JPS5941833Y2 - スチ−ムアイロン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、スチームアイロンに関する。

スチームアイロンにおいては、発熱体を有するベースに
気化室を設け、この気化室に対してタンクの滴下バルブ
から水を滴下し、この水を瞬間的にスチームにしてこれ
をベースのスチーム噴出口から噴出するものが多く用い
られている。

しかし、この形式のものは、とくに気化室などに水あか
などの蒸発残留物が附着しやすく、そのため、滴下バル
ブの孔ずまりなどが生じて故障を起しやすく、その都度
アイロン全体を分解して清掃する必要があり、この分解
組立に煩わしさがともない一般の使用者では困難である
という欠点があった。

そこで、従来では気化室の底板部にベースの下面に開口
する円筒状の滴下バルブ掃除用の通孔を開口し、この開
口部に下面がベースの折面の一部をなすとともに、その
上面が上記通孔に嵌合して気化面の一部をなす円柱状の
突部を有する蓋体を着脱自在に取付は気化室内を容易に
掃除できるようにしたものがある。

しかし、この構造によると、スチーム化する水がとくに
カルシウム、マグネシウム等の塩類を多く含んだ硬水で
ある場合、これを長期間スチーム噴射すると、気化室の
底板部の通孔とこの通孔に嵌合した蓋体の突部との間に
水あかやその他の蒸発残留物が附着し、これにより蓋体
の突部が通孔内に固着する場合があり、蓋体を取り脱し
て気化室内及び滴下バルブの滴下孔などの掃除が困難に
なるおそれがある等の問題を有している。

本考案はこのような点に鑑み改良されたもので、気化室
の底板部とベースの凹部に連通して形成される通孔を山
形状に形成するとともに、蓋体の突部を上記山形状の通
孔に液密に嵌合するように山形状に形成することにより
、蓋体が水あかなどによって固着一体化されることを防
止し、必要に応じて蓋体を常に簡単かつ容易に着脱でき
るようにしたスチームアイロンを提供するものである。

つぎに本考案の一実施例を添附図面について説明する。

１はベースで、このベース１の下面には凹部２が形成さ
れ、この凹部２の上方位置にはベース１と一体の肉厚の
底板部３を介して気化室４が形成され、この気化室４の
底板部３の後部に突壁５が形成されているとともに、こ
の突壁５を介して上記底板部３の後部にスチーム室６が
連通して形成されている。

そして、上記気化室４及びスチーム室６の上部にはスチ
ームカバー７が上記ベース１に気密に取付けられ、気化
室４とスチーム室６とは突壁５の上部の連通部８を介し
て連通ずるようになっている。

また上記ベース１に上記気化室４の周囲において電気発
熱体９が埋設されている。

つぎに、前記底板部３において、上記気化室４と上記凹
部２とを連通ずる通孔１０が上下方向に穿設されている
。

この通孔１０は截頭円錐状の山形状に拡開したテーパー
状に形成されている。

また上記スチーム室６とベース１の掛回１１とを連通ず
る複数の細孔１２が上下方向に穿設され、かつこの各細
孔１２の下端部すなわちベース１の掛回１１にはスチー
ム噴出口１３が開口が［して形成されている。

また上記凹部２には上記通孔１０の後部に位置して凹部
２内に開口する袋状のねじ孔１４が穿設されている。

また１５は蓋体で、この蓋体１５は前記ベース１の凹部
２にほぼ適合する形状に形成され下面はベース１の掛回
１１と面一となる掛回１６をなしている。

またこの蓋体１５の中間やや前方上部に突部１７が一体
に突設されている。

この突部１７は前記ベース１の通孔１０に液密に嵌合す
るように截頭円錐状の山形状に拡開したテーパー状に形
成されている。

またこの蓋体１５の後方に前記ねじ孔１４に連通ずる取
付は孔１８が上下方向に貫通して穿設されている。

そうして、上記蓋体１５は前記ベース１の凹部２に嵌合
されているとともに、その突部１７が通孔１０内に密接
嵌合されこの突部１７の上面は気化室４の底板部３と同
一高さに保持され、取付は孔１８からベース１のねじ孔
１４にねじ込まれたねじ１９によって着脱可能に取付け
られかつまた蓋体１５の掛回１６はベース１の掛回１１
と面一に構成されている。

つぎに、前記気化室４の上部におけるスチームカバー７
に、前記通孔１０に対応する上方位置において滴下孔２
０を有する滴下バルブ２１が取付けられている。

また、上記スチームカバー７の上部には上記滴下バルブ
２１に連通したタンク２２が取付けられ、このタンク２
２の前方上部に注水口２３が取付けられている。

そして、上記タンク２２を貫通して前記滴下バルブ２１
に対する弁杆２４が上下動自在に設けられ、この弁杆２
４の下端部には滴下バルブ２１の滴下孔２０を開閉する
弁２５が取付けられ、またこの弁杆２４の上部に弁杆２
４を上方に附勢するコイルばね２６が装着されていると
ともに、弁杆２４の上端部にばね板２７を介して、係合
部２８を有する操作釦２９が取付けられている。

