JPS595620Y2 - エンジンプラケツト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、エンジンからボデイへの振動伝達特性を改善
したエンジンブラケットに関する。

エンジンの振動は、主にエンジンのボデイへの支持部を
構或するエンジンブラケットを通ってボデイへと伝達さ
れる。

このエンジン支持部分における振動伝達の遮断が十分で
ないと、エンジンの振動がボデイに過度に伝わり、車室
内にこもり音を誘起させるという問題を生じる。

この振動特性を改善させる方法として従来一般的にとら
れてきた方法は、エンジン支持部材の剛性を向上して振
巾を減少させるという思想に基づき、エンジンブラケッ
トを補強するというものであった。

しかし、この方法によるときは、エンジンブラケットの
板厚が増加されたり、補強部材が加わるので、重量増加
を招くという問題があった他、材料節約上も好ましいこ
とではなかった。

本考案は、このような問題を解消するために、重量増加
をほとんど招くことなく、振動伝達を効果的に抑止する
エンジンブラケットを提供することを目白勺とする。

以下に、本考案の実施例を図に従って説明する。

第１図はエンジンをボデイ側のサスペンションメンバー
に支持する部分を示したものであるが、図中、１はエン
ジン、２はサイドメンバー ３はサスペンションメン′
バーである。

エンジン１とサスペンションメンバー３との間には、エ
ンジン１を支持するためのエンジンブラケット４−と、
振動伝達を遮断するために設けられたゴム等の弾性素材
を主要部とするインシュレータ５とが直列状に介装され
ている。

サスペンション側に取付けられたブラケット６もエンジ
ン１側に取付けられたエンジンブラケット４に準じる機
能を有するので、本考案においてエンジンブラケットと
いった場合には、ブラケット６も含むものとする。

第２図および第３図はエンジン１側に取付けられるエン
ジンブラケット４を取出して示したものであるが、図示
のように、エンジンブラケット４は、インシュレータ５
の表面に沿って延びるインシュレータ５への取付板４ａ
−１と、該取付板４ａ−１の両側部からエンジン１とサ
スペンションメンバー３とを結ぶ方向に延びる一対の側
板４ａ２，４ａ２と、該一対の側板４ａ−２ｔ４ａ２の
エンジン１側の端部からエンジン１表面に沿って延びる
フランジ４ａ−３，４ａ−３とを有するブラケット本体
４ａを備えている。

また、通常、取付板４ａ−、にはインシュレータ５の取
付ボルトが挿通する孔７が穿設されており、フランジ４
ａ３ｔ４ａ ３にはエンジン１の取付ボルトが挿通する
孔８が穿設されている。

ブラケット本体４ａのうち一対の側板４ａ２，４ａ２に
は、エンジンブラケット４の一部を構或する減衰材４ｂ
が添設されている。

減衰材４ｂは、大きな減衰量を有し、かつエンジン１か
ら伝わってくる熱に耐えるものであれば、如何なる材料
から構戒されてもよいが、入手性、コスト等の観点から
アスファルトシ一トを用いることが望ましい。

減衰材４ｂの側板４ ａ−２， ４ ａ−２への添設位
置は、車両走行時にエンジンブラウ゛ツ１・４が十分に
空冷され、インシュレータ５への熱の伝達を防止すると
いう簡点から、側板４ａ−２，４ａ−２の内面側である
ことが望ましい。

減衰材４ｂは側板４ａ−２，４ａ−２を通る振動エネル
ギーを効果的に減衰または吸収できるように、側板４ａ
−２，４ａ−２に密着して設けられることが好ましく、
その厚さも通常側板４ ａ−２， ４ ａ−２の厚さよ
りも大に形或されることが望ましい。

減衰材４ｂは、側板４ａ−２の内面ばかりでなく、イン
シュレータ５への取付板４ａ−１の内面に延びていても
よい。

第４図及び゛第５図は、サスペンションメンバ・一３側
のブラケット６に減衰剤６ｂが添設された状態を示した
ものであるが、第２図及び第３図の構或に実質的に準じ
るので、準じる部分にはブラケット番号を４から６に変
えて付することにより、その重複説明を省略する。

