JPS5950704B2 - パプリカ色素の製造法 - Google Patents

パプリカ色素の製造法

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JPS5950704B2
JPS5950704B2 JP7553581A JP7553581A JPS5950704B2 JP S5950704 B2 JPS5950704 B2 JP S5950704B2 JP 7553581 A JP7553581 A JP 7553581A JP 7553581 A JP7553581 A JP 7553581A JP S5950704 B2 JPS5950704 B2 JP S5950704B2
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paprika
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oleoresin
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absorbance
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正博 吉倉
乾 鷲野
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Sanei Kagaku Kogyo KK
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【発明の詳細な説明】 この発明は、発色性に優れ、濃厚、安定かつパプリカ特
有の臭気のない良好な色素を、工業的に有利に、即ち安
全、容易にかつ収率高く製造することを目的とする。
パプリカ色素は、トウガラシの果皮に含まれている赤色
色素で古来広く食用に用いられている。
その製造の方法は、トウガラシ(Capsicuman
nuumL)の果皮、あるいはその乾燥粉末を、常態下
に液状を呈する食用油(例えば、綿実油。大豆油、菜種
油その他)に浸漬し、その油に溶出する該色素を採取す
る方法(油溶法)及び有機溶剤(例えば、アルコール、
ケトン、炭化水素、ハロゲン化炭化水素その他)を用い
て抽出する方法(溶剤法)が知られている。油溶法にあ
つては。油と色素との分離が困難であつて濃厚な色素を
得ることが困難であり、溶剤法にあつては、目的物が不
純物を多く含有し、ことにパプリカ特有の臭気を随伴し
てその用途に制限を受ける。この様な欠点を除去する方
法として、アルカリ水溶液中で加熱処理し、該色素を有
機溶剤処理する方法も好結果を与えるが、アルカリ処理
時に色調が変化したり、濃厚な色素を製造すると色素が
析出する、といつた問題点がある。
パプリカ色素は、カプサンチンの脂肪酸エステルを主成
分とする種々のカロチノイド色素で構成されている。
アルカリ−低級脂肪族アルコール系(例えば、メタノー
ル−苛性ソーダ、メタノール−苛性カリ、その他)での
処理もしくはアルカリ水溶液と加熱処理すると、油脂の
ケン化と同時にカプサンチン脂肪酸エステルを始めカロ
チノイド脂肪酸エステル類(以下、色素エステルという
)が加水分解され、その結果色調が変化したり、濃厚な
色素を調製すると色素が析出してくる、という研究知見
を得た。発明者は、この様な研究知見に基いて色素エス
テルは変化させず、脂肪分のみを選択的に除去する方法
を創出した。
以下に、その詳細を説明する。
まず、処理対象の原料は、パプリカの生の果皮、その乾
燥物から得られたオレオレジン等である。
原料に含有される脂肪分を除去するために、アルカリ水
溶液もしくはアルカリ含有含水アルコール(例えば、メ
タノール、エタノールその他)が用いられ、アルカリ分
としては苛性ソーダ、苛性カリが用いられる。工業的に
!A安全性、操作及び装置の簡易性を考慮し、通常苛性
ソーダが採用される。発明者は、アルカリケン化条件を
種々検討した結果.アルカリ処理温度(以].ケン化温
度という)とアルカリ濃度が重要で、中でもケン化温度
が処理物に大きな影響を与えることを知つた。すなわち
、ケン化温度を系の沸点,またはその付近の温度(例え
ば、80〜110℃)で行なうと、反応速度が大きくな
り、短時間で脂肪分のケン化が完了するが6得られたパ
プリカ色素含有石ケン様固形物から有機溶剤で抽出され
る色素を詳細に検討すると,パプリカオレオレジン(以
丁オレオレジンという)中に存在する成分である色素エ
ステルが加水分解され,水酸基を有するカロチノイド色
素(例えば,カプサンチン,力フリルピン等)に変化し
.色調の変化と色素の析出の原因となることが判つた。
また.ケン化反応条件により色素エステルの加水分解の
割合が変化し、その結果,安定した一定品質の生成物を
