JPS6014471Y2 - スチ−ムアイロン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は純滴下式スチームアイロンの性能向上に関し、
使用時においてアイロンの温度が不充分な時、および不
使用時に、スチーム孔からの水漏れを防止することを目
的としたものである。

従来のスチームアイロンには完全バック式と純滴下式の
２種類のスチーム発生方式がある。

完全バック式は、ベース内気化室で発生したスチームが
一旦水鑵に戻り、圧力が高まるとスチーム誘導パイプを
通り、ベースの底のスチーム孔から噴出する方式である
。

この方式ではスチームは一旦水鑵内の水面上に出てスチ
ーム孔に導かれるので、ベース温度が低くなり気化能力
が下がっても、水鑵内に溜ったスチームだけがスチーム
誘導パイプを通ってスチーム孔へ導かれ、スチーム孔よ
り水が漏れることはない。

併し乍らこの方式は水鑵に圧力が掛かるため構造が複雑
になり、また転倒してスチーム誘導口が水中に没すると
水鑵中の水がスチーム孔より噴出することもあり、安全
面に問題がある。

純滴下式は水鑵の水が滴下ノズルから気化室内に滴下し
、発生したスチームはベース内のスチーム通路を通って
スチーム孔から噴出する方式である。

この方式は滴下ノズルから気化能力に見合った水量が滴
下されるようにしてあり、構造が簡単で安全面にも問題
はないが、ベースの温度が低くて気化能力が低下、若し
くは皆無の時、または不使用時に水鑵に水を残したまま
水平に放置すると、スチーム孔から漏洩して布や衣類ま
たは敷物を濡らしたり、ベースを発錆させたりする虞れ
がある。

本考案はこのような虞れをなくしたもので、以下図面に
より実施例を詳細に説明する。

第１図は本考案の１実施例を示す縦断面図で、図中、１
はベース、２はその気化室、３はヒーターでベース１に
鋳込まれ、４はベース１に多数設けられたスチーム孔で
ある。

５は蓋板でベース１を覆い、６は連結バッキングで蓋板
５に設けた水滴下用孔を囲繞して取付けられている。

７は滴下ノズルで後記水鑵の低部に構成され、その先端
は前記連結バッキング６を介して前記気化室２に通ずる
。

８はバイメタル、９は反転バネ装置で何れも蓋板５の上
面に取付けられているがその詳細は径線は後述する。

１０は水鑵で蓋板５の上方に着脱自在であり、１１は通
気パイプで水鑵１０の底部に設けた通気孔に通じ、１２
は弁体でスプリングの助けにより常時前記通気孔を閉鎖
している。

１３は弁棒で、その下端は二−ルドバルブになっており
、水の滴下を行なわない時は押し下げてノズル７を閉鎖
し、滴下時には下方に設けたスプリングの力で押し上げ
てノズル７を開く。

１４は着手で弁棒１３の上端付近に取付けられ、弁棒１
３が上ると水鑵１０の注水穴を閉鎖し、下るとこれを開
く。

１５は注水口、１６は注水口蓋である。１７はスチーム
釦で、これを操作して弁棒１３の上げ下げを行なう。

１８は水鑵用ロックで、これにより水鑵１０をアイロン
本体にロックする。

（以下第２図を併せて参照）。

１９は支持台、２０はＬ金具、２１は可動片でＬ金具２
０と図のように構成されている。

２２は押し棒、２３は板バネで可動片２１の右端付近り
金具２０の所定位置の間に屈設されている。

本考案の構成は以上の通りであるが、次にその作用を説
明する。

先ず、スチーム釦１７の操作により弁棒１３が下がり、
ノズル７を閉鎖すると同時に注水穴を開いた状態で、注
水口蓋１６を開き、注水口１５から水を水鑵１０内に所
定量注入する。

次いで水鑵１０をアイロン本体にロックし通電すると、
ベース１はヒーター３により加熱される。

ベース１が水滴気化に適する温度に達すると、ベース蓋
板５の上面に設置したバイメタル８により反転バネ装置
９の可動片２１の一端が押し上げられる。

成る位置で可動片２１は急動してその他端に設けた押し
棒２２が弁体１２を押し開く。

斯くしてスチーム釦１７を操作し弁棒１３を上昇せしめ
ると、注水穴は着手１４で塞がれ、ノズル７は開かれて
水が気化室２内に滴下する。

この際水鑵１０内の置換に要する空気は弁体１２が開か
れているので通気パイプ１１を通って供給される。

滴下した水は気化室２内の灼熱面に触れて即座に気化し
スチームとなってベース１のスチーム孔４から噴出する
。

アイロンの使用が終ればスチーム釦１７を操作して弁棒
１３を下げノズル７を閉鎖し、通電を停止するが、弁棒
１３を下げ忘れても、通電が停まってベース１の温度が
低下すると、バイメタル８が反転バネ装置９に対して温
度上昇の時と反対に作用し、押し棒２２が下って弁体１
２が通気孔を塞ぎ、注水孔も着手１４によって塞がって
いるから水鑵内には置換空気の入りようがなく、ノズル
７は開いていても水は滴下しない。

従って水がスチーム孔から漏出することもない。

このことは水鑵１０に水を残したまま弁棒１３を下げ忘
れ、アイロンを水平状態で格能保管した場合等も同様で
ある。

以上説明したように本考案によれば、スチームアイロン
の温度が低い状態の時にスチーム釦を誤って操作した場
合や、残水保有のまま転倒したり、水平状態で放置また
は格納保管した場合水漏れを起こすことなく、従来の欠
陥を解消した効果は見るべきものが大いにある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例の縦断面図、第２図はその１
部をなすバイメタルと反転バネ装置の斜視図である。 １・・・・・・ベース、２・・・・・・気化室、５・・
・・・・蓋板、７・・・・・・滴下ノズル、訃・・・・
・バイメタル、９・・・・・・反転バネ装置、１０・・
・・・・水鑵、１１・・・通気パイプ、１２・・・・・
・弁体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 気化室を有するベースと、ベース上方に位置し、底部に
   設けた滴下ノズルにより前記気化室に連通した気密構造
   の水鑵を有し、この水鑵の底部に設けられ、大気と連通
   した通気孔を覆って通気パイプを水鑵内に設立し、前記
   通気孔の開閉用弁体に係合するバイメタル式反転バネ装
   置をベースの蓋板上面に備えたことを特徴とするスチー
   ムアイロン。