ただし、ブラケット６は、通常サスペンションメンバー
３に溶接付けされているので、この場合はフランジは不
要である。

減衰材４ｂ，６ｂはエンジンブラケット４，６のうち少
なくとも一方のエンジンブラケット本体の側板４ａ−２
または６ａ−２に添設されていればよいが、両方のブラ
ケット本体の側板４ａ−２に添設されていてもよい。

上記構戒を有するエンジンブラケット４，６による振動
伝達に関する作用について説明する。

エンジンの振動は、エンジン１からエンジンブラケット
４、インシュレータ５、エンジンブラケット６を介して
サスペンションメンバー３へと伝達されるが、エンジン
ブラケット４，６においては、必ずその側板４ａ−２及
び６ａ−２を通って伝達される。

この側板４ ａ−２． ６ ａ−２には減衰材４ａ，６
ｂが添設されているので、その振動エネルギーは急激に
減衰される。

この振動減衰は、従来のようにばね特性を変えることに
より達或されるものではなく、減衰定数を大にすること
によって達威されるものであり、従来法に用いられた技
？思想とは本質的に異なる技術思想に異づいているもの
である。

第６図は、本考案によって達或された振動レベルの減少
を周波数と共に示したものである。

図から明きらかな如く、減衰材４ｂ、６ｂを設けない場
合の振動特性曲線Ａが、減衰材４ｂ，６ｂを設けた場合
には、振動特性曲線Ｂに示すように、振動レベルが減衰
している。

そして、この減衰効果の最も顕著に現われる部分Ｃを車
両走行上頻繁に使用される周波数領域に設定することに
より、実用的な振動特性の改善が図られ得る。

したがって、本考案によるエンジンブラケットによると
きは、エンジンブラケット本体をインシュレー夕表面に
沿って延びるインシュレータへの取付板と、該取付板の
両端からエンジンとサスペンションメンバーとを結ぶ方
向に延びる側板とから構或して、振動が必ず前記側板を
介して伝達するようにし、この側板に減衰材を添設した
ので、従来のような剛性アップに比べて振巾のピーク位
置を変えずに振巾を減少させ、振動伝達を効果的に減衰
させることができ、゜振動伝達の抑止を図ることができ
る。

この振動伝達抑止によって車室内騒音の減少を図ること
ができる。

また、前記振動伝達抑止は、従来方法のようにブラケッ
トの剛性上昇を必要とせず、軽量の減衰材の添付によっ
て達或されるので、重量増加をほとんど伴なわず、軽量
化という車両にとって本質的な要望に沿わせることがで
きる。

更にまた、減衰材には廉価なアスファルトシ一トを用い
ることもできるので、車両のコストダウンに寄与するこ
ともできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のエンジンブラケットを装着したエンジ
ン支持部分の正面図、第２図はエンジン側のエンジンブ
ラケットの斜視図、第３図は第２図の平面図、第４図は
サスペンションメンバー側のブラケットの斜視図、第５
図は第４図の正面図、第６図は本考案のエンジンブラケ
ットの振動特性線図、である。 １・・・・・・エンジン、３・・・・・・サスペンショ
ンメンバー ４，６・・・・・・エンジンブラケット、
４ａ，６ａ・・・・・・エンジン本体、４ａ−，６ａ−
１・・・・・・取付板、４ ａ −２ ． ６ ａ −
２−−−−・−側板、４ ｂ， ６ ｂ−−−−−・減
衰材、５・・・・・・インシュレー夕。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エンジンとサスペンションメンバーとの間に介装されて
   エンジンを支持するエンジンブラケットにおいて、ブラ
   ケット本体を、インシュレータ表面に沿って延びるイン
   シュレータへの取付板と、該取付板の両端からエンジン
   とサスペンションメンバーとを結ぶ方向に延びる一対の
   側板とがら構或し、該側板に減衰材を添設したことを特
   徴とするエンジンブラケット。