JPS597137Y2 - 自動車のユニツトパワプラント取付装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案はエンジン、クラッチ及び変速機等を一体化したユ
ニットパワプラントを車体に横置きして車輪を駆動する
形式の自動車におけるユニットパワプラントの取付装置
に関するものである。

上記ユニットパワプラントは車体に振動を伝えないよう
にするため、弾生部材を介して車体に支持させるが、そ
のフ゜ラントのエンジン自身が発する振動、及び加速減
速時の慣性力に起因するプラント全体の前後振動のほか
に、横置きしたため、加速減速の際駆動系から伝わる反
力によるプラント全体の回転振動（ワインドアップ）が
あるため、それらの振動をすべて遮断するのは難しい。

一般に無負荷乃至低負荷運転時の振動遮断には上記弾性
支持部材を柔らかくするのが望ましいが、加速或いは減
速の際のユニットパワプラントの大きな振動には対処で
きないし、耐久性も乏しい。

更に該プラントに連なる排気管、燃料、冷却水、潤滑油
等供給管、各種操作ワイヤ、変速機操作ロツドなどを変
位させるので、ユニットパワプラントの振動は或範囲以
内に抑制する必要がある。

そこで逆に上記弾性支持部材を加速、減速の際の大きな
振動を吸収し、且つ耐久性を持つように硬くすると、無
負荷時の振動に対してに作用しなくなる。

本案は上記の点に鑑み、ユニットパワプラントの支持手
段と、加減速時における大きな振動の抑制手段とを分離
することにより、車体に対する振動遮断効果を上げるよ
うにしたものである。

図面について本案の実施例を説明すると、エンジン１、
クラッチ２及び変速機３ （差動歯車機構４を含む）等
が一体化されているユニットパワプラン｝Ｐは後述の取
付装置によって車体Ｂに横置？に取付けられている。

即ちプラン｝Ｐの前面ｆとセンタビーム５及び同後面ｂ
とセンタビーム５の間に、それぞれ取付座１０．１１を
介してプラント側に傾斜させて設けた弾性部材６及び７
と、エンジン１側の側面Ｓとエンジン室側壁８の間にブ
ラケット１２を介して設けた弾性部材９との３点でユニ
ットパワプラントＰを支えている。

上記弾性部材６，７及び９はユニットパワプラン｝Ｐの
重量を支え、且つ無負荷乃至低負荷運転時の振動を吸収
できるばね定数のものを用いる。

センタビーム５の上面に取付けた弾性体ブロック１３の
周囲に、ユニットパワプラントＰの下面に設けたストツ
パ枠１４を一定のクリアランスＣを保って嵌合すること
により該プラントＰの前後振動抑制ストツパを構威して
いる。

又ユニットパワプラントＰとその前方及び後方の車体部
分、例えば前部サブフレーム１５及びトウボード１６と
の間に、該プラン｝Ｐの回転振動を抑制するトルクロツ
ド１７及び１８が張られている。

トルクロツド１７及び１８は四節機構の対向２辺を威し
、略平行に斜めに配置されている。

１９は各トルクロツド１７， １８のプラント側取付用
ブラケット、２０はその車体側取付用ブラケットにして
、各トルクロツド１７， １８の両端は、それぞれブラ
ヶッ｝ １９， ２０に軸ピン２１で揺動できるように
支持され、何れか一方の端部（図示例はプラント側）に
弾性体２２（第５図示）が挿入されている。

この弾性体２２とこれを保持するロッドと一体のホルダ
２３及び前記ブラケット１９又は２０との間には一定の
クリアランスＣを設けてある。

上記後方のトルクロッド１８の車体側端部を取付けてい
るトウボード１６の一部に、そのトルクロツド１８の延
長方向に略沿った斜面１６Ａが形或されている。

従ってトルクロッド１８の車体側取付位置は、トウボー
ド１６の垂直面と上記斜面１６Ａが接している角付近で
ある。

上記の弾性体２２及びセンタビーム５上の弾性体ブロッ
ク１３は、かなりの衝撃を緩和するものであるから、そ
のばね定数は前記ユニットパヮプラントを支持する弾性
部材６， ７． ９に比べてはるかに大きい。

第３図〜第６図において、弾性体ブロック１３及び弾性
体２２の周面から突出しているリブ１３、及び２２はク
リアランス保持のためのもので、リブ自体のばね定数は
前記の弾性部材６， ７． ９よりも小さい。

パワプラン｝Ｐを無負荷乃至抵負荷の状態で運転してい
るときは、エンジン１の回転による小さい振動（上下及
び回転振動を含む）のみであるがら、これは軟らかい弾
性部材６， ７． ９に吸収されて車体には伝わら
ない。

車両の急加速、急減速時の慣性衝撃によるパワプラン｝
Ｐの大きな前後方向振動はストッパ１３，１４で抑制さ
れる。

又同時に駆動系がら伝わる反力によるパワプラン｝Ｐの
回転振動はトルクロッド１７，１８及び弾性体２２によ
って抑えられ、上記何れの大きな振動も車体に伝わらな
い。

本案ユ＝ットパワプラント取付装置は上記のように、パ
ワプラン｝Ｐの重量並びに無負荷乃至低負荷時の小さい
振動を受ける弾性部材６， ７． ９と、車両の急
加速、急減速に伴うパワプラン｝Ｐの大きな前後動及び
回転振動を緩衝抑制するストツパ１３， １４及びトル
クロツド１７， １８等とを完全に分離して設けたため
、弾性部材６， ７， ９のばね定数を十分下げる
ことができると共に、前後の弾性部材６，７のスパンを
できる限り小さくしてねじり剛性を下げることができて
、無負荷乃至低負荷時のエンジン１による微振動を遮断
するのに有効である。

