JPS5927919Y2 - スチ−ムアイロン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はタンクに連通ずる注水口に蓋を設けてなるス
チームアイロンに関する。

この種スチームアイロンの蓋は、注水口への塵埃等の侵
入防止および注水口からの蒸気の噴出を防止するために
設けたものであり、このため蓋の裏面には蒸気が結露す
るものであった。

したがって従来では結露水の外部への流出を防止する必
要から、蓋の注水口に対する密閉度を確保する構造を余
儀なくされ、種々の構造が実現されているが、いずれの
場合でも構造が複雑で高価になるという欠点があった。

。この考案は前記の欠点を除去することを目的としてな
されたものであり、以下この考案の一実施例を図面を参
照して説明する。

図中１は上部に把手２を有するアイロン本体で、その下
面にはヒータ３を埋設したベース４が設けられている。

アイロン本体１内にはサーモスタット５が装着されてお
り、このサーモスタット５にはベース４の温度を感知し
てヒータ３への通電を自動的に断続する構成のものが用
いられる。

このサーモスタット５はアイロン本体１上面に設けた調
節ダイヤル６により動作温度を調節され、これによって
ベース４の温度を制御するようになっている。

またアイロン本体１にはタンク７が収納されており、こ
の前部上面には把手２の前部起立部２ａに形成した注水
路８の一端開口部が接続されている。

この注水路８の他端は把手２の前部起立部２ａにおける
上部前面に開口して注水口９をなしている。

そして、・・この注水口９はその底部９ａがタンク７に
向けて下方に傾いているとともに、開口の水平方向に沿
う幅ｌが注水口底部９ａに向かうにつれて先細状となる
ように漸次せばまる内面を有して形成されており、本実
施例は半楕円状内面の場合を示している。

この注水口９は合成樹脂等からなる蓋１０により施蓋さ
れている。

この蓋１０はそのセルフヒンジ部１０ ａを中心に回動
して注水口９を開閉し、かつ施蓋時には先端に設けた係
止舌片１１が注水口９の底部９ａ外面に設けた係止部９
ｂに係合して閉塞状態を保持するようになっている。

そして蓋１０の裏面には例えば横方向に沿って４本の水
切り用の突起１２・・・・・・が一体に形成され、これ
らの突起１２・・・・・・の先端は注水口底部９ａの傾
斜上端よりも内方、つまり傾斜下端側に突出していて、
これによって結露水を注水口９の底部９ａに水返しする
ように構成しである。

また前記タンク７はベース４の上面に形成した蒸気発生
室１３と連通ずるようになっている。

そして、これらタンク７と蒸気発生室１３との境には弁
座１４が設けてあり、この弁座１４はニードル弁１５と
ともに滴下用弁１６を構成している。

ニードル弁１５は、連結杆１７を介して把手２の上面に
突出するスチーム操作つまみ１８に連結され、このつま
み１８の操作により上下動して滴下用弁１６を開閉する
ものである。

なお、１９は弾性部材である。また蒸気発生室１３はベ
ース４に形成された蒸気噴出口２０を介して外部に連通
されている。

このような構成のスチームアイロンにおいて、そのタン
ク７内には蓋１０を開放して注水口９から水を供給でき
る。

そして、この給水後ヒータ３に通電してベース４を加熱
し、適宜スチーム操作摘み１８を操作してニードル弁１
５を上方に移動させ滴下用弁１６を開けると、タンク７
内の水がベース４上面に滴下される。

このため蒸気発生室１３に蒸気が発生充満し、この蒸気
が蒸気噴出口２０から噴出され、布地等に蒸気を供給し
ながらアイロンがけを行うことができる。

また、このような使用によりタンク７内の水は間接的に
加熱されるから、これによって発生する蒸気はタンク７
および注水路８内に充満し、その壁面に結露する。

しかして注水口９を塞ぐ蓋１０の裏面に結露した結露水
は下方に流れ落ちるが、蓋１０の裏面には水切り用の突
起１２・・・・・・が設けであるため、結露水は水切り
用の突起１２・・・・・・の突出端から注水口９の傾い
た底部９ａに滴下する。

一方、注水口９がその開口の水平方向に沿う幅ｌが注水
口底部９ａに向かうにつれて先細状となるように漸次せ
ばまる内面を有して形成されていることから、この内面
に結露した結露水は速かに注水口内面に沿って注水口底
部９ａに向けて流下する。

したがって、タンク７方向に向って傾斜している注水口
底部９ａには、蓋１０裏面の結露水および注水口９内面
の結露水が戻されて合流するから、これら合流した結露
水は注水口底部９ａにたまることなく、底部９ａの傾き
に沿って速かに流下し、注水路８を通ってタンク７内に
戻されるものである。

このため、蓋１０と注水口９との当接面側に結露水がた
まって外部に流出することが防止される。

そして、このように蓋１０の内面に突起１２・・・・・
・を設けることによって水返しを行う構造によれば、蓋
１０の密度を特別に高める構造とする必要がなく安価に
構成できるとともに、蓋１０を開放した際にも結露水が
外部にこぼれ落ちることもない。

さらに、注水口９の既述の内面構造によれば、同内面に
角状の隅部が形成されないので、その拭き掃除する場合
に容易に行える。

なお、この考案は前記一実施例に限らず、例えば水切り
用の突起は蓋の裏面に注水時等における注意書きの文字
等の表示を設ける場合、この表示を突起により形成して
水切り用の突起としてもよい。

また蓋は合成樹脂に限らず金属でもよく、この場合水切
り用の突起はプレス加工により裏面側に打ち出して形成
できる。

さらに蓋のヒンジもセルフヒンジに限られず、しかもヒ
ンジの位置も注水口の上縁以外にも下縁または左右側縁
でも差支えない。

なお、この考案は蓋をキャップ状として注水口に着脱自
在に被嵌できるようにした場合にも実施できる。

この考案は以上説明したように、把手の前面に開口する
注水口に蓋を設けてなるものにおいて、前記注水口は、
その底部がタンク方向に傾いているとともに、開口の水
平方向に沿う幅が注水口底部に向かうにつれて先細状と
なるように漸次せばまる内面を有して形成され、かつ前
記蓋の裏面にはその注水口施蓋時に前記底部の傾斜上端
よりも内方に突出する水切り用の突起を設けたことを特
徴とする。

したがって、蓋の密閉度を特別に高めたりする必要がな
く、すこぶる簡単な構成で結露水の外部への流出を防止
できるとともに、注水口の内面構造によって、注水口内
面と蓋裏面に結露して注水口底部に戻される結露水を合
流させて速かにタンクに戻し得、かつ注水口の拭き掃除
も容易になるという実用上の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し、第１図は一部を断面
して示す側面図、第２図は蓋を開けた状態の要部の斜視
図である。 ２・・・・・・把手、７・・・・・・タンク、９・・・
・・・注水口、９ａ・・・・・・底部、１０・・・・・
・蓋、１２・・・・・・突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 把手の前方に開口する注水口に蓋を設けてなるものにお
   いて、前記注水口は、その底部がタンク方向に傾いてい
   るとともに、開口の水平方向に沿う幅が注水口底部に向
   かうにつれて先細状となるように漸次せばまる内面を有
   して形成され、かつ前記蓋の裏面にはその注水口施蓋時
   に前記底部の傾斜上端よりも内方に突出する水切り用の
   突起を設けたことを特徴とするスチームアイロン。