JPS5943974B2 - シヤドウマスクの製造方法 - Google Patents

シヤドウマスクの製造方法

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JPS5943974B2
JPS5943974B2 JP54107024A JP10702479A JPS5943974B2 JP S5943974 B2 JPS5943974 B2 JP S5943974B2 JP 54107024 A JP54107024 A JP 54107024A JP 10702479 A JP10702479 A JP 10702479A JP S5943974 B2 JPS5943974 B2 JP S5943974B2
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Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、カラーテレビブラウン管のシャドウマス久
の製造方法に関する。
カラーテレビブラウン管のシャドウマスクは通常の冷延
鋼板の製造工程を経て製造された冷延鋼板を再度冷間圧
延して板厚0.2mm以下とし、これをシャドウマスク
素材としている。
この素材にシャドウマスク製造工程でフォトエツチング
穿孔ヲ行い、650°〜950℃で短時間焼鈍(以下最
終焼鈍とする)を行った後、レベラ一作業等によって形
状矯正とストレッチャ・ストレインの原因となる降伏点
伸びを減少させたうえ、ブラウン管の前曲面に合せた型
にプレス成形してシャドウマスク完成品を得ている。
このようなシャドウマスク製造において、C及び固溶N
を極力少なくしだAtキルド鋼極低炭素冷延鋼板がフォ
トエツチング特性及びプレス成形性に優れリムド鋼と比
較してシャドウマスク素材として総合的に優れているこ
とを本発明者らは見い出し、既にこのような素材を用い
るシャドウマスクの製造方法として特願昭53−133
245号にて提案済である。
この発明は、上記提案済の発明に改良を加えて発展せし
めたもので、プレス成形性を更に安定して得ることを目
的とするものである。
すなわち、シャドウマスクのプレス成形上要求される材
料特性は降伏点応力が低く降伏点伸びが低いことであり
、経験的には降伏点応力17Kp/−以下、降伏点伸び
3%以下の数値であるが、このように調整されたAtキ
ルド鋼であっても最終焼鈍後の降伏点伸びの大きいもの
が発生することがあるためプレス成形性がやや不安定な
面があり、本願発明はこの点を改善せんとするものであ
る。
この目的のため、本願発明はスラブを熱間圧延−冷間圧
延−焼鈍又はこれらに加えて更に調質圧延することによ
りc:o、oi%以下、Mn:0.10〜100%、S
:0.025%以下、Sot、At :0.010〜0
.120%、N:100ppIIl以下、残部鉄及び不
純物からなる組成を有し、前記NとSal。
Sol、AI、 14 Atは N X 27−L 5以上の関係を満足し
、Nの大部分はAtNとして固定されているAtキルド
冷延鋼板を得ることと最終焼鈍を650〜850°Cで
1〜10分間脱炭雰囲気で行うことを基本的な特徴とす
るものである。
まず本発明においてAtキルド冷延鋼板は、通常の製造
工程で製造されるものである。
即ち、たとえばスラブを仕上り温度820℃以上で熱間
圧延し、480〜800℃で巻取り、更に酸洗後40%
以上の圧下率でもって冷間圧延を行ない、鋼板温度が5
40〜850℃で焼鈍を行う。
必要があれば更に調質圧延を行う6゜ また成分等の限定理由は次の通りである。
C:C含有量が高いと最終焼鈍での脱炭処理時間を長く
する必要があり工業的でない。
このため、0.01%以下とした。
Cを0.01%以下にするためには、溶鋼の段階で真空
脱ガス処理してもよいし、冷延鋼板を得るための焼鈍と
して脱炭焼鈍を採用してもよい。
Mn:Mnは製鋼での脱酸の目的のほかにSによる熱間
脆性を防止するうえから、M n / S >15を十
分満足させ、かつコストを考慮し、0.10〜100%
とした。
S:Sは少ないほうが望ましく、0.025%を超える
とMnS系介在物が増え、 シャドウマスクの孔形状に