得ることが困難である。この欠点を防ぐため.ケン化時
間を短くすると脂肪分のケン化が完全に行われず、その
結果濃厚な色素が得られないし,操作性も極めて悪い。
この操作から得られた色素を分析すると6色素エステル
の一部がすでに加水分解されて、その部分的分解が起つ
ていることが判る。選択的に脂肪分のみをケン化する条
件について、種々検討した結果6ケン化温度を低温で行
なうと選択性が増し650℃以下でのケン化により目的
が達せられることが判つた。
使用する苛性ソーダ濃度は,使用する苛性ソーダ量との
関係で異るから,一義的には決められないが.5〜50
70(ψ)(以丁6e(ψ)を?で表示する)でよく6
中でも約15〜40%濃度がよい。
苛性ソーダ使用量は6ケン化価から求めた計算量を基に
し6計算量の半量以上の任意の量が採用される。
オレオレジン1部に約20%苛性ソーダ水溶液3部を加
え、室温中で撹拌混合すると、系はいつたん乳化状態に
なり6すぐアルカリ水層とオレオレジン層に分離する。
更に攪拌混合を続けると(約4〜8時間)6オレオレジ
ン層はペースト状からバター様固形物に変化し.その後
顆粒状の石ケン様固形物に変わる,この石ケン様固形物
から有機溶剤処理で得られるパプリカ色素は,本発明の
目的の一つとする脂肪分のみを選択的に除去されたもの
になるが,工業的には作業性が悪いので、次の具体例で
示すような方法が望ましい。パプリカオレオレジンに,
室温でケン化価に基すぐ計算量の約1.0〜1.5倍量
の約20〜40%苛性ソーダ水溶液を加え,5分間魔拌
混合すると乳化し,系全体がペースト状になる。
撹拌を止め静置すると,穏やかな発熱反応をし6系全体
が次第に固化してくる。この時反応温度を一定に保たせ
るために、外部から冷却等を行つてもよい。反応を完全
に行なわしめるため.6時間以上この状態で維持するこ
とが望ましく,通常一夜この状態が保たれる。得られた
固形物を有機溶剤で抽出可能な形に成形し6色素を抽出
してもよいが6色素と同時に脂肪分のケン化により生ず
るグリセリン等も抽出されるので6以下に例示する操作
法を用いることが望ましい。
固化した色素含有石ケン様固形物に6水、温水もしくは
食塩水又は芒硝水が加えられる。
加凡る水量は,固化した石ケン様物質が液状に均質に分
散するに要する量であればよく6特に限定されないが6
塩析に使用する塩類の経済的な面を考慮し、使用したオ
レオレジンの約3〜5倍量程度がよい。この混合系を加
温すると、石ケン様固形物は軟化し6液状もしくは粒状
の分散系になる。加熱温度は6系が均一に分散するに要
する温度であればよく6特に限定する必要がない。得ら
れた分散物に食塩及び又は芒硝を撹拌下に加えて行くと
6存機溶剤で抽出容易な形の顆粒状の色素含有石ケン様
物質が塩析される。
この際.加える食塩もしくは芒硝の代わりに,アルカリ
土類塩(例えば,塩化カルシウムその他)を加えて金属
石ケン様物質にする方法も可能である。次いで、顆粒状
石ケンを分離し6乾燥する。乾燥法としては,真空乾燥
6加熱真空乾燥、温風乾燥その他等が採用される。得ら
れた砂状の色素含有石ケン様物質から有機溶剤を用いて
色素を抽出する。有機溶剤としては通常のもの、例えば
.アセトン,酢酸エチルその他が採用される。抽出液か
ら有機溶剤を回収して得られた濃縮色素は,末だオレオ
レジン特有の臭気を有するので6これを脱臭工程に付す
脱臭法として6濃縮色素を直接又は任意の量の食用油(
例えば.アン油,綿実油6コーンオイルその他)を加え
て、加圧水蒸気蒸留法もしくは減圧水蒸気蒸留法または
減圧水蒸気蒸留法の水蒸気の代りに不活性ガス,窒素ガ
ス.アルゴンガス等)をキヤリヤーガスとして流す方法
等が採用される。脱臭処理を終つて得られたものが目的
収得物パプリカ色素である。
得られるパブリカ色素の特徴は.次の実験例によつて更
に詳しく説明される。
脂肪酸組成の実験例 脂肪酸組成の分析法は、試料2f1をn−ヘキサン30
ゴと金属ナトリウム250mf7.含有メタノール液4
0m1に溶かし,公知の方法〔参考文献:油化学.第1
5巻.89頁(1966年)〕でエステル交換し.ガス
クロマトグラフを用いて行つた。
ガスクロマトグラフイー条件:固定相液層:10%ジエ
チレングリコールサクソネート.キヤリヤーガス:窒素
ガス,カラム温度:200℃色調についての実験例分析
方法:試料をアセトンにより稀釈し、ダブルビーム分光
光度計を用いて470nmと45nmの吸光度を測定し
,吸光比(470nmの吸光度/454nmの吸光度)
を求めた。
みが選択的に除去きれ.パプリカ色素はエステル型で存
在し、色調はオレオレジンと同一で変化していないこと
が明らかである。
本発明の方法で得られたパプリカ色素は、天然着色料と
して次の様な著効を持つ。
