JPS641533B2 - - Google Patents
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- JPS641533B2 JPS641533B2 JP17843682A JP17843682A JPS641533B2 JP S641533 B2 JPS641533 B2 JP S641533B2 JP 17843682 A JP17843682 A JP 17843682A JP 17843682 A JP17843682 A JP 17843682A JP S641533 B2 JPS641533 B2 JP S641533B2
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Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J9/00—Apparatus or processes specially adapted for the manufacture, installation, removal, maintenance of electric discharge tubes, discharge lamps, or parts thereof; Recovery of material from discharge tubes or lamps
- H01J9/02—Manufacture of electrodes or electrode systems
- H01J9/14—Manufacture of electrodes or electrode systems of non-emitting electrodes
- H01J9/142—Manufacture of electrodes or electrode systems of non-emitting electrodes of shadow-masks for colour television tubes
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
- ing And Chemical Polishing (AREA)
- Electrodes For Cathode-Ray Tubes (AREA)
Description
本発明は、カラーテレビ用シヤドウマスクの製
造方法の改善に関する。 従来、シヤドウマスクを製造するには、例えば
第1図1―aに示す如き工程を経て製造されてい
た。素材メーカーにおいて、低炭素鋼を圧下率40
%以上で仕上冷間圧延して板厚0.2mm以下の所望
板厚とする。そして、このコイルをエツチング穿
孔メーカーに出荷する。エツチング穿孔メーカー
においては、コイル状のシヤドウマスクの素材を
巻き戻しながら脱脂など前処理した後、両面に感
光液(レジスト)を塗布し、乾燥後、所定のドツ
ト形状あるいはスロツト形状が形成された基準パ
ターンを両面に密着させ、露光し、現像する。そ
の後、レジスト膜を硬化させるため、約200℃前
後の温度でバーニング処理を施し、塩化第二鉄液
などのスプレー噴射によるエツチングで所定の孔
をあけ、残存するレジスト膜を除去したのち、一
枚、一枚のフラツトマスクに切断して、ブラウン
管メーカーに出荷される。次にブラウン管メーカ
ーにおいては、このエツチング穿孔されたフラツ
トマスクを焼鈍することによりプレス成形可能な
変形能を付与する。この焼鈍は、フラツトマスク
を重ねるか吊り下げた状態で、通常750〜900℃も
の高温で行われる。焼鈍されたままの状態では、
降伏点伸びが大きく。プレス成形の際にストレツ
チヤー・ストレインが発生し、シヤドウマスクと
して致命的な欠陥となるから、プレス成形前にロ
ーラーレベラーを数回かけ、しかる後に所定の球
面状にプレス成形される。その後、さらに黒化防
錆処理によつてシヤドウマスク表面に酸化皮膜を
形成し、完成品となる。 以上述べた製造工程(以下これをポストアニー
ル法と記す)において、特にブラウン管メーカー
の行う焼鈍工程にいくつかの問題が顕在してい
る。すなわち、この焼鈍工程は、前述の如くフラ