又上記弾性部材６，７のスパンの縮小とは反対に、スト
ツパ１３， １４のクリアランス及びトルクロツド１７
， １８における弾性体２２とその周囲のホルダ２３と
のクリアランスを大きく取ることができて、上記無負荷
乃至低負荷時の振動遮断作用を阻害することはない。

従ってストツパの弾性体ブロック１３及びトルクロツド
の弾性体２２のばね定数を十分大きくすることができて
急減速や急加速の際発生する大きな振動を完全に遮断し
、パワプラン｝Ｐに連続されている排気管その他の管類
及び操作用ロッド・ワイヤの類の変位、損傷を防ぐこと
ができる。

そして上記前後一対のトルクロツド１７及び１８は、四
節機構の対向２辺として、略平行に斜めに配置したから
、例えばメインのエンジンマウントラバー即ち弾性部材
６及び７が経年変化により弾性を失ってユニットパワプ
ラン｝Ｐの位置が下がっても、各トルクロツド１７及び
１８はそれぞれ軸ピン２１を中心に振れ、弾性体２２と
その周囲のホルダ２３との初期クリアランスは自動的に
維持されるもので、上記弾性体２２を通してのエンジン
の音・振動の伝達が大きくなることはない。

又上記トルクロツド１７及び１８は、ユニットパワプラ
ントＰの前後において互いに略平行で且つ傾斜している
ことにより、ユニットパワプラントＰの垂直方向荷重も
支持し、ユニットパワプラン｝Ｐの重量を受ける弾性部
材６， ７， ９の負担を軽減するのに役立ってい
る。

更に上記トルクロツド１８の車体側端部を取付けている
部分が例えばトウボード１６のように仕切壁状の場合、
その一部１６Ａをトルクロツドの延長方向に略沿った斜
面に形戊するものであるから、ユニットパワプラン｝Ｐ
の回転振動を抑制しようとするトルクロツド１８の押し
引き力はトウボード１６の斜面１６Ａにその板面の方向
に伝わる。

従ってユニットパワプラントに対する振動抑制力をトル
クロツドからトウボード面に直角に受ケル従来のユニッ
トパワプラント取付装置に比べて、トルクロツド１８を
取付けている仕切壁状車体部分１６の剛性が大で、補強
部材を添えるなどして強化する必要がない。

なお実施例の前後方向振動抑制ストツパを威す弾性体ブ
ロック１３は、その取付ナット２６をゆるめるとセンタ
ビーム５に対し長孔２４に沿って動かすことができる。

従ってパワプラン｝Ｐを設置する際、上記ナット２６を
ゆるめて弾性体ブロック１３を自由にしておくと、リブ
１３、の弾性によって弾性体ブロック１３はストツパ枠
１４の中央に位置させられる。

パワプラン｝Ｐの設置位置が決まったところで？ット２
６を締めて弾性体ブロック１３を固定するもので、その
ブロック１３とストツパ枠１４の間にリブ１３、を介し
て一定のクリアランスＣが形威される。

又トルクロツド１７， １８については、その軸ピン２
１の締付ナット２７をゆるめると弾性体２２はブラケツ
｝ １９． ２０に対じ長孔２５に沿って動かすことが
できる。

従ってパワプラントＰを取付けるとき、ナット２７をゆ
るめて弾性体２２を自由にしておくと、弾性体２２はリ
ブ２２の弾性によってホルダ２３の中央に位置させられ
るから、パワプラン｝Ｐの位置が決定したところでナッ
ト２７を緊締して弾性体２２を固定する。

そうすると弾性体２２とそのホルダ２３の間にリブ２２
１を介して一定のクリアランスＣが形或される。

即ちパワプラント取付けの際、ストツパ枠１４と弾性体
ブロック１３、及びトルクロツド１７， １８のホルダ
２３と弾性体２２の間にそれぞれ必要な緩衝効果を現わ
すまでのクリアランスを自動的に調整することができる
ので作業性が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案装置を示す正面図、第２図は側面図、第３
図はストツパの縦断正面図、第４図はストツパの一部の
平面図、第５図はトルクロツドの連結部の縦断側面図、
第６図はその横断平面図。 Ｂは車体、Ｐはユニットパワプラント、５はセンタビー
ム、６， ７， ９は弾性部材、８はエンジン室側
壁、１０．１１は弾性部材取付座、１３は弾性体ブロッ
ク、１４はストツパ枠、１７， １８はトルクロツド、
２２は弾性体、１３，２２は肉薄リブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エンジン、クラッチ及び変速機等を一体化したユニット
   パワプラントを車体に横置きして車輪を駆動する形式の
   自動車において、ユニットパワプラントを、その前面及
   び後面の略中央部を斜め下方から、又そのエンジン側の
   側面を横方向からそれぞれ弾性部材を介して車体に支持
   させ、ユニットパワプラントの底面と車体との間に、該
   プラントの前後振動に対するストツパを設け、又ユニッ
   トパワプラントとその前方及び後方の車体との間に、該
   プラントの回転振動に対する前後一対のトルクロツドを
   四節機構の対向２辺として略平行に斜めに張り、且つト
   ルクロツドの一端を取付けている仕切壁状車体の一部に
   、そのトルクロッドの延長方向に略沿った斜面を形威し
   、上記ストッパの当接部及びトルクロツドの連結部にク
   リアランスを設けて弾性体を介在させた自動車のユニッ
   トパワプラント取付装置。