1 発色性に優れ.特異臭を有してない。
2 窩色素濃度においても色素成分が析出しない。
3 本発明から得たものの色調はオレオレジンのそれと
同一である。
4 製造操作が安全かつ容易である。
5 製造歩留りが高い。
これらの著効は、パプリカオレオレジンの臭気の原因で
ある脂肪分のみを選択的にケン化し、有機溶剤に難溶の
塩として除去し、さらに水蒸気蒸留または減圧下不活性
ガスをキヤリヤガスとして用いて臭気成分を除去したこ
とによる。
本発明のパプリカ色素は,天然着色料として、飲食物,
嗜好品,医薬品、香粧品その他広い分野で利用可能であ
る。
実施例 1 パ.プリカオレオレジン〔C.V.lO万、吸光比47
0nmの吸光度/454nmの吸光度=1.002(ア
セトン溶剤中)〕5kgに32%苛性ソーダ水2k9を
加え.20℃で5分間激しく撹拌し.ペースト状の混合
系を形成する。
攪拌を止め,外部から冷却しながら20〜25℃で15
時間静置すると系全体が石ケン様固形物となる。5%食
塩含有水15kgを加え加熱する。
この系の温度の上昇と共に石ケン様固形物は次第に軟化
する。系の温度が70℃に至ると撹拌混合し,食塩3k
gを少量づつ加え、顆粒状の固形物を調製する。この混
合系を20℃に冷却し.バスケツト型遠心分離機を用い
て固形物を分離し.少量の飽和食塩水で洗浄すると,6
.75kgの粒状固形物を得る。得られた固形物を80
℃に加温しながら8時間真空乾燥すると乾燥物5.5k
9を得る。これにアセトン10k9を加えて5時間穏や
かに攪拌し,色素成分を抽出する。溶剤層を分離し.抽
出残渣にアセトン10k9を加えて更に5時間抽出し.
溶剤層を合わせ、これを常圧下で蒸留してアセトンを留
去する。これ濃縮色素を常圧下2時間水蒸気蒸留すると
パプリカ特有の臭気を有しないパプリカ色素1.10k
g( CV43万,吸光比:470nmの吸光度/45
4nmの吸光度= 1.003)を得た。実施例 2 パプリカオレオレジン(CVlO万,吸光比:470n
mの吸光度/454nmの吸光度=1.001)5kg
にビタミンE29を加えて5℃に冷却する:,5℃に冷
却した2070苛性ソーダ水溶液3.5kgを加え5分
間撹拌するとペースト状の混合系を形成する。
撹拌を止め.5〜10℃で24時間静置後水152を加
え6加熱溶解さす。撹拌T食塩2k9を加え塩析すると
粒状の固形物を得る。冷却後、バスケツト型遠心分離機
を用いて固形物を分離し6少量の飽和食塩水で洗浄し,
固形物6.95kgを得た。この固形物を60℃68時
間温風乾燥させ.これに酢酸エチル15k9を加えて一
日冷浸する。溶剤層を分離し6抽出残渣に酢酸エチル1
0k9を加え、更にl日冷浸する。溶剤層を合わせ6蒸
留して酢酸エチルを留去し6濃縮色素を得る。この濃縮
物に精製アン油1.51Cgを加え6減圧水蒸気蒸留(
加熱温度:80℃、真空度:7TOrr、蒸留時間4時
間)し6パプリカ特有の臭気の有しないパプリカ色素2
.63kg(CVl7万,吸光比:470nmの吸光度
/454nmの吸光度=0.996)を得た。実施例
3 パプリカオレオレジン(CVlO万、吸光比:470n
mの吸光度/454nmの吸光度=1.002)2kg
に室温T3O%苛性ソーダ水溶液0.5k9を加え65
分間撹拌混合後一夜静置する。
水101を加え加熱溶解させ6撹拌丁芒硝2.5kgを
加えて塩析する。20℃に冷却後遠心分離して固形物を
得640℃に加温しながら真空乾燥し6固形物2.25
kgを得る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 パプリカまたはパプリカオレオレジンを50℃以下
    でアルカリ水溶液で、ついで有機溶剤でそれぞれ処理し
    、得られた濃縮色素液を水蒸気蒸留もしくは減圧下不活
    性ガス気流下で処理することを特徴とするパプリカ色素
    の製造法。 2 パプリカまたはパプリカオレオレジンを50℃以下
    の温度下に、アルカリ水溶液で、ついで有機溶剤でそれ
    ぞれ処理し、得られた濃縮色素液に食用油を添加し、こ
    の混合系を水蒸気蒸留もしくは減圧下不活性ガス気流下
    で処理することを特徴とするパプリカ色素の製造法。
JP7553581A 1981-05-18 1981-05-18 パプリカ色素の製造法 Expired JPS5950704B2 (ja)

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CN102604417B (zh) * 2011-12-15 2013-12-11 武城县英潮经贸有限公司 从辣椒红离心物中分离红色素及果胶的工艺
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