ツトマスクを重ね合わせるかまたは吊り下げた状
態で焼鈍するため、焼鈍能率が極めて悪く、コス
トが高くなるばかりか、750〜900℃もの高温で焼
鈍されるため、フラツトマスク同志の密着焼付が
多発し歩留を大きく低下させる原因となつてい
る。 そこで、これらの問題を解決するため、低炭素
鋼を冷間仕上圧延において圧下率10〜35%で冷延
して板厚0.2mm以下の製品板厚とし、冷延鋼帯を
タイトコイルのまま520〜600℃の温度で焼鈍した
あと調質圧延し、次いでエツチング穿孔工程、レ
ベラー通板工程、プレス成形工程を経ることから
なるカラーテレビブラウン管用シヤドウマスクの
製造方法(これをプレアニール法と記す)が提案
されている。プレアニール法の製造工程を第1図
1―bに示す。このプレアニール法に従うとブラ
ウン管メーカーにおいてポストアニール法では必
須であつた非能率な高温焼鈍が省略可能であり、
素材メーカーでの高能率低コストの焼鈍で安定し
たプレス成形性が得られる。しかも、フラツトマ
スク同志の密着焼付の問題も解消される。 しかし、従来提案されていたプレアニール法に
も以下の問題があつた。第1にOCA(オープンコ
イル焼鈍)により強脱炭するためコストが非常に
高くなることである。第2に、アルミキルド極低
炭素鋼の材質は、最終焼鈍の焼鈍雰囲気に非常に
敏感に影響され、最終焼鈍または、それ以降の工
程で著しく降伏点伸びが発生する場合がある。特
に、素材メーカーで最終焼鈍後、調質圧延により
降伏点伸びが抑制されていても、フオトエツチン
グ工程でバーニング処理(200℃×3分)が行わ
れるため、ここで時効が起こり、降伏点伸びが発
生する。このため、レベラー回数の増加及びプレ
ス不良などの問題が生じていた。 本発明は、このような従来のシヤドウマスク製
造上の問題解決を主目的としてなされたものであ
る。この目的において本発明は、真空脱ガスによ
る脱炭処理を施した低炭素アルミキルド熱延鋼板
を使用することにより、OCA(オープンコイル焼
鈍)での脱炭工程を不要化し、かつ最終焼鈍雰囲
気を適切に調整することによつて、フオトエツチ
ング工程でバーニング処理を行つても時効による
降伏点伸びの発生をほぼ完全に抑制し、安定した
プレス成形性を得るのに成功したものである。本
発明の製造工程を第1図1―cに示す。すなわ
ち、本発明におけるプレアニール法に従う製造方
法は、鋼の溶製時に真空脱ガス処理することによ
り極低炭素域にまで脱炭された0.004%<C
0.010%,SOl.Al;0.010〜0.08%,Mn;0.15〜
0.40%,N<100ppm,残部が鉄および不可避的
不純物からなるアルミキルド熱延鋼板を製造し、
これを冷間圧延と非酸化性・非浸炭性雰囲気中で
再結晶温度以上の中間焼鈍を1回以上施して中間
板厚とし、次に0.2mm以下の板厚に冷間仕上圧延
し、これを連続焼鈍工程で、CO+CO2;100ppm
(容量基準)以下,H2;0.5%(容量基準)以上、
残部が実質上N2及びH2Oからなる雰囲気中で、
600〜750℃の温度で焼鈍処理することに特徴があ
る。 以下に、本発明の詳細を説明する。アルミキル
ド鋼は、リムド鋼やキヤプド鋼に比べて鋼の清浄
度が良好であり、鋼中の固溶NをAlNとして固
定することによつて降伏点伸びの低減をはかるこ
とができる。そして、この冷延鋼板の製造過程に
おいてOCA(オープンコイイル焼鈍)工程で脱炭
すると一層降伏点伸びを低下させることができ
る。脱炭アルミキルド鋼板を素材とする第1図1
―a及び1―bに示す製造方法は、リムド鋼を素
材とした従来の製造方法に比べると格段に優れた
方法である。しかし、これらの製造工程で生産さ
れるシヤドウマスクは、極めてコストが高くな
る。特に、OCA(オープンコイル焼鈍)工程で強
脱炭するとコスト面で非常に不利となる。しか
も、アルミキルド極低炭素鋼の焼鈍では、このよ
うな鋼製造上の過程でいかなる降伏点伸び抑制手
段を購じても、最終焼鈍の条件次第で著しく降伏
点伸びが発生するという特異な現象が見られる。
その結果、フオトエツチング工程でのバーニング
処理(200℃×3分)により時効が起こり、降伏
点伸び発生によるプレス不良が発生する。 本発明者らは、製鋼工程で真空脱ガスによる脱
