
を制御することを可能とした感熱制御器を提供するもの
である。

以下この考案を図面に基づいて説明すると、第１図にお
いて１はキュリ一温度を界として開閉動作するサーマル
リードスイッチであり、このスイッチに隣接して励磁コ
イル２を設置し該励磁コイル２に交流電圧を印加するこ
とにより生ずる磁界によりサーマルリードスイッチの接
点を連続的に開閉動作するように関連させたもので、第
２図に示すようにキュリ一温度（Ｔｃ）以上にて接点Ｏ
Ｎ、キュリ一温度（Ｔｃ）以下にて接点ＯＦＦとなる動
作特性を呈するサーマルリードスイッチを使用し、励磁
コイルに交流電圧（例えば０ （Ｖ）〜＋Ｖｉ（Ｖ）ま
で往復変化する電圧）を印加した場合についてその作動
状態を説明すると、被測定物の温度がキュリ一温度（Ｔ
ｃ）以下ではサーマルリードスイッチ１の接点は開の状
態にあるので該接点は励磁コイル２に生ずる磁界にした
がってＯＮ−ＯＦＦの動作を繰返す。

被測定物の温度がキュリ一温度（Ｔｃ）以上に上昇する
とサーマルリードスイッチ１の接点はＯＮに保持された
状態となり励磁コイル２に生ずる磁界とは無関係にＯＮ
のままとなる（第３図）。

そしてサーマルリードスイッチ１の接点が溶着した場合
も励磁コイルに生ずる磁界の如何にがかわらず当然にサ
ーマルリードスイッチの接点はＯＮのままとなる。

このように被測定物の温度上昇或るいは接点の溶着によ
る故障が接点の開閉の動作状態に現われるから、サーマ
ルリードスイッチに直流電流を通電すれば後述する周波
数弁別回路或るいはトランスを使用した回路によりサー
マルリードスイッチの接点の動作状態が検知されて動作
電流を制御し得る。

尚、サーマルリードスイッチの接点の溶断、回路の断線
等の故障にあっては接点の開閉動作異常とｔ７てこれを
検出することは出来ないが、後述するようにサーマルリ
ードスイッチ接点の熔着の場合と同様に接点または回路
の故障として識別できるものである。

サーマルリードスイッチの開閉動作状態を検出するには
、例えば第４図に示すようにサーマルリードスイッチ１
に抵抗５を介して直流電源４を接続し抵抗５の両端をコ
ンデンサ６を介して周波数弁別回路７の入力端子に接続
した回路構或が考えられる。

この回路によれば交流印加回路３によって励磁コイル２
に交流電圧が印加され、キューリ温度以下で接点の正常
時にはサーマルリードスイッチ１の接点を連続的にＯＮ
−ＯＦＦＬ、抵抗５の両端にパルス状の電圧が生じ、被
測定物の温度がキュリ一温度以上に上昇した場合、又は
接点が溶着した場合には直流電圧が生じ、接点の溶断、
回路の断線の場合と同様に抵抗の両端に電圧が生じない
。

したがって抵抗の両端にコンデンサを介して接続した周
波数弁別回路によりこれを識別することが出来る。

又図示はしてないがサーマルリードスイッチにトランス
の一次巻線を介して直流電源を接続すればＩ・ランスの
二次巻線に電圧が誘起されるか否かにより同様に温度上
昇及び接点の熔着が検出される。

それ故に周波数弁別回路の出力端に又はトランスの二次
側に制御器を接続すれば各種の制御が可能となる。

このようにこの考案はサーマルリードスイッチと励磁コ
イルとを組合わせた簡単な構或により温度上昇及び接点
の故障が接点の開閉動作の変化として知ることができ、
この接点の動作状態はサーマルリードスイッチに直流電
流を通電することにより容易に検出されるので、ガス燃
焼器等に使用すれば温度が特定温度以上に上昇した場合
、又は接点の熔着等の故障が発生した場合の制御が安全
確実におこなえ、温度検出機能と故障検出機能を兼備し
た有益なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る感熱制御器、第２図はこの考案
に使用するサーマルリードスイッチの温度に対する動作
特性を示す図、第３図はこの考案に係る感熱制御器の温
度に対する動作特性を示す図、第４図はこの考案に係る
感熱制御器を使用した実施例を示す図である。 １・・・サーマルリードスイッチ、２・・・励磁コイル
、３・・・交流印加回路、４・・・直流電源、５・・・
抵抗、６・・・コンデンサ、７・・・周波数弁別回路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. キュリ一温度を界にして開閉動作するサーマルリードス
   イッチと、該サーマルリードスイッチに隣接して設けた
   励磁コイルと、サーマルリードスイッチが連続的に開閉
   動作するように前記励磁コイルに接続され交流磁界を発
   生せしめる交流印加回路と、サーマルリードスイッチと
   直列に挿入した直流電源と、サーマルリードスイッチを
   流れる電流からサーマルリードスイッチの接点の動作状
   態を検知する周波数弁別回路とから或る感熱制御器。