さらに、上記タンク２２の上部にハンドル３０が取付け
られ、このハンドル３０に上記操作釦２９を嵌挿した釦
孔３１が穿設されている。

３２はカバーである。このような構成において、スチー
ムを用いないドライアイロンとして使用する場合は、操
作釦２９を押し下げ、その係合部２８をハンドル３０の
釦孔３１の内側面に係合するとともに、ばね板２７を介
して弁杆２４を押し下げ、この弁杆２４の下端部の弁２
５で滴下バルブ２１の滴下孔２０を閉塞する。

そして、発熱体９に通電してベース１を加熱する。

また、スチームアイロンとして使用する場合は、操作釦
２９を操作して係合部２８をハンドル３０の釦孔３１か
らはずし、弁杆２４をコイルばね２６で上昇させ、滴下
バルブ２１の滴下孔２０を開く。

そして、タンク２２内の水を気化室４の底板部３におけ
る突部１７の上面の気化面に滴下し、瞬時に気化する。

滴下バルブ２１の下方の通孔１０は突部１７により塞さ
がれている為、気化能力を低下させずに円滑に気化する
ことができる。

そして、スチームは、気化室４内に突出した突壁５の上
部の連通部８を経てスチーム室６に入り、さらに、スチ
ーム室６の各細孔１２を通ってベース１の掛回１１に開
口する各々のスチーム噴出口１３から噴出される。

つぎに、ベースの清掃にあたっては、ねじ１９を取りは
ずし、蓋体１５をベース１の凹部２から取りはずすこと
により、蓋体１５の突部１７は通孔１０より容易に引き
抜かれベース１の凹部２に穿設した通孔１０が外部に露
出する。

そして、この通孔１０より清掃具を挿通し、この清掃具
で通孔１０の周辺及び滴下バルブ２１の滴下孔２０など
に付着した水あかを清掃除去することができる。

さらに、気化室４内に堆積した水あかなどは、通孔１０
より圧搾空気等を吹込むことにより効果的に掃除を行う
ことができる。

また、ベース１に蓋体１５を取付けるに当って、上記の
突部１７をガイドとして、通孔１０との孔合わせが容易
となり簡単に結合することができる。

本考案によれば、ベースに滴下バルブを備えた気化室を
設けこの気化室の底板部に気化室と上記ベースの掛回と
を連通ずる通孔を穿設し、この通孔に対し、上記ベース
の掛回と拘−の掛回を下部に有する蓋体の突部を着脱自
在に取付け、この突部によって上記通孔を開閉すること
により、気化室及び滴下バルブの滴下孔などの掃除を容
易に行うことができる。

この際、通孔は山形状に拡開するテーパー状に形成する
とともに、蓋体の突部も上記通孔に合致するように山形
テーパー状に形成したので、とくにシール材を用いるこ
となく通孔のシール性が大巾に向上されるとともに、固
着性が少なくまたこのテーパーは突部の抜き方向に拡開
されていることと相俟って気化室内などの清掃時には突
部を容易に通孔から引き抜くことができ、また通孔はテ
ーパー状に形成したので、その傾斜面の延長方向におけ
る気化室内を広範囲に亘って清掃することができ、その
ため通孔の気化室側の開口面の大きさは小さく必要最少
限の大きさでよいものである。

したがって、清掃に際しての操作性のすぐれたスチーム
アイロンを提供することができるものである。

【図面の簡単な説明】

図は本考案のスチームアイロンの一実施例を示す一部の
拡大断面図である。 １・・・・・・ベース、２・・・・・・凹部、３・・・
・・・底板部、４・・・・・・気化室、９・・・・・・
発熱体、１０・・・・・・通孔、１１゜１６・・・・・
・掛回、１５・・・・・・蓋体、１７・・・・・・突部
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 発熱体を有するベースの折面に凹部を形成するとともに
   、この凹部の上方に上記ベースと一体の底板部を介して
   滴下バルブを臨ませた気化室を形成し、上記底板部に上
   記凹部に連通ずる滴下バルブ掃除用の通孔を穿設し、上
   記凹部に上記ベースの折面の一部を形成しかつ上記通孔
   に嵌合する突部を突設した蓋体を着脱自在に取付けたス
   チームアイロンにおいて、上記通孔は山形状に拡開する
   テーパー状に穿設するとともに上記蓋体の突部は上記通
   孔に液密に嵌合するように山形テーパー状に形成したこ
   とを特徴とするスチームアイロン。