炭処理を施すと、OCA(オープンコイル焼鈍)で
の脱炭工程が不要となることに着目し、さらに真
空脱ガスにより脱炭処理された極低炭素アルミキ
ルド冷延鋼板の最終焼鈍時(冷間仕上圧延後、フ
オトエツチング前の焼鈍)において、降伏点伸び
を防止するのに有利な条件を見い出すべく鋭意研
究した結果、CO+CO2;100ppm(容量基準)以
下,H2;0.5%(容量基準)以上、残部が実質上
N2およびH2Oからなる雰囲気中で、連続焼鈍を
行うと、この焼鈍によつても降伏点伸びが発生せ
ず、フオトエツチング工程でのバーニング処理で
時効が進むことによる降伏点伸びの発生も極めて
少なく、安定したプレス成形性が得られることが
わかつた。本発明によると、OCA(オープンコイ
ル焼鈍)による脱炭工程が不要であり、非酸化
性・非浸炭性雰囲気中で再結晶軟化焼鈍を行え
ば、TCA(タイトコイル焼鈍)で十分である。し
かも、、OCA(オープンコイル焼鈍)による脱炭
工程が不要となるため、コスト面で非常に有利と
なる。しかも、この場合の焼鈍温度は、600〜750
℃の低温でよく、この低温においても、降伏点伸
びが発生することなく、十分な焼鈍ができる領域
が存在することが明らかとなつた。したがつて、
本発明による製造方法に従えば、ブラウン管メー
カーでの高温焼鈍が不要となり、素材メーカーで
の高能率・低コストの焼鈍が可能となるばかり
か、OCA(オープンコイル焼鈍)での脱炭工程も
不要となり省エネルギー、コストの低減など著し
いメリツトが得られる。しかも、フラツトマスク
のプレス成形時の成形性が極めて安定するという
効果が得られる。なお、この効果は、最終焼鈍後
に圧下率0.3〜1.2%の調質圧延を施しても何ら影
響されず、この調質圧延を行つておくと、その後
のシヤドウマスク製品に至るまでの諸工程におい
て取扱い上、並びに表面性状や平坦性の確保の上
で、有利になる。 なお本発明者らは、先の特願昭57―115918号に
おいて、C≦0.004%にまで脱炭された冷延鋼帯
を本発明と実質上同じ最終焼鈍条件で処理すると
同様の効果が得られることを明らかにしたが、本
発明においてはC>0.004%の冷延鋼帯を使用し
ても当該最終焼鈍条件を適用する場合には、その
焼鈍時にC≦0.004%にまで脱炭されることが明
らかとなり、(ただしC≦0.010%であることが必
要)、したがつて、最終板厚の冷延鋼帯を製造す
る過程での中間焼鈍では脱炭の必要はなく、非酸
化性・非浸炭性雰囲気で再結晶温度以上で行えば
よいことになり、先願の場合に比べて一層有利な
製造法を見出したものである。 以下に代表的試験結果に基づき、本発明を具体
的に説明する。 第2図は、真空脱ガス処理によりC;0.005%,
Al;0.04%を含有する鋼を焼鈍温度710℃で連続
焼鈍した場合に、その水素濃度(容量%)と露点
とが、バーニング処理(200℃×3分)後の降伏
点伸びに及ぼす影響を調査したものである。雰囲
気中のCO+CO2が1ppm(容量基準)の条件で試
験した結果、降伏点伸びの発生しない領域が存在
することが、まず明らかである。 第3図は、C;0.005%,sol.Al;0.04%を含有
する鋼を焼鈍温度750℃、露点0℃、水素濃度10
%(容量基準)の雰囲気において、CO+CO2濃
度をバーニング処理(200℃×3分)後の降伏点
伸びとの関係を調べたものである。第3図から明
らかなように、CO+CO2が100ppm(容量基準)
以下では、降伏点伸びは実質上発生しない。しか
し、100ppm(容量基準)を超えると降伏点伸びは
急激に増大する。 これらの結果から、フラツトマスクをプレス成
形するさいに、降伏点伸びに起因するストレツチ
ヤ・ストレインを防止するには素材メーカーでの
焼鈍雰囲気を、CO+CO2を100ppm(容量基準)
以下とし、かつ水素濃度は0.5%(容量基準)以
上とするのが望ましいことが明らかである。 水素濃度が0.5%(容量基準)未満であれば、
第2図に示すように、降伏点伸びの発生しない領
域が急激に狭くなり、実操業が困難となる。また
焼鈍温度は、600〜750℃で十分である。焼鈍温度
は再結晶温度以上であればよい。しかし、連続焼