悪い影響を与えるため、0.025%以下とした。
At:Atは製鋼での脱酸強化を行うことで酸化物系介
在物を著しく減少させ、フォトエツチング特性を向上さ
せるほか、降伏点伸びの原因となる固溶NをAI、Nと
して固定させるのに必要な量を添加すれば良いが、本発
明者らSat、、υ714 の研究実験によれば、(N X27)≧1.5の関係
を満足できるAt量の添加が必要である。
更にこの関係を満足するためには通常含まれるN量との
関係からSot、I−1として0.010%以上とする
が、必要以上に高くすると製造コストを上げるうえ、製
鋼工程においで渦流れを悪くし、非金属介在物が浮上し
にくいためSoL、Al、として0.010%〜0、1
20%とした。
N:Nは降伏点伸びを増加させる原因となるため可能な
限り少ないほうが望ましい。
また通常の製造方法では添加しない限り100卿を超え
ることはないので100pp!11以下とした。
また、本発明では上記Nの大部分をAtNとして固定す
るものとする。
鋼中の固溶NをAtNとして固定するには、熱間圧延に
おいて巻取り温度を調整する方法及び/又は箱型焼鈍を
650〜800℃の温度範囲で行う方法の2通りの方法
がある。
C:0.01%以下の冷延鋼板を得るに際して箱型焼鈍
で脱炭処理を行う場合には、焼鈍温度を上記温度域とす
ることにより固溶NをAIl、Nとして固定すれば良い
この場合、熱間圧延時には必ずしも上記の高温巻取りを
行う必要はなく、低温巻取りでも十分である。
また、C:0.01%以下とするために、溶鋼の段階で
真空脱ガス処理を行う場合は、箱型焼鈍で脱炭処理を行
う必要がないため、熱間圧延で上記高温巻取りを行う。
この場合、その後の焼鈍は再結晶しさえすれば良く、箱
型焼鈍は勿論連続焼鈍でも良い。
この際の焼鈍温度としては鋼板温度が540℃之800
℃となるよう選定されるべきである。
540℃未満では再結晶が生じないし、800℃を超え
ると巻取り時に析出したA、/、Nが再固溶するおそれ
があるためである。
なお、箱型焼鈍で脱窒処理を行えば鋼中の固溶Nが減少
するので、その分Atの添加量を少なくできる。
以上のように成分調整された極低炭素冷延鋼板(鋼帯)
を再冷圧しく圧下率40%以上)板厚0.2rnTIL
以下となし、通常のシャドウマスク製造工程でフォトエ
ツチング穿孔する。
その後最終焼鈍を行いプレス成形するわけであるが、こ
のプレス成形性の向上のためには十分に脱炭されたAt
キルド鋼極低炭素冷延鋼帯を用いることが必要である。
しかしながら通常の製造方法で脱炭した極低炭素冷延鋼
板はシャドウマスク素材として脱炭が十分でない場合や
脱炭が不均一なことがある。
その理由としては、真空脱ガス溶解法で製造されたもの
は、脱ガス処理で十分に脱炭されたとしてもその後の合
金鉄添加による成分調整でフェロマンガン等から加炭さ
れて炭素含有量が十分に低くならないことや、またオー
プンコイル焼鈍法による脱炭では焼鈍コイル内での脱炭
力のバラツキやストリップどうしの密着による局部的な
脱炭不足が生じること等がある。
本発明者らは、上記問題に対し実験、研究を繰返した結
果、最終焼鈍を1〜10分間焼鈍温度650°C〜85
0℃の脱炭雰囲気で行うことが優れたプレス成形性を安
定して得るための有効な方法であることを見出した。
最終焼鈍を脱炭雰囲気で行うこととしたのは、前記した
ように通常の製造工程で行われる脱炭処理では脱炭が不
十分な場合があり、これを補うためと、また最終焼鈍で
発生することがある加炭の現象を避けるためである。
ここで脱炭雰囲気とは非酸化性であって脱炭がおこるよ
うな雰囲気であれば良く、その他の制限は特にない。
一般に脱炭冷延鋼板の製造時に用いられるオープンコイ
ル焼鈍炉で用いられるような雰囲気や、板厚が薄いこと
から真空等が適当なもの:として挙げられる。
温度範囲を650°C〜850℃としたのは、650℃
以下では、ここで規定する短時間で十分な脱炭が望めな
いためであり、また850℃以上では固溶Nが増加する
おそれがあるためである。
また焼鈍時間を1〜10分間としたのは、1分以下であ
ると焼鈍効果が十分現われず、10分以上であると85
0℃以上の焼鈍にあってはAtNの再固溶が始まるおそ