鈍は、短時間の焼鈍であるため、600℃未満では
十分な材質が得られない。また焼鈍温度の上限は
特にないが750℃を超えても材質的に特に効果が
なく、省エネルギー面及び実操業面からも不利と
なる。 なお、本発明を適用した極低炭素アルミキルド
鋼板の成分値については、C;0.004%以下,
SOl.Al;0.01〜0.08%,Mn;0.15〜0.40%,N;
100ppm以下のものを使用するのがよい。 すなわち、前記の最終焼鈍に適用する冷延鋼帯
の炭素含有量は0.004<C≦0.010%であるが、当
該最終焼鈍においてC≦0.004%まで脱炭される
ので、最終焼鈍を終えたアルミキルド鋼板はC≦
0.004%の極低炭素アルミキルド鋼となる。Cが
0.004%とこえると、プレス成形時にストレツチ
ヤ・ストレインが発生しやすくなる。Nは降伏点
伸びを増加させる原因となるため、できるだけ少
ない方がよく、多量に含むとAlNの量が多くな
り、結晶粒の成長を抑制する。このようなことか
ら、Nは100ppm以下とするのがよい。Alは製鋼
の脱酸剤であり、鋼中の非金属介在物の低減に必
要な量であつて、かつ降伏点伸び発生の原因とな
る固溶NをAlNとして固定させるのに必要な量
を添加させるのがよい。これには鋼中のsol.Alと
して0.01〜0.08%の範囲が適当である。また、
Mnは、Sによる熱間脆性を防止する上で、
Mn/S>15を満足させる量を含有させるのがよ
く、また結晶粒の成長を考慮すれば0.15%以上含
有させるのが良い。しかし、その上限はリムド鋼
と同一水準の0.40%程度でよい。 実施例 係試材は、150トン転炉により溶製した低炭素
アルミキルド鋼(C;0.07%,Mn;0.25%,
P;0.014%,S;0.008%,Si;0.014%,Sol,
Al;0.04%)の溶鋼をRH脱ガスによりC;0.005
%に脱炭した後、連続鋳造→熱間圧延(板厚2.5
mm,巻取温度560℃)→酸洗→冷間圧延(0.6mm)
→タイトコイル焼鈍(非酸化・非浸炭性雰囲気)
→仕上冷間圧延(0.15mm)→連続焼鈍→スキンパ
ス(1.0%)の工程で製造された極低炭素アルミ
キルド冷延鋼板である。この供試材は、C;
0.005%,Si;0.014%,Mn;0.25%,Sol.Al;
0.04%,N;45ppmの組成を有す。この供試材を
種々の露点,水素濃度,CO+CO2濃度の雰囲気
で焼鈍し、バーニング処理(フオトエツチング工
程)後の特性値、およびプレス成形性を調査し
た。その結果を第1表に示す。 第1表の結果から本発明に従う範囲の焼鈍雰囲
気においては、降伏点伸びは発生せず、発生した
としても、比較例に比して極めて僅少であること
がわかる。したがつて、本発明によるとフラツト
マスクの安定した成形性が得られると共に、省エ
ネルギーやコスト面で多大の効果を享受できる。
造方法の改善に関する。 従来、シヤドウマスクを製造するには、例えば
第1図1―aに示す如き工程を経て製造されてい
た。素材メーカーにおいて、低炭素鋼を圧下率40
%以上で仕上冷間圧延して板厚0.2mm以下の所望
板厚とする。そして、このコイルをエツチング穿
孔メーカーに出荷する。エツチング穿孔メーカー
においては、コイル状のシヤドウマスクの素材を
巻き戻しながら脱脂など前処理した後、両面に感
光液(レジスト)を塗布し、乾燥後、所定のドツ
ト形状あるいはスロツト形状が形成された基準パ
ターンを両面に密着させ、露光し、現像する。そ
の後、レジスト膜を硬化させるため、約200℃前
後の温度でバーニング処理を施し、塩化第二鉄液
などのスプレー噴射によるエツチングで所定の孔
をあけ、残存するレジスト膜を除去したのち、一
枚、一枚のフラツトマスクに切断して、ブラウン
管メーカーに出荷される。次にブラウン管メーカ
ーにおいては、このエツチング穿孔されたフラツ
トマスクを焼鈍することによりプレス成形可能な
変形能を付与する。この焼鈍は、フラツトマスク
を重ねるか吊り下げた状態で、通常750〜900℃も
の高温で行われる。焼鈍されたままの状態では、
降伏点伸びが大きく。プレス成形の際にストレツ
チヤー・ストレインが発生し、シヤドウマスクと
して致命的な欠陥となるから、プレス成形前にロ
ーラーレベラーを数回かけ、しかる後に所定の球
面状にプレス成形される。その後、さらに黒化防
錆処理によつてシヤドウマスク表面に酸化皮膜を
形成し、完成品となる。 以上述べた製造工程(以下これをポストアニー
ル法と記す)において、特にブラウン管メーカー
の行う焼鈍工程にいくつかの問題が顕在してい
る。すなわち、この焼鈍工程は、前述の如くフラ
ツトマスクを重ね合わせるかまたは吊り下げた状
態で焼鈍するため、焼鈍能率が極めて悪く、コス
トが高くなるばかりか、750〜900℃もの高温で焼
鈍されるため、フラツトマスク同志の密着焼付が
多発し歩留を大きく低下させる原因となつてい
る。 そこで、これらの問題を解決するため、低炭素
鋼を冷間仕上圧延において圧下率10〜35%で冷延
して板厚0.2mm以下の製品板厚とし、冷延鋼帯を
タイトコイルのまま520〜600℃の温度で焼鈍した
あと調質圧延し、次いでエツチング穿孔工程、レ
ベラー通板工程、プレス成形工程を経ることから
なるカラーテレビブラウン管用シヤドウマスクの
製造方法(これをプレアニール法と記す)が提案
されている。プレアニール法の製造工程を第1図
1―bに示す。このプレアニール法に従うとブラ
ウン管メーカーにおいてポストアニール法では必
須であつた非能率な高温焼鈍が省略可能であり、
素材メーカーでの高能率低コストの焼鈍で安定し
たプレス成形性が得られる。しかも、フラツトマ
スク同志の密着焼付の問題も解消される。 しかし、従来提案されていたプレアニール法に
も以下の問題があつた。第1にOCA(オープンコ
イル焼鈍)により強脱炭するためコストが非常に
高くなることである。第2に、アルミキルド極低
炭素鋼の材質は、最終焼鈍の焼鈍雰囲気に非常に
敏感に影響され、最終焼鈍または、それ以降の工
程で著しく降伏点伸びが発生する場合がある。特
に、素材メーカーで最終焼鈍後、調質圧延により
降伏点伸びが抑制されていても、フオトエツチン
グ工程でバーニング処理(200℃×3分)が行わ
れるため、ここで時効が起こり、降伏点伸びが発
生する。このため、レベラー回数の増加及びプレ
ス不良などの問題が生じていた。 本発明は、このような従来のシヤドウマスク製
造上の問題解決を主目的としてなされたものであ
る。この目的において本発明は、真空脱ガスによ
る脱炭処理を施した低炭素アルミキルド熱延鋼板
を使用することにより、OCA(オープンコイル焼
鈍)での脱炭工程を不要化し、かつ最終焼鈍雰囲
気を適切に調整することによつて、フオトエツチ
ング工程でバーニング処理を行つても時効による
降伏点伸びの発生をほぼ完全に抑制し、安定した
プレス成形性を得るのに成功したものである。本
発明の製造工程を第1図1―cに示す。すなわ
ち、本発明におけるプレアニール法に従う製造方
法は、鋼の溶製時に真空脱ガス処理することによ
り極低炭素域にまで脱炭された0.004%<C
0.010%,SOl.Al;0.010〜0.08%,Mn;0.15〜
0.40%,N<100ppm,残部が鉄および不可避的
不純物からなるアルミキルド熱延鋼板を製造し、
これを冷間圧延と非酸化性・非浸炭性雰囲気中で
再結晶温度以上の中間焼鈍を1回以上施して中間
板厚とし、次に0.2mm以下の板厚に冷間仕上圧延
し、これを連続焼鈍工程で、CO+CO2;100ppm
(容量基準)以下,H2;0.5%(容量基準)以上、
残部が実質上N2及びH2Oからなる雰囲気中で、
600〜750℃の温度で焼鈍処理することに特徴があ
る。 以下に、本発明の詳細を説明する。アルミキル
ド鋼は、リムド鋼やキヤプド鋼に比べて鋼の清浄
度が良好であり、鋼中の固溶NをAlNとして固
定することによつて降伏点伸びの低減をはかるこ
とができる。そして、この冷延鋼板の製造過程に
おいてOCA(オープンコイイル焼鈍)工程で脱炭
すると一層降伏点伸びを低下させることができ
る。脱炭アルミキルド鋼板を素材とする第1図1
―a及び1―bに示す製造方法は、リムド鋼を素
材とした従来の製造方法に比べると格段に優れた
方法である。しかし、これらの製造工程で生産さ
れるシヤドウマスクは、極めてコストが高くな
る。特に、OCA(オープンコイル焼鈍)工程で強
脱炭するとコスト面で非常に不利となる。しか