れがあるためと、焼鈍効果が飽和してそれ以上の材質向
上効果が殆んどないためである。
次に実施例を示す。
実施例 供試材は連続鋳造スラブに十分に手入れを行い850℃
で仕上げ圧延を行い、520℃で巻取った熱延鋼板を酸
洗後77%冷間圧延し750℃で焼鈍して得たAtキル
ド鋼極低炭素冷延鋼板であり、その組成を下掲表に示す
これらの供試材を更に圧下率72%で冷間圧延を行い、
板厚0.18朋とした後、600℃〜900℃の温度範
囲で10分間脱炭雰囲気と非脱炭雰囲気で短時間の最終
焼鈍を行い、これらについて常温引張試験と時効指数及
び結晶粒度の測定を行った結果を第1図〜第3図に示し
た。
図中、各プロットの内容は下掲表の通りである。
供試材4種類のうち、AとB及びCはオープンコイル焼
鈍法によるAtキルド鋼極低炭素冷延鋼帯で、C含有量
がそれぞれ0.002%Cと0.003%C及び0.0
05%Cと異なる成分のもの、Dは真空脱ガス溶解法に
よるAtキルド鋼極低炭素冷延鋼帯で0.009%Cの
成分のものである。
第1図及び第2図から最終焼鈍を非脱炭雰囲気で行った
ものは降伏点応力及び降伏点伸びのバラツキが見られ不
安定であるのに比べ、本発明方法により最終焼鈍を脱炭
雰囲気で行った鋼はC含有量が異なる冷延鋼板からのも
のであっても、脱炭雰囲気中で650℃〜850℃の範
囲で短時間焼鈍を行うことで、非脱炭雰囲気のものに比
べ、第3図に示すように結晶粒度は変らず、降伏点応力
、降伏点伸びの低い安定した材質が得られる。
非脱炭雰囲気中で焼鈍を行った供試材Bは、素材のC含
有量が0.003%Cと低いのにもかかわらず、最終焼
鈍したときに降伏点応力、降伏点伸びが高い値となって
いる。
これは非脱炭雰囲気中でなんらかの原因により鋼板表面
に残存した極く微量の炭化化合物による加炭が原因であ
ると考えられる。
鋼の時効指数は、固溶したN及びCの量によって変り、
固溶したC及びNが多ければ高く、少なければ低い。
本発明における鋼では、固溶NはA4Nとしてほぼ固定
されていることから、時効指数は固溶C量によって支配
されている。
すなわち時効指数が低いということは脱炭雰囲気焼鈍で
十分に脱炭されC含有量が低位安定していることであり
、そのためプレス成形性も良いことを示している。
第3図から、本発明方法によれば、時効指数も安定して
1.0以下となることがわかる。
以上説明したように、本発明方法によれば優れたプレス
成形性を安定して得ることが可能となる。
また降伏点伸びがほとんどみられないことから、プレス
成形加工前に行うレペラー加工工程の省略も可能と考え
られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は降伏点応力と最終焼鈍温度との関係を示すグラ
フ、第2図は引張強さ及び降伏点伸びと最終焼鈍温度と
の関係を示すグラフ、第3図は時効指数及び結晶粒度と
最終焼鈍温度との関係を示すグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 I C:0.01%以下、Mn : 0.10〜1.
    00%、S:0.025%以下、Sol!A7 : 0
    .010〜0.120%、N100pIIII以下、残
    部鉄及び不可避不純物からなり、前記NとSot、At
    とは盈隻(A4×月−A 27− 1.5以上の関係を満足し、かつNの大部分はrとして
    固定されているA4キルド冷延鋼板を通常の熱間圧延−
    冷間圧延−焼鈍又はこれらに加えて更に調質圧延するこ
    とにより製造し、次いでこのAtキルド冷延鋼板を再冷
    間圧延して板厚0.2朋以下とし、つづいてフォトエツ
    チングにより穿孔した後、650〜850℃で1〜10
    分間の脱炭雰囲気最終焼鈍を行い、次いで所定のシャド
    ウマスク形状にプレス成形することを特徴とするシャド
    ウマスクの製造方法。
JP54107024A 1979-08-22 1979-08-22 シヤドウマスクの製造方法 Expired JPS5943974B2 (ja)

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