も、アルミキルド極低炭素鋼の焼鈍では、このよ
うな鋼製造上の過程でいかなる降伏点伸び抑制手
段を購じても、最終焼鈍の条件次第で著しく降伏
点伸びが発生するという特異な現象が見られる。
その結果、フオトエツチング工程でのバーニング
処理(200℃×3分)により時効が起こり、降伏
点伸び発生によるプレス不良が発生する。 本発明者らは、製鋼工程で真空脱ガスによる脱
炭処理を施すと、OCA(オープンコイル焼鈍)で
の脱炭工程が不要となることに着目し、さらに真
空脱ガスにより脱炭処理された極低炭素アルミキ
ルド冷延鋼板の最終焼鈍時(冷間仕上圧延後、フ
オトエツチング前の焼鈍)において、降伏点伸び
を防止するのに有利な条件を見い出すべく鋭意研
究した結果、CO+CO2;100ppm(容量基準)以
下,H2;0.5%(容量基準)以上、残部が実質上
N2およびH2Oからなる雰囲気中で、連続焼鈍を
行うと、この焼鈍によつても降伏点伸びが発生せ
ず、フオトエツチング工程でのバーニング処理で
時効が進むことによる降伏点伸びの発生も極めて
少なく、安定したプレス成形性が得られることが
わかつた。本発明によると、OCA(オープンコイ
ル焼鈍)による脱炭工程が不要であり、非酸化
性・非浸炭性雰囲気中で再結晶軟化焼鈍を行え
ば、TCA(タイトコイル焼鈍)で十分である。し
かも、、OCA(オープンコイル焼鈍)による脱炭
工程が不要となるため、コスト面で非常に有利と
なる。しかも、この場合の焼鈍温度は、600〜750
℃の低温でよく、この低温においても、降伏点伸
びが発生することなく、十分な焼鈍ができる領域
が存在することが明らかとなつた。したがつて、
本発明による製造方法に従えば、ブラウン管メー
カーでの高温焼鈍が不要となり、素材メーカーで
の高能率・低コストの焼鈍が可能となるばかり
か、OCA(オープンコイル焼鈍)での脱炭工程も
不要となり省エネルギー、コストの低減など著し
いメリツトが得られる。しかも、フラツトマスク
のプレス成形時の成形性が極めて安定するという
効果が得られる。なお、この効果は、最終焼鈍後
に圧下率0.3〜1.2%の調質圧延を施しても何ら影
響されず、この調質圧延を行つておくと、その後
のシヤドウマスク製品に至るまでの諸工程におい
て取扱い上、並びに表面性状や平坦性の確保の上
で、有利になる。 なお本発明者らは、先の特願昭57―115918号に
おいて、C≦0.004%にまで脱炭された冷延鋼帯
を本発明と実質上同じ最終焼鈍条件で処理すると
同様の効果が得られることを明らかにしたが、本
発明においてはC>0.004%の冷延鋼帯を使用し
ても当該最終焼鈍条件を適用する場合には、その
焼鈍時にC≦0.004%にまで脱炭されることが明
らかとなり、(ただしC≦0.010%であることが必
要)、したがつて、最終板厚の冷延鋼帯を製造す
る過程での中間焼鈍では脱炭の必要はなく、非酸
化性・非浸炭性雰囲気で再結晶温度以上で行えば
よいことになり、先願の場合に比べて一層有利な
製造法を見出したものである。 以下に代表的試験結果に基づき、本発明を具体
的に説明する。 第2図は、真空脱ガス処理によりC;0.005%,
Al;0.04%を含有する鋼を焼鈍温度710℃で連続
焼鈍した場合に、その水素濃度(容量%)と露点
とが、バーニング処理(200℃×3分)後の降伏
点伸びに及ぼす影響を調査したものである。雰囲
気中のCO+CO2が1ppm(容量基準)の条件で試
験した結果、降伏点伸びの発生しない領域が存在
することが、まず明らかである。 第3図は、C;0.005%,sol.Al;0.04%を含有
する鋼を焼鈍温度750℃、露点0℃、水素濃度10
%(容量基準)の雰囲気において、CO+CO2濃
度をバーニング処理(200℃×3分)後の降伏点
伸びとの関係を調べたものである。第3図から明
らかなように、CO+CO2が100ppm(容量基準)
以下では、降伏点伸びは実質上発生しない。しか
し、100ppm(容量基準)を超えると降伏点伸びは
急激に増大する。 これらの結果から、フラツトマスクをプレス成
形するさいに、降伏点伸びに起因するストレツチ
ヤ・ストレインを防止するには素材メーカーでの
焼鈍雰囲気を、CO+CO2を100ppm(容量基準)
以下とし、かつ水素濃度は0.5%(容量基準)以
上とするのが望ましいことが明らかである。 水素濃度が0.5%(容量基準)未満であれば、
第2図に示すように、降伏点伸びの発生しない領
域が急激に狭くなり、実操業が困難となる。また
焼鈍温度は、600〜750℃で十分である。焼鈍温度
は再結晶温度以上であればよい。しかし、連続焼
鈍は、短時間の焼鈍であるため、600℃未満では
十分な材質が得られない。また焼鈍温度の上限は
特にないが750℃を超えても材質的に特に効果が
なく、省エネルギー面及び実操業面からも不利と
なる。 なお、本発明を適用した極低炭素アルミキルド
鋼板の成分値については、C;0.004%以下,
SOl.Al;0.01〜0.08%,Mn;0.15〜0.40%,N;
100ppm以下のものを使用するのがよい。 すなわち、前記の最終焼鈍に適用する冷延鋼帯
の炭素含有量は0.004<C≦0.010%であるが、当
該最終焼鈍においてC≦0.004%まで脱炭される
ので、最終焼鈍を終えたアルミキルド鋼板はC≦
0.004%の極低炭素アルミキルド鋼となる。Cが
0.004%とこえると、プレス成形時にストレツチ
ヤ・ストレインが発生しやすくなる。Nは降伏点
伸びを増加させる原因となるため、できるだけ少
ない方がよく、多量に含むとAlNの量が多くな
り、結晶粒の成長を抑制する。このようなことか
ら、Nは100ppm以下とするのがよい。Alは製鋼
の脱酸剤であり、鋼中の非金属介在物の低減に必
要な量であつて、かつ降伏点伸び発生の原因とな
る固溶NをAlNとして固定させるのに必要な量
を添加させるのがよい。これには鋼中のsol.Alと
して0.01〜0.08%の範囲が適当である。また、
Mnは、Sによる熱間脆性を防止する上で、
Mn/S>15を満足させる量を含有させるのがよ
く、また結晶粒の成長を考慮すれば0.15%以上含
有させるのが良い。しかし、その上限はリムド鋼
と同一水準の0.40%程度でよい。 実施例 係試材は、150トン転炉により溶製した低炭素
アルミキルド鋼(C;0.07%,Mn;0.25%,
P;0.014%,S;0.008%,Si;0.014%,Sol,
Al;0.04%)の溶鋼をRH脱ガスによりC;0.005
%に脱炭した後、連続鋳造→熱間圧延(板厚2.5
mm,巻取温度560℃)→酸洗→冷間圧延(0.6mm)
→タイトコイル焼鈍(非酸化・非浸炭性雰囲気)
→仕上冷間圧延(0.15mm)→連続焼鈍→スキンパ
ス(1.0%)の工程で製造された極低炭素アルミ
キルド冷延鋼板である。この供試材は、C;
0.005%,Si;0.014%,Mn;0.25%,Sol.Al;
0.04%,N;45ppmの組成を有す。この供試材を
種々の露点,水素濃度,CO+CO2濃度の雰囲気
で焼鈍し、バーニング処理(フオトエツチング工
程)後の特性値、およびプレス成形性を調査し
た。その結果を第1表に示す。 第1表の結果から本発明に従う範囲の焼鈍雰囲
気においては、降伏点伸びは発生せず、発生した
としても、比較例に比して極めて僅少であること
がわかる。したがつて、本発明によるとフラツト
マスクの安定した成形性が得られると共に、省エ
ネルギーやコスト面で多大の効果を享受できる。
【表】
第1図は、シヤドウマスクの製造工程を示す。
第1図において、1―aは、脱炭アルミキルド鋼
(OCA脱炭焼鈍)を素材としたポストアニール法
の場合、1―bは、脱炭アルミキルド鋼(OCA
脱炭焼鈍)を素材としたプレアニール法の場合、
1―cは本発明法である。第2図は、焼鈍温度
700℃,CO+CO2;1ppm(容量基準)の条件下で
の露点、水素とバーニング処理後の降伏点伸びの
関係図、第3図は、焼鈍温度750℃,露点0℃,
水素濃度10%(容量基準)の雰囲気中で、C;
0.005%,Sol,Al;0.04%を含有する鋼を連続焼
鈍する場合のCO+CO2濃度とバーニング処理後
の降伏点伸びとの関係図である。
第1図において、1―aは、脱炭アルミキルド鋼
(OCA脱炭焼鈍)を素材としたポストアニール法
の場合、1―bは、脱炭アルミキルド鋼(OCA
脱炭焼鈍)を素材としたプレアニール法の場合、
1―cは本発明法である。第2図は、焼鈍温度
700℃,CO+CO2;1ppm(容量基準)の条件下で
の露点、水素とバーニング処理後の降伏点伸びの
関係図、第3図は、焼鈍温度750℃,露点0℃,
水素濃度10%(容量基準)の雰囲気中で、C;
0.005%,Sol,Al;0.04%を含有する鋼を連続焼
鈍する場合のCO+CO2濃度とバーニング処理後
の降伏点伸びとの関係図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 板厚0.2mm以下のアルミキルド鋼板をフオト
エツチング法により多数の孔を穿孔してシヤドウ
マスクを製造するにさいし、0.004%<C≦0.010
%,sol.Al;0.01〜0.08%、Mn;0.15〜0.40%,
N≦100ppm,残部鉄および不可避的不純物から
なる熱延鋼帯を製造し、この熱延鋼帯に冷間圧延
と非酸化性・非浸炭性雰囲気で且つ再結晶温度以
上での中間焼鈍を1回以上施して中間板厚とし、
次いで、厚板0.2mm以下に冷間仕上圧延して製品
板厚とし、この冷延鋼帯を連続焼鈍工程で、CO
+CO2;100ppm(容量基準)以下,H2;0.5%
(容量基準)以上、残部が実質上N2およびH2Oか
らなる雰囲気中で600〜750℃の温度で焼鈍を施し
たあと、調質圧延し、得られた板厚0.2mm以下の
アルミキルド鋼板を用いて通常のエツチング穿孔
工程、プレス成形工程を経ることからなるカラー
テレビブラウン管用シヤドウマスクの製造方法。 2 熱延鋼帯が、鋼の溶製時に真空脱ガス処理に
よつてC≦0.010%まで脱炭されて製造されたも
のである特許請求の範囲第1項記載のシヤドウマ
スクの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17843682A JPS5968149A (ja) | 1982-10-13 | 1982-10-13 | シヤドウマスクの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17843682A JPS5968149A (ja) | 1982-10-13 | 1982-10-13 | シヤドウマスクの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5968149A JPS5968149A (ja) | 1984-04-18 |
JPS641533B2 true JPS641533B2 (ja) | 1989-01-11 |
Family
ID=16048479
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17843682A Granted JPS5968149A (ja) | 1982-10-13 | 1982-10-13 | シヤドウマスクの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5968149A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3645592B2 (ja) * | 1994-09-09 | 2005-05-11 | 松下電器産業株式会社 | 陰極線管部品用プレス成型油及びそれを用いたプレス成型品の処理方法 |
CN114796556B (zh) * | 2022-04-29 | 2023-09-05 | 南通市通州区晋峰纺织有限公司 | 一种日用口罩生产用的消毒贮存装置 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS596326A (ja) * | 1982-07-03 | 1984-01-13 | Nisshin Steel Co Ltd | シヤドウマスクの製造方法 |
-
1982
- 1982-10-13 JP JP17843682A patent/JPS5968149A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5968149A (ja) | 1984-04-18 |
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